もの忘れのためのちょっとしたメモ

要は備忘録のようなもの。

ツール・ド・フランステレビ観戦記#6

2017-07-26 11:22:40 | ツール・ド・フランス
とうとうツールが終ってしまった。毎年のことだが、始まってしまうとあっという間の3週間。今年のツールは、総合争いが近年まれにみる僅差の争いだったこともあり、毎ステージが本当に目の離せないレースだった。いつもなら、3週目といえば総合争いについては体制が決しているような状況が多いと思うが、今回に関しては全く違った。第16ステージは横風分断作戦が発動。ここまで横風区間での攻撃はあまり成功したとはいえなかったが、このステージでは大成功。この日の犠牲者は、好調を維持して来たダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ)だったが、総合争いから一歩後退してしまった。ちなみにこの日のステージ優勝は絶好調のキッテル(クイックステップフロアーズ)とスプリント賞を争うマイケル・マシューズ(サンウェブ)。ステージ2勝目を飾るとともに、キッテルとのポイント差を29として、逆転に望みをつないだ日だった。さてマシューズとキッテルの争いは如何にと思った翌日の第17ステージ、落車に見舞われたキッテルが結局はリタイアに追い込まれてしまった。本人によれば落車のほか体調不良もあったとのことだが、終盤にきての大物選手のリタイアに3週間のレースの難しさをまたもや感じずにはいられない。
 
ツールが始まる前には、今年のスプリント賞の本命はサガン(ボーラ・ハンスグローエ)だった。それが予期せぬ失格により、レースから姿を消してしまった。そしてフランス人スプリンターとして期待を集めたエフデジのデマールも、好調と思われていたが、意外にもタイムアウトでレースを去った。そしてキッテルである。マシューズの追い上げはあるものの、前半から中盤にかけステージ5勝を飾るなど無敵を誇ったキッテルだけに、ポイント賞の獲得は確実ではないかと思っていた。それだけに落車リタイアという結果は観ている者にとっても衝撃で、今年のスプリント賞は呪われているのでは……なんて邪推してしまった。そのため、マシューズがその後何のトラブルもなく、順調に緑のジャージを守り抜きポイント賞の栄冠を獲得したことには少しほっとした。ところで、登れるスプリンターであるマシューズは、サガンと同じようなタイプの選手であり、来年はサガンとのポイント賞争いを見せてくれるのではと期待が高まる。第17ステージは、山岳でアルが遅れ総合優勝争いから脱落したステージでもあった。思えば前半から中盤にかけて絶好調と思われた選手に厳しいステージとなった。ここでのステージ優勝はログリッチェ(ロットNLユンボ)が獲得。表彰台でのテレマークが個性的だったが、元スキージャンプの選手というから納得。
 
第18ステージではバルギル(サンウェブ)が2度目の勝利。自身の山岳賞獲得を決定づけ、修理に花を添えた。そして第19ステージはボアッソンハーゲン(ディメンションデータ)の逃げ勝利が決まった。個人的には、今回のツールで最もステージ優勝をしてほしい選手だったので、この結果はとてもうれしかった。そして総合優勝が決まる第20ステージの個人タイムトライアル。ステージ優勝は、2位のクウィアトコウスキー(スカイ)とはたったの1秒差ときわどい勝負をものにしたボドナール(ボーラ・ハンスグローエ)。そして同じ1秒で辛くも表彰台を守ったのがバルデ(アージェードゥーゼル)だった。総合2位でスタートしたバルデだったが、終ってみれば総合4位のランダ(スカイ)とはたった1秒差の総合3位。タイムトライアルが苦手とはいえ、見るからに調子の悪そうな走りには観ているこちらもかなりハラハラしてしまった。本人によれば、朝から体調不良で総合表彰台陥落も覚悟していたのだとか。総合2位は逃したものの、何とか表彰台を死守した魂の走りにバルデの最後の意地を観たステージだった。フルーム(スカイ)とウラン(キャノンデール・ドラパック)は無難にこなし、それぞれ総合1位と2位を確定した。
 
第21ステージのシャンゼリゼ。いつもながら、前半はゆったりペースのパレード走行のような展開。3週間のレースが終わることによる解放感に満ちた集団の様子には、観ているこちらもなんとなくほんわかとした気分になる。とはいえ、シャンゼリゼに入ってからは一転、スプリント狙いのチームによる熾烈な争いが始まる。個人的な予想としては、キッテルのいない今、今年もグライペル(ロットソーダル)で決まりっしょ! と思っていたのだが、ここでも番狂わせ(といったら失礼かな?)、まさかまさかのフルーネウェーフェン(ロットNLユンボ)がステージ優勝を獲得した。数々のスプリンターを破ってのステージ優勝は格別のものだったことだろう。一方、2位となったグライペルがハンドルを叩いて悔しがっている姿は印象的だった。グライペルは好きな選手の一人なので、期待していたような活躍する姿が見られなかったのが残念だった。ところで、4度目の総合優勝を見事に獲得したフルームは、来年、いよいよ5勝目への挑戦となる。ただし今年のツールを観る限り、フランスを中心に若手選手の台頭には目ざましいものがある。また、今年はさっぱりだったキンタナ(モビスター)も、来年は万全の準備を整えてツールに臨むことだろう。そう考えると、来年のツールは今年以上に大変な戦いになるかもしれない。今年のツールは終ったばかりだが、やっぱり来年のツールも見逃せない。
 
ところでフルームはさっそく、ツール・ド・フランスさいたまクリテリウムへの参加が決まったとのこと。今年は昨年とは違う新コースとのことだが、これまた楽しみでしょうがない。他には誰が来てくれるのか。ヤングライダー賞のイエーツ(オリカスコット)は来てくれるかな? 昨年もたしかアダム・イエーツが来てくれたと思うのだが、二人で来てくれたらもっとうれしいのに。でも二人とも来たら、どっちがどっちかわからなくなるけど。
 
