楽しみの泉を探してジャングルライフを満喫中!
Jungle Fire Water
鵲達四季
未読の新作が古本屋に並ぶと即ゲット。
ホラー系作品以外はとりあえず全部読みたいなぁ。

=============================
リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。
理屈屋の店長・華沙々木(かささぎ)と、
いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、
店に入り浸る中学生の菜美。
そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。
「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を
片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ…。
=============================
リサイクルショップ・カササギで働く日暮は、
友人で店長の華沙々木の探偵的好奇心に右往左往。
日常の些細な出来事に事件の匂いを嗅ぎつけ、
店を閉めて探偵気取りで日暮を誘い出す。
華沙々木の顔を立てるように彼の謎解きに首肯してみせ、
彼の気持ちが満たされた後で、真相を秘密裏に説くのが日暮。
ある物事がきっかけで華沙々木に羨望を向けるようになった、
中学生の菜美は暇さえあれば店の屋根裏に遊びに来ている。
そんな三人が四季と共に巻き込まれた事件が、
連作短編のような形式で描かれ、季節の移ろいと共に、
過去と現在が紐解かれ、三人の経緯が明かされていく。
各編の切り出しはフォーマットのようなお決まりの流れで、
冒頭で日暮が住職から、相場を超えた金額で不要品を買い取る。
それをどう店長に説明したらいいのか密かに思っている所へ、
菜美の茶々が入り、ちょっとした出来事が起こり、
誰に頼まれたわけでもないのに3人で事件の真相に乗り出す。
軽めのミステリー仕立てで、不可解な謎が提起され、
それを敏腕探偵気取りの華沙々木が満を持して演説ぶる。
その謎解きも筋が通っているように感じられ、
読者はなるほど、なんて思っていると、
必ず華沙々木と菜美の知らない所で日暮が真相を語る。
名探偵ぶる華沙々木と羨望を向ける菜美、
取り柄が無いように思われ続ける日暮だったが、
四季の物事とともに菜美にも思うところが浮上し・・・
どちらかと言うと陰鬱気味な情景の多い作品が多い中、
この物語は明るくテンポ良く進んでいく。
二重の謎解きという難しい事をさらりと描いていて、
その構成は凄いと思う反面、軽快すぎる感じもあって、
もっと意外な感じでひねりが来るような期待感が高まり、
その辺がちょっと物足りない余韻になったかな。
ホラー系作品以外はとりあえず全部読みたいなぁ。

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リサイクルショップ・カササギは今日も賑やかだ。
理屈屋の店長・華沙々木(かささぎ)と、
いつも売れない品物ばかり引き取ってくる日暮、
店に入り浸る中学生の菜美。
そんな三人の前で、四季を彩る4つの事件が起こる。
「僕が事件を解決しよう」華沙々木が『マーフィーの法則』を
片手に探偵役に乗り出すと、いつも話がこんがらがるのだ…。
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リサイクルショップ・カササギで働く日暮は、
友人で店長の華沙々木の探偵的好奇心に右往左往。
日常の些細な出来事に事件の匂いを嗅ぎつけ、
店を閉めて探偵気取りで日暮を誘い出す。
華沙々木の顔を立てるように彼の謎解きに首肯してみせ、
彼の気持ちが満たされた後で、真相を秘密裏に説くのが日暮。
ある物事がきっかけで華沙々木に羨望を向けるようになった、
中学生の菜美は暇さえあれば店の屋根裏に遊びに来ている。
そんな三人が四季と共に巻き込まれた事件が、
連作短編のような形式で描かれ、季節の移ろいと共に、
過去と現在が紐解かれ、三人の経緯が明かされていく。
各編の切り出しはフォーマットのようなお決まりの流れで、
冒頭で日暮が住職から、相場を超えた金額で不要品を買い取る。
それをどう店長に説明したらいいのか密かに思っている所へ、
菜美の茶々が入り、ちょっとした出来事が起こり、
誰に頼まれたわけでもないのに3人で事件の真相に乗り出す。
軽めのミステリー仕立てで、不可解な謎が提起され、
それを敏腕探偵気取りの華沙々木が満を持して演説ぶる。
その謎解きも筋が通っているように感じられ、
読者はなるほど、なんて思っていると、
必ず華沙々木と菜美の知らない所で日暮が真相を語る。
名探偵ぶる華沙々木と羨望を向ける菜美、
取り柄が無いように思われ続ける日暮だったが、
四季の物事とともに菜美にも思うところが浮上し・・・
どちらかと言うと陰鬱気味な情景の多い作品が多い中、
この物語は明るくテンポ良く進んでいく。
二重の謎解きという難しい事をさらりと描いていて、
その構成は凄いと思う反面、軽快すぎる感じもあって、
もっと意外な感じでひねりが来るような期待感が高まり、
その辺がちょっと物足りない余韻になったかな。
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妻之超然
先日初めて読んだ~仙人が面白かったので、
古本棚で作家名を探すようになった。安価棚で数冊ゲット。

