なにがなんだか ver.goo

意味不明、てんででたらめ、カオス。

黒野家の人々「三男編・詐欺兎」

2008-01-13 12:09:20 | 黒野家の人々
 さて。
 年末に幻想郷に突き落とされた俺こと黒野洸摩は、大晦日の地獄のような宴会と年始の宴とつき合わされ、幻想郷の住人と程よく仲良くなりました。
 で、今日はひさびさに弾幕訓練。
 相手は不死の人間、藤原妹紅。
 なぜか最近お姉さんぶっております。
 ……鈴仙といい、美鈴といい、紫さんといい、なぜかお姉さんぶる人たちばかりです。
 ……あんたらに言いたい。

「皆ショタコンですかと」

「そんなつもりはないんだけどな。てか、お前から見たら皆お姉さんだろうに」

 それもそうでしたね。

「じゃあ、今日はここまで。明日も来るのか?」

「いや、明日は白玉楼にお邪魔することになってるんで」

「……あの亡霊のところか……食われないようにな」

「……気をつけます……」

 前回、前々回の宴会で、見事に食われかけました(物理的に)。
 妹紅と別れ、迷いの竹林を進む。とりあえず永遠亭に。
 直接紅魔館に向かうと迷うのは立証済み。これまでも何度か迷っている。
 ……ところで、皆さんは因幡の白兎をご存知だろうか?
 鰐を騙して利用して、それがバレて皮を剥がれた兎の事です。
 日本神話では精霊化しているかの兎、ここで妖怪(妖獣)として暮らしていたのです。
 で、だな。

「……じぃ~~~~~~~~~」

「……」

「……じぃ~~~~~~~~~」

「……なんか用かてゐ」

「べ~~~つ~~~に~~~」

 何か凄い目つきで睨まれています。
 俺、彼女に何かしたのか……?

「用がないんなら、俺は行くぞ……」

「勝手に行けば~~~?」

 なら、凄い表情でついてくるのをやめていただきたい。
 いや、ホントに。
 仕方ないので……

「じゃあ、逃げる」

「……!」

 全力で走り出す。
 目標地点を永遠亭から紅魔館に切り替え。
 これで迷うのは確定となった。
 ……まあ、あとで永琳さんに助けてもらおう。
 最近彼女に助けを求めるとどこからともなく現れるようになってしまったし。
 あれですか? 紫さんからスキマ能力分けてもらいましたか?
 あと、報酬にと俺で遊ぶのはやめてもらいたい。
 や、あの胸にうずまるのはいやではないのですが。
 ……今は彼女をどう撒くかだな。
 俺に用がないはずなのに、全力でついてきてるし。

「ま~~~て~~~~!」

「ち! 待ってほしければ……弾幕勝負!」

「! 望むところ!」

 乗ってきた!
 使うスペルワードを3つ選択。風属性の通常弾幕『天神の嵐』、派生スペルワード・嵐剣『グラディウス』、ラストスペル・刑罰『月下美人』。
 向こうもスペカを3枚提示。
 いざ勝負!

「行くよ! 脱兎『フラスターエスケープ』!」

 勝負なのに脱兎とはこれいかに。
 けど、ぴょんぴょん跳ね回りながらの弾幕放射は法則が読みにくい!
 ……宴会のときに、弾幕のベテランである博霊の巫女に、弾幕勝負のコツを聞いてみた。

『弾幕はパターンの読み合いよ。どこぞの魔法使いみたいに、馬鹿でかいレーザー撃ってる奴でも、ちゃんとパターンは存在する。それを読みきれば、たいてい負けることはないわ』

 うん、それ無理。
 ちなみに、うちの兄貴二人はできたらしい(紫さん談)。
 あんな化け物といっしょにせんでもらいたい。
 や、ここの住民ある意味皆化け物だが。

「けど、やるときゃやる! アイ○ンギ○ーも男の子ォ!!」

 気合避けで何とか一枚目突破!
 反撃に移る。

「こっちの番だ! 『天神の嵐』!」

“God's storm”

 こっちに来て組み上げた風属性の術式を発動する。
 五~七個の小型竜巻が不規則に走り、半円の魔力弾を放射。
 レベルはノーマル。レベルを上げれば竜巻の数が増える。

「ふぇ!? やば!!」

 が、これで彼女は逃げ場を失い、簡単にワンミス。
 すぐに復活するも、次のスペカを使うまもなくゲームオーバーとなった。

「……コンテニューする?」

「……しなぁい……」

 うつ伏せで震える兎娘。
 ……弱いものいじめしてる気がするのは何故だろう?

