投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

4千年前のめん、中国・黄河流域で発掘

10月13日の記事です。中国も面白いものを見つけたものですね。でもにわかに信じられない話。

っていうかこれ粟や黍の粉でできた麺ではないと私は思いますね。




http://www.asahi.com/culture/update/1013/003.html

4千年前のめん、中国・黄河流域で発掘 「発祥」裏付け
2005年10月13日08時15分

 中国科学院地質・地球物理研究所などの研究チームが、同国北西部にある青海省の喇家(ラーチア)遺跡から約4000年前のものとみられる土器と、その底にあっためんの遺物を見つけた。現在、世界中に広がっている、めん類の発祥の地ははっきりしていないが、中国説を支持する成果と言えそうだ。13日付の英科学誌ネイチャーで発表する。

 チームは黄河上流域にある同遺跡の地層を発掘中に、逆さになった状態で埋まっているおわん状の土器を見つけた。掘り起こしてみると、底の部分から細長い形をしためんが出てきた。

 出土しためんは直径約3ミリで、長さは50センチ以上あった。色は黄色で壊れやすく、中国でつくられている伝統的なめん類に似ていた。炭素同位体を用いた年代測定から、この地層は約4000年前のものと考えられた。

 めんの原料となった穀物は、同じ地層から見つかった穀物との比較から、キビとアワとみられる。イタリアやアジアのめんによく使われている小麦とは異なっており、中国独特の原料とみなすことができた。

 めん類は2000年前には世界各地で食されていたと考えられているが、発祥の地としては中国のほかにイタリアやアラブ地方という説もある。研究チームは「我々の発見は、少なくとも4000年前にはこの地で穀物の粉をこね、ゆでて、めんを作っていたことを表している」と結論している。

 めんの歴史に詳しい研究者からは「めんについて中国で最も古い文字の記録は約2000年前。4000年前というのは古すぎて、にわかに信じがたい」との声も出ている。







さすが朝日新聞、ずいぶんと浮ついた記事の書き方のような気がする。だいたい麺の発祥の地なんて、一箇所に決めること自体おかしい。産経新聞は「時事通信」の配信記事だったが、もっと落ち着いた書き方だった。

英科学誌ネイチャーは、我々会社員が使う言葉で言えば「検討課題一覧」みたいな雑誌で、問題提起を発表するための雑誌のようだ。だからこの「麺」の件はこれから片付けなくてはならない検討課題のようなものだと思えば良い。

記事を読んでまずおかしいなと思うのは、果たして粟や黍で麺が出来るのかということ。そんなの聞いた事が無い。もっとも記事にも麺が粟・黍製とは書いていないのだが・・・そう読ませてしまう文章だ。

産経新聞の朝刊には写真が載っているのだが、確かに麺状になっている。しかし器の底で干からびた状態ではなく、何か針金をゆるく手で丸めたような形になっている。どうやったらこういう形で残るのだろうか。不思議だ。

麺を作るにはまず粉を作る必要がある。ロータリー・カーン(回転する臼)は無かったろうから、粉にするには小型のサドル・カーンで挽くか杵で搗いて粉にする必要があるが、そんな余裕が普段の生活にあったのだろうか?かなり手間がかかる作業になると思うが・・・。

それとも中南米のように石灰を混ぜた水に粟なり黍なりを一晩つけて、それをこねて麺状にするという手もあるが・・・トウモロコシなら知ってるが粟や黍できるのかどうか知らない。

今一般的にいわれている粉食は水車を動力とするミル・ストーンという大型の臼が普及してからということになっている。ローマも唐も同じ。シナには小麦と同時に西域からミル・ストーンが入ってくるというのが一般的で時代は唐。それまで粉食は一般的ではなかったということになっている。約1900年前の漢の記録に文字として残っているそうなので、それまでにもあったのだろうけど・・・。

麺を作るにも4000年前は金属の刃物は無かったろうから切るわけにはいかない。もっと粗末な道具で切ることも出来るが、均一な麺状のものを作るのは難しいように思える。産経新聞に載っていた写真を見るとずいぶん均一な麺に見える。筒状の容器の底に穴(記事では直径3mmになる)を開けて、粉を練ったものを詰めて上から押し出すようにして麺を作ったのかもしれない。

これを容器に入れて蒸すか茹でるかして食べたと仮定して、どうやって口に持っていくのだろう? まさか箸なのだろうか? 朝日新聞の記事では書いていないが産経新聞の記事では発見された場所は回族の地になっている。箸は考えにくい。蒸したものなら匙、茹でたものは・・・。

さて、気長に続報を待ちましょう。きっと50年たっても出て来ないと思いますw
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