=============================
結婚して10年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に
気づいても理津子は超然としていられるはずだった。(妻の超然)
九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する
酒好きの彼女に罵倒される(下戸の超然)
腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。
「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作。(作家の超然)
3つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う中編集。
=============================
○妻の超然
夫婦生活に諦めや捻くれを抱く妻の心情と、
無神経な夫の姿が描かれつつ妻の超然とした行動が・・・
○下戸の超然
酒好き彼女を持ってしまった下戸男の悶々・・・。
お互いを気遣いながら付き合っているのだが・・・
酒飲み達が勝手に作った、いかにも常識のような事柄、
二つの異なる葛藤に下戸男の超然とした・・・
○作家の超然
病に冒された作家の物語。
生死に関わる話をしつつも超然と作家であろうとする。
読者に語るような感じで描かれているけど、
作者本人が内側に向かって描いたように思えなくもない。
仙人ほど気持ちが揺れなかったけど、
この作家さんは好きかも?と思いつつ読んだ。
浅く描きながらも奥行きが感じられる物語ばかりで、
ますます別作品も読みたくなってきた。
古本棚で作家名を探すようになった。安価棚で数冊ゲット。

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結婚して10年。夫婦関係はとうに冷めていた。夫の浮気に
気づいても理津子は超然としていられるはずだった。(妻の超然)
九州男児なのに下戸の僕は、NPO活動を強要する
酒好きの彼女に罵倒される(下戸の超然)
腫瘍手術を控えた女性作家の胸をよぎる自らの来歴。
「文学の終焉」を予兆する凶悪な問題作。(作家の超然)
3つの都市を舞台に「超然」とは何かを問う中編集。
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○妻の超然
夫婦生活に諦めや捻くれを抱く妻の心情と、
無神経な夫の姿が描かれつつ妻の超然とした行動が・・・
○下戸の超然
酒好き彼女を持ってしまった下戸男の悶々・・・。
お互いを気遣いながら付き合っているのだが・・・
酒飲み達が勝手に作った、いかにも常識のような事柄、
二つの異なる葛藤に下戸男の超然とした・・・
○作家の超然
病に冒された作家の物語。
生死に関わる話をしつつも超然と作家であろうとする。
読者に語るような感じで描かれているけど、
作者本人が内側に向かって描いたように思えなくもない。
仙人ほど気持ちが揺れなかったけど、
この作家さんは好きかも?と思いつつ読んだ。
浅く描きながらも奥行きが感じられる物語ばかりで、
ますます別作品も読みたくなってきた。
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地孤児夢
昔、あまり読書の習慣がなかった時に、
この作家さんの本を読み、その後、数冊読んだっけ。
探偵モノは別として、陰湿な物語が多いような記憶があり、
読書が習慣になった今は、ちょっと敬遠していたけど、
久しぶりに1冊手に取ってみた。

=============================
福祉システムが破綻した日本。
スラム化したかつての繁華街“シブヤ”の野宿者・イオンは、
闇を根城にする若者たちと出会い、地下世界に足を踏み入れる。
NGO「ストリートチルドレンを助ける会」、
女性ホームレス集団「マムズ」・・・
「優しいおとな」はどこにいるのか。希望なき世界のその先とは。
=============================
貧困差が広がった近未来?のスラム化した東京が舞台。
荒廃したシブヤを拠点にホームレスを続ける少年イオンは、
だまし騙されが当たり前の場所で他人を信用せず、
周囲との接触を拒否するように飢えを凌いで生きている。
慈善団体が施す配食を得たり、微々たる金銭を得る生活を送る中、
ストリートチルドレンを助ける会のモガミという大人が、
イオンの安否を気遣い、イオンの姿を見つけては接触してくる。
モガミの優しさを煩わしく思うイオンは彼の行為を邪険にし、
素っ気ない態度で会話を終わらせ姿をくらましていた。
ある日、イオンは無人のビルの壁に描かれた絵を見つけ、
孤児院生活していた幼い頃に自分の味方をしてくれた
双子の兄弟、銅と鉄の名を思い出す。
自分をきょうだいと言ってくれた二人に会いたい・・・
壁の絵は双子の兄弟を描いた絵だった。
その絵のあるビルを根城にしていたイオンだったが、
ある日、アンダーグランドの武装集団・夜行部隊に襲われ、
根城は焼かれてしまう。地下集団に怒りを覚えるが、
壁の絵を描いたのが地下集団のボスだと知り、
イオンはきょうだいを探すために地下世界へ潜入する。
地上にいた時に日銭を稼いでいたロッカー屋の老女主人、
彼女が密かに持っていた銃を奪い取り地下世界へ潜ったイオンは、
地下世界のボスへの貢ぎ物として拳銃を差し出すのだが、
この銃の存在が地下世界の秩序を乱す要因になってしまう。
そんな中、地下世界で銅と鉄の行方を調査していたイオンは、
仲良くなった男の手引きにより、奥の部屋でひっそりくらしている、
盲目の少年・錫と出会い、きょうだいの手がかりを得ることになる。
中盤ぐらいまではぐいぐい引き込まれ、
銅と鉄の双子の兄弟の関係性が、
悪童日記を思わせるような雰囲気を持つ所までは良かったけど、
後半からの展開がちょっと残念だったなぁ。勿体ないよなぁ・・・。
この作家さんの本を読み、その後、数冊読んだっけ。
探偵モノは別として、陰湿な物語が多いような記憶があり、
読書が習慣になった今は、ちょっと敬遠していたけど、
久しぶりに1冊手に取ってみた。

