楽しみの泉を探してジャングルライフを満喫中!
Jungle Fire Water
水柩嘘罪
ホラー系以外で文庫作は全部読んでいる。
新刊を古本屋で見つけると嬉々として即確保するのだが、
すぐに読むのを勿体ぶって、結局新刊期間を過ぎているんだよな。

=============================
平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに
同級生の敦子と言葉を交わすようになる。
タイムカプセルの手紙を取り替えたいという
彼女の頼みには秘めた真意があった。
同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた
「罪」の真実を知ってしまう。
それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
=============================
老舗旅館の長男である中学二年の逸夫は退屈な普通を嘆いていた。
両親が離婚し、母と妹と暮らしている敦子は執拗ないじめを受けていた。
文化祭の係がきっかけで2人は言葉を交わすようになり、
ある日、逸夫は敦子から密かな計画を打ち明けられることになる。
小学校の卒業記念で埋めたタイムカプセルを掘り起こし、
中身を別のものにすり替えたいと言うのだった。
そこには自分をいじめた同級生の名前が記されているのだが、
自殺願望のある敦子が自死を遂げた後にカプセルが開けられると、
自死は彼女らに屈した事になってしまう。それは真意ではない・・・。
今はダム湖に沈んでしまった祖母いくの故郷。
村一番のお嬢様だったという祖母もまた、
心の内に秘めたる想いを持っていた。
いくが毎年育てる色鮮やかな蓑虫・・・
その鮮やかな簑の内側にいる本当の姿・・・
そしてタイトルの意味・・・柩・・・
ちょっと陰鬱な空気感が漂っていて、
軽快な感覚では読み進めなかったけど、
後半はハラハラドキドキフムフムの展開に・・・
隠し方がちょっと違うけど、まずまず楽しめたかな。
新刊を古本屋で見つけると嬉々として即確保するのだが、
すぐに読むのを勿体ぶって、結局新刊期間を過ぎているんだよな。

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平凡な毎日を憂う逸夫は文化祭をきっかけに
同級生の敦子と言葉を交わすようになる。
タイムカプセルの手紙を取り替えたいという
彼女の頼みには秘めた真意があった。
同じ頃、逸夫は祖母が五十年前にダムの底に沈めた
「罪」の真実を知ってしまう。
それぞれの「嘘」が、祖母と敦子の過去と未来を繋いでいく。
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老舗旅館の長男である中学二年の逸夫は退屈な普通を嘆いていた。
両親が離婚し、母と妹と暮らしている敦子は執拗ないじめを受けていた。
文化祭の係がきっかけで2人は言葉を交わすようになり、
ある日、逸夫は敦子から密かな計画を打ち明けられることになる。
小学校の卒業記念で埋めたタイムカプセルを掘り起こし、
中身を別のものにすり替えたいと言うのだった。
そこには自分をいじめた同級生の名前が記されているのだが、
自殺願望のある敦子が自死を遂げた後にカプセルが開けられると、
自死は彼女らに屈した事になってしまう。それは真意ではない・・・。
今はダム湖に沈んでしまった祖母いくの故郷。
村一番のお嬢様だったという祖母もまた、
心の内に秘めたる想いを持っていた。
いくが毎年育てる色鮮やかな蓑虫・・・
その鮮やかな簑の内側にいる本当の姿・・・
そしてタイトルの意味・・・柩・・・
ちょっと陰鬱な空気感が漂っていて、
軽快な感覚では読み進めなかったけど、
後半はハラハラドキドキフムフムの展開に・・・
隠し方がちょっと違うけど、まずまず楽しめたかな。
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海獣踊騒
この作家さんの未読作を古本屋で毎回探すようになり、
あちこち巡る日々を重ねていくと積冊も増してきた。
好きなんだよなぁ。普通のようで異質。異質だけど有りそうな話。