 
 
 

ツール・ドフランス2017テレビ観戦記#5

2017-07-18 09:34:42 | ツール・ド・フランス
今年のフランス勢はすごい。第13ステージ、先日は悔しい思いをしたバルギル(サンウェブ)がとうとう本当のガッツポーズを決めた。これでフランス人のステージ優勝は4人となる。山岳賞ジャージも順調にバルギルが守っているし、バルデ(アージェードゥーゼル)は僅差で総合の3位につけている。現地はさぞ盛り上がりまくっていることだろう。ところで、第13ステージは101キロメートルという短距離のなかに1級の山岳が3つも詰め込まれた、かなり極端で厳しい設定。ステージ優勝も総合争いも激しい戦いになるだろうとは思っていたが、やはり期待を裏切らない素晴らしい戦いとなった。ここまで元気のなかったコンタドール(トレック・セガフレード)やキンタナ(モビスター)も積極的な走りで、いよいよ復調か? と期待させた(キンタナはやっぱりだめそうだけど)。総合争いという意味では、もう戦線離脱の感があるコンタドールだが、そこはやっぱりスター選手。彼が積極的な動きを見せると、途端にレース全体が活気づくような気がする。ここまで良い所のまったくないコンタドールだったが、まだまだ戦いをあきらめていないことを証明してみせた。ステージ優勝狙いとはなるのだろうが、3週目のアルプスでの走りには大いに期待したい。
 
第13ステージでは、直前のステージで落車したフグルサング(アスタナ)がリタイアしてしまった。手首の骨にヒビがあったのだとか。スタート直後から集団の一番後ろを走っていることが気になったが、やはりケガではまるで力を発揮できなかったようだ。今回のツールでは活躍を期待していた選手の一人なので、ポート(BMC)に続き残念なリタイアとなってしまった。アスタナとしても、重要な選手のリタイアで、チーム力の減退は避けられないだろう。さっそくその影響が出たわけではないかもしれないが、第14ステージではアルがゴール前でまさかの失速。それによりマイヨ・ジョーヌは再びフルーム(スカイ)のものとなった。厳しい上りゴールとはいえ、まさかここで総合が動くとは予想もしていなかった。どうやら上りに入るまでの位置取りが、アルはまずかったとのこと。僅差の争いだけに、少しのミスが大きな結果につながってしまう怖さをあらためて感じさせたステージともなった。ところで、見事ステージ優勝を飾ったマシューズ(サンウェブ)は2年前のリベンジとのこと。前回のゴールでは、落車でケガを負ったために勝負にすら絡めなかったのだそうな。これまでのステージでも、「上れるスプリンター」として登坂力に秀でたところを見せつけてきたが、今回のゴールスプリントはまさに面目躍如という走りを披露してくれた。
 
第14ステージ終了時点でポイント賞の首位を独走するキッテル(クイックステップフロアーズ)と、2位のマシューズとの差は99ポイント。山岳ステージでの中間スプリントで点数を稼いでも、なかなか追いつくの難しそう。第15ステージでも見事に逃げに乗り中間スプリントのポイントを稼いではいたが、キッテルの牙城を崩すのはなかなかに難しそう。果たしてどうなることか。マシューズが中間スプリントでポンとを重ねた第15ステージの優勝者はバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)。若干危ない場面がないわけでもなかったが、見事な飛び出しにより逃げ切り勝利を決めた。チームのエースであるコンタドールが思うように成績を上げられないなか、モレマのステージ優勝はチームにとってもよい刺激になったのではないだろうか。総合争いでは、マイヨ・ジョーヌはフルームが無事にキープ。総合上位の順位、タイム差に大きな変動はなかった。山岳の途中で機材トラブルが起こった時はどうなることかと思ったが、何とか無難に切り抜けていた。トラブルにもしっかりと対処するあたりにも、フルームとスカイの強さが見られるように思う。総合優勝を獲得するためには、このようなトラブルへの対処能力というのは必須のものだろう。総合を狙う上でのチーム力の重要さが、よく表れていると思う場面だった。
 
まったくどうでもよい話なのだが、第15ステージの終盤、モレマが飛び出したシーンがどうしても思い出せない。中継はずっと観ていたはずなのだが、フルームのメカトラ場面は思い出せるのに、モレマや逃げグループの様子がまったく思い出せない。というか、このステージの優勝争いがどういった展開を辿ったのかがなぜかよく思い出せない。ふと気づけば、モレマがすでにゴール直前で逃げ切りを決めそうな状況になっていた。“落車”したわけではないはずなのだが、眼を開いたまま眠っていたのか? どうやら2週目も終わりのステージにして、観戦疲れが深刻なところまで来ていたのかもしれない。ともかく月曜は休息日なので、こちらもじっくりとお休みして第3週のレースにそなえなければと思ったところだ。果たして運命の第3週でどのような戦いが観られるか、今年のツールもいよいよ大詰め。これまで以上に目が離せなくなってきたのだが、今週はちょっと仕事が忙しい。仕事を取るか、ツールを取るか? そんなのあったりまえでツー……。
 
 
 

