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住まいづくりの情報講座

新築の家を建てようとしている方はぜひご覧ください(知りたい情報があればお気軽にコメントください)。

「小判が出た!」ら、どうなる?

2005-10-26 02:00:07 | 建築途中の諸問題
埋蔵文化財包蔵地で建築する際は、市の教育委員会による試掘があります。私が住む南河内の地域は、遺跡の多い地域でよく調査がおこなわれます。丸一日かけての仕事になる場合も多く、建築側にとっては面倒なことなのですが、私は発掘作業の立会いが大好きです。

基礎工事の及ぶ深さまでしか掘り下げないのですが、時には数mの深さまで協力することがあります。地表から順に、磁器、須恵器、土師器などが出てきます。出土品はその場に雑然と並べられますが、何百年も前にこの地に住んでいた人がこの土器で何かを食べたのかと思うと、また触らせてもらったりもしますが、長いときを超えて古代の人が使った同じものに触れているのかと思うと、とても不思議な感慨を覚えます。

たまには寛永通宝などの古銭も出てきます。小判は見たことないですが、もし出てきたらどんな扱いになるのでしょうか。この場合は、土器も同じですが、遺失物法の適用となり落し物扱いで警察への届けの後、発掘者(市)の保管物となります。
もし、先祖が特定証明されれば相続権利者での分配協議となりますが、実際には特定されることはほとんどないそうです。

試掘の結果、本格的な発掘調査が必要と判断された場合、発掘費用は誰が負担するのでしょうか。

個人の居宅の場合は、市がその費用を負担しますので心配はいりません。マンションやビルなどは事業主が発掘費用を負担しなければなりません。

また、発掘の担当者は考古学者ではありませんが、かなり熱心な方たちで、どんな質問にも答えてもらえるし、試掘の後の地盤調査結果をこちらから資料提供したり、できるだけ協力しています。地域の歴史発掘に貢献できて、うれしいものです。皆さんも、もし近所で試掘などがあれば作業の邪魔にならない程度に、のぞいて見られることをおすすめします。

「虫が出た!」ら、どうする?

2005-10-23 03:16:07 | 建築途中の諸問題
建築途中やお住まいを始めてからでも、住居にさまざまな虫が発生することがあります。

羽が生えてて蟻のようでシロアリかもしれない。ムカデのようでも小さすぎる。寒くなるとどこからとも無く出てくる。よくみると畳の上にちっさいのがいっぱいいる。など、ほとんど目に見えないダニから巨大なクモまで私たちの生活の中でいろんな虫を発見することがあります。

「そんなときには殺虫剤」、ではいけません。それは結果に対する対処療法で、虫が発生するには必ず原因があります。虫はそのバロメーターであり、家の異常を教えてくれる貴重な警告信号でもあります。

腐朽菌やシロアリは自然界にとっては無くてはならないもので、土に触れた倒木を土に返して、豊かな森を再生する大事な役割を果たしてくれています。しかし、住居からシロアリが発生するのは構造材や床板などが、ちょうど彼らが食べやすいような湿気た状態にあることを示しています。また、シロアリ対策の薬剤を塗らなければならない住宅も、木材の選択と通気構造に問題があるといえます。

防蟻・防腐処理をしないでも、長持ちする家を建てられるかどうかは大事な問題です。私たちがかかわる建築では基本的に薬剤処理はおこなわず、木材が健全に強度を保てるように施工しています。正倉院や法隆寺の木材が千年以上もシロアリに食われない原理です。

ちょっと話がそれましたが、虫を発見したらどうすべきか。虫の図鑑を常備している家はないでしょうし、インターネットで調べても特定しにくいし、そんな時頼れるのが、地域の保健所なのです。そこには何十年も虫の相談にのってきた、経験豊富な職員がいます。たいていの虫は、現物をビンなどに閉じ込めて持参すればたちどころに正体を教えてもらえます。同時に、虫の生息の特徴から家の問題を指摘してもらえたりします。

また、裏山で見つけた珍しいキノコなども、自然史博物館などに専門の学芸員の方が常駐していますので親切に教えてもらえます。殺虫剤はその場しのぎで、人にも害を及ぼすことを忘れないでください。自然の摂理に逆らわず、かしこく健康な家を維持してください。