会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

MXテレビ常務、接待費など3500万円を制作会社に虚偽請求させる…「経費請求が煩雑」(読売より)

MXテレビ常務、接待費など3500万円を制作会社に虚偽請求させる…「経費請求が煩雑」

東京のMXテレビの常務が、取引先(「懇意の番組制作会社」)に架空請求させ、その代金を受け取っていたという記事。

「東京メトロポリタンテレビジョン(MXテレビ)は26日、番組制作部門担当の常務が、取引先との接待で支払った飲食代など3500万円余りについて、懇意の番組制作会社に「VTR製作費」の名目で同局に虚偽の請求を行わせ、入金分を受け取っていたと発表した。常務は近く辞任する。」

横領目的ではなく「局内の経費請求が煩雑だと考えた」のだそうです。

当社における不適正な経理事案についての特別調査委員会の報告とその対応について(東京メトロポリタンテレビジョン)(PDFファイル)

「当該常務取締役は接待交際費を捻出するために、取引業者にその領収書を引き受けさせ、実態のない「VTR製作費」として当社に形式的には虚偽の請求を行わせていました。」

「形式的」(だから罪はない?)という点を強調したいようです。

「当該行為は不適正な経理処理ではありますが、部署においては実態が接待交際費であることが知られていたため、いわゆる詐欺の欺罔行為に当たる可能性は低く、また、私的着服、他者の図利を目的とするものではないため、横領、背任、特別背任が成立する可能性も低いものと報告されています。」

組織ぐるみで、見逃していたということでしょう。

また、不正に協力させられていた「懇意の番組制作会社」の方も、大迷惑でしょう。

「必要な損害賠償請求については、別途、税務の修正申告等も踏まえ、損害を確定させたうえで行う予定でおります。」

税務署は許してくれないでしょう。

2019年3月期まで有報を提出していたようです(そのときの監査人はトーマツ)。

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