ツール・ド・フランス2017テレビ観戦記#4

2017-07-14 14:29:36 | ツール・ド・フランス
なんであんなにキッテル(クイックステップフロアーズ)って強いの? 第10ステージも第11ステージも勝利を挙げ、いよいよ今大会は5勝目を獲得。どちらのステージでも、まったく危なげなく勝利を挙げたように見えたが、なんであんなに強いのか。いくらカベンディッシュ(ディメンションデータ)やサガン(ボーラ・ハンスグローエ)がレースを去ったとはいえ、他にも有力なスプリンターは何人もいるのに! もともとキッテルは以前から好きな選手の一人だが、こうも勝ちまくるとかえってちょっと嫌いになるかも……なんて。もちろん実際は嫌いになることはないが、ここからのツールのスプリントは全力でボアッソンハーゲン(ディメンションデータ)を応援しようと思っている。ピュアスプリンターではないかもしれないが、ここまでに非常に惜しい負け(なんと6ミリメートル差!)もあったし。キッテルに一矢報いるとしたならば、彼しかいないのではないかと思っている。グライペル(ロット・ソウダル)も大好きな選手なので少々の迷いはあるのだが、今回はボアッソンハーゲンで。って、なにも両方応援すればいいのだが、いや、やはりここは男らしく(?)ボアッソンハーゲン一択で応援したい。うーん、でも……。
 
さて、昨日の第12ステージはすごかった! ゴール前500メートルのアタック合戦は、本当に見ごたえのある戦いだった。ゴール前の勾配は20%超とかいっていたが、画面で見ていても一目でわかる厳しさだった。もし自分があの場所を走ることができたとしても、一度もペダルを回すことができず、1ミリメートルも進めないに違いない。まったく歩くのもつらそうな坂道なのに、あんなところ自転車で走っちゃだめだよね。結局、ステージ優勝を決めたのはバルデ(アージェードゥーゼル)だった。フランス人選手としては、今大会3人目のステージ優勝を決めてみせた。昨年は総合2位で表彰台に上がった彼だが、今大会は昨年以上の活躍を見せてくれるかもしれない。そしてマイヨ・ジョーヌはついにファビオ・アル(アスタナ)のものに。なったとはいえ、2位のフルーム(スカイ)とはたったの6秒差。3位のバルデとは35秒差とまだまだどうなるかわからない。また総合優勝争いがこの3人で決まりかというと、まだそうは決めつけるには早すぎる。ステージ2位となったウラン(キャノンデール・ドラパック)は、55秒差の第4位。ダニエル・マーティン(クイックステップフロアーズ)も、落車の影響がありバッドデイだったといいながらもステージ6位でフルームよりも先にゴールを決めている。総合でも1分41秒遅れの第5位なので、まだまだチャンスはあるはず。前に書いたか忘れたが、ちなみに私の総合優勝予想の裏本命はダニエル・マーティンだったりする。
 
ところで、すべての選手が疲労していくなかどれだけエースを支えることができるのか。ここからはエースの力もさることながら、後半戦になればなるほどチーム力の差が勝敗を左右することになるのではないか。そういう意味では、スカイのチーム力の強さは半端ない。第12ステージの集団コントロールを見ていれば一目瞭然である。それに引き換えアスタナは、二人目のエースを担っていたフグルサングが第11ステージで負ったケガの影響で調子を落としていることもあり、ちょっと不安。またアージェードゥーゼルにしても、かなり積極的な走りが目立つが疲労は結構たまっているのではないだろうか。ピレネー決戦を終え3週目を迎えた時に、マイヨ・ジョーヌを着ているのは誰なのか? チームやエースの実力など、総合的に考えるならば、やはりまだまだフルームの優位は変わらないのではないか。とはいえ、ここまでの走りを見て来て、やはりアルの調子の良さは無視することはできない。そしてここにきて、バルデも調子の良さを見せつけている。この二人の勢いはそう簡単には衰えない感じもする。ポート(BMC)がリタイアをした時、「これで今年の総合争いも決着がついちゃったのかしら?」なんてすこし思ったこともあったが、完全な間違いだった。フルームの4勝目か、それともバルデがフランス人としての久々の優勝を決めるか、はたまたアルがジロ・デ・イタリアの無念をツールではらすか。今年のツールもやっぱり熱い。
 
総合争いがその激しさを増すなかで、ヤングライダー賞と山岳賞の行方も結構気になっている。ヤングライダー賞は昨年はアダム・イェーツ(オリカ・スコット)が獲得したが、今年はその双子の兄弟サイモン(オリカ・スコット)がジャージを着用している。アダムが2年連続で活躍しているようにも観えるが今回は出場していないわけで、そうなると昨年の映像を観ているようでもあり、なんとも変な感じ。連続でジャージを獲得した選手は過去にもいるだろうが、兄弟で2年連続となればかなり珍しい記録になるのではないだろうか。昨年のさいたまクリテリウムにはアダムが参加していたが、ぜひ今年はサイモンに出場してほしい。いやいやそれよりも、並んでの記者会見なども見てみたいので、ぜひ二人一緒に来てほしい。何なら二人でホワイト・ジャージを着ていただいても……。一方、山岳賞はバルギル(サンウェブ)が着用しているが、やっと活躍してくれたか、という感じがしている。ずっと注目している選手の一人なのだが、いまひとつ目立つ活躍がなく、なんとも残念に思っていた。今回は“やっちまったガッツポーズ”もあったものの、山岳賞を獲得して活躍しているのがとても嬉しい。マイケル・マシューズ(サンウェブ)がポイント賞争いを頑張っているが、キッテルの強さを思うとかなり厳しい。バルギルの山岳賞はチームのなかでも期待が高まっているのではないだろうか。まだまだ山はいくつもあるものの、パリまで頑張って守り抜いてほしいと期待している。また、できればどこかでステージ優勝も決めて、今度こそ本当のガッツポーズを決めてほしいのだが。がんばれバルギル!
 