「で? 一体なんのようだったんだ?」

「だって!! 最近鈴仙が遊んでくれないんだもん!!」

 そこで鈴仙の名前が出て来るのがわからない。

「最近、鈴仙はずーーーーーーーと紅魔館にばっかり行っちゃって、たまに家にいてもボーーーーーーと上の空だし……。で、出てくる名前が……」

 俺だったと。
 や、正直すまんかった。

「だから、あんたを追い出せばまた鈴仙と遊べると思って……」

 ……いや、嫉妬されても本気で困る。
 どうせ、来年にはいなくなるんだし。

「むぅ。じゃあ、あれだな。鈴仙とまた遊べるようになればいいんだな?」

「うん……」

「……では、一つ策を弄する事にしようか」

「?」

 まあ、これでストーカーまがいの事されずにすむなら安いものだ。





「あ、鈴仙。てゐって可愛いよな。俺の妹にしてもいいか?」

「×○△▲◆~~~~~!!(私が食材ネタでてゐが妹~~~~~~!!)」





 その後、追いかけっこで嬉しそうに飛び跳ねる因幡てゐと、泣いているのか怒っているのか微妙な表情で捕まえようとする鈴仙・優曇華院・イナバの姿が、永遠亭で目撃されたのは俺の知ったことではない。









 http://www.nicovideo.jp/watch/sm46309

 ↑を見てやった。反省はしていない。
 ひさびさの更新。高校編書いててデータ消去で少し凹んでました。
 てか、ブログなんだから普通に日記書こうよ。俺。
 で、ついでだから会話形式を排除、主人格視点での小説にしてみました。
 次こそは高校編……書けたらいいなと。
 でわでわ。

 


黒野家の人々「次男編・Mirrorワールド」

2008-01-08 10:19:21 | 黒野家の人々
 さて。

鏡「お話聞かせてもらうってことは、出会い頭でスターライトブレイカーでFA?」

なのは「ううん? SLBとPZBとRB」

鏡「トリプルブレイカーーーーー!? うちの兄、闇の書の闇扱い!?」


 機動六課地球臨時支部(なのは達の借りたマンション)・はやての部屋


鏡「さて、夜分遅くに皆すまない。これより、第一回『糞兄貴のせいで鏡面世界に閉じ込められちゃったぜヒャッホウ! とりあえず現状確認とこれからの事と、どうやって糞兄貴を殺すか会議』を始めたいと思います」

相沢「長い上に物騒だな」

こなた「て言うか~、また三年生やり直し~? 正直きついよ~」

千鳥「まあ、予習しなくていい分楽といえば楽かな?」

相良「だが千鳥、こうなると、また修学旅行で拉致される可能性も……」

鏡「ああ、そっちは大丈夫だと思う。逆行二周目ではあるが、すでに起きたイベントはすべからく排除されるはずだ。12月20日までに起こった全てのイベントはな」

千鳥「じゃあ、修学旅行は?」

鏡「普通に行われるだろうな。ただし、そっちで起こった拉致イベント抜きで」

相沢「仮に何か起こっても、俺に黒野に相良に……なんか、ミスリルに頼らなくても何とかなりそうじゃないか?」

相良「……否定できないところだな」

倉田「じゃあ、普通に12月まで過ごせばいいんですか?」

鏡「そうですね。特に、管理局サイドの皆さんにとっては、長い休日だと思ってもらえればいいんじゃないかと」

はやて「でも、その間に向こうに何かあったらどないするんや?」

鏡「その点に関しては安心してほしい。こちらの世界が12月20日になり、『祈願の鏡』を回収した時点で、元の世界の時間軸に戻る。つまり……」

フェイト「向こうの世界は、時間が止まっていることと同意義……?」

鏡「そういうことです。まあ、多少はズレると思いますが、その日の翌日にはミッドに戻れると思います」

なのは「そうだね。そのときには純也さんに少し頭を冷やしてもらわないと……」

ティアナ「ガタガタブルブル」

川澄「……大丈夫?」

スバル「あー。大丈夫です。少しトラウマになってるだけですから」

なのは「それどういう意味かな? スバル?」

スバル「なんでもないであります! サー!」

鏡「でも……全員、無事元の時間軸に戻ったら、全力全開でうちの糞兄貴に制裁を加えてあげてください。ええ、もう容赦なく。全力全壊で」

こなた「……きょうちゃん。ほんっとうに苦労してるねぇ~」

シグナム「……では、黒野から依頼されていたクラス表だ。黒野、確認頼む」

鏡「すみません。……にゃるほど」

 都亜流高校クラス表(主要、準主要人物のみ)

一年二組:月宮あゆ(K)、美坂栞(K)、天野美汐(K)
  三組:三輪坂真言美(Y)、百瀬壮一(Y)
  四組:担任・岡部(S)、キョン(S)、涼宮ハルヒ(S)、谷口(S)、国木田(S)、小早川ゆたか(R)、岩崎みなみ(R)、田村ひより(R)、パトリシア・マーティン(R)、ティアナ・ランスター(L)、中島スバル(L)
  五組:長門有希(S)
  六組:古泉一樹(S)
二年一組:美樹原蓮(F)
  二組:担任・石橋(K)、副担任・シグナム・八神(L)、黒野鏡、相沢祐一(K)、水瀬名雪(K)、美坂香里(K)、北川潤(K)、斎藤(K)、久瀬(K)、稲葉瑞樹(F)
  三組:羽村亮(Y)、星川翼(Y)
  四組:担任・神楽坂恵里(F)、相良宗介(F)、千鳥かなめ(F)、常盤恭子(F)、小野寺孝太郎(F)、風間信二(F)、喜緑江美里(S)
  五組:七荻鏡花(Y)
  六組:八坂こう(R)、朝比奈みくる(S)、鶴屋(S)、椿一成(F)
三年一組:川澄舞(K)、倉田佐祐理(K)、林水敦信(F)、
  二組:担任・黒井ななこ(R)、泉こなた(R)、柊つかさ(R)、高良みゆき(R)、フェイト・T・ハラオウン(L)
  三組:担任・桜庭ひかる(R)、柊かがみ(R)、日下部みさお(R)、峰岸あやの(R)、八神はやて(L)、高町なのは(L)
  四組:火倉いずみ(Y)、新開健人(Y)
保険養護教諭:天原ふゆき(R)、シャマル・八神(L)、西野こずえ(F)
美術教諭:水星庵(F)
※()内は作品略称。L=リリカルなのは。K=Kanon。R=らきすた。F=フルメタルパニック。S=涼宮ハルヒの憂鬱。Y=夜が来る!

