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私の国

韓国時代劇ドラマ27作目を観終えた(全32話)



高麗末期。病弱な妹を支えながら貧困生活を送るソ・フィ。
母が奴婢という事で高官の父に差別されて成長したナム・ソノ。
切磋琢磨して武芸を磨いてきた2人の親友が市場を訪れた際、
反政府の張り紙で役人に追われる男装女性ハン・ヒジェを救う。

高麗一の剣士ソ・ゴムが罪を被せられて死罪となったため、
罪人の息子という事でフィの武科受験の道は閉ざされていた。
ソノは父と同行したイ・ソンゲ将軍の狩りにフィを伴って参加、
将軍に弓の実力を認められたフィは受験資格を手にする。

ヒジェは貧しいフィが妹の薬をツケ払いで帰るよう手回しし、
幼少時の命の恩人がフィの父と知って運命的な出会いを感じる。
ソノは武科の首席合格を目指すが、貼り紙犯を追う役人に斬られ、
大怪我を負った状態で決勝に進みフィと首席を争う事になる。

フィがソノを打ち負かすが、ソノの父ナム・ジョンが試験官を買収、
油断したフィを後方から殴打して倒したソノが首席と認められる。
フィの殺害を命じられたソノは遼東征伐軍に派遣する事で命を守り、
地獄の戦場で功績を挙げたフィは一目置かれる存在となっていた。

イ・ソンゲは禑王の遼東征伐が不当だったと先発隊の始末を命令、
刺殺隊として遼東に向かったソノはフィと再会を果たすが・・・。
ナム・ジョンは先発隊と刺殺隊の殺害命令を出して殲滅を図り、
フィと仲間はソノを助けて密かに遼東から帰還するのだった。

1392年、イ・ソンゲが高麗を滅ぼして朝鮮の王に君臨。
フィの妹ヨンは記憶喪失となってナム・ジョンの邸に保護され、
妹の無事と引き換えにフィは五男イ・バンウォンの暗殺を承諾、
遼東征伐の仲間とイ・バンウォンの弱点を探ることになる。


・フィとヨンの兄妹は罪人の子として貧困生活を送っていた。
・ソノの兄は将来有望だったが死去、ソノは父に認められたい。
・ヨンとソノは慕いあう仲。フィとヒジェも相思相愛になる。
・梨花楼行首のソ・ソルはヒジェ母と親友で娘を託されていた。
・ヒジェは芸妓ではないが梨花楼に住み、行首の後継者である。

・イ・ソンゲは神徳王后カン氏の息子である八男を世子にする。
・建国に活躍した五男イ・バンウォンは王の決断に不服を抱く。
・フィと仲間がバンウォンの暗殺に失敗、拘束されてしまう。
・バンウォンはフィの才知と武力を買って配下に加える。
・フィはナム・ジョンのスパイとなりつつバンウォンにも従う。

・ソノはヨンを守るために父に従いバンウォンとは敵対関係。
・ヨンの記憶が蘇り、ソノ一家が兄を苦しめている事を知る。
・バンウォンとフィがナム・ジョンを謀略に陥れる。
・バンウォンは致命傷を負った事にして死を偽装していた。
・フィはジョンに刃を渡されて自害演技。仲間がフィを救出。
・ヨンの殺害命令を知ったソノは彼女を救出して逃走する。

・バンウォンが王の面前に現れ、罪を追及されたジョンは投獄。
・フィはヨンと再会、ソノが追手を引き付けてフィたちを逃す。
・逃げ延びて安堵した時に刺客が現れヨンが殺害されてしまう。
・フィはナム・ジョンに渡された刃に毒が塗られていて昏倒。


ヨンの死から6年後。イ・バンウォンが勢力を増していく中、
ナム・ジョンは王に譲位させて臣下主導の国という野望を抱く。
最愛のヨンを失ったソノは父に従いつつ殺害機会を伺っていて、
序盤の優しい表情は消え、冷酷無比な無感情に変わっている。

フィも父と妹の仇討ちを果たすためにジョン殺害の機会を伺い、
毒の後遺症に悩まされながらもイ・バンウォンに従っていた。
史実にあるイ・ソンゲの息子たちによる権力争いが描かれていき、
架空人物のフィとソノは敵対したり協力したりを繰り返す。

謀反を起こしたナム・ジョンはイ・バンウォンの策に陥れられ、
結果的にフィが追い詰めてバンウォンがナム・ジョンを斬り倒す。
フィもソノも何回、体を剣で貫かれたのだろう・・・多すぎ・・・
それなのに療養したらバンバン動きまくるし戦いまくる不思議。
顔に血が付くのも毎回。同じ演出が連発しすぎて飽きてくる。

フィとヒジェは恋愛を育む暇は無いのに再会するたびチュッチュ。
イケメンは負傷のたびに上半身裸。韓国は肉体美シーンが多い。
ソノが女真族の頭領になり、四男バンガンと謀反を起こしたり・・・
フィとイ・バンウォンが鎮圧、フィはソノを密かに逃がす。

バンウォンは兄の謀反を理由に父王を脅迫して世子の座を要求。
王に謁見したフィは父がバンウォンの武術の師匠だと教えられる。
宮殿に潜入したフィはソノと遭遇してソ・ゴム死刑の真相を調べる。
フィが寝ている時に記述を見つけたソノは密かに宮殿を抜け出し・・・

結局ソノって何がしたかったのか分からなかったなぁ・・・。
父に裏切られ、友を裏切ったり救ったり、暗黒面に落ちたり戻ったり。
ナム・ジョンを倒した後の歴史的な展開に主人公を絡めるのも窮屈で、
後半は意外な事実があるものの物語の展開が強引すぎて魅力が半減。
で、結局は史実通りにイ・バンウォンが第3代の王になるけれど、
架空人物の主役イケメン二人は物語から消される悲しい終幕となる。

国のため信念のために戦った男がいた、という物語だけど、
フィがいなかったら?ソノがいなかったら歴史は変わったのか?
そんな意地悪な見方をすれば主人公の存在感は微妙だったのかも。
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輝く狂う

韓国時代劇ドラマ26作目を観終えた(全24話)



高麗時代初期。第4代王・光宗をモデルにした物語。
破軍星の下に生まれたワン・ソは呪われた皇子として、
皇宮を追われて金剛山で皇宮とは関係なく逞しく育つ。

太祖こと王建は権力争いが続く皇宮を建て直すため、
ソを呼び戻すが、暗殺者の毒矢で致命傷を負ってしまう。
皇宮を襲った刺客を追いかけて中原の開封に来たソは、
渤海最後の王女シンユルに遭遇、騒動に巻き込まれる。

後漢の郭将軍から求婚された青海商団の副首領シンユルは、
許嫁がいると断り、偽装結婚の相手をソに頼み込む。
花嫁の顔を見ること無く一夜を過ごして立ち去ったソは、
この時にお守りとして蝶の玉佩の片羽を貰っていた。

刺客から解毒薬を得て帰還するが皇帝は崩御してしまう。
5年後、豪族で義姉のヨウォンと政略結婚したワン・ソは、
太祖の秘密武士を従え、事件の陰謀と首謀者を追っていた。
高麗建国の功臣で執政のワン・シンニョムの力添えを得て、
ソの兄ワン・ヨが王となるが決断力に乏しく傀儡となる。


シンユルが青海商団を率いて高麗にやって来る。
男装したシンユルが町でワン・ソと偶然の再会を果たすが、
全く気づいて貰えずに開封(ケボン)と名乗って付きまとう。
ソが王宮と繋がる青海商団を調べるためにケボンを訪ねると、
シンユルは男装ケボンとして応対、雇用試験を受けさせる。