=============================
大手ビール会社で話題のCMを製作し異例の出世をした出水は、
仕事に疑問を持ち半年ほど前に故郷のひなた町役場に転職してきた。
その頃、町の海岸で謎の水生生物を見たという情報が多数寄せられ、
メディアでも取りあげられるようになる。そこで、町長を先頭に、
この生き物で町おこしをしようというプロジェクトが始まった。
商工観光課の一員として、出水は同行取材をするフリーライター
白銀を従え着々と計画を進めていくのだが、思わぬ落とし穴が…。
果たして海獣の正体とは?そして、プロジェクトの行方は?
=============================
故郷の町役場に転職した男が、町おこしプロジェクトとして、
海岸に出没してメディアを賑わせている水生生物の情報を集め、
生物がスナメリと断定すると、キャラクター化の提案をしたり、
着ぐるみ発注(予算の都合で他で作った不要物を借りる)に奔走する。
町の大きなイベントを控え、着々と計画は進んでいくかに思われたが、
見物客らに見せるスナメリの愛くるしい動きに不穏な想いが浮かんでくる。
その頃、かつて恋人を取り合って喧嘩をしたこともある従兄弟の姿を見かける。
町を出て東京の大学の工学部に進んだあいつが何故ここに・・・
秘密を知ってしまったが、プロジェクトは大がかりになり、
一大イベントも目前に近づいている。胸に秘めた葛藤を沈めつつ、
役所ならではの面倒事を背負いつつ奮闘していくのだが、
張り詰めた気持ちが遂に爆発し・・・。
いろんな人物の弱い部分が描かれていて、
そういう構成が、この作家さんの魅力なのかも。
物語的な起伏があり、異質な行動や展開があり、
とんとん拍子のズレが心の弱さだったりして・・・
だから時に横柄になったり凶暴になったり、
人間性の二面が物語の階層を深めていく。
物語性を強めた作品ではあるけれど、
どこぞの観光課でも似たような事が起こっていそう・・・。
あちこち巡る日々を重ねていくと積冊も増してきた。
好きなんだよなぁ。普通のようで異質。異質だけど有りそうな話。

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大手ビール会社で話題のCMを製作し異例の出世をした出水は、
仕事に疑問を持ち半年ほど前に故郷のひなた町役場に転職してきた。
その頃、町の海岸で謎の水生生物を見たという情報が多数寄せられ、
メディアでも取りあげられるようになる。そこで、町長を先頭に、
この生き物で町おこしをしようというプロジェクトが始まった。
商工観光課の一員として、出水は同行取材をするフリーライター
白銀を従え着々と計画を進めていくのだが、思わぬ落とし穴が…。
果たして海獣の正体とは?そして、プロジェクトの行方は?
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故郷の町役場に転職した男が、町おこしプロジェクトとして、
海岸に出没してメディアを賑わせている水生生物の情報を集め、
生物がスナメリと断定すると、キャラクター化の提案をしたり、
着ぐるみ発注(予算の都合で他で作った不要物を借りる)に奔走する。
町の大きなイベントを控え、着々と計画は進んでいくかに思われたが、
見物客らに見せるスナメリの愛くるしい動きに不穏な想いが浮かんでくる。
その頃、かつて恋人を取り合って喧嘩をしたこともある従兄弟の姿を見かける。
町を出て東京の大学の工学部に進んだあいつが何故ここに・・・
秘密を知ってしまったが、プロジェクトは大がかりになり、
一大イベントも目前に近づいている。胸に秘めた葛藤を沈めつつ、
役所ならではの面倒事を背負いつつ奮闘していくのだが、
張り詰めた気持ちが遂に爆発し・・・。
いろんな人物の弱い部分が描かれていて、
そういう構成が、この作家さんの魅力なのかも。
物語的な起伏があり、異質な行動や展開があり、
とんとん拍子のズレが心の弱さだったりして・・・
だから時に横柄になったり凶暴になったり、
人間性の二面が物語の階層を深めていく。
物語性を強めた作品ではあるけれど、
どこぞの観光課でも似たような事が起こっていそう・・・。
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里他鐘鳴
興味が向いたら一気に矢印が大きくなる。
あちこちの古本屋を探して見つからなかったので書店購入。

=============================
スコットランドの田舎で暮らしていたリタは、
日本からウイスキー造りを学びに来た留学生・竹鶴政孝と
恋をして結ばれる。竹鶴の人生は苦労の連続だったが、
リタは「あなたのウイスキーが必ず喜ばれるときがくる」と、
折れそうになる夫を励まし続けた。一人の女性の純愛物語。
=============================
この小説も「望郷」と同じくリタ主点で描かれている。
大筋は小説や関連書籍を読んで知っているので、
ところどころの史実との違いも逆に楽しみながら読んだ。
故郷や家族の話から竹鶴との出会いそして結婚。
寿屋時代を経て余市大日本果汁に至り、亡くなるまでの物語。
タイトルにある鐘とは蒸留所で時を知らせていたカウベルのことで、
リタが朝8時、昼12時、終業時間の5時の3回鐘を鳴らして
従業員達に時を知らせていたのだという。
あちこちの古本屋を探して見つからなかったので書店購入。

