会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

のれんから見えるIFRS適用企業の実態(ITproより)

「38億円の赤字」が、なぜIFRSを使うと「16億円の黒字」になるのか
のれんから見えるIFRS適用企業の実態


「「のれんの非償却」により利益がかさ上げされること...が(IFRS採用の)モチベーションの一つとなっているのは否めない事実」だとして、IFRS適用(予定を含む)会社におけるのれんの状況を調べて論じている記事。IFRS適用(または予定)の117社から上場連結子会社30社を除外した87社を対象としています。

「のれん純資産比率が100%を超える企業、すなわち、のれんの減損の状況次第では債務超過に陥る可能性のある企業は6社ある。50~100%の企業が8社、40~50%が3社、30~40%の企業が9社、20~30%の企業が10社と続く。

のれんを全く持っていない企業は、わずか11社だった。東証全体の傾向に関する情報は持ち合わせていないが、この比率は東証全体の分布とはかなり異なると考える。」

のれん純資産比率が比較的大きい会社について、個々にコメントしています。

最後の結論部分より。

「減損による経営の変動性(ボラティリティー)が問題になるが、そもそものれんの減損リスクはM&A時の投資採算判断のプロセス、統合以後(ポストマージャー)のプロセスにあり、会計基準の問題ではない。

将来キャッシュフローを的確に見積もる能力がない、被買収企業の運営に自信がない、といった企業がM&Aによる企業成長を求めるのはリスクが高すぎる。会計基準を論じる前に、経営管理体制を整備する必要があるということだ。」

正論です。
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