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福祉システムが破綻した日本。
スラム化したかつての繁華街“シブヤ”の野宿者・イオンは、
闇を根城にする若者たちと出会い、地下世界に足を踏み入れる。
NGO「ストリートチルドレンを助ける会」、
女性ホームレス集団「マムズ」・・・
「優しいおとな」はどこにいるのか。希望なき世界のその先とは。
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貧困差が広がった近未来?のスラム化した東京が舞台。
荒廃したシブヤを拠点にホームレスを続ける少年イオンは、
だまし騙されが当たり前の場所で他人を信用せず、
周囲との接触を拒否するように飢えを凌いで生きている。
慈善団体が施す配食を得たり、微々たる金銭を得る生活を送る中、
ストリートチルドレンを助ける会のモガミという大人が、
イオンの安否を気遣い、イオンの姿を見つけては接触してくる。
モガミの優しさを煩わしく思うイオンは彼の行為を邪険にし、
素っ気ない態度で会話を終わらせ姿をくらましていた。
ある日、イオンは無人のビルの壁に描かれた絵を見つけ、
孤児院生活していた幼い頃に自分の味方をしてくれた
双子の兄弟、銅と鉄の名を思い出す。
自分をきょうだいと言ってくれた二人に会いたい・・・
壁の絵は双子の兄弟を描いた絵だった。
その絵のあるビルを根城にしていたイオンだったが、
ある日、アンダーグランドの武装集団・夜行部隊に襲われ、
根城は焼かれてしまう。地下集団に怒りを覚えるが、
壁の絵を描いたのが地下集団のボスだと知り、
イオンはきょうだいを探すために地下世界へ潜入する。
地上にいた時に日銭を稼いでいたロッカー屋の老女主人、
彼女が密かに持っていた銃を奪い取り地下世界へ潜ったイオンは、
地下世界のボスへの貢ぎ物として拳銃を差し出すのだが、
この銃の存在が地下世界の秩序を乱す要因になってしまう。
そんな中、地下世界で銅と鉄の行方を調査していたイオンは、
仲良くなった男の手引きにより、奥の部屋でひっそりくらしている、
盲目の少年・錫と出会い、きょうだいの手がかりを得ることになる。
中盤ぐらいまではぐいぐい引き込まれ、
銅と鉄の双子の兄弟の関係性が、
悪童日記を思わせるような雰囲気を持つ所までは良かったけど、
後半からの展開がちょっと残念だったなぁ。勿体ないよなぁ・・・。
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輪集軋轢
文庫版が出てたな~と思っていたら古本屋で早々に発見。
薄いし読んでみようかなと軽い気持ちで頁をめくる。

=============================
団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、
協調性ゼロの天才ルーキー石尾。
ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、
一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。
その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは・・・
(プロトンの中の孤独)
エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。
『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全6編。
=============================
サクリファイスシリーズに登場する人物の番外編的短篇集。
自転車競技の特性にチーム内の軋轢、友情、思惑の数々・・・
シリーズを読んでいるのでそれなりに楽しめたけど、
ありがちと言えなくもない展開でもあるかな。
6編の中の1編は以前「作家集」的なやつで読了済だった。
人物の内面的な部分を取り上げた物語なので、
レースに興味が無い人でも充分楽しめる内容だけど、
シリーズの番外編という人物達の関連性があるから、
シリーズを読んでいる人に向けた内容なのかもしれない。
薄いし読んでみようかなと軽い気持ちで頁をめくる。

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団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、
協調性ゼロの天才ルーキー石尾。
ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、
一度は諦めたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。
その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは・・・
(プロトンの中の孤独)
エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。
『サクリファイス』シリーズに秘められた感涙必至の全6編。
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サクリファイスシリーズに登場する人物の番外編的短篇集。
自転車競技の特性にチーム内の軋轢、友情、思惑の数々・・・
シリーズを読んでいるのでそれなりに楽しめたけど、
ありがちと言えなくもない展開でもあるかな。
6編の中の1編は以前「作家集」的なやつで読了済だった。
人物の内面的な部分を取り上げた物語なので、
レースに興味が無い人でも充分楽しめる内容だけど、
シリーズの番外編という人物達の関連性があるから、
シリーズを読んでいる人に向けた内容なのかもしれない。
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海之仙人
この作家さんも初。薄い一冊だしお試し。
そんな軽い思いで手に取ったけど良い出会いだった。

