「汚れた王将」

犯人：米沢八段（フルネーム不明）
職業：将棋棋士
演　：坂東八十助（現坂東三津五郎）

内容
棋士生命をかけた「竜人戦」で、負けられない米沢八段は不正を行います。それに気づいた立会人の大石を灰皿で殴り殺してしまい、浴室での事故死に偽装する。たまたま旅館を訪れていた古畑は、犯人がスーツを着慣れていない人間と見抜き、米沢に目をつける。

作品として
合理主義の棋誌を演じたのは坂東八十助さん。本職に見えるほどのはまり役ですね。小説化されていない作品なので、ドラマでしか見ることのできない対決となっています。
旅館の中での古畑と米沢のやり取りも、作品全体の雰囲気を良くしていますね。

キーポイント
突発的な犯行のため、偽装工作には大きなトリックは使われていません。
一方で視聴者が見破らないといけないのは、「米沢が如何にしてイカサマを行ったか？」という部分。
伏線やヒントの与え方といい、この作品は手が混んでいます。

今回の名脇役
竜神戦の進行役(とでもいうのでしょうか)を演じているのは、古畑作品に大きな影響を与えている海外のドラマ
「刑事コロンボ」でコロンボの吹き替えを担当された石田太郎さん。コロンボと古畑の共演ともいえますかね。
コロンボとは反対に突拍子もない事を言い出す古畑に困らされる場面はコロンボファンとしても面白いものがあります。
氏は残念ながら2013年にドラマの撮影中に急逝されてしまいました。ご冥福を祈ります。