2006年7月31日に開催された企業会計審議会の企画調整部会の議事要旨。
この回は、「会計基準のコンバージェンスに向けて(意見書)」がまとめられ、大臣に提出されています。しかし、議論を読むと、意見がまとまったというより、まだまだ各委員の考え方には幅があるようです。
例えば、企業結合会計について、次のようなやりとりがあり、委員間で(あるいは委員と金融庁の間で)意見書の解釈が違うようです。
「・意見書(案)を尊重すれば、企業結合会計基準を短期項目として取り扱うことが自然な対応であろうが、同会計基準は、2008年までに結論を出すのが難しく、この項目の結論を急ぐとおかしな結果になることが懸念される。
・意見書(案)では、2008年までに結論を出すことが可能なものと可能ではないものを整理し、今後どのように作業を進めるのかを明確にすることが必要としており、企業結合会計基準を短期項目とすべきとは示唆していない。 」
また、コンバージェンスの基本的な考え方についても、次のような意見交換がなされています。
「・会計基準のコンバージェンスの動きには、同等性(第一段階)と収斂性(第二段階)の2つの段階があり、現在、1段目で日本の会計基準がパスポートとしての有効性を認められた段階ではないか。今後、収斂がなされないと、毎回、ビザが必要になるのではないか。
・ビザは相互承認上の話。ビザなしで入国したいから、相手国の国籍をとる、すなわち国際会計基準をそのまま受け入れるというのは、次元の違う話ではないか。」
要するに、(その認識が正しいかどうかは別として)会計基準のレベルは海外基準と同じになったが、その次に目指すのが、基準を国際的に収斂させることなのか、あるいは、基準は変えないで日本基準との相互承認を米国やEUに認めさせることなのかという選択です。意見書では前者の考え方をとっているはずですが、審議会の中にも別の意見の人がいるようです。
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