=============================
宝くじに当った河野は会社を辞め、碧海が美しい敦賀に引越した。
何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、
役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。
孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。
かりんはセックスレスの関係を受け容れ、
元同僚の片桐は片想いを続けている。
芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。
=============================
これは面白かった。
宝くじで手にした大金を資金に、敦賀へ越してきた河野。
一軒家の床に砂を敷き詰め、のんびり気ままに過ごしていると、
そこへファンタジーという役立たずの神様が現れる。
神様だけど特別な力があるわけでもなく、
居候人として河野の話し相手となって穏やかな性格が続く。
殻に閉じこもり、自由気ままな暮らしを続ける河野に、
ひとつの出会いが訪れる。敦賀に旅にきた女性かりん。
キャリアウーマンのかりんは河野と意気投合し、
時間を見つけては敦賀の河野の元を訪れるようになる。
しかし河野は男女の関係を拒み続け、
かりんの転勤を機に一緒に住もうという提案も拒む。
気ままな暮らしを続ける河野の元へ別の女性が現れる。
元同僚で河野に片想いを続ける片桐が旅の途中に立ち寄った。
言葉の端々に河野への想いを含ませる片桐だが、
河野は彼女の想いを知りつつ友人として接する。
居候神のファンタジーの存在は初対面でも
何故か懐かしい面識がある反応を示す。
「あ、ファンタジーだ。懐かしい」
片桐に強引に誘われ旅に出る河野。消えたファンタジー。
かりんとの関係、そして重い病。落雷にあう河野。
片桐との友情・・・薄い小説なのに奥行きが深く、
その奥に秘められた作者の意図に気づきは少なくとも、
説明の出来ない感覚が胸の中で膨れあがってしまう。
孤独だし、幸福とはいえない状況だったりするけど、
その中にいくつもの煌めきや輝きが感じられる。
いやぁ~これは別の作品も読まなくちゃ!
あちこちの古本屋をはしごして集めまくってしまった。
そんな軽い思いで手に取ったけど良い出会いだった。

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宝くじに当った河野は会社を辞め、碧海が美しい敦賀に引越した。
何もしないひっそりした生活。そこへ居候を志願する、
役立たずの神様・ファンタジーが訪れて、奇妙な同居が始まる。
孤独の殻にこもる河野には、二人の女性が想いを寄せていた。
かりんはセックスレスの関係を受け容れ、
元同僚の片桐は片想いを続けている。
芥川賞作家が絶妙な語り口で描く、哀しく美しい孤独の三重奏。
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これは面白かった。
宝くじで手にした大金を資金に、敦賀へ越してきた河野。
一軒家の床に砂を敷き詰め、のんびり気ままに過ごしていると、
そこへファンタジーという役立たずの神様が現れる。
神様だけど特別な力があるわけでもなく、
居候人として河野の話し相手となって穏やかな性格が続く。
殻に閉じこもり、自由気ままな暮らしを続ける河野に、
ひとつの出会いが訪れる。敦賀に旅にきた女性かりん。
キャリアウーマンのかりんは河野と意気投合し、
時間を見つけては敦賀の河野の元を訪れるようになる。
しかし河野は男女の関係を拒み続け、
かりんの転勤を機に一緒に住もうという提案も拒む。
気ままな暮らしを続ける河野の元へ別の女性が現れる。
元同僚で河野に片想いを続ける片桐が旅の途中に立ち寄った。
言葉の端々に河野への想いを含ませる片桐だが、
河野は彼女の想いを知りつつ友人として接する。
居候神のファンタジーの存在は初対面でも
何故か懐かしい面識がある反応を示す。
「あ、ファンタジーだ。懐かしい」
片桐に強引に誘われ旅に出る河野。消えたファンタジー。
かりんとの関係、そして重い病。落雷にあう河野。
片桐との友情・・・薄い小説なのに奥行きが深く、
その奥に秘められた作者の意図に気づきは少なくとも、
説明の出来ない感覚が胸の中で膨れあがってしまう。
孤独だし、幸福とはいえない状況だったりするけど、
その中にいくつもの煌めきや輝きが感じられる。
いやぁ~これは別の作品も読まなくちゃ!
あちこちの古本屋をはしごして集めまくってしまった。
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陽向弁当
この作家さんの物語好きだなぁ~。
気がつけば古本屋で未読作を抱えている。