 
 

ツール・ド・フランス2017テレビ観戦記#3

2017-07-10 17:45:00 | ツール・ド・フランス
クイーンステージとはいえ、あまりにあまりに衝撃的な第9ステージだった。今回のツールは、早い段階で大物が次々とレースを去ってしまうと残念に思っていたが、まさか優勝候補のポート(BMC)までがリタイアとは。2014年だったか、フルーム(スカイ)とコンタドール(トレック)が落車によるケガで立て続けにリタイアしたときのことを思い出してしまった。下り坂でスピードが出ている場所での落車は、ポートにとって不運としかいいようがない。もちろん、そのような状況でもなければ落車自体が起らなかっただろうとは思うのだが。あまりに派手な落車で、観た瞬間に“リタイアかな?”とは頭をよぎったが、起きあがれない様子や、首に器具を装着されて救急車に運ばれていく姿には心が痛んだ。ポートの落車に巻き込まれたダニエル・マーティン(クイックステップ・フロアーズ)がケガもなく、レースに復帰できたようなのがせめてもの幸いだったと思う。ポートのケガについてくわしく記事を読んではいないが、小さくないだろうことは容易に想像できる。まずはゆっくりと休んで、一日も早くケガの治療に専念してほしい。もっとも、本人としてはケガの痛みよりもリタイアした悔しさのほうが、癒えるまでには長い時間がかかるかもしれないが。
 
ポートの落車が起こる前、こちらも下りでゲラント・トーマス(スカイ)が落車リタイアした。鎖骨骨折とのことだが、本人がインタビューで語っていたように、ジロ・デ・イタリアに続いての落車リタイアとは本当についていない。しかも総合2位の位置にいたわけで、表彰台も夢ではなかったはず。つくづく運というのはあるのだなぁ、と実感する次第である。映像ではよくわからなかったが、このときはマイカ(ボーラ・ハンスグローエ)も落車したとのこと。ゴールはしたようだが、打撲がひどく第10ステージに出られるかどうかはわからないのだとか。マイカも今大会では注目選手の一人だと思うのだが、目立った活躍もないままにかなり厳しい状態になってしまった。サガンの失格処分に続きマイカがケガとなっては、チームとしてはやりきれない気持ちでいっぱいだろう。落車が避けられないリスクであることは理解できる。また昨日は濡れた路面も散見されたので、特に落車が起きやすい状況にあったことも間違いないだろう。そして休息日前のクイーンステージであったことも、レースを厳しいものにしたのではないかと思う。そんないろいろな要素が絡み合って、有力選手たちの落車につながったのだろう。たしかに見ごたえのあるレースではあったが、なんとも残念で釈然としない思いの残る日となった。
 
ところで肝心のステージ優勝だが、ワレン・バルギル(サンウェブ)とのスプリント争いを制しリゴベルト・ウラン(キャノンデール・ドラパック)が獲得した。かなりきわどいスプリントゴールだったこと、バルギルがガッツポーズをしたことにより、ゴール直後は観客やテレビ観戦者のほとんどがバルギルの勝利だと思ったに違いない。少なくとも我が家ではそう思った。第8ステージのカルメジャーヌ(ディレクトエネルジー)逃げきり勝利に続く、“フランス人選手の連続ステージ優勝!”と思い、現地に負けぞ劣らず盛り上がってしまった。しかし写真判定の結果は無情にもウランの勝利。たった6ミリメートル差でキッテル(クイックステップフロアーズ)が勝利した第7ステージでは、写真を見てもどちらが勝ちかわからなかったが、今回は一目見ればウランの勝利は明らか。バルギル残念! とはいえ、山岳ジャージと敢闘賞も獲得したわけで、まずは頑張っただけの成果はあったのではないだろうか。山での様子などを観ていると、かなり調子も上がっているようだし、2週目以降の活躍に期待したい。またステージ優勝を決めたウランは、メカのトラブルを抱えながらのスプリントだったとのこと。強運かそれとも地力が違うのか、これで総合順位もジャンプアップしたので、これからは総合争いでも注目の選手の一人となるかもしれない。それはそれで、とっても楽しみ。
 
第9ステージを終えて、総合成績はだいぶ顔触れが変わってしまった。フルームこそ1位を守ったものの、昨年は2位となったバルデ(アージェードゥーゼル)も、チームをあげての果敢な攻撃のおかげで3位まで順位を上げてきている。そして相変らず調子がよさそうなアル(アスタナ)が2位となったほか、5位にはチームメイトのフルサングがジャンプアップしている。上位に2名を送り込んだアスタナが、今後どういう作戦で戦いを進めていくのかは、2週目の大きな見どころの一つとなる。またタイムを失ったとはいえ、キンタナはいつも後半に調子を上げて来る選手である。レースはあと2週間続くわけで、本人もチームもまだまだ諦めてはいないだろう。そして個人的にはダニエル・マーティンの活躍を期待も含めて予想をしているのだが、はたしてどうなることか。ここまでの山岳を観ると、かなり調子よく登りをこなしているようだし、ひょっとするとひょっとしないだろうか。現在は1分44秒遅れの6位だが、気づけば表彰台圏内であれよあれよという間に……なんてことも妄想してしまう。スカイのチーム力は今年も盤石な感じはするが、ここまで想像を絶する展開が続いているだけに、フルームもスカイも油断はできない。今日の選手は休息日だが、我が家としてはこれまでのレースをじっくり、とっくり復習しておこうかと。結局、今夜も眠れなくなりそう!
 