鏡「……てぇ! 12月の時点でいなかった人までいるがな! これが新しい歪みか!」

シャマル「……私としては、養護教諭が三人もいる時点でとんでもないと思うんですけど……」

こなた「出番が減るからね~」

なのは「じゃあ、ひょっとして、その人たちのイベント?が、起こる可能性はあるってことなの?」

鏡「……この配置なら十分にあるな。……相良、月は出ているか?」

相良「……肯定だ。だが、隣の蒼い月は何だ?」

全員『ええ!?』

鏡「……はい、確定。じゃあ、諸注意だけ。『夜歩くときは武装すること』。あと、『二人以上で行動すること』。最後、『敵生体に出会ったら、話し合いより先に逃げるかぶっ飛ばすか』。以上を心がけてくれ」

ティアナ「ず、ずいぶん乱暴ね」

フェイト「じゃあ、戦闘になる可能性はあるってこと?」

鏡「ある。確実に。向こうは一部を除いて完全に人間の敵だ。……だから、話を聞かせてもらうんじゃなく、倒すこと。……できるだけ逃げてほしいんだが、立ち向かいそうなのがそろってるしな。ここのメンバー」

はやて「ほな、その敵生体の説明よろしく。知っとるんやろ?」

鏡「了解。……敵の総称は光狩。半霊体の夢魔だ。その名の通り、人間の夢や精神、心を食らう性質で、それらを食われた人間は植物人間になるか、狂人になる。対処法はその光狩を倒すことだが……ここのメンバーの力でも倒せないことはないが、最低限、霊視が使えないと光狩の姿は見えない。今の状態だと……こなたぐらいしか対処できそうにないな」

こなた「そだね。霊視が使えるキャラになればいいんだよね?」

鏡「そうだ。魔導師メンバーは霊体視覚補助の魔法を考えとくから、もしそれら敵生体……狂人に出会ったら、逃げるか気絶させるかしてくれ。質問があればどうぞ」

千鳥「私たちはどうすんの?」

鏡「そっちにはなんか対応考えとく。兄さんの倉庫の中に、それっぽいのがあったはずだから探しておくよ」

相良「……その化け物に、物理攻撃は効くのか?」

鏡「難しいな。千鳥はパールで対応できるとしても……相良用に何か探しておくよ」

相良「すまない」

鏡「ほかにないようなら、今日は解散。こなたと相沢、倉田先輩達は俺が送っていこう」

相沢「わかった」(←歩いて5分)

こなた「じゃあ、おやすみなさ~い」(←歩いて3分)

倉田「失礼しますね」(←歩いて20分)

川澄「……また……」(←歩いて15分)

千鳥「じゃあ、私は部屋に戻るわ。宗介、帰るわよ」(←同じマンションで三階上)

相良「了解だ、千鳥」(←向かいのマンション)

フェイト「じゃあ、私たちも戻ろうか」(←同じ階の左隣)

なのは「そうだね、ヴィヴィオも待ってるし」(←上に同じ)

ティアナ「私たちも失礼します」(←同じ階の右隣)

スバル「おやすみなさ~い」(←上に同じ)

はやて「皆気ぃつけてな~」(←部屋主)

シグナム「何かあったらすぐ知らせろ」(←同上)

シャマル「おやすみなさい。みなさん」(←同上)











鏡「……で、だな。こなたたち全員送って、帰る途中に、なぜか知らないが! 隣の人と! 逃げている俺がいる! 何故かな!?」

???「お、俺に聞かないでくれ!!」

狂人「ぶるぁぁぁぁぁぁぁ!!」

鏡「ちぃ! どこの穴子さんだ!」

???「ちょ! どうするんだ!」

鏡「仕方ないから張ったおす! 先逃げろ、名も知らぬ一般市民A!」

???「羽村だ! 羽村亮!」

鏡「黒野鏡だ。じゃあ、さっさと逃げる!」

羽村「無茶言うな! あんたを置いて逃げられるか!」

鏡「大丈夫。俺は、結構強いんだ……ぜ!」

狂人「が!?」

羽村「……かかと落とし一撃かよ……」

鏡「どうよ? ……さて、仕上げ……?」

 シャン!