=============================
五十歳を目前に会社からリストラされた芦溝良郎は、
妻や娘からも愛想をつかされ居場所を失う。
リストラに仕組まれた罠を知っても、
自信も誇りもない男に立ち上がる気力はなかった。
ある日、隣近所の手前、出勤しているふりをして
立ち寄った公園のベンチで、良郎にひとつのアイディアが閃く。
良郎が手にした「生き抜くすべ」とは。
=============================
冴えない営業の良朗は、社内でリストラ計画が持ち上がる中、
同僚や上司の企みにそそのかされ早期退職に名乗り出る。
打ち合わせ通りの行動だったが生存競争の罠だった。
会社が斡旋すると言っていた転職先も蓋を開けてみれば、
ただの人材派遣会社の列に並ぶだけというもの。
やがて派遣業務に就くが、そこは肉体労働がメイン。
腰痛持ちの良朗は結局長続きしなかった。
リストラの事を妻に打ち明けると激怒され、
受験を控えた娘に悪影響が及ぶだろうと、
次の勤め先が見つかるまでの就職活動中は、
今まで通りの姿で家を出るように釘を刺される。
妻に邪険にされ、娘には見向きもされない良朗・・・
退職金は入ったものの、それに甘える訳にはいかない。
新たな就職先を見つけようとは動いてみるものの、
世の中そんなに都合のいい話があるわけでもない。
暇つぶしをする日々が続くある日、公園を歩く良朗は、
足下に落ちているドングリを見て行動が浮かぶ。
縄文時代などの遺跡などで見られるドングリは、
その時代の人類の食べ物だったはず。それも長い期間。
と、いうことはこれらは食糧になるのでは?
時間だけはたっぷりある良朗は図書館に足を向け、
ドングリの種類を調べ、ネットで料理法を探る。
パートで働く妻、学生の娘、日中は自宅は留守である。
良朗はドングリ食に感動し、次は野草食に目を向ける。
川原などに行っては野草を採集しては調理する。
そんな経験が知識をどんどん膨らませていき、
川原で釣りをする青年に出会う。川魚も食料だ・・・。
身近な所から食材を得ては料理する生活を続けるうち、
良朗は持病だった腰痛が消えていることに気づく。
そして胸の奥で密かに思い描いていた計画を実行するため、
高齢とライバル店の影響で店じまいを考えている弁当屋に行き、
自然食弁当の調理販売人として雇い入れてもらう交渉をする。
人生の楽しみを忘れかけていたリストラ中年男が、
自然食の弁当屋として生き甲斐を見つけていく物語。
汗水流した成果が目の前の笑顔に変えられていく・・・
商売の本質である満足交換がコミカルな視点で描かれている。
そして生き生きとした夫の姿、夫の料理によって、
妻や娘の見る目も変わっていき・・・
ちょっと前に野草食の出てくる小説を読んだばかりだったので、
なんだか同じような野草食に不思議な巡り合わせを感じた。
あっちは恋愛中心に変わったけど、こっちはおっさん中心。
こういう小さなキッカケ展開話は読後感が温かいんだよなぁ。
また別の作品を探しに行こう。
気がつけば古本屋で未読作を抱えている。

=============================
五十歳を目前に会社からリストラされた芦溝良郎は、
妻や娘からも愛想をつかされ居場所を失う。
リストラに仕組まれた罠を知っても、
自信も誇りもない男に立ち上がる気力はなかった。
ある日、隣近所の手前、出勤しているふりをして
立ち寄った公園のベンチで、良郎にひとつのアイディアが閃く。
良郎が手にした「生き抜くすべ」とは。
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冴えない営業の良朗は、社内でリストラ計画が持ち上がる中、
同僚や上司の企みにそそのかされ早期退職に名乗り出る。
打ち合わせ通りの行動だったが生存競争の罠だった。
会社が斡旋すると言っていた転職先も蓋を開けてみれば、
ただの人材派遣会社の列に並ぶだけというもの。
やがて派遣業務に就くが、そこは肉体労働がメイン。
腰痛持ちの良朗は結局長続きしなかった。
リストラの事を妻に打ち明けると激怒され、
受験を控えた娘に悪影響が及ぶだろうと、
次の勤め先が見つかるまでの就職活動中は、
今まで通りの姿で家を出るように釘を刺される。
妻に邪険にされ、娘には見向きもされない良朗・・・
退職金は入ったものの、それに甘える訳にはいかない。
新たな就職先を見つけようとは動いてみるものの、
世の中そんなに都合のいい話があるわけでもない。
暇つぶしをする日々が続くある日、公園を歩く良朗は、
足下に落ちているドングリを見て行動が浮かぶ。
縄文時代などの遺跡などで見られるドングリは、
その時代の人類の食べ物だったはず。それも長い期間。
と、いうことはこれらは食糧になるのでは?
時間だけはたっぷりある良朗は図書館に足を向け、
ドングリの種類を調べ、ネットで料理法を探る。
パートで働く妻、学生の娘、日中は自宅は留守である。
良朗はドングリ食に感動し、次は野草食に目を向ける。
川原などに行っては野草を採集しては調理する。
そんな経験が知識をどんどん膨らませていき、
川原で釣りをする青年に出会う。川魚も食料だ・・・。
身近な所から食材を得ては料理する生活を続けるうち、
良朗は持病だった腰痛が消えていることに気づく。
そして胸の奥で密かに思い描いていた計画を実行するため、
高齢とライバル店の影響で店じまいを考えている弁当屋に行き、
自然食弁当の調理販売人として雇い入れてもらう交渉をする。
人生の楽しみを忘れかけていたリストラ中年男が、
自然食の弁当屋として生き甲斐を見つけていく物語。
汗水流した成果が目の前の笑顔に変えられていく・・・
商売の本質である満足交換がコミカルな視点で描かれている。
そして生き生きとした夫の姿、夫の料理によって、
妻や娘の見る目も変わっていき・・・
ちょっと前に野草食の出てくる小説を読んだばかりだったので、
なんだか同じような野草食に不思議な巡り合わせを感じた。
あっちは恋愛中心に変わったけど、こっちはおっさん中心。
こういう小さなキッカケ展開話は読後感が温かいんだよなぁ。
また別の作品を探しに行こう。
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奇妙言集
1部、2部とアニメが深夜に放送され、
現在3部が放送中で、漫画を知らない相方がハマっている。
そんな流れがある中で目にとまった名言集に触手。

