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風まかせ~kabasan日記

「旅行記」や「ちょっと感じたひとりごと」など、北海道旭川より風のふくまま、気の向くまま。

こころ医者入門/なだいなだ著

2006-12-07 00:30:58 | 本棚
なだいなださんの本を読んだのは、「こころの散歩」「教育問答」「権威と権力」に続いて4冊目。最初に彼の本を読んだのはもう10年以上も前になる。大学時代に友人から薦められて読んだのがきっかけである。
久しぶりに読んだこの本「こころ医者入門」も、以前読んだものと同じく説得力ある論理展開に引き込まれ、あっという間に読んでしまった。
「狐憑き」「ヒステリー」「神経症(ノイローゼ)」「アルコール依存症」などの病気が、いかに社会のあり方と関係しているかがよくわかる。また、彼が精神科医として患者の治療にあたる中で体験したエピソードは大変面白く、病気とは何か、正常・異常とは何かを深く考えさせられるものだった。
中でも私が最も印象に残ったのは、解放されて自由になった社会だからこそ全ての人に求められるようになった人格形成へのストレスに対して、ストレスのなかった昔に戻るという方法ではなく、一人一人が自分自身の「こころ医者」になって問題に立ち向かうという生き方を提示しているところだ。このことは現代を生きる私たちにとって、大変重要な示唆を与えてくれていると思う。
読み終えた後で、胸につかえていた何かが、スーっと消えていく感じを覚える。そんな本だった。


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