鏡「? ……ありゃま。本職が来たか」

羽村「本職?」

???「……」

鏡「後は任せて平気ですか?」

???「……ええ。大丈夫」

羽村「大丈夫って……」

???「今日のことは……『わすれて』」

羽村「え?」

鏡「な! 精神支配!? ……て、なんだ。兄さんに比べれば、まだ軽いか。……羽村はかかったようだな。……あんな足取りで大丈夫かね?」

???「……あなたには効いてないの?」

鏡「黒野家の人間をなめてはいけない。それぐらいの精神支配、洸摩でもレジストできるぞ?」

???「あなた……何者?」

鏡「ちょっと力のある人間様です。……じゃあ、後始末お願いしますね、『火者』の人」

???「ちょ、ちょっとまって!」

鏡「縁があったらまた会おう~~」

???「……不思議な人……」











 で、夜が来る!参戦!。
 本当はSRWのバンプレオリキャラだそうとも考えたんだが……数多すぎ。
 次回からは都亜流高校編。一年、二年、三年と順次目線を変えながらお送りします。
 長男編はしばらくお休み。
 三男編はネタが思いついたら書きます。
 でわでわ

黒野家の人々「長男編・機動六課」

2008-01-07 05:53:17 | 黒野家の人々

 さて。

 えーりんえーりんたすけてえーりん♪

純也「はいはい……っと。鏡か? お前からとは珍しいな。……トラブルか?」

鏡『……いろいろと言いたい事はたくさんあるけどな。まずいことになった。そっちからこっちの座標確認してくれ』

純也「? わかった……ユグドラ、鏡の現在位置表示……? お前、面白いところにいるな?」

鏡『なにが面白いんだ?』

純也「ええと、言うぞ? 第97管理外世界の鏡面次元だな。場所は俺の家だな。……ただ、そちらの世界から、通常手段では別次元に干渉することはできないな」

鏡『……あ~つまり、その鏡面次元に閉じ込められたか』

純也「そのようだな。……どんなミスした? した?」

鏡『嬉しそうに聞くな! ……ロストロギア『祈願の鏡』を壊した』

純也「げ。あれ壊したか……厄介な」

鏡『……兄さん? 何であんたが『祈願の鏡』のこと知ってる?』

純也「それ作ったの俺」

鏡『またか!? またあんたのせいか!?』

純也「まあ、許せ。で? どんな『願い』が通ったんだ?」

鏡『……時間を戻せ』

純也「……で? 今何時だ?」

鏡『……日付……4月10日!?』

純也「……あ~、ま~、がんばれ」

鏡『がんばれじゃない! どうすればいいんだこれ!?」』

純也「多分、使用した日付と時間になれば元の次元に戻るから。後、そのときに同じ場所に言って、鏡の回収だけよろしく。……アカシックネットは使えるから、また困ったことになったら呼んでくれ」

鏡『……じゃあ手始めに死んでくれ。俺の平穏のために』

純也「まあ、うれしはずかし高校生活を満喫したまえ。ではな。……さて、じゃあ、六課のほうに顔出してみますか……」

 ピチャ

純也「……力もろくにないくせに、幻想を夢見た愚か者。己が鮮血に塗れて溺死しろ……なんてな?」





 機動六課・駐機場

ヴァイス・グランセニック「……あのね。今ちょっと忙しいんだから、取り次げないんだって。いいかげん諦めてくれないかなぁ……」

純也「頼む! 部隊長に面会したいんだって! あ~ほら、教導官でも、執務官でもいいから!」

ヴァイス「だから~、勘弁してくれないか「あ~~~~~!! てめぇ!!」て、ヴィータ副隊長?」

ヴィータ「こんなところにのこのこ出てくるたぁいい度胸だ! はやてを返しやがれ!!」

純也「はぁ? 俺はそのはやてちゃんに会いたいんだってば。それなのに彼が……」

ヴィータ「……お前の仕業じゃねぇのか?」

純也「……何かあったのか?」

ヴィータ「……はやてと連絡がつかなくなったんだ。第97管理外世界で」

純也「(……ハイ、俺の仕業です)そうなのか……わかった、とりあえず、隊長クラスの人集めてくれ。何人か残ってるんだろ?」

ヴィータ「それが……あたし一人なんだ」

純也「……おいおい。じゃ何か? 隊長陣三人で地球に行ってたってことか?」

ヴィータ「シグナムとシャマル、スバルとティアナと、あとヴィヴィオもだ」

純也「……ここの仕事どうすんのさ?」

ヴィータ「……」

純也「しかたないなぁ。ちょっと失礼……アカシックネットワーク、コネクト」

 ぴぴぴぴぴ
 ザザ!

純也(エンキ)「アーアーアーんあーあー

鏡『……兄さん?』

純也(エンキ)「鏡かな? エンキドゥだが、純也から話は聞いた。……近くに、はやてちゃんはいるかな?」

鏡『……ええ、いますよ師匠。……はやてさん。エンキドゥ師匠からです』

はやて『……エンキドゥさん?』

純也(エンキ)「やあ、はやてちゃん。久しぶりだね。JS事件のときは手伝えなくてごめんね? 別の仕事でしばらく留守にしててさ」

はやて『いやいや、ええんですよ。そっちは何とかなりましたし。……けどすみません。こっちはちょっとややこしいことになっとるんですわ』

ヴィータ「は、はやて!? 無事なのか!?」

はやて『ヴィータ? ……て、ことはエンキドゥさん、今六課におるんですか?』

純也(エンキ)「ああ、そうだよ。こちらの仕事にようやく目処がついてね。……ところで、隊長組。ヴィータちゃん残して全員そっちにいるんだ? ……ちょっと軽率じゃないか?」

