投錨備忘録 - 暇つぶしに借りた本のメモを残すブログ

ストリート・オブ・ファイヤー(Diner) - 映画に出てくる食事の場面(43)

 

1984年製作のアメリカ合衆国の映画。監督、脚本はウォルター・ヒル。出演はマイケル・パレ、ダイアン・レイン、ウィレム・デフォー、エイミー・マディガン、デボラ・ヴァン・フォルケンバーグ。音楽はライ・クーダー。前年の1983年には『フラッシュダンス』、1984年には『フットルース』も公開された。音楽と映画を組み合わせた映画がヒットしていた時代。

良い映画です。肝心のアメリカでの興行には失敗したようですが単純な構成と躍動感ある映像、想像力を掻き立てる衣装やセット、鑑賞後の爽快感、後味の良さ。何度見ても飽きない。予定調和。そう、それはとても大事なことだと思う。

アメリカでの評価はダイアン・レインもマイケル・パレも演技がいまいちというもの。本編では素晴らしい劇中音楽も予告では別物だったらしく、全く興行的には振るわず3編のシリーズ化の企画があったが没。でも日本では受けた。ダイアン・レインの人気にも押された感じだが、演技が大根だろうがそんなことは目をつむろう。アメリカからタイムラグなしで情報が入ってこなかった時代。雑音無しで日本人にはとにかく楽しめた。2018年には日本でデジタルリマスター版が劇場再公開されたし、劇中で使われた赤い1955年型マーキュリー・コンパーチブルは2017年に日本の業者が買い取った。日本には熱烈なファンがいる映画。私もその一人。




舞台はリッチモンドとなっているが架空の街。電車の高架が走る街。その高架脇の下町でDinerを経営するデボラ・ヴァン・フォルケンバーグはその日は店を早々に閉め、同じ街にある劇場に向かう。この街出身のダイアン・レインがロック歌手となり凱旋公演が開催されるのだ。公演が始まり盛り上がっている最中、街にオートバイの一群が現れる。ウィレム・デフォーが率いるストリートギャング“ボンバーズ”。ボンバーズは劇場に乱入しダイアン・レインを連れ去ってしまう。

<駅、マイケル・パレ>


<Diner、マイケル・パレ>



デボラ・ヴァン・フォルケンバーグはダイアン・レインの元恋人だった弟のマイケル・パレに電報を打つ。すぐ帰れと。二年ぶりに街に戻ったマイケル・パレは姉からダイアン・レインを助け出してほしいと頼まれるが最初は拒む。しかし互いに嫌って別れたわけではない。ダイアン・レインの今の恋人であるマネージャーから報酬をもらうことを条件に救出を引き受ける。マイケル・パレは自分の気持ちに素直になれなかった。

<Diner、マイケル・パレ>





この映画で選んだ食事の場面はマイケル・パレの姉が営むDiner。マイケル・パレは姉からの連絡を受け2年ぶりに街に戻り最初に立ち寄ったのがここ。カウンターにマイケルがいることに気づく姉。微笑んでマイケル・パレに近づきかけたとき街のチンピラ集団が乱暴にドアを開けて入ってくる。姉との挨拶もできぬまま、店で狼藉を働きはじめたチンピラ相手にマイケル・パレがひと暴れ。観客は彼の腕っ節の良さを見せつけられる。一見普通の若者としか見えなかったが、これならストリートギャングに立ち向かえるかもと。

<Diner 雨の日>


<Diner マイケル・パレ エイミー・マディガン>


<マーキュリー・コンパーチブル>

Dinerは映画の要所要所で出てくる。雨の日の雰囲気が良い。まるで絵画だ。エイミー・マディガンは元女兵士。この街のBarでマイケル・パレと偶然知り合い彼の相棒となってダイアン・レインの救出に一役買う。1955年型マーキュリー・コンパーチブルはDinerを荒らしたチンピラ達が置いて行った車。映画の最後までこの車はマイケル・パレの足となって活躍する。

<ウィレム・デフォー>




映画の終盤のマイケル・パレとウィレム・デフォーの決闘シーンも良い。

<マイケル・パレ マーキュリー・コンパーチブル>


<スレッジハンマー勝負>



ダイアン・レインを無事に助け出したマイケル・パレにウィレム・デフォーは決闘を申し込む。警官から街を出るように言われたマイケル・パレはエイミー・マディガンにダイアン・レインを託し電車で街から逃がすが自分は警官隊とボンバーズが対峙する場所に舞い戻るのだ。決闘はスレッジハンマーを使っての一騎打ち。ハンマー勝負はマイケル・パレの勝利に終わり、拳での勝負に移る。この映画はアクション映画なのだが誰も死なないという珍しい内容。この決闘も一対一で決着がつくという後味の良さ。

<ダイアン・レイン>



映画の末尾でダイアン・レインが熱唱する「Tonight Is What It Means To Be Young」は日本では椎名恵が「今夜はANGEL」のタイトルでカバーしヒットした。映画ではマイケル・パレとダイアン・レインが分かれる場面で歌われる。一旦は互いの愛情を確認しあった二人だがやはり二人の進むべき道は違うことを理解する。

ダイアン「行くのね」
マイケル「もし俺が必要な時があれば、いつでも来てやる」

<ダイアン・レイン>



彼女の目はマイケル・パレを追う。





舞台でダイアン・レインが「Tonight Is What It Means To Be Young」を熱唱する姿を目に焼き付けマイケル・パレは来た時と同じ姿で街を去る。相棒と一緒に。

1984年、私は24歳。主演のマイケル・パレも24歳。ダイアン・レインは19歳。後に私の妻となる女性も19歳だった。だから何だというなかれ。若かった。とても懐かしい。

(2020年6月)

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