ソの無骨な風貌から暗殺刺客稼業だと思い込むシンユル、
青海商団の面々はソが偽装結婚した相手だと気づくのだが、
ソが気づいていないため、二人の仲が進展しないよう監視する。
全く自分の事を覚えていないことに腹立つシンユルだが、
彼が蝶の玉佩を大事に持っているのを知って恋心が膨らむ。

一方、ソの妻ヨウォンは弟のウクを次期皇帝の座に就けるべく、
密かに陰謀を巡らせ、ワン・シンニョムとも繋がっていた。
ウクは皇帝の座に興味が無かったが、偶然シンユルと出会い、
亡き恋人に瓜二つの彼女に興味を抱きソと親しい事を知る。

ウクは男装ケボンに遭遇してもシンユルだと気づくのだが、
ソはケボンが女だと気づかず意気投合し義兄弟の契りを交わす。
欲しいものを手に入れるためウクは姉の計画に賛同したり、
シンニョムとも取引を交わして水面下で暗躍するようになる。


渤海最後の王女シンユルは一族が粛清される中、兄姉とはぐれ、
母は追っ手に殺害され、赤子の自分は冬の川に投げ落とされる。
川に沈んだ赤子を従者夫婦が救出して密かに育て上げるのだが、
その時の後遺症でシンユルは寒症を患い、薬を服用し続けている。

はっきりと明かされないが、ウクの亡き恋人がシンユルの姉。
兄のセウォンはシンニョムに拾われて暗殺者として育てられ、
ソの妻ヨウォンと密かに慕いあい二人の悪事に荷担し続けていた。
太祖を襲ったのも彼だし、ソの捜査を阻むのも彼だった。

ソの母である皇太后は呪われた皇子というお告げを信じ込み、
幼少時に兄弟が死亡した事件もソの呪いによるものだと嫌っていた。
ソを見るたびに罵倒していたのに物語の中盤で内官から真実を知り、
自分が盗み聞きした内容に続きがあった事を知って改心する。

呪われた星の下に生まれた皇子の運命を好転させる星があり、
その星の下に生まれたのがヨウォンでありシンユルであった。
ソの兄弟が亡くなった事件は豪族達の策略で陰謀であったため、
太祖は息子の命を守るために金剛山に追放していたのだった。


ワン・ソとケボン(シンユル)のすれ違いが延々続くと思いきや、
皇子格闘大会でウクが勝ち進み、姿を現さない皇子が最後に登場、
ウクと対決して勝利した皇子を見てシンユルはソの素性に気づく。
粗末に扱っていた青海商団の面々も報告を受けて驚愕するのだが、
ソはその後も前と変わらぬ応対を求め信頼関係を気づくのだった。

男色と悩んでいたソはケボンが女だと気づき愛情を露わにする。
ヨウォンは夫が青海商団の副頭領と親しい事を突き止めて調査し、
シンユルの義兄で青海商団の頭領に自白剤を用いて婚姻を知る。

王族の婚姻は皇命で行われる事になっていて違反者は死罪となる。
ソがシンユルと結婚していた事が郭将軍の証言で明らかとなるが、
ソの下僕が偽装結婚である事を証言、青海商団の面々も証言する。
皇帝が毒に侵されて精神が病んでいるのを知ったワン・ソは、
解毒方法をシンユルに相談、彼女の調査で意外な人物が浮かぶ。


皇帝の毒はヨウォンが作ったと判明、ソは取引を持ちかけるが、
解毒薬はウクが持ち出し、ワン執政と手を組んでソと対立する。
黒幕ワン・シンニョム、権力欲のヨウォン、シンユル愛のウク、
物語の悪者3人がワン・ソに立ちはだかると思いきや・・・

ウクはシンユルを失いたくなくて彼女の命を救うことを優先、
ヨウォンは権力が欲しいからソが皇帝になれば皇后になれるため、
弟を皇帝にする道から夫を皇帝にする道に乗り換えソに協力する。
結局、ワン執政が暴走して皇帝の命を狙い、目障りなソを陥れ、
邪魔をするシンユルの殺害を従僕セウォンに命じるのだが・・・

ウクはワン執政の暗殺者セウォンをシンユルに合わせる。
彼の剣柄から渤海出身だと気づいたシンユル。彼女の会話から、
自分が兄で目の前の女性が妹だと気づくセウォン・・・。

ウクもヨウォンも信用出来なくなったワン執政は実力行使に出て、
青海商団が貧しい民を救って作った青海村を謀反組織に仕立てる。
シンユルの暗殺を命じられたセウォンはウクと対峙して剣を交え、
実力ではセウォンが上回るが妹の命を託して刃に倒れる道を選ぶ。

ウクは寒症のシンユルを守るため葬式を行って死んだ事にして、
人里離れた村で密かに治療を行っていたが生命の危機が迫っていた。
ワン・ソはシンユルが死んだと告げられて自暴自棄になるものの、
彼女の部屋の品を見て生存を確信、シンユルの居場所を突き止める。


医師は毒を持って毒を制する法しか助けられないと告げ、
ソは瀕死の彼女を抱えて雪の渓谷に浸って寒症治療をする。
愛の力によってシンユルは回復、ワン・ソは皇宮に駆けつけ、
陛下はソに譲位をすると宣言、ソに従うことを命令する。

ヨウォンはワン執政に従う太祖暗殺に加担した豪族を懐柔、
ソに忠心を誓うことで過去を不問にすると宣言していた。
ワン執政は兵を引き連れて青海村の暴動鎮圧に乗り出すが、
ワン・ソが待ち構えていて兵を説得、無血で制圧するのだった。

偽装結婚の時と同じ花嫁衣装で婚姻し二人は結ばれるが、
シンユルはソについて行かず西域で交易を始めたいと夢を語り、
善悪微妙な立ち位置だったウクも一人旅立ち・・・
ワン・ソは光宗となって奴婢を解放、高麗の名君として名を残す。  

せっかく寒毒が癒えて二人が結ばれたハッピーエンドだったのに、
シンユルは交易をするために最愛の人から離れるという謎の終幕。
名君は恋人よりも民を守る必要があるという事なんだろうけど、
なんか色々と乗り越えての婚姻だったので微妙な感じだったなぁ。

こういう時代劇を観た後にウィキペディアで史実も軽く目を通す。
光宗の側室には渤海国王族の宜慧貴妃王氏と記載があった。
物語ではソに愛されないヨウォンだが、王后との間に子が5人・・・
ドラマに描かれていない部分の想像も時代劇の面白さだったり・・・
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アスダル

韓国時代劇ドラマ25作目を観終えた(全18話)



国家という概念が無く、王もいない古代大陸”アス”には、
サラムとネアンタルという二つの種族が存在していた。
アスの中心地である"アスダル"には軍事を司るセニョク族、
青銅器を作る技術を持つヘ族、祭事を司る白山族が住み、
3つの部族はサラム=人間でアス語を話す農耕民族である。

アスダルの北に位置し、月の平原がある"アトゥラド"には、
人間から恐れられるネアンタルという狩猟民族が住んでいた。
彼らは獣のような身体能力を持つ超人で、独自の言語を用い、
青い瞳と唇で血も青く、夢を見るという特性を持っていた。

アスダルの南、大黒壁と涙の海で隔てられた"イアルク"には、
サラムのワハン族という巫女(シャーマン)族が暮らしていた。


人間達は豊かな土地を求めて月の平原を欲するようになり、
ネアンタルに共存を提案するが交渉は決裂してしまう。
この時に両者の通訳を務めたのが白山族のアサ・ホンで、
後日ネアンタルの元に家畜を送り届ける役目を務める。

