東京でカラヴァッジョ 日記

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【中期(2)】国宝《松浦屏風》、重文《湯女図》、ー「遊びの流儀 遊楽図の系譜」展(サントリー美術館)

2019年07月29日 | 展覧会(日本美術)
遊びの流儀 遊楽図の系譜  
2019年6月26日~8月18日
サントリー美術館


   中期(2)(7/24〜7/29)に再訪。
   重文《湯女図》(7/17〜29)と国宝《松浦屏風》(7/24〜8/18)の展示が重なる期間を狙っての再訪である。
   この2点は角を挟んで並んで展示されている。
 
 
   江戸時代前期の「遊び」「気晴らし」を描いた作品と、「遊び」「気晴らし」の道具が展示される展覧会。
 
   展示品のモチーフは、全部「遊び」「気晴らし」。
   ほとんどが江戸時代の17世紀の品。
 
   以下、特に長く眺めた作品を記載。
 
   
 
国宝《婦女遊楽図屏風(松浦屏風)》
江戸時代  17世紀
大和文華館
 
   初見。
   人物がでかい。等身大に近い婦女18人。他屏風の人物比で巨人。
   衣装の鮮やかさ。特に目を引く「兎」の文様は、各頭の姿勢・色が異なる。
   カルタ遊びをする婦女。カルタの図柄もしっかり描きこみ。
   婦女が皆同じ顔。18人いるが、実際は3〜4人を描いている異時同図法(?)。
 
 
重文《湯女図》
江戸時代  17世紀
MOA美術館
 
   2018年東博の展覧会以来2度目の鑑賞。
   通りをそぞろ歩く6人の女性、うち3人が後ろを振り向く。その視線の先には(本来)何があったのだろう。特徴的な目の描き方。作品名の由来は、左から二人目の女性の衣装に「沐」の字があるためとのこと。
 
 
《かるた遊び図》
江戸時代、17世紀
立命館大学アート・リサーチセンター
 
   カルタ遊びに興じる男女5人。手持ちのカルタで口元を隠す仕草の女性。男女の視線が交錯する様子。
 
 
《押絵輪舞図風炉先屏風》
江戸時代、17世紀
個人蔵
 
   小さく切り抜いた様々な裂地を貼り合わせた「押絵」技法。近づくと確かに、衣装や物は全て貼りつけられた裂地となっており、確かに衣装の「ミニチュアの見本帖のよう」で非常に印象的。踊る人物、同じ型を複数並べるときは裂地の色柄を変えるべくしているようだが、裂地も含め全く同じ人物を並べている箇所もある。
 
 
《輪舞図屏風》
江戸時代、17世紀
大和文華館
 
   左半分に描かれる、正確な円に近い輪を形作る63人の輪舞者たち。
   ほとんどが余白の金地の画面に、この印象的な円形の大きな輪。
 
 
重文《四条河原遊楽図屏風》  
江戸時代、17世紀
静嘉堂文庫美術館

   所蔵館での鑑賞以来、久々の2度目の鑑賞。
   中央に流れる青い鴨川。一大歓楽地・四条河原の賑わい。
   「ヤマアラシの見世物」「犬の曲芸」。鴨川で水遊びをする人々。幼児におしっこをされる女。足の不自由な男。ところてん、甜瓜(まくわうり)を食する人々。
 
 
 
【本展の構成】
1章   「月次風俗図」の世界ー暮らしの中の遊び
2章   遊戯の源流ー五感で楽しむ雅な遊び
3章   琴棋書画の伝統ー君子のたしなみ
4章   「遊楽図」の系譜1ー「邸内遊楽図」の諸様相
5章   「遊楽図」の系譜2ー野外遊楽と祭礼行事
6章   双六をめぐる文化史ー西洋双六盤・盤双六・絵双六
7章   カルタ遊びの変遷ーうんすんカルタから花札まで
8章   「遊楽図」の系譜3ー舞踊・ファッションを中心に
 
 
 
   すっかり虜になってしまった江戸時代・17世紀の遊楽図の世界、5点ほど展示替えが予定されている後期(7/31〜)も訪問する気になっている。


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