ある公認会計士が買収し理事長に就任していた社会福祉法人が経営破綻し、連鎖倒産が急増しているという記事。複雑な資金循環が存在していたようです。
「9月28日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し同日、開始決定を受けた(社福)サンフェニックス(TSR企業コード:722070942、福山市)に関連した連鎖破綻が相次いでいる。
サンフェニックスは、公認会計士のA氏が買収し2016年4月、理事長に就任した。しかし、介護施設の不振が続き、買収資金が資金繰りを圧迫していた。問題はそれにとどまらず理事長が経営を支配するグループ会社同士が資金を循環し、買収後のサンフェニックスも循環取引の輪に組み込まれていた。買収時に手元にあった30億円の現預金もグループ会社へ流出している。
そして、グループ会社の経営が行き詰まり、資金循環が出来なくなったことがサンフェニックス破たんの一因になった。
サンフェニックスの民事再生後、資金循環先や理事長が実質支配する医療法人3社、一般法人1社が相次いで破綻に追い込まれた。さらに少なくとも2社が破産準備に入っている。理事長が関係する会社は40社近くあるとみられ、まだ連鎖倒産の輪が広がる可能性も出てきた。」
経営していた会社を破綻させてしまったからといって、それは犯罪ではないし、傘下のグループ会社間で資金を融通していたからといって、直ちに違法行為というわけではないでしょう。しかし、社会福祉法人などでは、しかるべき機関決定なしに、貸付などで資金流出させていたら、背任でしょうし、債権者をだます意図があれば、詐欺かもしれません。不透明な経営であることは間違いなさそうです。
当サイトの関連記事(サンフェニックスやそのグループ会社の破綻について)(←リンク先で紹介している記事では、会計士の実名も記載されています。)
会計士の名前を検索すると、会計士協会関連団体の資料などに行き着きます。また、会計士協会のサイトでもヒットします。しかし、同一人物かどうかは不明です。よくありそうな名前なので、同姓同名かもしれません。
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