彼女が届けた家畜は人間には無害の伝染病に罹っていて、
ネアンタルの間で病が流行り、多くの命が失われてしまう。
人間達は彼らの土地に火を放ってネアンタル狩りを行うが、
驚異的な身体能力のため掃討は長きに渡って続く事になる。

ネアンタルの男と恋に落ちたアサ・ホンは双子の男児を出産、
ある日、彼女は子供が連れ去られる不吉な夢を見るのだった。

セニョク族族長の息子タゴンがネアンタル狩りを統率、
双子の父親を殺害したタゴンは傍らにいた混血児を連れ去る。
アサ・ホンは双子の生き残りであるウンソムを守るために、
サラムやアスダルの神々の及ばない未開の地イアルクを目指す。

アサ・ホンは息子を連れて大黒壁と呼ばれる断崖絶壁に到達、
10年を費やしてイアルクへ降りる洞窟を探し出すのだった。
母子はワハン族に保護されるがアサ・ホンは亡くなってしまう。


サラムとネアンタルの混血はイグトゥと呼ばれていて、
紫の瞳と唇、紫の血を持ち、ネアンタル同様に夢を見る。
ネアンタルほどの超人ではないものの優れた身体能力を持ち、
記憶力も良く、一度見ただけの踊りなども容易に覚えてしまう。

物語の主人公はアサ・ホンが命がけで守った混血児ウンソムで、
ワハン族の元で逞しく成長、氏族母の後継者タニャとは幼馴染み。
二人は青い客星が現れた日に生まれたという共通点を持っていて、
タゴンが連れ帰った双子の片方と3人が物語の鍵となるようだ。

原始的な狩猟生活を営み、平穏に暮らしていたワハン族だったが、
勢力を拡大したアスダル部隊の襲撃に遭って村は壊滅に追い込まれ、
タニャをはじめとするワハン族は奴隷として連行されてしまう。

馬に乗っていて襲撃を免れたウンソムは仲間を救いに行くが、
撃退されて逃走、隊長ムベクは伝説の馬カンモルだと推測する。
ウンソムは生き残った幼い女児とアスダルを目指して大黒壁へ行き、
断崖の上に続く巨大ゴンドラを見て発達した文明に唖然とする。

アスダルに来たウンソムは村でチェウンという女性と出会い、
この地の権力者がセニョク族の族長サヌンだと知る事になる。
黒装束姿のウンソムがサヌンを人質に取って建物に籠もると、
息子のタゴンが駆けつけて父を救出するため建物に潜入する。

三者が格闘する中、好機と見たタゴンは確執のあった父を殺害、
建物から逃走したウンソムはタゴンの返り血が紫色だと気づく。
タゴンは父が敵に殺されたと、逃げた犯人の捕縛を民衆に宣言、
替え玉を用意して処刑、父が務めたアスダル連盟長となるのだった。


タゴンはヘ族族長ミホルの娘テアラと恋仲であった。
ネアンタルの元から連れ帰った子はテアラが密かに育てていた。
ウンソムはテアラの元にタゴンの紫色の血がついた布を届けて、
秘密を公表されたくなかったらワハン族を殺害するなと忠告。

ワハン族は処刑を免れ、奴隷として各所で労働する事になり、
タニャは氏族母の後継者という事でタゴンに仕えるようになる。
彼女は塔の上にある部屋でウンソムと瓜二つの男サラと出会い、
ウンソムが夢で見たと語っていたのがサラの部屋だと気づき、
サラもまた夢で見ていた女性がタニャだと気づくのだった。

タゴンはタニャを伝説の女性アサシンの直系だと公表するが、
対立するヘ族長や白山族長は彼女が偽物なのではと追及する。
タゴンの責任問題となる中、タニャは部族の伝統の舞いを披露、
大聖堂の天井に隠されていた星の鈴を見つけて正当性を証明する。


ウンソムは奴隷となっていたワハン族の仲間を救おうとし、
逆に密告されて捕らわれ、地下の洞穴掘りをさせられていた。
そこで労働を共にした仲間と結託して洞穴から脱出するのだが、
モモ族の仲間が死亡、彼の遺言を届けるためにモモ族の地へ赴く。

タニャは民衆の前でタゴンがアラムンヘスラの再来だと認め、
自身も大祭官となって権力を手にしてワハン族の仲間を解放する。
タゴンは民に恐怖と恩恵を与えながら権力を手中に収めていき、
白山族族長アサロンは少数部族の長を集めてタゴンを罠に嵌める。

サヌンの墓でタゴンの独白を聞いた部族長らは父殺しを非難、
背後から攻撃を受けて流血したタゴンはイグトゥだとバレてしまう。
真実を知った全員が殺害され、逃げたアサロンも捕縛されて処刑、
さらにヘ族長ミホルも監禁して拷問、最後はテアラが実父を殺害する。

タゴンを治療したチェウンの父ハリムは真実を知って恐怖し、
娘二人と夜の森へ逃走するが、タゴンの部下に殺害されてしまう。
娘も殺されそうになるが、義妹のヌンビョルが危機的状況で豹変、
ネアンタルの孤児である彼女は能力を解放して敵を殺害する。


ウンソムと奴隷仲間のイプセンが極寒地のモモ族集落を訪れ、
死亡した男の妻に遺言と頭髪を渡して村に泊まる事になる。
その夜、暴動が起きて族長のカリカが命を狙われるのだが、
ウンソムが彼女を救出、反乱勢力は鎮圧されて事なきを得る。
恩義を感じたカリカはウンソムを探すが既に村を発っていた。

ウンソムはイプセンと再会するもののアゴ族に捕らわれ、
アゴ族の神イナイシンギの再来と疑われて瀑布に落とされる。
滝に飲み込まれたウンソムを駆けつけたモモ族が飛び込んで救出、
イナイシンギ以来の生還者となった事でアゴ族の英雄となる。

タゴンは連盟を排除、部族を解体してアスダルを国と定め、
王となって民心を得るため、アゴ族を敵として討伐を約束する。
タニャは星の数の希望を抱くように民をペクソン(百星)と呼ぶ。
ウンソムはアゴ族間の軋轢を解消させて仲間を増やすのだが、
その中にタゴンと通じる赤い爪と呼ばれる女がいた・・・。


シーズン3まであるらしい。コロナで延期なんだとか・・・
三部作の一部に位置づけする本作は世界観の概要だったり、
人間、ネアンタル、イグトゥといった種族や人間部族の特徴、
権力争いや確執を見せながら多くの人物を登場させている。

太古の時代が舞台だけど架空世界で良かったのでは?
文明が未発達しているような時代なのに衣服や装飾が美しく、
青銅器が貴重なのに武器や防具が多様なのも中途半端な感じ。

アサ・ホンが10年かけて洞窟から大黒壁を降りるのに、
その数年後に大黒壁には巨大ゴンドラが聳え立つし、
物語の冒頭でネアンタルが高速移動で人間を瞬殺するのに、
ネアンタル狩りでは兵士は弓矢とか斧、剣で対峙している。
時代設定や異人設定に違和感を抱いてしまった・・・。

後半、不倫で有名になった日本人女優が出演しているが、
モモ族の族長を立派に演じていて存在感もあって良かった。
2部もそのまま登場してほしいけどどうなのかな・・・

韓国版の指輪物語とかゲームオブスローンと呼ばれているが、
指輪物語と比べるには設定が不十分な印象が強いかな・・・。
西洋ファンタジーの真似をしたくないのかも知れないけど、
大黒壁はドラゴンのような飛行生物で登った方が説得力があるし、
タニャの巫女能力も魔法的なものでも良かったような・・・

