
前回の「いるべき場所」は社会人として猫道が勤める場所について。
今回の「いるべき場所」は表現者として猫道が活動する場所について。
まずは、先日12月23日のイベント【謳わず騙れ】の報告。
15名のキャストが何でも好きなものを読む。それだけで
こんなにもコントラストが生まれるのか!ってほど楽しかった。
全員の朗読は3時間以上に及び、終演と終電が一緒だったが
どの朗読も何かしら飽きさせない棘を持って客席を襲った。
しかし、本気のバトルっちゅうよりもスタイルウォーズで、
あまりにも皆のスタイルが噛み合わないもんだから、ぶっちゃけ
張り合いは全然ない(笑)。
ストレートに言えば、「本気出したら各々の分野でけっこー凄い
人達が、休日に集まってちょっと好きな音出してみる」という
色が強い祭りだったかも。
秋には大久保鷹と井の頭公園の野外フェスで作品創ってたりと、
俺からすれば俄然注目しちゃう野外芝居の申し子 伊牟田耕児氏
などはただの泥酔した土方でしかなく、『杜子春』をでれでれと
詠むのだけれど呂律は回らず、一向に終わらんので客が拍手して
強制終了させられていた(絶句)。
しかし、収穫も多く、NHKで以前開催されていた「詩のボクシング」
みたいな正統派ポエトリーリーディングをかました精神科医の
阿部幸弘さんや、あがた森魚関連のサントラ参加などで知られる
歌手の玉貴さんという方が『あめふらし』という気持ち悪いリリック
を美しい声でじとじと聴かせてくれたのがよかった。
(あと、犬のJONさんは聖書の不吉な一節をキュートに詠み、
俺は今は亡き三輪真弓を思い出した。)
さてさて、特筆すべきはトリをかざった特殊漫画家の根本敬さん
の詠みである。頭の中が、とっ散らかっている。吐く言葉が、
「喋る」というより「溢れてしまっている」という感じ。
方言でもないのに聞き取りづらい。日の出町に残った売春宿で
ピンクの明かりに照らされたオカマを見た話など延々とする
のであるが、本気でおかしかった。俺はかの大駱駝艦が掲げる
『この世に生まれ出でたることこそ、大いなる才能とする』
という言葉を連想した。
1月に出た無力無善寺のオープンマイクと違って「病気」の匂い
がしなかったことがこのイベントの良いところであった。
喋りのスキルには差があっても、俺を含めて出演者は皆一様に
「病人ではなく表現者」であり、そこが唯一の共通点になっている
ところが素敵だった。
MCの中村虻八さんもやたらと雰囲気があり、出演者全員の個性を
受け止める余裕の進行が地獄の案内人っぽくて楽しい。虻八さん
だけでなく、アルチュール佐藤さんも関わっていることだし、
本気の伊牟田さんを観てみたいから蜂蜜劇場の次回公演は必ず
チェックしようと思う。
猫道のソロ3作目となった『魔法のチョーク』は安部公房の小説を
元に書いたリリックで、言葉だけでもって客席に絵を見せるが如き
荒業。上演時間10分。何度か声に出して稽古し、テープに録り、
自分なりに流れを演出して臨んだが、本番は「客席に伝える・聴かす」
ということに全神経を使い、全体の演出にまで気を配れなかった。
70点くらいの出来。少し悔しいが手ごたえあり。リーディングは楽しい。
新しいリリックをたくさん書いてもっと演りたい。
@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @
さて、ここからが本題。今年猫道が表現者として関わった9作品をまとめ、
総括する。新作短編2本&リーディング2本の執筆と上演。演劇公演への
客演3回。イベント主催3回。なかなか面白い場所にいた。これらは確かに
「猫道のいるべき場所」だったやもしれん。
1月 ◆猫道プレゼンツ【赤旗JAM vol.2】 @王子 pit北/区域
・イベントオーガナイザー
・コヰマリ『良い子の森』で役者出演
◆イベント【はみだしっ子たちの朗読会】 @高円寺 無力無善寺
・猫道ソロ vol.2『天空杉並区~高円寺天空中古レコード屋~』で朗読出演
3月 ◆DULL-COLORED POP vol.4『ベツレヘム精神病院』 @新宿 タイニィアリス
・役者出演
5月 ◆猫道プレゼンツ【NEKOMICHI ROCK FESTIVAL'07】 @東高円寺 U.F.O CLUB
・イベントオーガナイザー
・猫道一家 vol.9『三井ゆりの生涯』で脚本・演出・音響プラン・役者出演
8月 ◆猫道プレゼンツ【魔夏ニ放ツ独演ノ狂宴!】 @新宿 シアターPOO
・イベントオーガナイザー
・ハマカワフミエ一人芝居『魔夏の果実』で脚本・演出・音響プラン
・猫道一家 vol.10『ヤルセナキヲ殺人事件』で脚本・演出・音響プラン・役者出演
10月 ◆DULL-COLORED POP vol.5『セシウムベリージャム』 @新宿 タイニィアリス
・役者出演(日替わりゲスト)
11月 ◆CoTiKプロデュース 野外劇『藪の中(remix)』 @柏 寺島文化会館前広場
