『バブル:日本迷走の原点』の著者と『野村證券 第2事業法人部』の著者による対談記事。
気になった部分。
「横尾:支店営業は単にノルマがきついのではなく、必ずお客さんが損するものを売るので、金額よりも精神的にきつい。大量に買ってくださる方はものすごくいいお客様ですが、買っていただいた瞬間に2割下がっている。」
「横尾:大学の途中で文系に変わりましたが、野村では理系だったのは僕ぐらいでした。恥ずかしい話ですが、野村證券には複利計算ができない人が多い。その中で、外債とか、デリバティブと言っても理解できないのです。先進国で日本だけが単利計算している、国民の知識が足りない証拠ですし、いまだに証券マンの何割かは複利計算の意味がわかっていない。僕はそれがわかるので優位性がありました。」
「永野:...
もう一つの疑問として、企業と国家の利害は一緒なのかという問題があります。たとえば、ソフトバンクは日本にとって重要な企業なのか。リスクをとって自由に3兆円投資するのは勝手ですし、アラブと10兆円ファンドを組むという立ち居振る舞いはなかなかのものだと思う。ただ、それが日本のためになっていないのに安倍さんが入れ込んでタッグマッチだと思い込むのはいかがなものか? 孫正義氏の行動は日本にとって正しいのかどうかは評価が難しい問題だと思う。」
「先進国で日本だけが単利計算している」という点は、会計基準にも反映しているのかもしれません。
![]() | バブル:日本迷走の原点 永野 健二 新潮社 2016-11-18 by G-Tools |
![]() | 野村證券第2事業法人部 横尾 宣政 講談社 2017-02-22 by G-Tools |