もともと韓国の神話だと思って観たのが勘違いだった。
シーズン2、3で面白くなっていくのかな・・・
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客主

韓国時代劇ドラマ24作目を観終えた(全41話)



朝鮮時代末期が舞台。千家客主(商団)の主チョン・オスは、
誠実な人柄と人望により、開城を代表する客主となっていた。
換銭客主のハクチュンがオスの商団を手に入れようと画策し、
借金の嵩んだ番頭サンムンにアヘン取引を持ちかけ罠に嵌める。

アヘン所持を認めたサンムンは商人の裁きにより死罪となり、
彼の息子ソゲは死を命じたオスを憎んで荷物にアヘンを忍ばせる。
関所で発覚した商団は投獄、オスは仲間を救うために死罪となり、
復讐を終えたソゲは父の遺言を叶えるために姿を消すのだった。

オスの息子ボンサムは痘瘡を患って医者に治療を拒否され、
姉のソレは山の廃寺にボンサムを置き去りにして妓女となる。
ボンサムはオスの恩人で牛皮密売人のソンジュン一行に救われ、
医者の家で養生し、それから商人育成機関の童蒙庁に潜り込み、
仲間と出会って月日が経過、立派な大人になっていた。

松坡馬房の行首として童蒙庁を訪れたソンジュン一行と再会し、
ボンサムは馬房で雇われ、父譲りの商才を発揮するのだった。


ソレはソホンの名で仇敵ハクチュンの側室になっていて、
復讐機会を伺いつつ、腹心ドゥッケに弟の消息を探させていた。
ソゲは六矣廛の大行首・辛家大客主シン・ソクチュの邸に入り、
使用人となって大行首に成り上がるために商いを学んでいた。

ボンサムの活躍もあって松坡馬房は大所帯に拡大するのだが、
ソンジュンが後継者はボンサムだと宣言して義弟マンチが激怒、
馬房の権利書を盗み、慕いあうソンジュの妻パングムと逃走する。

懐かしい廃寺と医者の家を訪れて、姉の来訪を知ったボンサムは、
後を追いかけて山道へ行き、駕籠が崖から転落するのを目撃する。
一行が躊躇する中、川へ飛び込んで沈む駕籠から女性を救い出すが、
助けたのは父親の政略道具にされたソリンという美女だった。

ソゲはソクチュの帳簿を複写していて不正調査から救うのだが、
内情を知りすぎたと逆鱗に触れ、半殺しにされて山に捨てられる。
塩辛行商人のケトンに救われ、行商を手伝って義兄弟となるが、
ケトンが男装した女性だとは気づかないで旅を続けていた。

巫女能力を持つことを気味悪がられて親に捨てられたケトンは、
人生を変える運命の男を探し続けて10年の日々が経っていた。


ハクチュンに権利書を売って手形を得たマンチとパングムは、
山中でソンジュンに見つかり、ボンサムが仲裁に駆けつけるが、
不義密通の罪でバングムは踵を、マンチはイチモツを切断され、
ソンジュン自らも指を切り落として手形を奪い返す。

刺客が現れて権利書が奪われ、格闘したボンサムは崖から転落、
翌日ケトンが発見、巫女の感で運命の人だと山小屋で看病する。
ソゲは首に提げている身分証を見てオスの子ボンサムだと驚愕、
気まずくなってボンサムが目覚める前に山小屋から立ち去る。

一方、ソリンは大金で売られてソクチュに嫁ぐ事になる。
ボンサムは趙家客主に捕らわれた義弟ソンドルを救い出すため、
邸に忍び込んで娘を拉致、ソリンだと知ったボンサムは驚愕し、
ソリンは愛を告白するが、ボンサムは友人と引き換えに彼女を帰す。

ソゲがソンジュンと遭遇してハクチュンが刺客を送ったと扇動、
襲撃で負傷したハクチュンにソレが復讐機会到来と素性を明かす。
父を陥れた張本人がソゲだと教えられて衝撃を受けつつ簪で殺害、
邸に忍び込んだソゲは夫人の素性に気づき、戻ったソレと再会する。
ソレはソゲを逃がし、ソンジュンが殺人犯だと通報するのだった。

邸から逃走したソンジュンらは官兵に追われて崖から転落、
ボンサムが逮捕されるが、弟だと気づいたソレが釈放を命じる。
ソレはドゥッケにソゲの暗殺を命じるが失敗、激怒したソゲは、
ボンサムに遭ってソゲだと明かし、ソクチュン夫人が黒幕だと煽る。
二人は邸に忍び込んで夫人を箱に拉致、崖から川へ落とすのだった。


ケトンが国師堂の巫女メウォルとなってソクチュと遭遇、
後継者が生まれると告げた事が気に入られて厚遇されるようになる。
巫女姿でボンサムと再会したケトンは婚姻を申し込むが断られ、
ボンサムの意中の人がソクチュ夫人のソリンだと気づくのだった。

ソゲの策略で何も知らずに実姉を崖下に葬ったボンサムは、
その後もソゲに騙され、邪魔され、策略に填まって陥れられる。
ソゲは野望のために仕える主を乗り換えつつ成り上がりの道を模索、
巫女姿のケトンとも再会し、互いの野望を叶えるために協力していく。

ソクチュはソリンに跡継ぎを望むが高齢のため不全状態だった。
ソリンとボンサムの逢瀬を知り、子を身籠もった事を知ると、
逆に好都合だと自分の子だと喧伝、息子の誕生を心待ちにする。
絶世の美女ソリンに惚れ込んで妻として迎え入れた筈なのに、
不倫を認めたり、暗殺を命じたり、意図不明の言動をするソクチュ。

年貢米運搬船の船員集めでボンサムはならず者の交渉に訪れ、
そこの頭目がマンチ兄貴だと知り、協力を募って船員達を集める。
海賊に米が奪われるが、海賊の頭領がソンジュンで生存を喜び、
仲間にいたハクチュン夫人が姉のソレだと告げられて感激する。
川に捨てられたソレを都合よくソンジュンが救っていたらしい。


この辺から物語がどんどん意味不明な方向へ進んでいく。
ソゲに反撃せず何度も罠に填まる学習能力のないボンサム、
せっかく再会した姉のソレも結局ソゲの仕業で殺されてしまう。

そして!崖落下が多過ぎっ!冒頭でオスが崖から落ちるけど、
その後もソリン、ボンサム、ソンジュン、ワンバル、ソレ、ソゲ
主要人物が崖転落する安易な脚本、死ぬのはソンジュン2回目のみ。
死んだはずの人物が生きていても何の感動も抱かなくなる展開。

ソリンが身籠もっているのが自分の子だと知ったボンサムは、
ソクチュの邸から彼女を拉致してケトンの国師堂に匿って出産。
その後、馬房を任していたマンチに頼んでソリンと子を保護するが、
ケトンが看病名目で近づいて蛇毒を飲ませてソリンを殺害する。

さらに後半は王族が登場して益々つまらなくなっていく。
ケトンは王妃の息子の病祈祷をした縁で絶大な信頼を得る。
ソクチュは財産を狙われ、罪を被せられ軟禁生活して孤独死する。

王族の後ろ盾を得たソゲが六矣廛となり父の墓を都に移すが、
墓前で復讐を独白したのをボンサムに聞かれて悪事がバレる。
その後、暴動などが起きて、反乱勢力に王族が命を狙われ逃走、
捕縛されたソゲは商人の裁きで死酒を命じられて死亡する。