はやて『う。それいわれたらきっついわ~。ちょくちょく帰る予定やってん。こんな事態に陥るとは思わんかったわ純也さん』

純也(エンキ)「はははは。そりゃ災難だったね。で、部隊長?」

はやて『ん~? なんや~? 純也さん』

純也「……何時気づいたのかな?」

鏡『ああ、俺が喋った』

純也「お~ま~え~な~! 何でバラすかね君は!」

鏡『あんたに振り回される弟の怒りと思い知れ!』

はやて『あ、そうそう、ヴィータもちゃんと知っとるで?』

純也「……あとで詳しく説明でいいか? ヴィータちゃん」

ヴィータ「……ああ、今ははやてが先だ」

純也「だな。……さて、はやてちゃん。だとすると、今の君達の現状は鏡から聞いたな?」

はやて『うん。純也さんのせいやってこともちゃ~んと聞いたで?』

純也「そうか。なら、話は早い。君らJS事件で無理しまくったろ? ちょうどいい休暇だと思って、しばらくそこで高校生活満喫してなさい。12月の20日になったら、『祈願の鏡』を回収することも忘れずに。あと、鏡。そっちの世界な、今回のことでまた歪みがいくつかできたから、そっちの修正もよろしく。俺からは以上。質問は?」

鏡『俺のほうからは特にないな。……皆さんから何かあります? ……なのはさんからちょっとあるって』

なのは『……純也さん』

純也「はいはい。なにかな?」

なのは『……どうして、顔を隠して、私たちを助けてくれたんですか?』

純也「……何時のことを言っているのかわからないが、そうだな。君達を手伝ったときのほとんどが、私のミスだからさ。それに、ロストロギアで君達……いや、管理局に渡せないものを先に回収するためでもあった。……いつぞやの『紅いティンクトゥラ』みたいにね?」

なのは『……あの偽物は、純也さんが掏り変えたものだったんですね……』

純也「恨んでくれてもいいし、憎んでくれてもいいよ。……ただね? 正義や法をつかさどる組織は、大概裏で何やってるかわからない所がある。JS事件もそうだったろう? ……そして、今回もちょっとあったし」

なのは『……幻想郷……ですか……』

純也「それも鏡に聞いたのか? ……まあ、そういうことだ。あと」

なのは『あと?』

純也「君達三人はそろって無茶したがる傾向にあるからな。俺が目に付く範囲だったら、手伝おうとしたかった。でも、ユグドラのことばれると後々厄介だしな。そのための変装だ。許せ」

なのは『……絶対に許しません。帰ったら、ちゃんとお話聞かせてもらいますから!』

純也「ああ、期待して待ってよう。じゃあね」

ヴィータ「……さて? 私もいろいろ聞きてーんですけど?」

純也「ああ、そうだね。少し話を……えと、ギガントフォルムはないんじゃないかなぁ?」

ヴィータ「……騎士の情けだ。一発だけで勘弁してやる!! ギガント!!」

グラーフアイゼン『Giganthammer Explosion

ヴィータ「ハンマーーーーーー!!」

純也「……やっぱり『話を聞かせてもらう』は『とにかくぶっとばす』でファイナルアンサーーー!?」




 ドカーーーン!!!





隊員A「うわぁぁ! 駐機場がめちゃくちゃだぁぁ!!」

隊員B「ヴァイス曹長! 大丈夫ですかぁ!」

隊員C「いや、だめだぁぁぁ!」

隊員D「あと、金髪ジャージ男が愉快なカッコで埋もれてるぞォォ!!」

隊員E「金ぴかが愉快なカッコで埋もれてるぞォォ!」

ギル「わ、我が何をした……がく」











 やはりギルはオチ担当がよく似合う。
 次は次男編やってから、都亜流高校編と移ります。

黒野家の人々「次男編・Returnワールド」

2008-01-06 05:56:45 | 黒野家の人々

 さて、放課後。
 黒野鏡は管理局のスターズ小隊(高町なのは、スバル・ナカジマ、ティアナ・ランスター)の三人を連れ、問題の文芸部室(SOS団本部)にやってきた。

鏡「……帰りたい」

ティアナ「一言目がそれ? しっかりしなさいよ」

なのは「うう~、まだ怒ってる?」

鏡「そういうわけじゃないんですが……」

スバル「じゃあ行きますよ~……失礼します」

 ガチャ。

スバル「あれ? キョン君。何でこんなとこに?」

なのは(スバル? 知り合い?)

スバル(同じクラスの人ですよ)

キョン「それはこちらが聞きたい。何の用だこんなところに」

鏡「うぅわ。思った以上に酷いなここ……」

なのは「そうだね、次元が歪みまくってる」

鏡(これは……『祈願の鏡』見つけたら、さっさと退散したほうがよさそうだな……)

ティアナ「ちょっとなのはさんと校内見学よ。ここって部室?」

キョン「一応な。だが、今は取り込み中だ。すぐ別の場所に行くことをお勧めする」

ティアナ「……女の子にメイド服着せて取り込み中? ……なにしようとしてたのよ」

キョン「まて、これは俺の趣味じゃない。むしろハルヒの趣味だ」

スバル「ハルヒって、涼宮さん? 彼女ってその……そっちの趣味が?」

 バタン!!