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スコットランドの田舎で暮らしていたリタは、
日本からウイスキー造りを学びに来た留学生・竹鶴政孝と
恋をして結ばれる。竹鶴の人生は苦労の連続だったが、
リタは「あなたのウイスキーが必ず喜ばれるときがくる」と、
折れそうになる夫を励まし続けた。一人の女性の純愛物語。
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この小説も「望郷」と同じくリタ主点で描かれている。
大筋は小説や関連書籍を読んで知っているので、
ところどころの史実との違いも逆に楽しみながら読んだ。
故郷や家族の話から竹鶴との出会いそして結婚。
寿屋時代を経て余市大日本果汁に至り、亡くなるまでの物語。
タイトルにある鐘とは蒸留所で時を知らせていたカウベルのことで、
リタが朝8時、昼12時、終業時間の5時の3回鐘を鳴らして
従業員達に時を知らせていたのだという。
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麦酒奮闘
ウイスキーボーイがそこそこ面白かったので、
その前作にあたる本書も古本屋にあったよなぁ~と買ってきた。

=============================
ビール会社のエリート宣伝部から、売上げ最低支店に飛ばされた。
待っていたのは小狡い上司と、だらけた空気。
田舎のドブ板営業を舐めきってきたオレは赴任早々、
得意先で大失態を演じてしまう…。
ここで結果を出さねば本社へ帰れない。売ってやろうじゃないか!
アホな上司や性悪同期に負けてたまるか!
瀬戸内の青い空と海を背景に、爽やかで、ほろ苦い営業成長小説。
=============================
ビール会社のエリート部署である宣伝部所属の上杉は酒癖も女癖も悪い。
その悪癖がたたって不祥事をおかして広島に飛ばされることになってしまう。
広島では自社ビールはシェアも最下位で苦戦つづきだという。
営業マンとして成果を上げなければ本社復帰の望みも絶たれてしまう・・・。
本社復帰の希望を胸に顧客周りを始めた上杉だったが、
地方で顔の広い取引先社長の接待で悪癖が出てしまい失態を演じる。
後日、社長の居場所を訪れて謝罪をすると、あの場での暴言が、
逆に自分に向かって本音を吐いた面白い輩という好印象を持たれ、
社長に気に入られて交遊範囲を広げることになっていく。
田舎の営業職と当初は舐めきっていた上杉だったが、
顧客たちと顔を合わせて会話を交わし、問題点を伺ったりし、
営業職の面白さと、新商品展開への意欲をみなぎらせていく物語。
よくあるビジネス系小説同様、肩書き性悪上司が出てきたり、
利権主義者が出てたり、派閥があり、そんな圧力に遇いながら、
地道な歩みの中で、ひとりふたりと仲間が築かれていく。
先に続編から読んでしまったけど、未来を知りつつ楽しめた。
ウイスキーボーイの続編も出ないかなぁ・・・。
その前作にあたる本書も古本屋にあったよなぁ~と買ってきた。

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ビール会社のエリート宣伝部から、売上げ最低支店に飛ばされた。
待っていたのは小狡い上司と、だらけた空気。
田舎のドブ板営業を舐めきってきたオレは赴任早々、
得意先で大失態を演じてしまう…。
ここで結果を出さねば本社へ帰れない。売ってやろうじゃないか!
アホな上司や性悪同期に負けてたまるか!
瀬戸内の青い空と海を背景に、爽やかで、ほろ苦い営業成長小説。
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ビール会社のエリート部署である宣伝部所属の上杉は酒癖も女癖も悪い。
その悪癖がたたって不祥事をおかして広島に飛ばされることになってしまう。
広島では自社ビールはシェアも最下位で苦戦つづきだという。
営業マンとして成果を上げなければ本社復帰の望みも絶たれてしまう・・・。
本社復帰の希望を胸に顧客周りを始めた上杉だったが、
地方で顔の広い取引先社長の接待で悪癖が出てしまい失態を演じる。
後日、社長の居場所を訪れて謝罪をすると、あの場での暴言が、
逆に自分に向かって本音を吐いた面白い輩という好印象を持たれ、
社長に気に入られて交遊範囲を広げることになっていく。
田舎の営業職と当初は舐めきっていた上杉だったが、
顧客たちと顔を合わせて会話を交わし、問題点を伺ったりし、
営業職の面白さと、新商品展開への意欲をみなぎらせていく物語。
よくあるビジネス系小説同様、肩書き性悪上司が出てきたり、
利権主義者が出てたり、派閥があり、そんな圧力に遇いながら、
地道な歩みの中で、ひとりふたりと仲間が築かれていく。
先に続編から読んでしまったけど、未来を知りつつ楽しめた。
ウイスキーボーイの続編も出ないかなぁ・・・。
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王様女王
ジョーカーゲームと同時期に古本屋購入していたもの。
表紙絵の雰囲気から、おどろおどろしている話かと思いきや違った。

