会計ニュース・コレクター(小石川経理研究所)

3 月決算会社の 2024 年定時株主総会 有価証券報告書の総会前提出は 40 社(大和総研より)

3 月決算会社の 2024 年定時株主総会 有価証券報告書の総会前提出は 40 社
有価証券報告書の総会前提出の現状と課題

東証上場 3 月決算会社 2,190 社について、定時株主総会開催日と有報提出状況を調べたレポート。

サマリーより。

「2024年3月決算会社(東証上場)2,190社のうち総会前提出を実施していたのは40社にとどまった。」

「他方、定時株主総会開催日当日および翌日に有価証券報告書を提出したのが1,911社(全体の87.5%)であった。このことから、定時株主総会開催日には、有価証券報告書提出の準備が整っている上場会社が大多数であることが推測される。」

総会開催日と有報提出日の関係を示すグラフ。

たしかに、総会当日か、翌日に有報を提出している会社が非常に多いようです。

「定時株主総会開催日当日または翌日の有価証券報告書の提出が大多数である一方、総会前提出の例も 3 月決算会社 2,190 社中 40 社と少数だが確認できる。その内訳は、図表 4 の通りで、定時株主総会開催日のおよそ 2 週間前が最も早く総会前提出を行っていた事例であった。」(3ページ)

定時総会の開催時期にもよりますが、月末の開催であれば、有報を総会の1週間程度前に提出することができる会社は、かなり多いのでしょう。

しかし、「投資家・株主が定時株主総会の前にその内容をよく読み込むことができるタイミングでの提出が必要である」(1ページ)とすれば、1週間前では不十分なのでしょう。

こちらの記事も参考になります。議決権や配当の基準日の問題などを取り上げています。

株主総会基準日は有報の後に ――株式市場の健全性向上に――(スチュワードシップ研究会)

「現在日本ではほとんどの企業が決算日と議決権基準日、配当基準日を同じ日にしている。だから配当や議決権が欲しければ、3月末までに株主になる必要がある。これらは世界各国に比べて相当早いタイミングだ。コロナ禍の最初の年である2020年にPWCがまとめた資料によると、議決権基準日、すなわち株主総会で株主として決議に参加するための締切日は、米国では10日前から最長で2か月前、英国やフランスでは2日前、ドイツは6日~21日前になっているそうだ。」

「多くの国では、まず決算を含む法定開示が発表され、それから株主総会基準日がくる。仮に日本のようにこれに配当基準日まで紐づけていれば(配当基準日の在り方は各国異なる)、最新の決算によって財政状況や配当余力を確認した後で、株主になることができる。財務だけではない。取締役の構成やガバナンス、事業の取り組みに将来価値(将来キャッシュフロー)の向上を期待すれば、やはり株式を取得し議決権を行使しようと考えるかもしれない。こうして株価はある意味、理論価格に近づくことができるだろう。そして最終的には、次の取締役や社の戦略に期待する株主が、株主総会で議決権を行使するだろうと期待することができる。」

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最近の「企業会計」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事