 
 

ツール・ド・フランス2017テレビ観戦記#2

2017-07-06 11:02:09 | ツール・ド・フランス
山岳ステージ初戦の第5ステージ。まさかアル(アスタナ)が優勝するとは思わなかった。ジロ・デ・イタリアの出場をケガで逃したため、このツールにかける思いはかなり強かったのだろう。残り2キロメートルほどからのアタックは、とてもキレの良いものだった。とび出した瞬間に「あっ、決まっちゃうかも!」と思ったが、案の定、そのままトップでゴールに飛び込んだ。イタリア・チャンピオン・ジャージを着用してのステージ優勝は、感慨深いものがあったのではないだろうか。ともかく、アルの調子がかなり上がっていることは間違いない。もしかしたら、フルーム(スカイ)などのライバル勢にとっても、アルの走りは予想外だったのではないだろうか。個人的には今回のツールの総合優勝候補としては考えていなかったのだが、もしかしたらもしかするかも……。
 
調子がよさそうな選手といえば、ポート(BMC)も戦前の予想にたがわず調子が良さそうで安心した。ただ、レースが終始BMCが主導権を握る形で進んでいたので、正直、山でのポートの動きには物足りなさを感じないでもなかった。とはいえ上位でゴールもできたし、タイムも失わなかったのだから、まずは成功といってもよいのかもしれない。ところで、今年のポートの調子の良さはみなが認めるところ。連覇を狙うフルームも、最大のライバルとしてポートの名前を挙げていた。その下馬評を信じるならば、総合優勝はともかくとしても総合表彰台は固い、と思われるのだが私としてはいまいち信用できない。素人の勝手な分析だが、ポートの問題は、メンタルでもフィジカルでも技術でもなく“運”ではないかと考えている。「運も実力のうち」とはよく言うが、こればかりはトレーニングの手段が思いつかない。とりあえずは、朝晩とかレースの前後とかに勝利の女神に御祈祷をしてみてはどうだろうか。それとも神田明神で厄払いとか、ってもう遅いか。とにかくファンとしては、今度こそ強いポートを観たいので、出来れば検討願いたいところ。
 
それに引き換え、キンタナ(モビスター)の問題はもっと現実的かも。さすがのキンタナでも、やはりジロの疲れが抜けきっていないのか。でも今の段階でジロ疲れだとするならば、これからはそこにツール疲れが重なるわけで、今回も優勝は難しくなるのではないか。しかしこれまでのツールを見ても、後半に向けて調子を上げてくる選手なので、まだまだ判断するには早すぎるかもしれない。それにしても、キンタナの調子が上がっていないのであれば、バルベルデのリタイアがいよいよ残念さが増してくる。バルベルデ、カンバーック! ってそれは無理。そしてもう一人精彩を欠いたのがアルベルト・コンタドール(トレック・セガフレード)。まだまだ勝負所に向けて力を溜めていると考えたいが、実際のところはどうなのか。少なくとも昨日は、テレビの映像に映ることもなく全然目立たっていなかったのが、逆に印象に残った。ツール開幕前にも調子が良いという話よりは「大丈夫なの?」といった報道が多かったように思う。序盤戦にしてちょっと心配。
 
さて本命のフルームだが、ここでマイヨ・ジョーヌをトーマス(スカイ)から引き継いだ。基本的にはフルームとスカイを応援しているので、ジャージ獲得は嬉しいのだが、正直「早すぎじゃね?」という気持ちもする。もちろん、途中のステージではほかのチームや選手に渡してしまいあとで取り返すという戦略もあるが、果たしてスカイはどんな作戦でくるのか。このままフルームがジャージを守りとおしたとしたら、マイヨ・ジョーヌ獲得者はたったの2人で獲得チームは1チームということになる。これって記録だったりしないのだろうか? そうなるとフルームとスカイが強すぎないかという感じがして、レースとしてはちょっとつまらなくなる気がしないでもない。でもやっぱり、ちょっと見てみたいか……。ところで、なんだかんだ言ってゲラント・トーマスもかなり好きな選手の一人だったりする。そのため「もう数ステージはトーマスがジャージを守るのでは?」というか、「守ってほしいなぁ~」なんて個人的には願っていたので、ジャージの移動は少し残念な気持ちがしないでもない。フルームから取り返したりしないかなぁ、なんて。
 
 

ツール・ド・フランス2017テレビ観戦記#1

2017-07-05 12:24:10 | ツール・ド・フランス
待ちに待ったツール・ド・フランスが開幕! 連日、夕方から深夜までの中継を、やっとの思いで“落車”に耐えながら楽しんでいる。昨日の第4ステージも、200キロメートル超の平坦ステージにしてほぼスタートと同時の一人逃げ。横風区間でもあればわからないが、あとの見どころはゴールスプリントだけか……。と思っていたが、予想にたがわずまったりとした時間が延々と続く展開に。全体的に見れば、あまり盛り上がりのないレースだったが、最後のカヴェンディッシュ(ディメンションデータ)の落車で、ちょっと忘れがたいステージとなった。まさか最後の最後であんなことになるとは、まったく勝負は下駄を履くまでわからない。昨年のツールでは、落車こそゼロではないものの序盤でリタイアする選手もなく、観ている者としては、ある意味ちょっとほっとするステージがつづいた。それに引き換え今年のツールは、第1ステージのバルベルデ(モビスター)の落車、リタイアに始まり、ありがたくない意味で荒れた展開で先が思いやられる。
 
ドイツのデュッセルドルフでスタートした今年のツール。第1ステージはひどい雨の中での個人タイムトライアルだった。見るからに滑りそうな路面で、案の定落車が続出したというのも、ある意味しょうがないことだったのかもしれない。解説者の話によれば、雨の日の落車は路面が滑ることもあり比較的大きなケガが少ないということだったので、それだけが救いといえば救いだろうか。もっとも、落車の原因自体がその滑る路面なのだから、考えてみれば皮肉な話。とはいえバルベルデにとっては、その滑る路面があだとなったことは間違いない。映像を観ていると、落車そのものよりは落車後に滑って鉄柵に激突したことが、かえってケガの原因となったように見えた。そもそも雨で滑りやすい路面で、スピードを出し過ぎたとか、判断ミスや技術的なミスがあったのかもしれない。しかし、同じ落車でも大ケガとはならずに済んだ選手もいるわけで、バルベルデに“運がなかった”ということは間違いないだろう。今シーズンは絶好調だっただけに、早々のリタイアは今後の総合争いを考えても残念でしょうがない。ところで、そんな荒れた展開の第1ステージの優勝はゲラント・トーマス(スカイ)。優勝候補としてはダークホースだったのか、彼の走る映像といえばスタートとゴールの部分だけ。これまた運がなかったといえるかもしれない。
 
