ベアドッグって ご存知ですか？

皆さん、“ベアドッグ” ってご存知ですか？
ベアドッグ ＝ Bear Dog、 クマ対策犬です。

昨今、 本来は 山に住むべき野生動物たちが 人間の住む町に降りてきて、
農作物を荒らしたり 時には人間に危害を加えたり、
といった問題が起こっています。

今までは 多くの地域で、そういった野生動物を殺し 生息数を減らすことで、
被害をなくそうとしてきました。

しかし、それでは 根本的な問題解決にならず、
地球に生きる さまざまな生き物が その生態系を維持しながら
共存していくのが望ましい と考えられます。


身近な観光地、軽井沢も 例外ではなく
ツキノワグマが 街に降りてきて、別荘地や人家のゴミ箱をあさることが 問題になっているんだそうです。

そこで、軽井沢に拠点を置く 『ピッキオ』 という ＮＰＯ法人が、
街に出没する ツキノワグマ１頭１頭の 行動を監視し
人と 人里の怖さを 教え込むことによって、クマに 人間の生活区域を回避させ、
人間とクマが 安全な距離を保てるようにする、といった活動をしており、
その活動において “ベアドッグ” という犬が 活躍している、という話を 耳にしたので
会いに行ってきました。


ベアドッグとは、正式名を “カレリアン・ベアドッグ ” といい
フィンランドと ロシアの国境地帯にある カレリア地方原産の犬で
およそ 100年にわたって、ヒグマ猟に向くように 改良されており、
多くの猟犬が 「獲物に襲いかかる」 という習性を もつのに対し、このカレリアン犬は
「主人が来るまで クマを一ヶ所に留めておく」 というスタイルを もっているそうです。
この点が 人・犬・クマ の安全を求める 対策の方針に合致し、
“クマ対策犬” として 活躍するようになったんだそうです。

下の写真は、実際に ピッキオで 活躍している ブレットくん。
非常に 優しい目をしていて、大人しくて 頭の良いワンちゃんでした。
お仕事に行く途中に 会うことができました。



今回は 会うことはできませんでしたが、 もう１頭 ルナちゃん という仔もいるそうです。
カレリアン犬は 非常に珍しい犬種で、日本には 恐らくこの２頭だけではないか、とのお話でした。
ただし 注意！　
カレリア犬の 本来の仕事は、飼い主から離れて 獲物を探すことなので 主従関係を結びづらく、
「来い」 の意味を理解させるだけでも 相当な時間を要し、しつけるのは非常に困難で
また、よく吠え 必要運動量も半端ではないため、ペットとしては 向かないんだそうです。



さて、難しい話は このくらいにして
ピッキオの 自然観察プログラムに参加して、実際に 山の中を 散策してきたので
写真を いくつかご紹介します。


何らかの理由で 亡くなってしまった ツキノワグマの剥製です。
クマというと 大きい というイメージがあるのですが、
ツキノワグマは とても小さく、全長 1.2～1.4m なんだそう。
子供（５歳）に 隣に並ばせてみましたが 同じくらいの大きさでした。




次、わかります？
クマが ご飯を食べようと 木に登って、ずるっ と滑った跡だそうです。
木の皮が 爪の形に ぺろん と剝けています。
こういった爪痕を 実際に見ると、クマの生活を より一層身近に （生々しく…） 感じます。




そして 山の中には 池もありました。 おたまじゃくしがたくさん！
皆さん、おたまじゃくしの裏側 って見たことありますか？
ピッキオのスタッフの方に 言われて、見てみたら…　　

ギャーーーーーーーーーーッ　（グロいのが苦手な人は スルーした方が良いです）



おたまじゃくしって 黒だと思っていたのですが、実は 半透明で
裏側は 臓器がすべて 透けて見えているのです。
左側に３つ、赤い塊が 見えますが、これが 肺と心臓 （両側が肺、真中が心臓）。
心臓が 鼓動している様まで 見えて興奮。
右側、ぐるぐる渦巻きは 腸なんだそうです。 綺麗に渦を巻いていて凄い！ 生命の神秘です。

ついでに もう１つ、おたまじゃくしについて 豆知識。
足と手が 生えてきますよね。
あれって、足と手が 成長して生えてくる のではなくて
もともと 体内に格納されている足と手が、期が熟した頃に 「ボンッ」 と飛び出てくるんだそうです。
知ってました？
あ、あとあと、おたまじゃくしって 共食いするらしいですよぉーーー。
口をアップで見ると ギザギザの歯が 並んでるんです。
食べるものがなくなると、この歯で 孵化する前の卵 （チューブになってるやつ） だって
食べちゃうんですってぇーーーー。 ワー！


ハァ 失礼、興奮してしまいました。
私、今回の取材で 何が一番心に残ったって おたまじゃくしの生態でした （ごめんよブレット…）。
だって 意外なんですもん。
特に スケスケの裏側なんて 一番 「萌え～」 （←使い方間違ってマスカ？） でした。

そして 何と、このおたまの裏側のことを 土屋先生は知っていた！
土屋先生 スゴーイ！！



で、最後は 通りすがりに見つけた 軽井沢の 立派な動物病院。
「いいなー あんなに大きくて」 と ボソッとつぶやいたら
「いや 無理でしょ」 と 即 オットに 却下されました。

わかってるよ そんなん。 言ってみただけです。





という訳で だいぶ 話がそれましたが、
『ピッキオ』 のプログラム、とても 面白いです。 すごーく 勉強になります。
ぜひ 参加してみてください！

ピッキオがある 『星野エリア』 は、自然の中に とても上手に 各施設が組み込まれており、
ペット連れの方が たくさん いらっしゃいました。
カフェは もちろんテラス席は ペットＯＫですし、
ワンちゃんを連れて 散策するだけでも 楽しめる造りになっています。

軽井沢と言うと、駅周辺と アウトレットが まず頭に浮かぶと思いますが
もう少し足をのばして 星野エリアに 行かれてみてはいかがでしょうか？