=============================
2012年で連載25周年という節目を迎え、
累計で7500万部以上を発行した『ジョジョの奇妙な冒険』。
数々の記念企画が進行する中、年齢・性別を問わず愛され
「ジョジョ語」とも呼ばれる名言集が満を持して登場!
作中に登場する「不思議なチカラ」を持った言葉の数々を、
作品を貫く「人間讃歌」というテーマを軸に厳選。
名場面の数々を振り返るのはもちろん、
なぜこれほどまでに『ジョジョ』の言葉は「力強い」のか、
その背景に隠された「人間の生」という根源的なテーマを
言葉の力で暴き出す『ジョジョ』のバイブル兼入門書。
=============================
名言と、それが使用された場面が見開きで紹介される。
記憶に眠る場面が言葉とともに蘇り、当時の興奮を思い出す。
でもなぁ、シンプルに構成すればいいものを、
邪魔な色彩をデザイン要素として紙面に盛り込み、
イラストにも色を付けたりして蛇足感が物凄く強い。
1部~3部、4部~8部と二巻で分けているのは良いけど、
その名言の順序がメチャクチャ。普通は物語の進行順で、
掲載するものだろうに、何基準の順序なのか意味不明。
古本で購入しても割高感があるから、
新刊で買った方は消失感が大きかったのでは・・・
荒木氏のコメントが読める部分が救いなのかな・・・
でも、初心者の相方には丁度いいのかも?
たまにペラ見する程度ですけど。
現在3部が放送中で、漫画を知らない相方がハマっている。
そんな流れがある中で目にとまった名言集に触手。


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2012年で連載25周年という節目を迎え、
累計で7500万部以上を発行した『ジョジョの奇妙な冒険』。
数々の記念企画が進行する中、年齢・性別を問わず愛され
「ジョジョ語」とも呼ばれる名言集が満を持して登場!
作中に登場する「不思議なチカラ」を持った言葉の数々を、
作品を貫く「人間讃歌」というテーマを軸に厳選。
名場面の数々を振り返るのはもちろん、
なぜこれほどまでに『ジョジョ』の言葉は「力強い」のか、
その背景に隠された「人間の生」という根源的なテーマを
言葉の力で暴き出す『ジョジョ』のバイブル兼入門書。
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名言と、それが使用された場面が見開きで紹介される。
記憶に眠る場面が言葉とともに蘇り、当時の興奮を思い出す。
でもなぁ、シンプルに構成すればいいものを、
邪魔な色彩をデザイン要素として紙面に盛り込み、
イラストにも色を付けたりして蛇足感が物凄く強い。
1部~3部、4部~8部と二巻で分けているのは良いけど、
その名言の順序がメチャクチャ。普通は物語の進行順で、
掲載するものだろうに、何基準の順序なのか意味不明。
古本で購入しても割高感があるから、
新刊で買った方は消失感が大きかったのでは・・・
荒木氏のコメントが読める部分が救いなのかな・・・
でも、初心者の相方には丁度いいのかも?
たまにペラ見する程度ですけど。
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山背郷人
気になっていた作家さんだけど、
なかなか古本安棚で見かけなくて機会をうかがっていた。
ようやく安棚にあるのを見つけて手に取った。

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「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。
その山背が渡る大地で厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。
マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫…。
大自然と共生し、時に対峙しながら、
愛する家族のために闘う彼らの肖像を鮮やかに描き、
現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う9編の物語。
作家の原点が凝縮された傑作短編集。
=============================
東北の地で自然と共生する人々の暮らしの一片を、
丁寧かつ重厚に紡いだ大人の短編集だった。
独特な方言が会話に存分に散りばめられていて、
その言葉が鉛色の景色に地味な彩りを添えている。
厳密に言えば、その地方の方言とは微妙に異なり、
よくある東北弁で、地元舞台の物語の訛りに多少の違和感。
とはいえ、どの短編も丁寧に練り込まれた重みを感じた。
マタギの話や狼話、漁船の父子物語も良かった。
山、川、海、空、人、音、心、そして死・・・
東北の景観や人の生き様がリアルに描かれていた。
別作品も読みたいけど、本格重厚スタイルだと思うと、
積冊本が多い今はちょっと無理かな・・・・
じっくりゆっくり作家さんの世界観を味わいたい。
なかなか古本安棚で見かけなくて機会をうかがっていた。
ようやく安棚にあるのを見つけて手に取った。