ソンドルが両班出身と判明、王族に担がれてボンサムと決裂、
六矣廛となってボンサムに対抗しようとする意味不明の展開。
暴動の際に王妃ミン氏を守ったケトンは真霊君に封じられ、
特権が与えられるが、呼び寄せた両親に絶縁拒絶されてしまう。

ボンサムは孤独なケトンを妻に迎え入れようとするのだが、
ソリンを殺害したのがソゲではなくケトンだと知ってしまう。
ソンドルが日本人商人を引き入れてボンサムの所で騒動を画策、
死者が出た事で日本との外交問題に発展、ボンサムは逮捕される。

全国の行商人仲間がボンサムを助けるために蜂起集結するが、
ボンサムは命と引き換えに行商人達を許すよう約束させる。
死刑が告げられるが致命傷を負ったドリ兄貴が身代わりで処刑、
直情的な愛されキャラのドリが死ぬという気持ち悪い展開。

15年後、鉄道の時代が来て、ソンドルは大商人となっていた。
新たな駅を作るため土地を探して地主の場所を訪れてケトンと再会、
そこにボンサムが現れ、密かに土地買収を阻んでいたと告白する。
その後、新たな鉄道の施行式に出たソンドルは馬房仲間に射殺され、
ボンサムは商人学校の主として若者に商人の生き方を教えていた。


なんじゃこりゃ?の最後。悪役で物語を引っ張ったソゲが死に、
代役とばかりにソンドルの反乱、意味不明すぎて困惑してしまう。
叛乱で王宮が狙われた後の歴史的な暗黒部分を描いていないため、
話が急に飛んで現代風髪型で仲間が登場する違和感・・・

物語の終わらせ方もボンサムが商人学校の先生みたいな感じで、
既に行商から鉄道時代に移行しているのにドヤ顔で行商を語り、
教え子と丘の上から国を眺めて駆け出すという青春ドラマ風終幕。
主役のチャン・ヒョクは好きだけど脚本がイマイチだったな。
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黄真伊

韓国時代劇ドラマ23作目を観終えた(全24話)



16世紀の朝鮮王朝時代に実在した妓生ファン・ジニは、
当代を代表する詩人で、並外れた美貌を持つ芸術家だった。
「両班(貴族)の子は両班、妓生(奴隷)の子は妓生」と、
身分が法で定められている中、妓生は身分こそ卑しいものの、
両班と対等に渡り合える学識と高度な芸の技を持っていた。

妓生の娘として生まれたファン・ジニは幼少時に寺に預けられ、
母の温もりを知らずに育つが、修行の褒美で仲間と街に出た際、
山から眺めた妓生の宴席に魅了され、寺を抜けては教坊に行き、
妓生たちの美しい舞を盗み見て塀の外で真似をしていた。

松都教坊の行首イム・ベンムが偶然ジニの舞いを目撃、
ひと目で舞の才能を見抜いて妓生の世界へ入るよう誘い込む。
教坊には伽耶琴の名手で盲目妓生のジニの母ヒョングムがいて、
ベンムに弟子入りしたジニと再会、教坊入りを反対するのだが、
娘の強い意志を尊重し、母の愛情で温かく守るようになる。


ジニは教坊の教えに満足せず、独自の稽古も重ねて芸を磨き、
詩才や琴も秀でて、松都教坊を代表する童妓に成長していた。
そんな彼女に一目惚れするのが両班の子息キム・ウノで、
二人は運命的な出会いを経て、愛を育むようになるのだが、
ウノには親が決めた許嫁がいて身分の差が大きな障壁となる。

結果的にウノ親とベンムの策略によって二人の愛は引き裂かれ、
駆け落ちを阻まれ、大雨に打たれた二人は体調を崩して寝込む。
この件が要因となってウノは回復しないまま病死してしまう。

ウノとの愛を引き裂いた要因が師匠ベンムだと知ったジニは、
朝鮮一の妓生となって師匠を見下すために野望と復讐を胸に抱き、
感情を表さない妓生ミョンウォルとして名を轟かせるようになる。

ウノが亡くなってから4年目の命日、ジニは入水自殺を試みるが、
キム・ジョンハンが彼女を救助、ジニの護衛ムミョンが引き取る。


ベンムと同門でライバルでもある女楽教坊の行首メヒャン、
その弟子でジニに対抗心を燃やす野心家のプヨンがいる。
物語の途中でベンムに復讐したいジニはメヒャンに弟子入り、
ジニの素質を高く買っていたメヒャンは剣舞を教え込む。

笑みを浮かべて指導する師匠を見て嫉妬する女楽教坊の面々、
ライバルの弟子となった事でジニを嫌悪する松都教坊の仲間達。
プヨンは礼曹判書となったジョンハンに一方的な恋心を抱くのだが、
彼の関心がジニだと知って嫉妬し、様々な策略を練るのだが・・・

ジニが心を閉ざした要因をベンムから聞いたジョンハンは、
孤独に生きるジニに寄り添おうと遠くから見守るようになる。
命を狙われたジニを守ってジョンハンが負傷、看病したジニは、
彼の誠実な言動にウノを重ねて恋心を抱くようになっていく・・・。

王族のピョクケスがミョンウォルを手に入れようと接触、
旧知の仲のジョンハンは彼女に手を出すなと牽制するのだが・・・
ピョクケスは私財を投じて掘り当てた石で楽器を作って王に献上、
褒美として妓生ミョンウォルを側室に迎える事を認められる。

宴席でジニはピョクケスの側室になるなら自害すると宣言、
10人と詩を競って勝てば免除すると持ちかけられて圧勝すると、
ピョクケスは妓生たちに舞をやめさせて酌を強要、激昂したベンムは、
卓をひっくり返し、王族に楯突いた罪によって投獄されてしまう。

ジニは師匠を救うためにピョクケスの側室になろうと決意するが、
ベンムはピョクケスに自死する事でジニを諦めるよう文を送っていた。
知人役人に頼んで牢から教坊に戻ったベンムは衣装を纏って崖に行き、
鶴の舞を舞った後、川に向かって投身自殺するのだった・・・。


国王の御前披露会で昏倒したジニをジョンハンが救護、
死罪にしろと重臣らが糾弾する中、ジョンハンは王に許しを懇願、
結果的に二人の罪は許され、ジニは仲間と松都へ戻るのだが・・・
師匠の死を受け入れられないジニは放心状態で廃人と化していて、
護衛のムミョンが都へ行ってジョンハンに助けを求めるのだった。

ジョンハンはジニと一緒に消息を経ってから3年が過ぎていた・・・
山間の村で慎ましく穏やかに暮らすジニのお腹には子が宿っていた。
消息を追うピョクケスはジニ母危篤の噂を流して二人を誘き出し、
ついに二人の住処を特定、ジョンハンはジニを逃して兵に捕われる。

ジョンハンを信頼する王はミョンウォルの居場所を告げれば放免し、
再び重用すると約束するがジョンハンは口を閉ざして刑を受け入れる。
激怒した王は車裂き刑を告げ、執行日には盛大な宴を催すよう命じる。
ジニはメヒャンに助力を求めて、演目の主役を努める事に・・・

ジニの壮大な舞に感銘を受け、涙した王は車裂き刑の執行を中止、
罪人の身で宴を汚したとして監禁されたジニの元に密かに王が訪れる。
死罪という事にして二人で人里離れた村で暮らすよう提案するが、
ジニは彼が王に必要な人材だと申し出を断って教坊に戻ることを懇願。


