会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

ソフトバンク株、衝撃低評価の背景…個人投資家に人気も

ZAKZAK

米リーマン・ブラザーズ証券が、機関投資家向けレポートでソフトバンクの目標株価を最新のリポートで900円に引き下げた(24日現在の株価は2370円)という記事。

割高な価格でボーダフォンを買収したと見ているようです。「ボーダフォン日本法人の資産の対価として1兆8350億円を払ったが、ソフトバンクの有形固定資産は3月末から5370億円しか増えていない」ということで、買収額のうちの相当額がのれんになっています。

国際会計基準では、株価の時価総額と純資産の簿価とを比較して簿価の方が大きければ、のれんなどの固定資産の減損の兆候となります。おそらく、「固定資産の収益性が簿価と比べて低下していると市場が予想=>株価下落=>資産の生み出す将来キャッシュ・フローを見積もって市場の予測が正しいかどうかを確かめる=>市場の予測どおり将来キャッシュ・フローが足りなければ減損処理して簿価を減らす」という考え方なのでしょう。たまごと鶏のどちらが先かみたいな話ですが、監査人も、株価に無関心ではいられないというケースです。

日本基準では、株価の下落は兆候の例示には含まれていませんが、理屈から言えば、減損の兆候と考えるべきでしょう。この記事の例では、リーマン・ブラザーズのアナリストの予測どおりの株価になれば、のれんをはじめとする固定資産の減損処理を検討する必要が出てきます。
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