会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

スカイマーク、"主役不在会見"の一部始終(東洋経済より)

スカイマーク、"主役不在会見"の一部始終

スカイマークが経営破たんを発表した際の記者会見の模様を伝える記事。

会計に関係のありそうな気になる部分があります。

「スカイマークは2012年6月からエアバス「A330」型機合計10機のリースを受けて利用してきたが、2014年1月頃から始まった急激な円安の進行により、ドル建てリース料の支払い額が膨らみ、大きな負担となった。」

「スカイマークの持つ現預金は、2014年9月末時点で45億円まで枯渇した。この状態でさらに違約金の支払いが発生すれば、自主再建は困難になると経営陣は判断。資金支援を受けるため、今回の民事再生手続きをするに至ったという。なお、申し立て時点の負債総額は、710億0880万円となっている(エアバスから求められている解約違約金は未確定のため含まず)。」

「――民事再生に至った最大の要因は?

「A330」のリース契約を結んだことだ。当時(2012年6月)の為替レートは1ドル=80円前後。2012年3月期の営業利益率は20%近くに達するなど業績も好調で、リース料の支払いに問題はないと考えた。しかし、その後、1ドル=120円台まで円安が進み、リース料の支払いが単純計算で1.5倍になった。契約を結んだ当時は正しい経営判断だと思っていたが、ここまで為替が急変動するとは読み切れなかった。」

同社の負債は、2014年9月末で、繰延税金負債や引当金を含めても約390億円しかありません(借入金や社債はなし)。時点の違いはありますが、負債総額710億円(エアバス違約金は含んでいない)との差額約3百億円は何なんでしょうか。

また、破たんの原因として、ドル建てのリース料が挙がっていますが、同社の有報等を見ても、多額のドル建てリース債務があるということは、注記等で開示はなされていないようです(リース債務全体でも約23億円しかBSには計上されていない)。

これがファイナンスリースであれば、リース債務として、ドル建ての債務がBSに計上されるはずです。円安になれば、その評価替えで為替差損が計上されることになります。

おそらく、オペレーティング・リースという扱いで、オフバランスになっている(財務諸表利用者からは隠されていた)のだと思われますが、そうであれば、現行会計基準の欠陥ともいえます。

スカイマークの大口債権者、最大は147億円のGE系リース会社(ロイター)

「東京地裁に提出された申立書によると、最大の債権者はGEキャピタル・アビエーション・サービス(GCAS)で債権額は147億6615万円。

このほか、AWASアビエーション・トレーディング・リミテッド(137億4621万円)、アビエーション・キャピタル・グループ(74億7731万円)などが名を連ねる。」

「GCASやAWASなどの大口債権者はスカイマークが運航に使用している「B737―800」型機などの航空機リースを請け負っている。」
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