東京でカラヴァッジョ 日記

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1922年のカラヴァッジョ(2)

2010年07月18日 | カラヴァッジョ
続きです。

1600年代から1700年代のイタリア絵画を総観する本展覧会。
カラヴァッジョは、イタリア・バロック絵画の創始者として、本展覧会のトップを飾る非常に重要な位置付けがなされています。

まず集められた作品数。
真作が16点、帰属作品が7点、カラヴァッジョ派が11点の計34点。
画家261名中第1位の作品数となっています。

ちなみに、上位10名の画家は、
1 CARAVAGGIO  (1569-1609) 【34】
2 CRESPI GIUSEPPE MARIA(SPAGNOLO) (1664-1747) 【32】
3 GUARDI FRANCESCO (1712-1793) 【28】
4 TIEPOLO GIOV. BATTISTA (1696-1770) 【23】
5 STROZZI BERNARDO (1581-1644) 【21】
5 FETI DOMENICO (1589-1624) 【21】
7 LONGHI PIETRO (1720-1786) 【20】
7 PITTONI BATTISTA (1687-1767) 【20】
9 CAVALLINO BERNARDO (1622-1654) 【17】
10 MAGNASCO ALESSANDRO (?-1747) 【16】
10 RICCI SEBASTIANO (1660-1734) 【16】


次に展示場所。

本展覧会に入場してすぐ、最初の3部屋が与えられています。具体的には
第1室(Sala degli Staffieri):カラヴァッジョ派作品
第2室(Salotto della Guardia):カラヴァッジョ派作品。Pietro da Cortona, Mattia Preti, Guido Reni, Alessandro Tiariniの作品も。
第3室(Sala delle Nicchie):カラヴァッジョおよび帰属作品


次に集められた作品。
以下のとおり豪華な顔ぶれ。

【真作】
1 聖母の死(ルーブル美術館)
2 勝ち誇るアモール(ベルリン、カイザー・フリードリッヒ美術館)
3 眠るアモール(パラティーナ美術館)
4 聖マタイと天使(サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂)
5 聖マタイの招命(同上)
6 聖マタイの殉教(同上)
7 エマオの晩餐(ローマ・個人蔵)
8 ダヴィデとゴリアテ(ボルゲーゼ美術館)
9 蛇の聖母(同上)
10 聖ヒエロニムス(同上)
11 ナルキッソス(国立古代美術館)
12 ロレートの聖母(サンタゴスティーノ聖堂)
13 聖パウロの回心(サンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂)
14 聖ペテロの殉教(同上)
15 瞑想の聖フランチェスコ(ローマ・カプチン聖堂)
16 メドゥーサ(ウフィツィ美術館)

1「聖母の死」が出品されているのが驚き。外国に旅したこともあったのですね。
7「エマオの晩餐」は現ブレラ美術館蔵のもの。
サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂やサンタ・マリア・デル・ポポロ聖堂、サンタゴスティーノ聖堂の作品も、フィレンツェに勢ぞろい。
豪華16作品。


【帰属作品】
1 バッカス(ウフィツィ美術館)
2 リュート弾き(トリノ絵画館)
3 オリーブの園のキリスト(ベルリン、カイザー・フリードリッヒ美術館)
4 ダヴィデとゴリアテ(ローマ、スパーダ美術館)
5 聖母と聖アンナ(同上)
6 洗礼者ヨハネ(バーゼル美術館)
7 聖ペテロの否認(ナポリ、聖マルティーノ修道院)

1「バッカス」は今では押しも押されぬ初期の代表作の一つ。
3「オリーブの園のキリスト」は20数年後の1945年に残念ながら焼失。
同じく焼失した「聖マタイと天使(第1作)」や「フィリデの肖像」(これらは出品されていません)と比べると、言及される機会が少ないのは、当時から真筆性に?がついていたからなのですね。
5「聖母と聖アンナ」は、トンマーゾ・サリーニの作品として、2001年の東京のカラヴァッジョ展で来日。


【カラヴァッジョ派作品】
1 ヴィッラノーヴァの聖トマス(アンコーナ、市立絵画館)
2 男の肖像(ローマ、個人蔵)
3 ユーディット(ローマ、個人蔵)
4 イサクの犠牲(ウフィツィ美術館)
5 魚屋(フィレンツェ、コルシーニ美術館)
6 女性の肖像(フィレンツェ、コルシーニ美術館)
7 果物籠と鳩(ミラノ・個人蔵)
8 アレクサンドリアの聖カタリナ(ローマ・個人蔵)
9 聖家族(トリノ、アカデミア・アルベルティーナ美術館)
10 静物(ローマ、個人蔵)
11 聖セバスティアーノと聖イレーネ(モデナ、個人蔵)

4「イサクの犠牲」、8「アレクサンドリアの聖カタリナ」は今では真作に格上げ。当時はカラヴァッジョ派とされていたのですね。
3「ユーディット」って、ひょっとすると、現パラッツォ・バルベリーニ国立古代美術館蔵の作品?(たぶん違うと思う)

帰属作品やカラヴァッジョ派作品は、具体的にどのような作品なのかは私では特定できないのが残念です。

さて、第1室~第3室を見終わりました。
第4室から第48室まで、カラヴァッジョ以外の260名、1000作品を見ることとなります。
これだけ見れば、1600年代から1700年代のイタリア絵画を語ることができるでしょう。

しかし、カラヴァッジョを目的に訪ねた展覧会。
カラヴァッジョ34作品で時間も体力も使ってしまいました。
しかも、最初の部屋というのがね、皆さん最初はまじめなので、どうしても込み合います。
心残りではありますが、初期の目標は達成したということで、退館することとしました。

続く


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