ESGに関する開示を統一する動きがあり、そのための新組織に日本人を送り込めるかが焦点だという記事。
「これまで環境・社会問題に関する開示基準づくりは、5つの団体がそれぞれの方針で進めてきた。たとえば米国のサステナビリティ会計基準審議会(SASB)は、投資家を意識した数値基準を重視。オランダのグローバル・リポーティング・イニシアチブ(GRI)は消費者や労働者向けの開示項目が多い。
脱炭素に限れば、公的機関である金融安定理事会(FSB)の進める気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)もある。投資家と企業から「おおいに戸惑ってきた」(米公的年金のトップ)との声も出ている。」
「ここに来て、ようやく基準統合の動きが出てきた。SASBなど5団体は9月に「包括的な事業報告の実現」に向けて連携すると発表。一部で再編も始まった。同月には国際会計基準(IFRS)をつくる国際会計基準審議会(IASB)の母体、IFRS財団が統一的なESG基準づくりをする新組織設立の提案を公表。12月末まで関係者から意見を募る。」
「日米欧の金融関係者の見方を総合すると、英国で第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)の開催が予定される来年11月が一つの節目のようだ。その時までにIFRS財団が新組織の設立を正式に決め、SASBなど5団体やTCFDと一緒に基準づくりを進めるというのが有力だ。新組織の理事会メンバーの人選も並行して進めていく。
日本としては新組織の理事会に日本代表を送り込めるかが焦点だ。」
「すでに金融庁はIFRS財団の新組織を支持すると表明した。今後は「環境や人権の問題で欧米人と議論し、調整できる人材を探す必要がある」(金融庁幹部)。」
建前的には、地球規模の問題解決に役立てるのが目的なのですから、「会計外交」とか国益を前面に出すようなことはいわない方がいいように思われます。経団連の息がかかったような人を出しても、抵抗勢力としてうとまれるだけかもしれません。
環境や人権の問題といっても、足元の人質司法(日産ゴーン事件で国際的に有名になりました)や外国人実務研修制度の問題などをまず解決すべきでしょう。
当サイトの関連記事(IIRC, SASB, GRIなど5団体の共同声明についての解説記事について)
その2(IFRS財団のサステナビリティ報告に関する協議ペーパーについて)
その3(サステナビリティ報告に関するIFRS財団の市中協議文書への金融庁などによるコメントレターについて)
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