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「山背」とは初夏の東北地方に吹く冷たい風のことをいう。
その山背が渡る大地で厳しい営みを続け、誇り高く生きる男たち。
マタギ、漁師、川船乗り、潜水夫…。
大自然と共生し、時に対峙しながら、
愛する家族のために闘う彼らの肖像を鮮やかに描き、
現代人が忘れかけた「生」の豊饒さと力強さを謳う9編の物語。
作家の原点が凝縮された傑作短編集。
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東北の地で自然と共生する人々の暮らしの一片を、
丁寧かつ重厚に紡いだ大人の短編集だった。
独特な方言が会話に存分に散りばめられていて、
その言葉が鉛色の景色に地味な彩りを添えている。
厳密に言えば、その地方の方言とは微妙に異なり、
よくある東北弁で、地元舞台の物語の訛りに多少の違和感。
とはいえ、どの短編も丁寧に練り込まれた重みを感じた。
マタギの話や狼話、漁船の父子物語も良かった。
山、川、海、空、人、音、心、そして死・・・
東北の景観や人の生き様がリアルに描かれていた。
別作品も読みたいけど、本格重厚スタイルだと思うと、
積冊本が多い今はちょっと無理かな・・・・
じっくりゆっくり作家さんの世界観を味わいたい。
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畔家継力
映画化とかでタイトルを目にしていて、
ちょっとタイトル名も気になって古本入手。

=============================
高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある
日出本家にやって来た日出涼介。
本家の跡継ぎとしてお城の本丸御殿に住まう淡十郎の
“ナチュラルボーン殿様”な言動に振り回される日々が始まる。
実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。
日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ
棗家の長男・棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになった時、
力で力を洗う戦いの幕が上がる…!
=============================
「湖の民」としての修行をするため、
琵琶湖畔・石走の本家にやってきた日出涼介。
本家の跡継ぎ息子・淡十郎の殿様的振る舞いに戸惑いつつ、
本丸御殿の一室に住み込み学業と修行の日々を送り始める。
手違いから淡十郎と同じ赤い学ランを着ることになり、
毎日の通学は舟で川を進んでの送り迎え・・・。
名前に氵(さんずい)が付く者は一族の宿命を背負う。
それは湖の民として「ある力」を持つことだった。
自分の力の存在に気づきつつ学生生活を行う中、
思わず力を使おうとした時、何者かの力が邪魔をしてくる。
その相手こそ日出家と対立する棗家の跡継ぎ息子・広海だった。
風変わりで無口な日出本家の跡継ぎ・淡十郎や、
その姉で強大な力を持つために引き籠もる毒舌お嬢清子。
涼介の師匠となる明るい性格の藤宮濤子。
同級生で淡十郎が密かに想いを寄せる速瀬。
その速瀬が想いを寄せるのは棗家広海・・・
湖の民としての因縁や修行、さらに恋愛があったり、
少しずつ物語の外郭が浮かび上がっていく中、
意外な人物が現れ、日出家と棗家の当主を、
強大な力で封じてしまう。涼介と淡十郎、棗広海、
そしてグレート清子が力を合わせて敵に立ち向かう。
漫画的な構成、展開、そして民の持つ力・・・
不思議なタイトルの意味するものが明らかになった時、
きゃ~っ!しゅらら・・・って・・・となる。
敵の狙いが微妙な感じもあって、凶悪な感じも薄く、
絶体絶命という展開でも何故か緊迫感が薄かったかな。
個性的なキャラと不可思議な力、コミカルな表現、
そこそこ厚めの一冊だけど読みやすかった。
ちょっとタイトル名も気になって古本入手。

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高校入学を機に、琵琶湖畔の街・石走にある
日出本家にやって来た日出涼介。
本家の跡継ぎとしてお城の本丸御殿に住まう淡十郎の
“ナチュラルボーン殿様”な言動に振り回される日々が始まる。
実は、日出家は琵琶湖から特殊な力を授かった一族。
日出家のライバルで、同様に特殊な「力」をもつ
棗家の長男・棗広海と、涼介、淡十郎が同じクラスになった時、
力で力を洗う戦いの幕が上がる…!
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「湖の民」としての修行をするため、
琵琶湖畔・石走の本家にやってきた日出涼介。
本家の跡継ぎ息子・淡十郎の殿様的振る舞いに戸惑いつつ、
本丸御殿の一室に住み込み学業と修行の日々を送り始める。
手違いから淡十郎と同じ赤い学ランを着ることになり、
毎日の通学は舟で川を進んでの送り迎え・・・。
名前に氵(さんずい)が付く者は一族の宿命を背負う。
それは湖の民として「ある力」を持つことだった。
自分の力の存在に気づきつつ学生生活を行う中、
思わず力を使おうとした時、何者かの力が邪魔をしてくる。
その相手こそ日出家と対立する棗家の跡継ぎ息子・広海だった。
風変わりで無口な日出本家の跡継ぎ・淡十郎や、
その姉で強大な力を持つために引き籠もる毒舌お嬢清子。
涼介の師匠となる明るい性格の藤宮濤子。
同級生で淡十郎が密かに想いを寄せる速瀬。
その速瀬が想いを寄せるのは棗家広海・・・
湖の民としての因縁や修行、さらに恋愛があったり、
少しずつ物語の外郭が浮かび上がっていく中、
意外な人物が現れ、日出家と棗家の当主を、
強大な力で封じてしまう。涼介と淡十郎、棗広海、
そしてグレート清子が力を合わせて敵に立ち向かう。
漫画的な構成、展開、そして民の持つ力・・・
不思議なタイトルの意味するものが明らかになった時、
きゃ~っ!しゅらら・・・って・・・となる。
敵の狙いが微妙な感じもあって、凶悪な感じも薄く、
絶体絶命という展開でも何故か緊迫感が薄かったかな。
個性的なキャラと不可思議な力、コミカルな表現、
そこそこ厚めの一冊だけど読みやすかった。
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植物恋語
野草に詳しいイケメンを家の前で拾う。
恋愛モノの方ではなく、野草趣味に矢印が向かった。
毎年山菜は食べてるけど、野草は・・・なぁ。