=============================
「巨大な敵に狙われている」。元警視庁SPの冬木安奈は、
チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼を受けた。
謎めいた任務に就いた安奈を次々と奇妙な「事故」が襲う。
アンディを狙うのは一体誰なのか。盤上さながらのスリリングな
攻防戦―そして真の敵が姿を現した瞬間、全てが裏返る。
=============================
六本木のバーで働く元SPの安奈。
ある日、クラブのホステスに付きまとう客を追い払った後、
ホステスの知人女性の相談に乗って欲しいといわれる。
相談内容は伝説のチェス王者アンディ・ウォーカーの警護だった。
表舞台から姿を消して行方不明になっている彼の世話をしていた所、
何者かに命を狙われたのだという。警察も警備会社も依頼を断ったらしい。
そんな話をしている時、怪しい人物が安奈のマンションを訪れる。
危険を察知した安奈の機転で2人を安全な場所へ移動させ難を逃れる。
安奈はSP時代の教官であり尊敬する元上司・首藤に連絡をとる。
警告と忠告を胸にアンディの警護を務めようとするのだが、
逃避場所のホテルから2人は姿を消していた・・・。
物語は安奈のSP時代の話と、アンディの過去が描かれていく。
安奈のSP時代の有能さと、辞職することになった事件、
幼いアンディがチェスと出会った遠い日々から王者への道のり、
2人の過去が徐々に明るみになっていく中、
アンディを襲った黒幕の正体が浮かび上がっていく・・・。
物語の後半、それまで脳内で描いていた世界観が一転する。
そんな風に書くと大げさだけど、文章世界ならではの引っかけが訪れる。
物語の大きな仕掛けに気づいて驚くし、なるほどと思うのだけど、
安奈やチェス王者で変わり者のアンディといった人物像が弱い感じかな。
最後に出てくる遺恨者の動機もまた微妙な感じ。
ジョーカーシリーズに比べると物語に奥行きは無いし、
登場人物たちの必然性みたいなものも薄かったりする。
元SPで主人公の安奈の人物像や活躍も弱いし、
くせ者と語られるアンディの変人ぶりもいまいち弱い。
でもテンポよく頁をめくれたし、それなりに楽しめたから充分。
表紙絵の雰囲気から、おどろおどろしている話かと思いきや違った。

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「巨大な敵に狙われている」。元警視庁SPの冬木安奈は、
チェスの世界王者アンディ・ウォーカーの護衛依頼を受けた。
謎めいた任務に就いた安奈を次々と奇妙な「事故」が襲う。
アンディを狙うのは一体誰なのか。盤上さながらのスリリングな
攻防戦―そして真の敵が姿を現した瞬間、全てが裏返る。
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六本木のバーで働く元SPの安奈。
ある日、クラブのホステスに付きまとう客を追い払った後、
ホステスの知人女性の相談に乗って欲しいといわれる。
相談内容は伝説のチェス王者アンディ・ウォーカーの警護だった。
表舞台から姿を消して行方不明になっている彼の世話をしていた所、
何者かに命を狙われたのだという。警察も警備会社も依頼を断ったらしい。
そんな話をしている時、怪しい人物が安奈のマンションを訪れる。
危険を察知した安奈の機転で2人を安全な場所へ移動させ難を逃れる。
安奈はSP時代の教官であり尊敬する元上司・首藤に連絡をとる。
警告と忠告を胸にアンディの警護を務めようとするのだが、
逃避場所のホテルから2人は姿を消していた・・・。
物語は安奈のSP時代の話と、アンディの過去が描かれていく。
安奈のSP時代の有能さと、辞職することになった事件、
幼いアンディがチェスと出会った遠い日々から王者への道のり、
2人の過去が徐々に明るみになっていく中、
アンディを襲った黒幕の正体が浮かび上がっていく・・・。
物語の後半、それまで脳内で描いていた世界観が一転する。
そんな風に書くと大げさだけど、文章世界ならではの引っかけが訪れる。
物語の大きな仕掛けに気づいて驚くし、なるほどと思うのだけど、
安奈やチェス王者で変わり者のアンディといった人物像が弱い感じかな。
最後に出てくる遺恨者の動機もまた微妙な感じ。
ジョーカーシリーズに比べると物語に奥行きは無いし、
登場人物たちの必然性みたいなものも薄かったりする。
元SPで主人公の安奈の人物像や活躍も弱いし、
くせ者と語られるアンディの変人ぶりもいまいち弱い。
でもテンポよく頁をめくれたし、それなりに楽しめたから充分。
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矛盾世界
久しぶりの東野本。安定した面白さがあるから、
そのうち読めばいいやと敬遠してきたけどタイトルに釣られた。
久しぶりの著作だったけど、期待値が上がりすぎてたかも・・・。