放免されて官職暮らしとなったジョンハンは酒浸りの日々を送り、
ジニが自分の子を身篭っている事を知って彼女の元を訪れる。
境内で押し問答になって階段から転落したジニは流産してしまう。

妓生に戻ったミョンウォルの名声は瞬く間に拡がる一方で、
ライバルのプヨンは実力差を知って酒浸りになっていた・・・。
メヒャンは女楽行首の座を賭け二人に勝負をさせると告げると、
プヨンは妥当ミョンウォルに奮起、各地の教坊を訪ねて指導を請い、
様々な芸の長所を学んで最高の舞にするため励むのだった。

一方、ジニは本物の舞は芸に親しみのない者をも魅了すると、
市場で舞を披露するが、儒学者ソ・ギョンドクに罵られてしまう。
ジニは観客の投げ銭だけで食いつなごうとするがギョンドクに諭され、
芸を見せると思うこと自体が驕りだと人々の暮らしを学ぶ事にする。

勝負の日。ミョンウォルが会場に姿を見せないまま競演が始まり、
プヨンは完璧な舞を披露して女楽行首の座は揺るがないと思われた。
そこに庶民姿のミョンウォルが現れてこのまま舞を行うと宣言、
楽譜も舞譜も無く無伴奏のまま舞を始めたミョンウォルだが・・・

優雅な踊りに魅了されて演奏者たちは調子を取り、楽器に手をかけ、
やがて自然な流れで演奏が行われミョンウォルの舞が人々を魅了、
プヨンはその舞の美しさに敗北を確信して素直に拍手を送るのだった。

メヒャンは満場位置で女楽行首はプヨンに決定したと愛弟子に伝え、
ミョンウォルもプヨンが行首になる事を称えて祝福する。
朝鮮一の踊り手はただ舞えばよいが、部下のいる女楽行首はちがう。
相手の実力を見極め、負けを認めて拍手を送った者がふさわしい。

療養していたジニの母が亡くなり、寄り添ったオムスは教坊を旅立ち、
ジニは泣く場所が欲しかったとギョンドク師匠の元を訪れる。
月日は流れ・・・行首プヨンが率いる妓生行列より注目を浴びるのは、
市場で民に囲まれて楽しそうに舞うミョンウォルの美しい姿であった。


主演女優の存在感と芸妓演技、表現力に圧倒された物語で、
ストーリーというか恋愛エピソードなどはイマイチだったかな。
初恋エピソードが唐突なのと、相手が死ぬまでの流れも強引で、
そこまで深く愛し合う関係性が描けていない感じが強かった。

芸に生涯を捧げたベンムの執念とメヒャンのライバル関係や、
究極を求めて芸を模索する師匠と弟子の関係性は良かった。
おばちゃん女優の舞踊はきつい部分もありつつ渾身だったし、
厳しさの中に愛情が滲み出る演技は素晴らしかった。

クライマックスでジョンハンの出番が無かった事が寂しいし、
終盤に改心するピョクケスも微妙、護衛ムミョンの存在も微妙、
師匠が死んで芸を忘れて抜け殻状態になる流れは良かったけど、
復帰する流れで急に最高峰の演技をしちゃうのは強引だった。

史実がほとんど残っていない人物らしいので創作メインだけど、
主演女優の存在感が際立っていて惹き込まれる内容だった。
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揀択

韓国時代劇ドラマ22作目を観終えた(全22話)



19世紀の李氏朝鮮時代。
若き国王イ・ギョンの王妃を選ぶための揀択が行われ、
ギョンは初恋相手で想い人のカン・ウンギに求婚する。
王宮へ連れ帰る親迎行列の途中で一行は刺客に襲われ、
王と王妃は銃弾を受けて命を落としてしまう。

情報屋・芙蓉客主の主人ワルと仲間の巫女ウンボは、
自分達が売った情報が事件に関係している事に気づく。
銃弾から王を殺害した犯人を特定出来ると知ったウンボは、
王宮に忍び込んで遺体に近づくが、そこで王は息を吹き返す。

王が崩御した事で左議政チョ・フンギョンは新王候補として、
都から離れて暮らしていた王族イ・ジェファを大妃に推薦。
領議政キム・マンチャンも懐柔しやすい候補者を歓迎するが、
死んだはずの王が生き返ったと報じられ計画は頓挫する。


幼い頃の記憶を失っているウンボは両親を探していて、
大司憲ペク・チャヨンが父に会わせてやると接触してくる。
その頃、亡き王妃の父カン・イスは領議政らの策略により、
大罪人に仕立て上げられて妻と義禁府に連行されていた。

偶然、連行される所に遭遇したウンボは過去の記憶が戻り、
チャヨンからは死んだ王妃が姉のウンギだと教えられる。
王妃を失った悲しみに暮れていたギョンはある日の晩、
ウンギとそっくりな女性と出会う予知夢を見ていた。

開化本を書いた事が明るみになってカン・イスは処刑され、
母は官婢になり、ウンボは父と姉を殺した王への復讐を誓う。
チャヨンはジェファを新王にするための有志を集めていて、
ウンボは何も知らされず京畿監司ホン・ギホの娘に成りすまし、
新たな王妃を選ぶ揀択に参加して王に近づこうとする。


裏工作やら駆け引きやら拉致監禁などがありつつも、
ギョンの予知夢によりウンボは危機的状況を逃れていく。
最終的に残ったのは左議政の娘ヨンジ、領議政の姪ソンイ、
そしてホン・ギホの名で参加したウンボであった。

当初は父と姉を殺した王を憎んでいたウンボだったが、
揀択時の嫌がらせから守っていたのが王だという事を知る。
さらに幼少時、双子というのを隠して生活していた時に、
幼い王と会っていて思い出を共有している事に感動する。

いろいろ圧力があって最終的に王妃にはヨンジが選ばれ、
ソンイとウンボは側室という事で王宮に入ることになる。
念願の王妃となったヨンジはギョンへの愛情を溢れさせるが、
王は彼女に形だけの王妃だと告げてウンボの元へ赴く。


嫉妬に怒り狂うヨンジが父の忠告を無視してウンボを襲い、
その悪事がバレて謀反計画が失敗した左議政一派は逃走する。
ペク・チャヨンはイ・ジェファを新王にしようと水面下で動き、
ホン・ギホはギョンの王の資質を知って一派から抜けるのだった。
ジェファらは左議政と接触して王権交代の謀反に協力を要請する。

かつて星宿庁の予言で王宮に災いを呼ぶ双子が殺害されていて、
ウンボが親元から離されたのも粛清から逃れるためであった。
亡き王妃とウンボが双子だという事が領議政や大妃に知られ、
ウンボはギョムに幼少時に姉と交互に会っていた事を明かす。

朝儀で領議政はウンボが大罪人の娘だと処刑の声を挙げるが、
王は双子である事は承知の上でカン・イス事件の再調査のため、
あえてウンボの素性を偽って身近な所に置いていたと宣言する。
領議政らが不満の声を挙げる中、クォン・イクスが連れてこられ、
カン・イス事件の口封じを領議政が指示していたと証言する。


ジェファが領議政に接触して謀反計画への賛同を得ると、
ウンボを拉致して根拠地へ連れ帰る。ヨンジは殺意を抱くが、
ジェファはウンボに恋心があり、王を誘き出す餌だと言いつつ、
ヨンジたちが彼女に手を下さないように牽制するのだった。

最愛のウンボが拉致されて王兵たちも見つけられない。
ギョムは命の危険があると治療された予知夢を見るため、
巫女を呼んで眠りにつき、予知夢で監禁場所を見つけ出す。
結局、大掛かりな謀反は失敗し、ジェファはウンボを連行し、
ギョムを指定地に呼び寄せて剣で一騎討ちするが破れる。