=============================
お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。
咬みません。躾のできたよい子です―。
思わず拾ってしまったイケメンは、
家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。
樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で
「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。
とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)道草恋愛小説。
=============================
家事が不得手な独身女性さやかのマンション前に、
旅人風なイケメンが空腹で横たわっていた。
何か食べさせてほしいと懇願されるが、
彼女は料理全般が苦手でカップ麺を与える。
所持金が尽き、空腹で動けなかった彼に食べ物を与え、
風呂を提供し、一泊させることにした彼女が翌朝目覚めると、
彼は台所に立ち、あり合わせの材料を使って、朝食を作っていた。
この家のどこにこんな良い匂いをさせる材料があったのか・・・
料理の出来ない彼女は彼の料理に感動を覚える。
そして、行く当ての無い彼を引き留める口実として、
食費と生活費と寝床などを与える条件を出し、
家事全般をやってもらえないかと提案するのだった。
彼は自己資金を集めるためコンビニでアルバイトを始め、
彼女の家事全般を引き受ける生活を始める。
そして彼が趣味としている河川敷での野草採集に
彼女も付き合うようになり、野草探しデートが始まる。
彼女が採った野草を彼が蘊蓄とともに料理に仕上げる。
そうやって様々な野草を食す事で彼女も野草に興味が湧き、
植物図鑑まで購入して、知識を蓄えようとする。
同じ屋根の下での共同生活はやがて結ばれ、
ハッピーライフが永遠に続くと思われた矢先、
彼は書き置きを残して姿を消してしまう。
再び孤独な独身生活に戻ってしまう彼女だったが、
今の彼女には彼と味わった知識と経験があった。
苦手な料理にも挑戦し、自炊生活を行う事も出来た。
そして・・・1年が経ち・・・彼が・・・
野草の他にも野花だったり山菜だったり、
いろんな知識が散りばめられていて試してみたくなる。
個人的には野草蘊蓄だけが楽しめれば満足だったが、
やっぱりというか物語の重心は2人の心に傾いていく。
この作家さんの持ち味でもあるから仕方ないけど、
本作もまた甘いやりとりと波乱が楽しめました。
恋愛モノの方ではなく、野草趣味に矢印が向かった。
毎年山菜は食べてるけど、野草は・・・なぁ。

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お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか。
咬みません。躾のできたよい子です―。
思わず拾ってしまったイケメンは、
家事万能のスーパー家政夫のうえ、重度の植物オタクだった。
樹という名前しか知らされぬまま、週末ごとにご近所で
「狩り」する風変わりな同居生活が始まった。
とびきり美味しい(ちょっぴりほろ苦)道草恋愛小説。
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家事が不得手な独身女性さやかのマンション前に、
旅人風なイケメンが空腹で横たわっていた。
何か食べさせてほしいと懇願されるが、
彼女は料理全般が苦手でカップ麺を与える。
所持金が尽き、空腹で動けなかった彼に食べ物を与え、
風呂を提供し、一泊させることにした彼女が翌朝目覚めると、
彼は台所に立ち、あり合わせの材料を使って、朝食を作っていた。
この家のどこにこんな良い匂いをさせる材料があったのか・・・
料理の出来ない彼女は彼の料理に感動を覚える。
そして、行く当ての無い彼を引き留める口実として、
食費と生活費と寝床などを与える条件を出し、
家事全般をやってもらえないかと提案するのだった。
彼は自己資金を集めるためコンビニでアルバイトを始め、
彼女の家事全般を引き受ける生活を始める。
そして彼が趣味としている河川敷での野草採集に
彼女も付き合うようになり、野草探しデートが始まる。
彼女が採った野草を彼が蘊蓄とともに料理に仕上げる。
そうやって様々な野草を食す事で彼女も野草に興味が湧き、
植物図鑑まで購入して、知識を蓄えようとする。
同じ屋根の下での共同生活はやがて結ばれ、
ハッピーライフが永遠に続くと思われた矢先、
彼は書き置きを残して姿を消してしまう。
再び孤独な独身生活に戻ってしまう彼女だったが、
今の彼女には彼と味わった知識と経験があった。
苦手な料理にも挑戦し、自炊生活を行う事も出来た。
そして・・・1年が経ち・・・彼が・・・
野草の他にも野花だったり山菜だったり、
いろんな知識が散りばめられていて試してみたくなる。
個人的には野草蘊蓄だけが楽しめれば満足だったが、
やっぱりというか物語の重心は2人の心に傾いていく。
この作家さんの持ち味でもあるから仕方ないけど、
本作もまた甘いやりとりと波乱が楽しめました。
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