=============================
13時13分13秒、街から人が消えた。
無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。
なぜ彼らが選ばれたのか。
大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。
そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。
世界が変れば善悪も変る。殺人すらも善となる。
極限状態で見えてくる人間の真理とは。
=============================
ある日のある時刻を境に街から人が消える。
主人公は人を探し街を彷徨い、やがて同じ境遇者と出会う。
そうやって出会った13人の男女たちが力を合わせ、
生き抜くすべを見つけ出して行くのだが・・・
協力があり、反発があり、トラブルに見舞われ、死者が出る。
世界に残されてしまった人たちの辿るべき道とは・・・
生存者の共通点に薄々気づいてしまうので、
おそらくこんな結末へ向かうのかな?という予想通りの展開。
残された世界に未来を創ろうという気持ちは分かるけど、
じゃあ人類増加のために、、、しようというのはねぇ・・・
久しぶりに著者の作品を手に取ったけど、コレジャナイ感が強かった。
そのうち読めばいいやと敬遠してきたけどタイトルに釣られた。
久しぶりの著作だったけど、期待値が上がりすぎてたかも・・・。

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13時13分13秒、街から人が消えた。
無人の東京に残されたのは境遇も年齢も異なる13人の男女。
なぜ彼らが選ばれたのか。
大雨と地震に襲われる瓦礫の山と化した街。
そして生き抜こうとする人達の共通項が見えてくる。
世界が変れば善悪も変る。殺人すらも善となる。
極限状態で見えてくる人間の真理とは。
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ある日のある時刻を境に街から人が消える。
主人公は人を探し街を彷徨い、やがて同じ境遇者と出会う。
そうやって出会った13人の男女たちが力を合わせ、
生き抜くすべを見つけ出して行くのだが・・・
協力があり、反発があり、トラブルに見舞われ、死者が出る。
世界に残されてしまった人たちの辿るべき道とは・・・
生存者の共通点に薄々気づいてしまうので、
おそらくこんな結末へ向かうのかな?という予想通りの展開。
残された世界に未来を創ろうという気持ちは分かるけど、
じゃあ人類増加のために、、、しようというのはねぇ・・・
久しぶりに著者の作品を手に取ったけど、コレジャナイ感が強かった。
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琥珀夢想
興味を持った時に一気に傾倒する。
関連書籍も一気に集めて多角的に偉人を知ろう。

=============================
イミテーションではダメなんだ。
日本人に本物のウイスキーを飲んでほしい。
その思いを胸に24歳の竹鶴政孝は、スコットランドに留学する。
最愛の妻となるリタと知り合い、ニッカウヰスキーを創業するが、
試行錯誤の連続だった。竹鶴を支えたリタや従業員の物語。
=============================
序盤は世界に認められた近年のニッカウイスキー話と、
そのルーツであるスコットランドを訪れた竹鶴威のルポや、
父の教えやウイスキー話などが章立てて綴られている。
・世界最高と認められた「余市」モルト
・初の本格ウイスキー誕生
・竹鶴スピリットとは何か?
世界最高のウイスキーはこうして造られる
・東京進出、そして全国展開へ
・遊びとダンディズム
・日本人としての竹鶴リタ
・繁栄と苦境の大波の中で
・「竹鶴12年ピュアモルト」の衝撃
先に読んでいた小説の内容との相違もあったりして、
事実と創作の微妙な所に困惑しつつも、
大きな流れと偉大なる功績、そしてリタの献身、
情熱と誇りが紡いできた歴史が辿り着かせた賞賛も頷ける。
関連書籍も一気に集めて多角的に偉人を知ろう。

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イミテーションではダメなんだ。
日本人に本物のウイスキーを飲んでほしい。
その思いを胸に24歳の竹鶴政孝は、スコットランドに留学する。
最愛の妻となるリタと知り合い、ニッカウヰスキーを創業するが、
試行錯誤の連続だった。竹鶴を支えたリタや従業員の物語。
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序盤は世界に認められた近年のニッカウイスキー話と、
そのルーツであるスコットランドを訪れた竹鶴威のルポや、
父の教えやウイスキー話などが章立てて綴られている。
・世界最高と認められた「余市」モルト
・初の本格ウイスキー誕生
・竹鶴スピリットとは何か?
世界最高のウイスキーはこうして造られる
・東京進出、そして全国展開へ
・遊びとダンディズム
・日本人としての竹鶴リタ
・繁栄と苦境の大波の中で
・「竹鶴12年ピュアモルト」の衝撃
先に読んでいた小説の内容との相違もあったりして、
事実と創作の微妙な所に困惑しつつも、
大きな流れと偉大なる功績、そしてリタの献身、
情熱と誇りが紡いできた歴史が辿り着かせた賞賛も頷ける。
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虚栄戦略
朝ドラ影響で竹鶴関連小説を読んだ流れで、
ウイスキー関連小説が無いかなぁ~と思っていたら古本出会い。
タイトルからして、そのものズバリっぽいと即入手。