涼宮ハルヒ「あーーー!! いないと思ったら直接来てたのね!」

キョン「遅かったか……」

涼宮「ここであったが百年目よ! 観念して正体をあらわしなさい!」

スバル「え!? 何でばれ「ちぇい」きゃん!」

ティアナ(ちょ、鏡! 足払いはやりすぎでしょ!)

鏡(しかたないだろ! 自分で正体ばらそうとしてたんだから!)

スバル(あうう~ ごめんなさい~)

鏡「まったく……えっと、失礼、うちの後輩が君に何か疑われるようなことでも?」

涼宮「あんたがこの子達のボス? ここがSOS団のアジトだと知ってて乗り込んだのね? あんた達がよからぬことを企んでいるのは知ってるのよ! 白状なさい!」

キョン「……どうやったらそこまで話が飛躍するのか、本当に教えてもらいたいところだ」

鏡「(いやまったく)よからぬ事とはどんなことだ? ぜひ教えてほしいな」

涼宮「そうね……このSOS団をのっとろうってことでしょ!?」

キョン「こんなところ乗っ取ってどうすると言うんだお前は」

鏡「はずれ。というか、今考えたろそれ」

なのは「あの、私たちは本当にたまたまここに入っただけで、あなた達に危害を加えようとは考えてないんだよ?」

涼宮「むぅ、ならいいわ……じゃあ何? 入団希望者? それだったら歓迎するわよ?」

鏡「ええと……少したずねたいことがありまして。ここ最近、大切な鏡をなくしましてね? こういうものなんですけど……<懐から写真を取り出し、涼宮に見せる>……心当たりはありませんか?」

キョン「何故それをハルヒに聞く? 普通、そういうものは警察に聞くものだろう?」

鏡「ああ、すでに警察には聞きまして。こうやって地道な聞き込みをおこなっているんですよ」

キョン「なるほどね。ハルヒに心当たりがあるとは思えんが……」

ハルヒ「……これかしら?」

キョン「あるのかよ!」

なのは(よかった、もう恥ずかしいかっこしなくてすむ)

スバル(やっぱり恥ずかしかったんですね……)

ティアナ(……もう少しこのままでもよかったかなぁ……)

スバル(ティア?)

ティアナ(なんでもない)

鏡「間違いないです。助かりました」

ハルヒ「……こんどから、無くさないようにしなさいよ?」

 バタン!

鏡「は、い!?」

???「遅れてすいません」

 グチャ

???「……? 何の音です?」

キョン「鏡が割れた音だ。……只の鏡が割れただけのはずだ!」

鏡(グチャって、金属の割れる音じゃないだろ!?)

なのは(ろ、ロストロギアが……)

ティアナ(割れた……?)

スバル(なんか酷くいやな予感……)

鏡(落ち着けお前ら。なのはさん、あれって確か、持ち主の願いを強制的に叶えるアイテムでしたよね!?)

なのは(そうだよ! ただ、叶え方に問題があるから、封印扱いになってたんだよ!)

鏡(それってどんな?)

なのは(……ごめん、よくわかんない。けど、危ないものらしいんだよ)

鏡(あんたそればっかりだな!!)

なのは(ご、ごめ~ん! 今回ははやてちゃんもついて来てたから……)

鏡(言い訳になってねぇぞ!)

スバル(……鏡さんて、なのはさん相手でも容赦ないよね?)

ティアナ(……まあ、それなりの実力もあるしねぇ……)

???「……僕、何か悪いことしたんでしょうか?」

キョン「間が悪かったのは認める。だが、何か起こりそうだというのは間違いなさそうだな」

涼宮「なによ。鏡が割れただけでしょ? なにそんな怖い顔してるのよ?」

キョン「ただの鏡だったらな」

なのは(彼、あの鏡のこと知ってるの?)

鏡(いや、むしろ、俺達の正体に心当たりがあるって所か?)

スバル(……そういえば、私、昼休みに屋上から出たところで彼にあってます)

鏡(それを先に言え、ばかたれ!!)

涼宮「なんなのよ! いらつくわね。弁償でもしろって言うの!?」

鏡「いや、弁償できるものじゃない。取り落とした俺も悪かった」

涼宮「わ、悪かったわね!」

鏡(とにかく、彼女がすぐにこの場から離れてくれれば、ロストロギアも発動できまい……)

涼宮「……時間でも戻せれば、元通りになるのに……」

鏡「うわ、『願い』やがった!?」

涼宮「え?」

キョン「うぉ!?」

メイド?「きゃん!?」

男子「これは!?」

女子「……迂闊」

ティアナ「え? な……」

スバル「光が!?」

なのは「……ここまでなの……」

鏡「くっそ、やられた!?」

 ……パタン











 ???・室内

鏡「……と。……俺の部屋? ……体は無事だが……なんで俺の部屋に転移してんだ?」

 ゆかゆか~ゆかりん~ゆかりゆかゆか♪

鏡「……はい。鏡ですが?」

なのは『鏡君!? 無事!?』

鏡「ああ、こっちは何とか。そっちはどうです? ティアナ達は?」

なのは『みんな無事。今どこに?』

鏡「自分の家だ。そっちは?」

なのは『私たちも、家に飛ばされたよ。……でね? おかしいんだよ! 管理局と連絡がつかないんだよ!』

鏡「……まて、はやてさんたちは!?」

なのは『あ、ちょっと待って……』

はやて『鏡君か? はやてや』

鏡「ああ、そっちは全員ちゃんといるな? 管理局と連絡できないって?」

はやて『こっちは全員おる。けど、管理局の本局にも、六課にも連絡がつかんのや! 座標はあってるはずなのに……』

鏡「……わかった、そっちに行く。ちょっと待ってろ」

はやて『ごめんな。待ってるわ』

鏡「……俺のミスだ。すまん」

 ピ!