第2ステージもまた雨。集団落車が発生した時には、集団前方で発生したこともあり前日のバルベルデのことを思い出しかなりヒヤリとしてしまった。幸い大きなケガを負った選手はなかったようだが、観客としてできることとしては、とにかく落車が起らないことを祈るのみであることがちょっともどかしい。ただこの日のステージで印象的だったのは、ステージ優勝を飾ったキッテル(クイック・ステップフロアーズ)の姿だった。ゴール後に両手で顔を覆い座り込む様子は泣いているようにも見えたが、母国ドイツ開催のツールでステージ優勝できたことに、よほどの感慨があったのだろう。観ていてもらい泣きしてしまいそうだった。翌日の第3ステージのハイライトといえば、やはりゴールスプリントに尽きるだろう。ペダルが足から外れるというアクシデントに見舞われながらも、圧倒的な強さを見せつけたサガン(ボーラ・ハンスグローエ)の走りはまさに圧巻だった。ペダルをはめ直してのスプリントは、他の選手ではちょっとまねできない芸当に違いない。また、兄のユライ・サガンのアシストを受けてのステージ優勝は格別に感じたかもしれない。
 
第3ステージで6年連続のポイント賞も万全と思わせる活躍を見せただけに、第4ステージでのサガンの失格は悔やまれるとともに、残念でしょうがない。そして、今年のツールの見どころの一部が失われたといっても過言ではないかもしれない。ゴール前での競り合いは、どちらが良いとか悪いという判定は素人では難しいが、失格というのは厳しすぎる裁定のように思うのは、サガンびいきのせいだろうか。落車に巻き込まれた中でリタイアとなったのは今のところカヴェンディッシュのみのようだが、他の選手にしてもダメージは免れないだろう。かなり派手な落車だったので、リタイアに至らなかったというのは、それでも不幸中の幸いかもしれない。大変な出来事の中でもあえて良い面を考えるのであれば、本命のサガンが退場したことで、スプリント賞争いの行方がわからなくなったということだろう。第4ステージでグランツール初優勝を遂げたデマール(エフデジ)は、相当に調子もよさそうでもあり、彼の活躍に対するフランスの期待もいよいよ高まっていることだろう。これでスプリント賞を獲得できたならば、スター誕生は間違いない。同じように調子のよさそうなキッテルをはじめ、すべてのスプリンターが狙ってくるだろうなかで、今年は総合争い以上にスプリント賞争いが激化するのではないか。
 
総合争いという意味では、今日の第5ステージがスタートとなる。総合優勝の本命であるフルーム(スカイ)は、個人タイムトライアルでライバルにわずかにリードを奪っているとはいうものの、本格的な総合争いが始まればまだまだどうなるかはわからない。とりあえずは、これまでのような悪い意味での“荒れた”展開ではなく、ライバル同士が抜きつ抜かれつの良い意味での“荒れた”展開となることを祈っている。ところでレースとは関係ないのだが、私としてもそろそろ寝不足が厳しくなってきたところで、山岳ステージの初日にして私も今日はちょっとした“山岳”ステージになりそうな予感。ドリンクはアイスコーヒーでがんばりたいと思うのだが、さて、眠気覚ましの補給食は何がよいだろう……?
 
 
 

ツール・ド・フランス完全テレビ観戦に向けて!

2017-06-22 12:42:35 | ツール・ド・フランス
ず~っと更新をさぼっていたら、もう6月になってしまった。気づけば、ツール・ド・フランスまで残すところ1週間とちょっと。来週の後半にはチームプレゼンテーションがあって、7月に入ると同時にレースがスタートしてしまう。先日には公式プログラムも発売になったし、JSPORTSのサイクルロードレースのサイトでは特集ページが開設されている。あちこち情報サイトを見ていたら、出場選手が発表になったチームもいくつかあるのだとか。ツール・ド・フランスへの期待はどんどんと高まっている今日このごろ。とにかく楽しみでしょうがない……仕事なんか手につかない……ええい、仕事なんてやめてしまえ!! というわけで、久しぶりにブログの更新と相成った次第。
 
ジロ・デ・イタリアの中継はJSPORTSではなかったため、楽しみにしていたものの観戦をあきらめた次第。5月はなんとなくつまらない気持ちで過ごしてしまった。それだけに、ツール・ド・フランス中継にかける期待は大きかったのだが、なんと今年は21ステージをスタートからゴールまで完全中継を行うそうな。“えっ、マジで!”と耳と目を疑ったが、ほんとにほんとのことだそうな。逃げが決まる瞬間から、白熱のゴールスプリントまで、レースのすべてを余すところなく目撃できるわけだ。これまでも、21ステージのうちの数ステージではスタートからゴールまでの完全生中継ということもあったが、まさか全ステージで行うとは。現地で観戦しても、レースのすべてを目撃することは無理なわけで、テレビ観戦ならではの贅沢だと喜びにむせんでいる次第。あまりの悦びについ、テレビも買い替えてしまった。もしかして、これって経済効果とかいうやつかしら。
ところで、今回のツールはテレビをとおして視聴者も選手と同じレース・時間を完全に共有できるわけで、ファン冥利に尽きるといって間違いない。とはいえ、3週間という長丁場であることを考えると、毎日5~6時間の中継を観つづけるというのは、それなりに苦行ではないのかと心配になってしまう。正直、途中リタイアせずにパリまでたどり着けるか、選手以上に不安な気持ちがしないでもない。思えばこれまでの中継でも、数限りなく落車に見舞われてきた。これまではその都度、一緒に観戦している妻とアシストし合いながら、最終局面までには何とかレースに復帰し、その日のゴールを目指してきた。しかし今回は、なんといっても中継時間の長さが違う。2週目の半ばくらいには、妻もろともに大落車に巻き込まれ、そしてそのまま“リタイア”ということになってしまうことはないかと。とっても心配。
 
