東京でカラヴァッジョ 日記

美術館訪問や書籍など

原爆の図丸木美術館 2013.8(埼玉県東松山市)

2013年08月10日 | 展覧会(日本美術)

丸木美術館は、以前から気になっていた。
神奈川県立近代美術館葉山で≪原爆の図≫第1部と第3部を見たことを機に、初訪問を敢行した。


池袋から東武東上線急行で約1時間弱。
つきのわ駅なら、徒歩約30分。
森林公園駅なら、徒歩約50分、レンタサイクル約20分、タクシー約12分。
東松山駅または高坂駅なら、市内循環バスで約20分。停留所も美術館に近い。料金も100円(均一)とたいへんお得。
ただし、月~土曜日のみ運行(日・祝は運行しない)で、かつ、本数が少ない。
美術館の開館時間に合うバスの本数は、1日あたり東松山駅発が3本、高坂駅発が2本の計5本(帰りも5本)。
バスの時間にあわせての行動が必須。
この辺りの詳細情報は、日・祝はどうするかを含め、美術館HPに記載されている。

私は、行きは東松山駅から市内循環バスで、帰りは市内循環バスで高坂駅へ、とした。


鑑賞開始。

1:原爆の図

 当美術館は、≪原爆の図≫第1部から第14部まで所蔵している(第15部は長崎原爆資料館が所蔵)。
 私の訪問日は、うち8作品が出張中(葉山、広島、長野)。
 第1部と第3部は葉山で見たばかりだが、後期展示の第2部と第4部は当美術館にまだいるだろう、と勝手に想像していたが、展示期間に関係なく一緒に旅立ったらしい。ただ、戻りは別々。前期展示の2作品は先に帰還するらしい。
 (展示情報は、見落としていたが、美術館HPに記載されている。)

 2階では、第5、8、14部と第1~3部の原寸大複製、第4、12部の縮小複製。
 1階では、第9、10、11部。

 時間をかけて眺めたのは、第8部(救出)と第3部(水)の複製。
 テーマが重すぎて、消化できない。


2:共同制作

 1階の一番奥の大きな展示室に、次の大作4点が並ぶ。
 ≪南京大虐殺の図≫
 ≪アウシュビッツの図≫
 ≪水俣の図≫
 ≪水俣・原発・三里塚≫


3:田中正造没後100年・足尾鉱毒の図(太田市蔵)の特別展示

 期間7/13~9/8の企画展。1階。
 第1部「足尾銅山」
 第2部「押し出し」
 第3部「渡良瀬の洪水」

 第4~6部は、後期(8/10~)展示。


4:坑夫・山本作兵衛の生きた時代~戦前・戦時の炭坑をめぐる視覚表現

 期間7/13~9/8の企画展。1階。

 世界記憶遺産の炭鉱絵師、山本作兵衛(1892-1984)の作品が60点。
 3/16~5/6に東京タワーで開催の山本作兵衛展の出品点数も約60点。ひょっとすると、同じ作品なのかもしれない。

 加えて、同じ筑豊を描いた井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎、常磐を描いた大宮昇の絵画作品などが展示。

 井上為次郎、島津輝雄、山近剛太郎は、やはり筑豊の炭鉱で働いていた人たち。
 山近剛太郎は、重役として。引退後に、絵の手ほどきを受け、描いたらしい。
 島津輝雄(1927-1975)は、作兵衛と同じ一炭鉱夫。ただ、描いた時期を見る限り、作兵衛作品の人気を受けて俺も、という感じかも。
 井上為次郎(1898-1970)は、作兵衛と同じ一炭鉱夫で、かつ、作兵衛に先立つ時期に描いていたらしい。

 大宮昇(1901-1973)はプロの美術家で、仕事で常磐にかかわったのを機に、ということらしい。

 鑑賞は、山本作兵衛は軽くにとどめ、井上為次郎≪明治時代の炭鉱風俗≫全13点(強烈な作品群)や、大正期の各産炭地の主要石炭会社の写真帖が中心となった。

 この展覧会に合わせ、平凡社コロナブックスから 『山本作兵衛から遡る炭鉱』 が刊行されるとのこと(現時点では未刊)。 



美術館の場所は、確かに自然に恵まれて、画家のアトリエにはいいのだろうが、美術館として運営するには苦労が想像される。

真夏の訪問だったが、館内の冷房は扇風機のみ。
帰りのバスの時間に合わせるため、約2時間滞在したが、普段エアコン漬けの身は、結構消耗する。
もう1本、ペットボトルの水を持参すべきだった。 



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