=============================
ライバル商品の台頭、口だけの上司、社内政治に長けた同僚…
みんなかかってこい!支店から本社の宣伝部に復帰した上杉。
ウイスキーの売上は低迷、会社が打ち出す販売戦略も迷走続き。
そんな時、上杉の前に現れたのは、伝説のブレンダーだった。
彼との出会いで会社のウソを知ってしまった上杉は、
巨象相手の大勝負に出る!痛快エンターテインメント。
=============================
著者がサントリーの広告宣伝部に在籍した経歴があることで、
物語で描かれる物事の狭間に真偽が浮き沈みしている感じ。
この物語には「ビアボーイ」という前作があるらしく、
花形部署である宣伝部から九州の営業部へ左遷させられた上杉が、
その実直な性格から地元酒店を味方につけ業績を上げ、
再び本社の宣伝部に戻ってからの物語である。
この男、実直なのだが酒乱でもあるんだよな・・・
暴れたり、本音を曝け出したり、記憶を無くしたり・・・
そのマイナス要素が物語を面白くしているのだけれど。
低迷するウイスキー事業を回復させようと、
上杉は意気込むのだが、彼の担当は紙媒体で予算も少ない。
堅物で有名な脚本家に気に入られ実現した企画は好評だったが、
上司やライバル達は自分ら映像媒体の戦略力だと威張る。
純粋な思いでひたむきに行動する上杉だが、
社内での軋轢や、上からの圧力を受けるようになる。
やがて売り上げ至上主義の裏事情に気づいた彼は、
ある企画でウイスキー工場を訪れた際に出会った
伝説のブレンダーや、脚本家の助力を得て、密かに調査し、
会社の利権を暴こうと計画を進行させるのだった。
物語に出てくる企業名は全て架空のものだが、
その名がどこを指しているのかは読めばすぐに分かる。
読者はそこに実在の企業を当て込んで、実態を浮かべつつ、
そこに見え隠れする実情らしい背景に見入られるだろう。
そんな上杉の仕事熱血物語が描かれるのと同時に、
妻が持病を悪化させ、その奮闘や苦悩も描かれる。
読んでいた時は、この挿入は不要だよな~とも思ったが、
主人公の周りの人たちが巨大なものに立ち向かう姿として、
様々な要素を絡めて構成したんだろうと思い至った。
多くの人が疑問に思っていた事の奥底にはきっと・・・。
ウイスキー関連小説が無いかなぁ~と思っていたら古本出会い。
タイトルからして、そのものズバリっぽいと即入手。

=============================
ライバル商品の台頭、口だけの上司、社内政治に長けた同僚…
みんなかかってこい!支店から本社の宣伝部に復帰した上杉。
ウイスキーの売上は低迷、会社が打ち出す販売戦略も迷走続き。
そんな時、上杉の前に現れたのは、伝説のブレンダーだった。
彼との出会いで会社のウソを知ってしまった上杉は、
巨象相手の大勝負に出る!痛快エンターテインメント。
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著者がサントリーの広告宣伝部に在籍した経歴があることで、
物語で描かれる物事の狭間に真偽が浮き沈みしている感じ。
この物語には「ビアボーイ」という前作があるらしく、
花形部署である宣伝部から九州の営業部へ左遷させられた上杉が、
その実直な性格から地元酒店を味方につけ業績を上げ、
再び本社の宣伝部に戻ってからの物語である。
この男、実直なのだが酒乱でもあるんだよな・・・
暴れたり、本音を曝け出したり、記憶を無くしたり・・・
そのマイナス要素が物語を面白くしているのだけれど。
低迷するウイスキー事業を回復させようと、
上杉は意気込むのだが、彼の担当は紙媒体で予算も少ない。
堅物で有名な脚本家に気に入られ実現した企画は好評だったが、
上司やライバル達は自分ら映像媒体の戦略力だと威張る。
純粋な思いでひたむきに行動する上杉だが、
社内での軋轢や、上からの圧力を受けるようになる。
やがて売り上げ至上主義の裏事情に気づいた彼は、
ある企画でウイスキー工場を訪れた際に出会った
伝説のブレンダーや、脚本家の助力を得て、密かに調査し、
会社の利権を暴こうと計画を進行させるのだった。
物語に出てくる企業名は全て架空のものだが、
その名がどこを指しているのかは読めばすぐに分かる。
読者はそこに実在の企業を当て込んで、実態を浮かべつつ、
そこに見え隠れする実情らしい背景に見入られるだろう。
そんな上杉の仕事熱血物語が描かれるのと同時に、
妻が持病を悪化させ、その奮闘や苦悩も描かれる。
読んでいた時は、この挿入は不要だよな~とも思ったが、
主人公の周りの人たちが巨大なものに立ち向かう姿として、
様々な要素を絡めて構成したんだろうと思い至った。
多くの人が疑問に思っていた事の奥底にはきっと・・・。
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汚心交錯
薄めの本ばかりというのもあって、
良作出会いから次々と読み進めて早くも9作目。

