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中国版よしりん于信強

2005-06-26 01:06:23 | [ML] china-ml (new)
25日付け産経新聞に、(産経にしては)卓越した分析力と(産経にしては)自由闊達な表現力で数年前から密かに敬愛している福島香織北京特派員による『中国版「小林よしのり」反日漫画、スタイル模倣』という記事があった。(以下参照)

中国版よしりんじゃないが、昨今のウェブを見てると安直にどっかに出てる中国ニュース見つけて来ては自分を棚に上げ他人をバカするだけ、味も捻りも、知性の欠片もない単なる呟きブログが多すぎるのではないだろうか。

「批評」と言うのは、批評の対象となるジャンルの才能とはまた別に独立した才能、加えて人にはない卓見が要求される。さもなくば、お茶の間で菓子袋かかえてワイドショー見てる座敷豚主婦や、平日こそ社会人の面して会社通ってるものの週末になれば途端に自宅でゴロゴロいぎたなく寝転がり頭を一切使わなくて済むスポーツ中継しか受け付けないオッサン連中と何ら変わりないではないか。

よしりん曰く「模倣するなら中国共産党を批判すべきだろう」

フム。『台湾論』に出てくる“銃後の女子供のために戦争に行く男のヒロイズム”の自己陶酔には常日頃から右翼を攻撃している私ならずとも辟易する女も少なくないと思うのだが、この冷静な発言には感心。さすが元左翼だけの事はある(笑)

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中国版「小林よしのり」 反日漫画、スタイル模倣
 屈折した愛情?/売り切れ店も
(産経 2005.06.25 朝刊)


【北京=福島香織】小林よしのり著「台湾論」(小学館刊)に「強烈なショックを受けた」という中国の著名漫画家、于信強氏がこのほど中国初の反日オピニオン漫画「論日本」(大衆文芸出版)を発表した。小林作品と似て、自らの似顔絵を多用、握りこぶしで「論」と、日本の歴史を過激に切って捨てる。強烈な反日読本ながら日本が生み出した漫画スタイルをまねるあたり、屈折した日本への愛情も感じられる。

出版にあたっては、日中戦争の発端となる事件が起きた北京市郊外の盧溝橋で六月十五日に出版イベントが行われた。中国初の政治歴史イラスト書籍、との触れ込みで、書店では漫画コーナーではなく歴史コーナーに置かれた。北京では売り切れ店も出ているほどの人気ぶりだ。「憤青(怒れる反日青年の俗称)が買ってゆく」と書店。

于氏は「右翼漫画家・小林よしのりの『台湾論』が台湾同胞の感情を踏みにじった」とする中国紙記事に興味をひかれ、「台湾論」中国語版を香港から取り寄せ読んだ。「特別な憤怒を感じた。真実の中日歴史をみんなに知らせることは、一人の中国人漫画家としての責任であり義務」と、一年かけ抗日戦場遺跡や抗日英雄、戦争経験者を取材。大量の史料を読破して同書を描きあげた。

中国共産党の指導する「正しい中日歴史」を踏まえ、日本人が古来いかに残虐であったかという部分を主旋律にしている点、これまでの反日読本と大差はない。ただ、日本の地理、気候、武士文化を分析、軍国主義の台頭や「今の右翼傾向」と結びつけ論じている点と漫画という手法が中国では斬新。

例えば「日本に魚の腹を生きたまま裂き、食べる習俗(生け作りのこと)が今も残るが、武士の切腹の習慣も、おおむねここからきたのだろう」「日本には長江、黄河のようなゆったりした川がなく、短く浅い急流しかない。これは性急で偏った激しい、悲観的になりやすい日本人の性格を形成した」といった極めて“独創的な”分析を展開している。

一読する限り、若者層に政治や国際問題への関心を呼び起こし、熱狂的なファンもつくった小林氏の漫画スタイルをそのまま踏襲、絵柄やデフォルメの仕方も似て“よしりん”へのそこはかとない愛がただよう。

中国では漫画はまだ子供の読み物として地位が低い。そのなかで、日本の漫画に反感であるにせよ刺激を受けて、大人の読み物としての漫画が登場したことは、ある意味で日本文化に敏感に反応する中国文化人の姿を浮き彫りにしているともいえそうだ。

■まねるなら党批判を

小林よしのり氏の話「日本の漫画は江戸時代から権力批判、風刺の精神にあふれていた。私の作品もまさに政府や首相を批判し、日本国内で袋だたきにあった。模倣するなら中国共産党を批判すべきだろう」

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