風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

尻礼(ケツレイ)した 

2007年02月19日 16時36分20秒 | 随想

福島大学人間発達文化学類 小川宏助教授の発想辞典を面白く読んだ。
「運転していて、2車線が1車線になったり道が混んでいるときに間に入れてもらった車がハザードランプを点滅させる、いわゆる「ありがとうメッセージ」を出す人が最近多くなったような気がします。本来は障害のあった時に使うシグナルであるので、使用法が違う。何かクルマそのものが「どうもありがとう!」って言ってるような感じがします。クルマなんて単なる鉄の塊なのにあの黄色いランプの点滅だけで、たとえどんなにでっかいトレーラーが割り込み気味で入ってきても、「悪りーね、急いでるもんで・・」とちょっと頭をかいて照れ笑いしてるような表情が浮かんできて、「まあ、いっか」と思わされてしまいます。あの点滅を出されて私と同じように「いいな」と思った人が自分でも出すようになってどんどん広まっていったのかなと思います。これだけ広まったということはそれだけあのシグナルをいいと思う人が多かったということではないでしょうか」

人様の前に自動車のデカイ尻・ちちゃな尻・可愛いい尻・醜い尻を突然見せ付けて失礼千万である。尻はケツとも言うから欠礼な話である。しかしハザードが点滅したとたんに、無機質の車に人格が発生するのである。「欠礼メセージ」である。

のろのろ走るダンプを追い越し信号で並列停車したら、ねじり鉢巻のおっさんが、窓を開けて敬礼してくれるじゃないか。軽自動車の時は、助手席の女の子が「おじちゃん、ありがとう」と言ってくれるじゃないか。将来良いお嫁さんになるよ。若いアベックの普通車は二人が黙ってお辞儀するじゃないか。平均的な家庭が出来るよ。若者の二人ずれは失礼の言い訳をしてくれる。言い訳するな、自分の行動に自信を持て。

大学の助教授が世俗の話をするのだから、日本の国は狂っていない。やはり車という機械を、制御するのは人間なのだ。人間の心なのだ。高価な車を醜くするのも、軽自動車を宝石にするのも、人間の心なのである。


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