=============================
28年間、自分をもてあましてきたギタリストの熊井望は、
音楽以外に興味はなく、唯一思いを寄せるのは、昔の友人。
分身のようにかけがえのない存在だったが、今はもう会えない。
彼女が取り返しのつかないことをしてしまったから―。
様々に繋がる人間関係から見えてくる、ささやかな希望。
ローリング・ストーンズの曲名に乗せておくる、
不器用な若者たちのもどかしくも胸に迫る物語。
=============================
独立した短編のような体裁で進みつつ、
実は連作短編だったと人つながりに驚く構成。
各タイトルがストーンズの曲名になっている。
sympathy for the devil
ギタリストの熊井は賭けに負けて健診を受ける事になる。
その結果を受け取った時、かつての相棒でベーシストだった
TTのことを思い出す。熊井を男だと思いつつ読んでいたので、
出待ちファンのクマイって女だったの?という言葉に「あ」とする。
sympathy for the devil
恋をすると私はブスになる。無意識的に女を演じてしまう私。
4年付合っている辰也に対する貴子の不満と自分への葛藤。
何故か相性の良い義姉の麻子さんに誘われて温泉旅行へ。
moonlight mile
学生時代に振られた相手である美雪から突然のメール。
重い病気で療養中の彼女が会いに来てほしいという。
遠井は車をとばして彼女を見舞いに行く・・・。
before they make me run
安酒とパチンコに溺れる弟(遠井の弟だろう)。
貴子の恋人である辰也の日常と浮気。
そして熊井の友人である高田の仕事への悩み・・・。
独立していた数話が地続きだと薄々分かってくる。
miss you
姉の結婚式のために花屋の辻森に頼み込み、
手造りブーケの作り方を教えてもらう持田。
back to zero
入院中に知り合っていた遠井と辻森。
ひきこもっている遠井を自分の写真展にひっぱりだす辻森。
遠井は辻森の撮った写真の中に旧知の女性を見つける。
beast of burden
辻森さんのおかげで再会した熊井とTT。
二人は付き合い、一緒に住み始めた・・・。
熊井が思うTTの存在を頭の片隅に起きつつ読むから、
人物が出てくるたびにTT?という思いがよぎる。
登場人物のイニシャルがまた絶妙。途中で分かるけど・・・
作者の描く人達の距離感が好きなんだなぁ。
良作出会いから次々と読み進めて早くも9作目。

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28年間、自分をもてあましてきたギタリストの熊井望は、
音楽以外に興味はなく、唯一思いを寄せるのは、昔の友人。
分身のようにかけがえのない存在だったが、今はもう会えない。
彼女が取り返しのつかないことをしてしまったから―。
様々に繋がる人間関係から見えてくる、ささやかな希望。
ローリング・ストーンズの曲名に乗せておくる、
不器用な若者たちのもどかしくも胸に迫る物語。
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独立した短編のような体裁で進みつつ、
実は連作短編だったと人つながりに驚く構成。
各タイトルがストーンズの曲名になっている。
sympathy for the devil
ギタリストの熊井は賭けに負けて健診を受ける事になる。
その結果を受け取った時、かつての相棒でベーシストだった
TTのことを思い出す。熊井を男だと思いつつ読んでいたので、
出待ちファンのクマイって女だったの?という言葉に「あ」とする。
sympathy for the devil
恋をすると私はブスになる。無意識的に女を演じてしまう私。
4年付合っている辰也に対する貴子の不満と自分への葛藤。
何故か相性の良い義姉の麻子さんに誘われて温泉旅行へ。
moonlight mile
学生時代に振られた相手である美雪から突然のメール。
重い病気で療養中の彼女が会いに来てほしいという。
遠井は車をとばして彼女を見舞いに行く・・・。
before they make me run
安酒とパチンコに溺れる弟(遠井の弟だろう)。
貴子の恋人である辰也の日常と浮気。
そして熊井の友人である高田の仕事への悩み・・・。
独立していた数話が地続きだと薄々分かってくる。
miss you
姉の結婚式のために花屋の辻森に頼み込み、
手造りブーケの作り方を教えてもらう持田。
back to zero
入院中に知り合っていた遠井と辻森。
ひきこもっている遠井を自分の写真展にひっぱりだす辻森。
遠井は辻森の撮った写真の中に旧知の女性を見つける。
beast of burden
辻森さんのおかげで再会した熊井とTT。
二人は付き合い、一緒に住み始めた・・・。
熊井が思うTTの存在を頭の片隅に起きつつ読むから、
人物が出てくるたびにTT?という思いがよぎる。
登場人物のイニシャルがまた絶妙。途中で分かるけど・・・
作者の描く人達の距離感が好きなんだなぁ。
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照合館員
タイトルを見て、そのうちにと思っていたら、
古本安価棚に並んでいるのを見つけて手に入れた。
この作家さんも初めて。