またグランツールではどんなに調子のよい選手でも必ず、病気になったりなどの“バッドデイ”に見舞われるという。これまではそれもしょせん選手の話と、完全に他人事として理解していた。しかし完全生中継となったいま、選手と全く同じレースを時間を共有するということは、視聴者の私も“バッドデイ”に見舞われるなんてことはないのだろうか。“落車”ならば位置取りやテクニックで回避できるかもしれない。しかし“バッドデイ”となれば、自分で防ぐのはなかなかに難しい。なにはともあれ、体調管理をしっかりとしておくに越したことはないが、それより大事なのがスケジュール管理である。17時にはテレビの前で観戦体制を整えるためには、遅くまで仕事なんてことは論外! というわけで、どうやって合法的に仕事をサボるかがカギになる。というわけで、只今、鋭意作戦を立案中なのだが、とりあえず軽く咳でもしてみるか。「ゴホッ、ゴホッ、ちょっと“バッドデイ”で」なんて……。
 
 
 
  

読書の秋に

2016-10-25 12:31:40 | 読書

読書の秋だから、というわけではないのだが、読書欲が高まっている。
というわけで、読書欲の高まりに合わせて、あれこれと読み散らしている今日このごろ。
せっせと積読本の解消に励んでいるが、浮気性のせいかあれこれと目移りしてしまう次第。
あっちを読み、こっちを読みしていたら、あっという間に読みかけが何冊もできてしまった。
枕元には10冊近く読みかけが積んであり、そこからの早く読めとのプレッシャーを感じている。
とはいうものの、以前よりよく眠れている感じもあるし、大したプレッシャーでもないのかな?

ところで、その読みかけ本の中に仏教についての本がある。
なにを読むかと積読本をあさっていて眼につき読み始めたのだが、これがなんとも……。
なぜにこの本を持っているのか? いつ購入したものか? まったく記憶がないのが悲しい。
たぶん仏像の展覧会とかテレビ番組とかを観て、衝動的に勉強しようと思ったに違いない。
そういえば最近は、神社仏閣に対してみょうに魅力や引かれるものを感じるようになっている。
それに一般教養としても少し勉強してみるのも良いか、と思い読み始めたのは今月の始め。

10月ももう下旬だというのに、200ページほどの本がなぜか読み終わらない。
本は新書なのでとても分厚い本でもなく、内容にしても基本的に一般読者向けのはず。
決して読んでいないというのでもなく、ほぼ毎日手に取り、ページをめくっている。
それなのに、どんなに読んでもまったく進まないのはどういうわけなのか。
じっくりと熟読しているからじゃないの、と思われるかもしれないがそんなこともない。
ほかの本を読むのと同じに、ふつうに読み進めているつもりなのだがさっぱり進まないのだ。

そのため、じっくりとっくり、進まない原因を考えてみた。
まず第一に、仏教の思想や哲学についての解説が難しいということは否定できない。
しっかりと勉強するつもりならばまだしも、なんとなく読んでいのでは、やはり理解は難しい。
また、インドの言葉や人名がたくさん登場するのだが、これが頭に入ってこない。
おまけに仏教といえば中国伝来なわけで、漢字だらけなのがまたまた問題である。
恥ずかしながら私は漢字が苦手で、ひらがなやカタカナのほうにより愛着を感じている。

そんなわけで、一生懸命読んではいても内容の理解となるとまったく心もとない限りである。
それでも必死に理解しようと努力を続けていると、しだいしだいに意識が遠のいて……。
数学の本を読むと、知らず知らず意識が宇宙の彼方に飛んでしまうことは自覚していた。
しかし仏教の本では心も頭も完全な“無”の状態になるとは、さすがに想像もしなかった。
これってもしかして瞑想状態? まさかこの先には解脱とか悟りとかあったりして?
とりあえず、仏教の本が良質な睡眠薬になることを悟った私なのだった。


ジャパンカップクリテリウム初観戦!

2016-10-24 11:41:40 | 自転車ロード・レース

先日の土曜日、はじめてジャパンカップクリテリウムを観戦に夫婦で宇都宮に行ってきた。
私としては、ジャパンカップもはじめてだが、宇都宮市にくるのはこれがはじめて。
毎年、観戦に行きたい(餃子が食いたい)との思っていたのだが、なかなか実現しなかった。
本当は本戦のロードレースも観戦に行きたかったが、今回はクリテリウムのみの観戦。
来年は本戦のロードレース観戦ができたらと考えている。

はちきれんばかりの期待に胸膨らませ、宇都宮駅に到着したのは10時30分。
どれほど盛り上がっているかと思っていたが、駅周辺はさほどでもない様子か。
まずはクリテリウムのコースを下見と思い、どんどん歩いて行くと、なにやら人垣が。
選手の宿泊しているホテルの前らしく、選手を待つファンの人たちで溢れかえっていた。
どうやら午前のその時間は、各チームの選手がコースの試走を行う時間だったらしい。