鏡「……さて、一応……コマンド、アカシックネットワークオープン」

 ぴぴぴぴぴ!!
 ザザ!!

純也『っと。鏡か? お前からとは珍しいな。……トラブルか?』

鏡「……いろいろと言いたい事はたくさんあるけどな。まずいことになった。そっちからこっちの座標確認してくれ」

純也『? わかった……? お前、面白いところにいるな?』

鏡「なにが面白いんだ?」

純也『ええと、言うぞ? 第97管理外世界の鏡面次元だな。場所は俺の家だな。……ただ、そちらの世界から、通常手段では別次元に干渉することはできないな』

鏡「……あ~つまり、その鏡面次元に閉じ込められたか」

純也『そのようだな。そんなミスした? した?』

鏡「嬉しそうに聞くな! ……ロストロギア『祈願の鏡』を壊した」

純也『げ。あれ壊したか……厄介な』

鏡「……兄さん? 何であんたが『祈願の鏡』のこと知ってる?」

純也『それ作ったの俺』

鏡「またか!? またあんたのせいか!?」

純也『まあ、許せ。で? どんな『願い』が通ったんだ?」

鏡「……時間を戻せ」

純也『……で? 今何時だ?』

鏡「……日付……4月10日!?」

純也『……あ~、ま~、がんばれ』

鏡「がんばれじゃない! どうすればいいんだこれ!?」

純也『多分、使用した日付と時間になれば元の次元に戻るから。後、そのときに同じ場所に言って、鏡の回収だけよろしく。……アカシックネットは使えるから、また困ったことになったら呼んでくれ』

鏡「……じゃあ手始めに死んでくれ。俺の平穏のために」

純也『まあ、うれしはずかし高校生活を満喫したまえ。ではな』

鏡「……泣くぞもう」











 こんな事態になりました。
 次は長男編。
 

黒野家の人々「キョン編・12月20日放課後」

2008-01-05 20:21:15 | 黒野家の人々
 一日の授業がすべて終わり、放課後である。
 ハルヒのターゲットであるところの二人は終業のチャイムと共に何時の間にかいなくなっており、ハルヒが悔しがっていたのを除けばいつもどおりの放課後である。
 部室でまた会うのはわかりきっていることだが、ハルヒと別れ、俺はSOS団の部室に足を運ぶことにした。
 部室をノックすると、朝比奈さんの可愛らしい返事。
 どうやら、入っても問題なさそうだ。
 ノックせずに入って、以前えらい眼福な……いやいや、とんでもない目にあわせてしまったからな。
 部室のドアを開けると、朝比奈さんと長門の二人だけ。
 朝比奈さんはいつものメイド服、長門もいつもどおり部屋の隅で本を読みふけっている。
 そうなると、俺もいつもどおり席に着き、古泉かハルヒが来るまで時間を潰すだけだ。
 うむ、ここまではいつもどおり、何も変わったことなど起こりはしない。
 俺の中での普通の一時だった。
 だが、やはり神様とやらは俺のことが嫌いなのか、とんでもないトラブルを持ち込んでくれやがった!

???「失礼します」

 そう言って部屋に入ってきたのは四人の生徒。
 その中に、俺のクラスの転校生二人が入ってたのは正直びっくりだ。

中島「あれ? キョン君。何でこんなところに?」

「それはこちらが聞きたい。何の用だこんなところに」

???「うぅわ。思った以上に酷いなここ」

???「そうだね、次元が歪みまくってる」

 何か物騒な響きが聞こえてくるが、その二人を無視して、中島とランスターに目を向ける。

ランスター「ちょっとなのはさんと校内見学よ。ここって部室?」

「一応な。だが、今は取り込み中だ。すぐに別の場所に行くことをお勧めする」

 ハルヒが来たらなにが起こるかわからんしな。

ランスター「……女の子にメイド服着せて取り込み中? ……なにしようとしてたのよ」

「まて、これは俺の趣味じゃない。むしろハルヒの趣味だ」

中島「ハルヒって、涼宮さん? 彼女ってその……そっちの趣味が?」

 そっちとはどっちのことだ?
 不穏当な発言は控えてくれないか?
 そして、すぐに回れ右して立ち去ってもらいたい。でないとそのハルヒが来てしまう。

ハルヒ「あーーー!! いないと思ったら直接来てたのね!」

 ……遅かったか。
 彼女らの後ろに現れる暴風女涼宮ハルヒ。
 ものすごい剣幕で中島とランスターに詰め寄り、大声で威嚇する。

ハルヒ「ここであったが百年目よ! 観念して正体をあらわしなさい!」

中島「え!? 何でばれ「ちぇい」きゃん!」

 隣の男子にきれいに足払いを決められ、転倒する中島。
 あいつ、なかなかできる!
 