=============================
和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。
利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。
だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれていた。
ある日、財政難による図書館廃止が噂され、
和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる…。
図書館を訪れる人々の望む様々な本を探索するうちに、
その豊かな世界に改めて気づいた青年が再生していく連作短編。
=============================
熱い思いを持って就職したはずの和久山隆彦だったが、
さまざまな軋轢や不満などの葛藤を渦巻かせ、
結局、無気力惰性状態で日常業務を行っていた。
図書館のレファレンス・カウンターである和久山の元へ
今年も課題レポートの相談に地元短大の女子生徒が訪れる。
彼女の提示した作家名に胸中で管を巻きつつ蘊蓄を披露し、
やれやれと思って作品を探したら該当する物がない。
出題教授の間違いか、メモした彼女の書き間違いか・・・
やがて有名作家と似た名前の作家に思い当たるが・・・
書籍に思いを馳せて図書館に相談に訪れる人々と、
求められた書籍へ導くミステリーが物語の主な構成で、
書籍の蘊蓄が披露されながら和久山の心情にも変化が現れる。
そして物語の中盤以降では図書館廃止に向けた圧力に抵抗する。
図書館廃止の動きとして市長秘書室が送り込んで、
副館長となった潟田からの難題も提示された文章を見て、
もしかして?と思って読んだらドンピシャだった。
蘊蓄があって、謎解きがあって、人間成長があって、
敬遠の仲に上司と部下の絆、圧力への抵抗や撃退があって、
面白い要素がたくさんあって読みやすかったけど、
どこか淡々とした空気感が流れているような感じもあった。
古本安価棚に並んでいるのを見つけて手に入れた。
この作家さんも初めて。

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和久山隆彦の職場は図書館のレファレンス・カウンター。
利用者の依頼で本を探し出すのが仕事だ。
だが、行政や利用者への不満から、無力感に苛まれていた。
ある日、財政難による図書館廃止が噂され、
和久山の心に仕事への情熱が再びわき上がってくる…。
図書館を訪れる人々の望む様々な本を探索するうちに、
その豊かな世界に改めて気づいた青年が再生していく連作短編。
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熱い思いを持って就職したはずの和久山隆彦だったが、
さまざまな軋轢や不満などの葛藤を渦巻かせ、
結局、無気力惰性状態で日常業務を行っていた。
図書館のレファレンス・カウンターである和久山の元へ
今年も課題レポートの相談に地元短大の女子生徒が訪れる。
彼女の提示した作家名に胸中で管を巻きつつ蘊蓄を披露し、
やれやれと思って作品を探したら該当する物がない。
出題教授の間違いか、メモした彼女の書き間違いか・・・
やがて有名作家と似た名前の作家に思い当たるが・・・
書籍に思いを馳せて図書館に相談に訪れる人々と、
求められた書籍へ導くミステリーが物語の主な構成で、
書籍の蘊蓄が披露されながら和久山の心情にも変化が現れる。
そして物語の中盤以降では図書館廃止に向けた圧力に抵抗する。
図書館廃止の動きとして市長秘書室が送り込んで、
副館長となった潟田からの難題も提示された文章を見て、
もしかして?と思って読んだらドンピシャだった。
蘊蓄があって、謎解きがあって、人間成長があって、
敬遠の仲に上司と部下の絆、圧力への抵抗や撃退があって、
面白い要素がたくさんあって読みやすかったけど、
どこか淡々とした空気感が流れているような感じもあった。
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