・役者出演
12月 ◆イベント【謳わず騙れ】 @吉祥寺 Fourth Floor
・猫道ソロ vol.3『魔法のチョーク』で朗読出演
≪主催者として≫
2007年のステージをまとめてみるとまず目立つのが、イベント内での
新作の発表である。これは今後も是非続けていきたい。オーガナイザー
としては、自身のイベントに満足し、かつ次の目標がハッキリと見えて
いる状態である。(対バン相手としてラッパーやバンドやダンサーを
呼びたいなど)
≪表現者として≫
また、CoTiKプロデュースや【謳わず騙れ】など、自分の現在持っている
表現者としてのスキルと感覚でもって普段行かない場所を旅する経験は
これからもどんどん積んでいきたい。
新しいコネクションや世界、感触を掴めたらいい。何よりも楽しい。
≪役者として≫
外部の演劇公演への客演については、2007年は谷賢一特需で非常に
嬉しかったが、今後はよほどのことがない限りは(役者としての
能力的にも・仕事などの条件面でも)厳しそうだ。
時間堂ワークショップでも感じたことだが、「他人の書いた言葉を
喋ること」は猫道本来の強みを消すことだ。時間かけて徹底的に
俳優修業しない限りは、「猫道が他人の台詞で活きる」ことは
まずありえないと思う。(だから、厳密に言えば『ベツレヘム~』
のみ「猫道のいるべき場所」ではなかったかもしれん。しかし、
コヰマリはというと別で、「猫道とハマカワフミエの世界が混ざる」
というのが旨味なので、そもそも客演ではないのだ。ハマカワが
演りたい時がくれば、また演りたい。)
≪脚本・演出として≫
作演としては、猫道一家vol.9『三井ゆりの生涯』でしかちゃんと
チームを率いて戦わなかったが、今年の正月にブログで書いた以下の
5つの目標を2008年も継続して新作に臨みたい。
この5つは『三井ゆりの生涯』で達成され、それがライブの成功にも
繋がったと思っているものである。
(ってゆーか、とっとと職を決めて次を演り鯛っ)
●稽古後に楽しく毎回呑む。
●10名以下の打ち解けやすい人数でライブする。
●完本を今まで以上に早くし、60分以下の短い作品を入念に稽古する。
●スキルと真面目さを重視して役者を選び、客席に届く表現に気を遣う。
●党首猫道がフロントマンとしてメインで出演しまくる。
※トップ写真は【NEKOMICHI ROCK FESTIVAL'07】
撮影/masakic
今回の「いるべき場所」は表現者として猫道が活動する場所について。
まずは、先日12月23日のイベント【謳わず騙れ】の報告。
15名のキャストが何でも好きなものを読む。それだけで
こんなにもコントラストが生まれるのか!ってほど楽しかった。
全員の朗読は3時間以上に及び、終演と終電が一緒だったが
どの朗読も何かしら飽きさせない棘を持って客席を襲った。
しかし、本気のバトルっちゅうよりもスタイルウォーズで、
あまりにも皆のスタイルが噛み合わないもんだから、ぶっちゃけ
張り合いは全然ない(笑)。
ストレートに言えば、「本気出したら各々の分野でけっこー凄い
人達が、休日に集まってちょっと好きな音出してみる」という
色が強い祭りだったかも。
秋には大久保鷹と井の頭公園の野外フェスで作品創ってたりと、
俺からすれば俄然注目しちゃう野外芝居の申し子 伊牟田耕児氏
などはただの泥酔した土方でしかなく、『杜子春』をでれでれと
詠むのだけれど呂律は回らず、一向に終わらんので客が拍手して
強制終了させられていた(絶句)。
しかし、収穫も多く、NHKで以前開催されていた「詩のボクシング」
みたいな正統派ポエトリーリーディングをかました精神科医の
阿部幸弘さんや、あがた森魚関連のサントラ参加などで知られる
歌手の玉貴さんという方が『あめふらし』という気持ち悪いリリック
を美しい声でじとじと聴かせてくれたのがよかった。
(あと、犬のJONさんは聖書の不吉な一節をキュートに詠み、
俺は今は亡き三輪真弓を思い出した。)
さてさて、特筆すべきはトリをかざった特殊漫画家の根本敬さん
の詠みである。頭の中が、とっ散らかっている。吐く言葉が、
「喋る」というより「溢れてしまっている」という感じ。
方言でもないのに聞き取りづらい。日の出町に残った売春宿で
ピンクの明かりに照らされたオカマを見た話など延々とする
のであるが、本気でおかしかった。俺はかの大駱駝艦が掲げる
『この世に生まれ出でたることこそ、大いなる才能とする』
という言葉を連想した。
1月に出た無力無善寺のオープンマイクと違って「病気」の匂い
がしなかったことがこのイベントの良いところであった。
喋りのスキルには差があっても、俺を含めて出演者は皆一様に
「病人ではなく表現者」であり、そこが唯一の共通点になっている
ところが素敵だった。
MCの中村虻八さんもやたらと雰囲気があり、出演者全員の個性を
受け止める余裕の進行が地獄の案内人っぽくて楽しい。虻八さん