ギョムがウンボを救護し、王兵に囲まれたジェファは自害、
囚われた左議政チョ・フンギョンは賜死、ヨンジは追放、
領議政キム・マンチャンらは流刑になってめでたしめでたし。


最愛の人を守るため王は予知夢で危機を回避って・・・。
毎度定番の幼少時の初恋+離別+運命的な再会のパターン。
主役女性に嫉妬して嫌がらせする重臣娘というのも定番、
恋愛や嫉妬動機が弱いのも一緒。悪者役者も同じ顔ぶれだ。

王の役者の表情が平坦すぎて感情移入できなかったのと、
ヒロイン女優の愛情が感じられない演技に違和感があった。

王の一行が都で刺客に銃殺されるという出だしがなぁ・・・。
安易に王を殺害できたら裏工作も利権争いも必要無い訳で、
分かりやすい導入だけど、もっと工夫があれば良かったなぁ。
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オレマーマレ

韓国時代劇ドラマ21作目を観終えた(全12話)



架空の朝鮮王朝時代が物語の舞台。
人の血を吸って人間を支配しようとしている吸血鬼と、
獣の血を飲み人間と共存を望む吸血族が対立していた。

武官の息子ジェミンが森で笛を吹く美女のマリと遭遇、
素性を知らずに恋心を抱き、二人は惹かれ合うようになるが、
マリは素性を隠して生きる吸血族、しかも族長の一人娘だった。
ジェミンの親友で文官の子シフは街で強盗に襲われた女が、
巧みな武芸で蹴散らすのを見て興味を抱くようになり、
両班村の白丁の娘マリだと突き止めて密かに恋心を抱いていた。

ジェミンは父から両班の娘アラとの結婚を言い渡されるが、
婚姻する気は無いと拒絶、婚姻を喜んでいたアラは、
ジェミンが白丁の娘マリを慕っている事を知って嫉妬する。
吸血鬼の女ボスはアラの嫉妬心を利用してマリを陥れ、
自分たちの悪行を吸血族の仕業に仕立てようと画策していく。


シフは吸血鬼の討伐隊である銀血司に志願して入隊。
討伐の動きを知った吸血鬼の女ボスは武器職人を殺し、
さらにアラを利用してマリを誘き出して殺害しようとする。

吸血鬼との戦いで負傷したシフを山小屋に救護したマリは、
彼の命を救うために自分の血を飲ませることで吸血鬼にする。
シフが行方不明になったのを知ったジェミンは銀血司に加わり、
吸血鬼のボスが現れるという洞窟で密かに待ち伏せしていると、
そこに現れたのはアラに呼び出されたマリだった・・・。

銀血司が攻撃しようとした時にジェミンが立ちはだかり、
この女性は吸血鬼では無いと鏡を見るがマリは写らない・・・。
動揺したジェミンの元にシフが駆けつけ自分も吸血鬼だと明かし、
その後、吸血族が救援に現れ、銀血司らの記憶を消し去る。


吸血鬼は身重の王妃を誘拐、皇子を吸血鬼にしようと計画、
拉致したマリを王妃の部屋に入れ、面倒を見るよう監禁する。
アラからマリの窮地を聞いたジェミンは女ボスの邸に向かい、
吸血鬼の隊長格ジェヒは森でジェミンの義母に会った事があり、
彼女の優しさに触れて改心、邸に乗り込んできたシフと協力し、
吸血鬼たちの相手を引き受け、ジェミンを邸へ向かわせる。

吸血族が援護に駆けつけて邸に張られた結界を破り、
ジェミンは女ボスを追い詰めて倒すが傷を負ってしまう・・・。
駆けつけた武官は王妃を守ったのが息子だと気づいて動揺、
ジェミンは邸に運ばれ生死を彷徨い続けていた・・・。

マリは長老の持つ書から吸血鬼に襲われて負傷した者が、
吸血鬼にならずに蘇生する方法を知ってジェミンを救うが、
それは死ぬ間際の吸血族の血を飲ませる事だった・・・。
ジェミンが蘇生すると隣にマリが横たわっていた・・・。

王は王妃を守ったのが吸血族だと知って協定を結び、
互いの権利を守って共存する事を約束するのだった・・・。



で、急に現代。事前情報なしで観たので違和感。
しかも学生の恋愛ものに吸血族を絡めて物語が展開、
ジェミンを救うためにマリは命を差し出した流れだったのに、
その子孫のような感じでジェミンとマリが運命的に遭遇する。

過去と現代の関連性がイマイチよく分からない。
時代劇版と同様にジェミンと転校生のマリが惹かれ合い、
同級生のアラはジェミンに恋心を抱いてマリに嫉妬し、
マリと同じ吸血族のシフは彼女の言動に忠告しつつ、
ジェミンとマリの関係性を見守るようになる。

マリは吸血族というのを隠して生き続ける事に葛藤し、
素性が明るみになって虐めにあったりするのだが、
逃げる人生に見切りをつけ、堂々と生きようと決意する。
そんなマリにジェミンやシフが寄り添うようになり、
マリが作詞作曲した歌がキッカケでバンドを結成する。

当初は嫉妬し虐めていたアラや同級生もバンドに参加、
ジェミンやシフと共にオーディション番組を勝ち抜いていく。
そのバンド名が作品名の「オレンジ・マーマレード」である。

いじめや差別は無くそうというのが趣旨なんだろうけど、
物語の展開がチープすぎて話数が少なくて助かった。
吸血鬼と人間の恋愛は肝心の部分が気になってしまう・・・。
吸血鬼は寿命100年、傷などの修復能力、身体能力も高い。
この二種族間で子供を作れるのか?どんな子になるのか?

吸血鬼の食事が血ドリンクのみなのも酷すぎるよなぁ・・・
時代劇はそこまで悪くなかったけど現代版がなぁ・・・
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獬豸

韓国時代劇ドラマ20作目を観終えた(全22話)



朝鮮王朝第21代王・英祖の青年期が物語の舞台。
王位継承者である世子イ・ユンに世継ぎが出来ないため、
朝廷の二大派閥は新たな継承者を立てるために動き出す。
老論派は素行の悪い傍系王族、密豊君ことイ・タンを推し、
少論派は王の三男の延齢君ことイ・フォンを推すことに。

その頃、身分の低い母から生まれ冷遇されていた王の次男、
物語の主人公である延礽君ことイ・グムが都に帰郷する。
名馬を手に入れるために科挙の替え玉受験を引き受けた際、
試験会場でおせっかいな熱血漢パク・ムンスと遭遇する。


密豊君に関わった者が次々と謎の不審死を遂げている事で、
司憲府の正義漢らは悪事の証拠を見つけ出そうと調査していた。
武芸に心得のある司憲府の茶母ヨジが潜入捜査を行うのだが、
密豊君に見つかり窮地に陥った所をイ・グムに救われる。

王はイ・グムこそ王の器を持つ人間だと思っているのだが、
賤出の子であるが故に周りに蔑まれている事を不憫に思っていた。
イ・グム自身は王位に関心が無く、延齢君が王になる事を望み、
密豊君の不穏な噂を耳にしたことで調査に動き出す。

ムンスは替え玉受験の不正を司憲府に訴えるが相手にされず、
知人のヨジから男が王族のイ・グムであることを告げられる。
ヨジとムンス、司憲府の正義漢らがイ・グムの調査に協力し、
密豊君の不正を見つけ出すが、老論派の重臣が立ちはだかる。