???「……えっと、失礼、うちの後輩が君に何か疑われるようなことでも?」

 彼は平然とハルヒに口をはさむ。
 生徒会長以外でハルヒに意見を出せる人物を俺ははじめてみた。
 だが、当然ハルヒの勢いは止まることを知らない。

ハルヒ「あんたがこの子達のボス? ここがSOS団のアジトだと知ってて乗り込んだのね? あんた達がよからぬことを企んでいるのは知ってるのよ! 白状なさい!」

 ……どうやったらそこまで話が飛躍するのか、本当に教えてもらいたいところだ。
 相手のほうは……笑ってやがる。

???「よからぬ事とはどんなことだ? ぜひ教えてほしいな」

ハルヒ「そうね……このSOS団をのっとろうってことでしょ!?」

 こんなところ乗っ取ってどうすると言うんだお前は。

???「はずれ。というか、今考えたろそれ」

 うおお。ハルヒに普通に突っ込んだよ。

???「あの、私たちは本当にたまたまここに入っただけで、あなた達に危害を加えようとは考えてないんだよ?」

 サイドポニーの女生徒が、二人に割ってはいる。かなり落ち着いた物腰だが、相手に有無を言わせぬ迫力があるのは確かだ。
 さすがにその女性には反論できないのか、ハルヒはづかづかといつもの団長席に座り、四人を胡散臭げに見つめた。

ハルヒ「じゃあ何? 入団希望者? それだったら歓迎するわよ?」

 常識的に考えて、今までの行動を見て入団したいと思う奴はいないだろ。

???「ええと……少したずねたいことがありまして」

 男子生徒が苦笑を浮かべてハルヒに聞いてくる。

???「ここ最近、大切な鏡をなくしましてね? こういうものなんですけど……」

 と、写真をハルヒに見せる。
 横からその写真を覗くと、やけに古ぼけた手鏡がそこに写っていた。

???「心当たりはありませんか?」

 やんわりと聞いてくる男子生徒。
 だが、何故それをハルヒに聞く? 普通、そういうものは警察に聞くものだろう?

???「ああ、すでに警察には聞きまして。こうやって地道な聞き込みをおこなっているんですよ」

 なるほどね。
 ハルヒに心当たりがあるとは思えんが……

ハルヒ「……これかしら?」

 あるのかよ!
 ハルヒが自分の鞄から取り出したのは写真のものと同じ手鏡。
 それを見ると、中島やランスター、もう一人の女性とも安堵の笑みを浮かべる。

???「間違いないです。助かりました」

ハルヒ「……こんどから、無くさないようにしなさいよ?」

 駄々をこねて返さないかと思ったが、ハルヒもそこまで子供じゃなく、素直に彼に手鏡を差し出す。

古泉「遅れてすみません」

 と、ここで古泉がドアを開けて入ってきた。
 それに驚いたのか、彼が受け取った鏡を手から滑らせる。
 鏡は垂直に地面に落下し……音を立てて砕け散った。

古泉「……? 何の音です?」

 鏡が割れた音だ。
 只の鏡が割れただけのはずだ。
 なのに、中島達四人は顔面蒼白になり、長門が立ち上がって、何かを警戒している。
 なにが起こるというんだこれは?

古泉「……僕、何か悪いことしたんでしょうか?」

「間が悪かったのは認める。だが、何か起こりそうだというのは間違いなさそうだな」

 俺も椅子から腰をあげ、何か起こってもいいように朝比奈さんの前に立つ。
 朝比奈さんはおどおどした顔で様子をうかがっている。
 ハルヒはそんな俺らをきょとんとした顔で見回し、

ハルヒ「なによ。鏡が割れただけでしょ? なにそんな怖い顔してるのよ?」

 只の鏡だったらな。
 だが、少なくとも中嶋たちは(仮定ではあるが)魔法使いだ。
 そいつらが探してた鏡が、只の鏡であるはずがない。
 
ハルヒ「なんなのよ! いらつくわね。弁償でもしろって言うの!?」

???「いや、弁償できるものじゃない。取り落とした俺も悪かった」

 青い顔しながら、それでも冷静にハルヒの言葉に対応する男子生徒。
 とりあえず、今のところ何も起こってはいないみたいだが……

ハルヒ「わ、悪かったわね! ……時間でも戻せれば、元通りになるのに……」

 その一言で、男子生徒の顔がさらに青くなった。
 瞬間、俺の視界が真っ白に染まる。
 また、長門が何かしたのかと思ったが、背中に受けた衝撃で視界が元に戻る。
 ……なにが起こったのか確認するために周りを見回すと……やけに暗い。
 しかも、部室がいやに狭くなったような……いや違う。
 ここは……

「俺の部屋か?」

 ……て、ことは、今までのことは全部夢か?
 以前と同じように?
 ……いや、まて。
 確かにハルヒは言った。
 『時間でも戻せれば、元通りになる……』
 だとしたら、少なくとも昨日……12月19日になっているはずだ!
 慌てて俺は部屋の電気をつけ、腕時計の日付を確認した。
 ……そこには、驚愕の事実が記されていた。

 <4月10日>

 ……これは、戻しすぎといわないだろうか……?











 もちろん戻しすぎです。
 次回は次男編で種明かし。
 どうするんだこれ?