その後も何人もの選手を見かけたが、さすがに走っているところでは声をかけられない。
おまけに、選手の顔がよくわからないのがなんとも歯がゆくも残念な限り。
中継を観るようになって、選手の名前はだいぶ覚えたんだけどなぁ……。
もっとも、日本語以外はまるで話せない夫婦としては、声をかける勇気が出てこない。
このような場合には、なんともこの気の弱さが恨めしいのだが、なんとも致し方ないところ。

そんなこんなで、あちこちキョロキョロしながらコースまわりを歩きまわって観戦地点を物色。
レースまではまだ何時間もあるのに、沿道にはシートや椅子で体制を整える観客がたくさん。
みなさん常連さんなのだろう、暇つぶしなども準備して、ベテラン観戦者のオーラが出ている。
初心者の私たちはコースを何度も行ったり来たりしても、なかなか観戦場所を決められない。
折り返し地点の近くが良いか、それとも、スピードの出る直線が良いか……迷いに迷う。

結局、折り返し地点の手前200メートルほどの位置で観戦を決めたのが12時ごろ。
早めの場所取りのおかげで、最前列で観戦することができたので、とりあえずは安心。
レースまでには私たちのまわりも徐々に人が集まり、スタートのころはけっこうな人だかりに。
選手の走りもバッチリと見れて、とりあえずは大満足のジャパンカップクリテリウムとなった。
ただ残念なのは、ゴール地点から遠く、最後のスプリントが見られなかったことくらい。

一日中立ちっぱなしで、家に帰るとすっかり疲れきってしまったが、大満足の一日となった。
自転車ロードレースは、現地で観戦しているとレースの全貌がわからないのがちと残念。
そこで帰宅後は、録画していたJSPORTSの中継を観て改めてレースの全貌を確認。
「なるほどなるほど、こんなことがあったんだ」なんて、俺はいったいなにを見てきたのか?
そういえば、結局、宇都宮餃子も食べなかったなぁ……俺はいったいなにをしていたのか?

ところで、現地観戦したレースの中継を観ると、ついつい画面に自分を探してしまう馬鹿な私。
テレビに映りたいと思っているわけでもないのだが、でも変に期待する自分もいたりして。
ジャパンカップの興奮も冷めやらぬなか、、今週末はさいたまクリテリウムがある。
毎年観戦に行っているが、とうぜん今年もなにがあっても行く予定、というか決定事項。
いまから楽しみで楽しみで、今度こそ、テレビ中継に映ってやるぞ! って、んっ?!




ブエルタ・ア・エスパーニャ2016テレビ観戦記#2

2016-09-08 13:57:42 | ブエルタ・ア・エスパーニャ

休息日明け、第17ステージ。
総合優勝争いもいよいよクライマックスを迎える。
おまけに、激坂の山頂ゴールで、道幅は狭く、舗装状況はかなり酷いとの情報。
もしかしたら総合勢の争いが勃発するかも……スカイやオリカの逆襲か、それともコンタドールのアタックか!
けっこう期待に胸膨らませテレビをつけたのだが、とりあえずはおだやかな展開が続く。
いよいよ最後の激坂山岳にって……道幅、勾配はともかく、なんだよっ、舗装はきれいじゃないか!

もしかしたら、ブエルタのコースになって舗装をし直したのかしら……?
砂利の浮いた、砂埃舞う、まるで獣道のような登りだったりして、なんて勝手に想像をたくましくしていた私。
表面上は平静を装いながらも、内心はものすっごく期待に盛り上がっていたのだが、ちょっと肩すかし。
コースプロフィールについては、さまざま言われるブエルタだけに、事前情報が間違いだったのかもしれない。
それにしても勾配のキツさに嘘はなく、どの選手も見るからにつらそうに登っていたのが印象的だった。
なるほど、この上に路面状況が事前情報度にひどかったとしたら、誰も登りきれなかったかもしれない。

総合優勝を争うキンタナ(モビスター)、フルーム(スカイ)、チャベス(オリカ・バイクエクスチェンジ)、
コンタドール(ティンコフ)の4人は、特に激しい争いはなく、結局はタイム差なしのゴールとなった。
しかし、登りの途中でコンタドールが飛び出しフルームが遅れたときは、正直、いよいよダメか! と思った。
それまではだらしなく寝転んで観戦していた私も、思わずガバッと跳ね起き正座してしまったほどである。
離されては追いついて、離されては追いついて、フルームの走りはわかっていたはずなのに……騙された。
フルームよ、俺のドキドキ、ハラハラを返してくれ! たぶん3日くらいは寿命が縮んじゃったよ!!

このブエルタでも何度も騙されたはずなのに、それでもフルームのマイペース走法にはヒヤヒヤさせられる。
おまけに、最初に攻撃を仕掛けるのはコンタドール、というのもこれまた今回のブエルタではおなじみの展開。
そしてコンタドールはじきにライバルに追いつかれ、そのまま置いていかれるのもここまでのお決まりだった。
しかしよく思い起こしてみると、昨日の17ステージは少し違ったような感じもしないでもない。
コンタドールの攻撃は、これまでのステージで見せたものよりも強力だったような気がしないでもない。
それに比べて、フルームの走りは、これまでのステージでみせたほど安定してはいなかったような……。

コンタドールとフルームの調子が逆転してきたのかしら……なんて気がしてこないでもない。
この二人の好不調から見ると、キンタナは相変わらず好調を維持して、走りぶりにも危ないところが感じられない。
素人の勝手な見立てだが、やはり、現状ではキンタナが調子の意味でも一歩優位に立っているように思える。
今日は200キロと距離は長いものの、後半は下り基調で、最後はスプリント勝負になりそうな感じ。
山場のタイムトライアルを控え、総合争いは一時休止、といった感じになるのではないだろうか。
総合争いにハラハラドキドキが止まらない私にとっても、今日は“脚を貯める”日になりそうでちょっと安心。