だけでなく、アルチュール佐藤さんも関わっていることだし、
本気の伊牟田さんを観てみたいから蜂蜜劇場の次回公演は必ず
チェックしようと思う。
猫道のソロ3作目となった『魔法のチョーク』は安部公房の小説を
元に書いたリリックで、言葉だけでもって客席に絵を見せるが如き
荒業。上演時間10分。何度か声に出して稽古し、テープに録り、
自分なりに流れを演出して臨んだが、本番は「客席に伝える・聴かす」
ということに全神経を使い、全体の演出にまで気を配れなかった。
70点くらいの出来。少し悔しいが手ごたえあり。リーディングは楽しい。
新しいリリックをたくさん書いてもっと演りたい。
@ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @ @
さて、ここからが本題。今年猫道が表現者として関わった9作品をまとめ、
総括する。新作短編2本&リーディング2本の執筆と上演。演劇公演への
客演3回。イベント主催3回。なかなか面白い場所にいた。これらは確かに
「猫道のいるべき場所」だったやもしれん。
1月 ◆猫道プレゼンツ【赤旗JAM vol.2】 @王子 pit北/区域
・イベントオーガナイザー
・コヰマリ『良い子の森』で役者出演
◆イベント【はみだしっ子たちの朗読会】 @高円寺 無力無善寺
・猫道ソロ vol.2『天空杉並区~高円寺天空中古レコード屋~』で朗読出演
3月 ◆DULL-COLORED POP vol.4『ベツレヘム精神病院』 @新宿 タイニィアリス
・役者出演
5月 ◆猫道プレゼンツ【NEKOMICHI ROCK FESTIVAL'07】 @東高円寺 U.F.O CLUB
・イベントオーガナイザー
・猫道一家 vol.9『三井ゆりの生涯』で脚本・演出・音響プラン・役者出演
8月 ◆猫道プレゼンツ【魔夏ニ放ツ独演ノ狂宴!】 @新宿 シアターPOO
・イベントオーガナイザー
・ハマカワフミエ一人芝居『魔夏の果実』で脚本・演出・音響プラン
・猫道一家 vol.10『ヤルセナキヲ殺人事件』で脚本・演出・音響プラン・役者出演
10月 ◆DULL-COLORED POP vol.5『セシウムベリージャム』 @新宿 タイニィアリス
・役者出演(日替わりゲスト)
11月 ◆CoTiKプロデュース 野外劇『藪の中(remix)』 @柏 寺島文化会館前広場
・役者出演
12月 ◆イベント【謳わず騙れ】 @吉祥寺 Fourth Floor
・猫道ソロ vol.3『魔法のチョーク』で朗読出演
≪主催者として≫
2007年のステージをまとめてみるとまず目立つのが、イベント内での
新作の発表である。これは今後も是非続けていきたい。オーガナイザー
としては、自身のイベントに満足し、かつ次の目標がハッキリと見えて
いる状態である。(対バン相手としてラッパーやバンドやダンサーを
呼びたいなど)
≪表現者として≫
また、CoTiKプロデュースや【謳わず騙れ】など、自分の現在持っている
表現者としてのスキルと感覚でもって普段行かない場所を旅する経験は
これからもどんどん積んでいきたい。
新しいコネクションや世界、感触を掴めたらいい。何よりも楽しい。
≪役者として≫
外部の演劇公演への客演については、2007年は谷賢一特需で非常に
嬉しかったが、今後はよほどのことがない限りは(役者としての
能力的にも・仕事などの条件面でも)厳しそうだ。
時間堂ワークショップでも感じたことだが、「他人の書いた言葉を
喋ること」は猫道本来の強みを消すことだ。時間かけて徹底的に
俳優修業しない限りは、「猫道が他人の台詞で活きる」ことは
まずありえないと思う。(だから、厳密に言えば『ベツレヘム~』
のみ「猫道のいるべき場所」ではなかったかもしれん。しかし、
コヰマリはというと別で、「猫道とハマカワフミエの世界が混ざる」
というのが旨味なので、そもそも客演ではないのだ。ハマカワが
演りたい時がくれば、また演りたい。)
≪脚本・演出として≫
作演としては、猫道一家vol.9『三井ゆりの生涯』でしかちゃんと
チームを率いて戦わなかったが、今年の正月にブログで書いた以下の
5つの目標を2008年も継続して新作に臨みたい。
この5つは『三井ゆりの生涯』で達成され、それがライブの成功にも
繋がったと思っているものである。
(ってゆーか、とっとと職を決めて次を演り鯛っ)
●稽古後に楽しく毎回呑む。
●10名以下の打ち解けやすい人数でライブする。
●完本を今まで以上に早くし、60分以下の短い作品を入念に稽古する。
●スキルと真面目さを重視して役者を選び、客席に届く表現に気を遣う。
●党首猫道がフロントマンとしてメインで出演しまくる。
※トップ写真は【NEKOMICHI ROCK FESTIVAL'07】
撮影/masakic
良かった、良かった、猫さんの毎日は充実していますね。
でも、ジョンはやるなぁ。
猫と犬の戦い(笑)