王の崩御、延齢君の殺害、司憲府監察ハン・ジョンソク暗殺と、
立て続けに不幸が起こり、イ・グムは力の無さを痛感する。
世子のイ・ユンが20代王の景宗となるが、子供が居ないため、
重臣たちは世継ぎの座を巡って水面下で牽制し合っていた。

老論派重臣のミン・ジノンに軽率な行動を咎められた密豊君だが、
恋人のユニョンを使って王妃に取り入り王位を狙おうとする。
それを知ったイ・グムは敵対していたミン・ジノンに協力を仰ぎ、
イ・グムを蔑む反対派の面々は、景宗とグムの仲違いを画策する。

反対派に付く街のごろつき頭で情報屋タルムンがイ・グムを助け、
良き王を目指すという言葉を信じて同志として戦う決心をする。
景宗との仲違いは失敗に終わり、グムが王の世継ぎ=世弟になり、
ようやく科挙に合格したムンスは司憲府で過酷な訓練を受けていた。


老論派の息のかかったウィ・ビョンジュが司憲府の監察長となり、
密豊君の計画で謀反を起こそうとしているとイ・グムを捕らえる。
反対派に懐柔された景宗はグムの処罰に頭を悩ませていたが、
ミン・ジノンが王を説得したことでイ・グムは釈放される。
グムは仲間に危険が及ぶ事を恐れてヨジ、ムンスと距離を置くが、
ムンスとヨジはそれぞれの立場でイ・グムを守ろうと動き出す。

ヨジはイ・グムを守るために女官となって宮中に入る事を決断、
それ以降、出番が無くなってしまう。(撮影で怪我したらしい)
そんな中、タルムンが密豊君に協力するようになっていた・・・。
密豊君の恋人チョン・ユニョンとタルムンはかつて恋仲であり、
彼女を守るためタルムンは密豊君に近づいていたのだが・・・

ムンスはハン・ジョンソク殺害犯としてウィ・ビョンジュを捕縛、
寝返ったと思われたタルムンの助力によって密豊君も捕縛される。
密豊君は王から幽閉後に極刑を命じられるのだが・・・。


景宗が体調を崩し、イ・グムが王に毒を盛ったと騒ぎが起きるが、
王は義弟を信じ民のための王になるよう託して息を引き取る。
王が崩御して重臣達の牽制が続くものの結局イ・グムが王位に就き、
21代王となるが民のあいだで疫病騒ぎが起き民心が離れてしまう。
そんな中、ウィ・ビョンジュが脱獄、密豊君も幽閉地から姿を消す。

追放されていた王族のイ・インジャが王位継承者だと密豊君を担ぎ、
南人、少論を巻き込んで新たな王を立てる叛乱の計画を立てていた。
イ・グムは疫病の要因を突き止めて暴動寸前だった民心を取り戻し、
対立していた重臣と協力して王宮内に潜んでいた裏切者を排除する。
王宮を守るためにイ・グムと重臣達は確執を越えて団結するのだった。

イ・インジャ率いる叛乱軍は、密偵の情報をもとに都へ向かうが、
パク・ムンス率いる官軍が密偵の裏をかいて反乱軍を待ち構えていて、
叛乱兵を鎮圧、イ・インジャと密豊君は混乱の中、逃走していた。

タルムンはイ・グムにユニョンを匿ったと彼女の助命嘆願をし、
密豊君らの居場所を明かし、パク・ムンスが捕縛命を受けて出陣。
タルムンはユニョンの命を救い、金を渡して逃がすのだった・・・。
密豊君はイ・インジャに言われて船着き場に行くのだが、
実は密豊君を囮にしてイ・インジャたちは逃走していたのだった。


逃走したイ・インジャはパク・ムンスらによって捕らえられ、
密豊君の元にはユニョンが駆けつけ騙されたのだと逃走を促す。
イ・グムは便殿会議を召集して全ての党上を集めていたが、
その席に朝廷から追い出された南人がいる事で老論、少論が反発、
イ・グムは党派を越えた団結が国を救うと人事の一新を計ろうとし、
お役御免とばかりにミン・ジノンは隠居の道を選ぶのだった。

密豊君とユニョンは案内人の男に金を要求されて衝突し、
激怒した男が剣を突き出すとユニョンは密豊君を庇って刺殺される。
密豊君は兵の声を聞いて逃走、そこにタルムンが駆けつけると、
道端に横たわっている最愛の人ユニョンの亡骸を見て号泣する。

イ・グムは腐敗したこの国の三司を改革すると宣言、
その改革を司憲府から始めると伝え、吏曹正郎が持つ権利をはく奪し、
三司の人事権制度を取りやめると宣言、斎坐庁は大混乱に陥る。
そんな中、狂気に包まれた密豊君が王宮に現れ、騒ぎを起こしていた。

不平をこぼしつつも捕らわれ、おとなしく連行されると思いきや、
内禁軍の刀を奪って次々に切り付けてイ・グムに襲いかかる密豊君。
ヨジがグムを庇い、そのヨジを庇い返すイ・グムだったが、
跪く密豊君は自ら刀を腹に刺して自害するのだった・・・。


残る大罪人のイ・インジャとウィ・ビョンジュも処刑され、
タルムンは案内人の男を殺し、ユニョンの亡骸を花で埋めて舟葬する。
改革に反対する声が多かったもののイ・グムの根気が上回り、
租を均等にし、民を愛し、財政を節約して力を蓄える国に賛同する。

月日は流れ・・・ミン・ジノンの元を訪れるイ・グム。
いろいろあったけど互いが分かり合い感謝の言葉を伝え合う。
ムンスとタルムンもそれぞれの立場で王を影ながら支え続けていた。
イ・グムはヨジと手を繋いで二人っきりを満喫していたが、
そこにグムの忠臣が現れ、いいムードを台無しにしてしまう。
気まずくなったグムは村に行って民の声を直接聞こうとするのだった。



ん〜全体的に地味な物語。あんまり頭に入ってこず何度も見直した。
男勝りで恋愛に興味のないヨジが、イ・グムに惹かれていく恋愛と、
王位継承や派閥問題が並行して描かれると思いきや途中でヨジ離脱。
武芸に長けた設定だったのに、見せ場らしい格闘場面が無くなって、
キャラクターの魅力が失われ、恋愛感情の発展も無理がある感じ。

ムンスとタルムンもそれぞれにイ・グムを助けるため奮闘するが、
活躍のしかたが地味で、消化不良な感じが否めない・・・。
悪役たちの末路も呆気ないし、重臣たちの派閥も怖さがいまひとつ。

敵対していたミン・ジノンがやり口はどうであれ国を守ろうとしていて、
彼なりに様々な思いを抱いて行動していた事が描かれているのは良い。
狂気に走った密豊君は良い味を出していたけど設定が強引すぎて、
史実に合わせるための後半の展開がちょっと可愛そうな感じがある。
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師任堂日記

韓国時代劇ドラマ19作目を観終えた(全30話)



朝鮮第11代王・中宗の朝鮮王朝と現代が物語の舞台。
韓国美術史の非常勤講師ソ・ジユンは指導教授ミン・ジョンハクから、
世紀の大発見として注目される「金剛山図」の発表を任される。
当日、贋作と疑う生徒の質問を否定できず、教授との間に亀裂が生じる。
そんな中、投資会社を経営する夫が事業トラブルに巻き込まれて失踪、
気を取り直したジユンはミン教授とイタリアの学会に向かうが・・・

発表の様子がネットで広がり、真贋を問う声に激怒したミン教授は、
学会からジユンを締め出し、当ての無いジユンは街を彷徨い歩き、
偶然、漢文の古書を入手、そこには金剛山図の文字が書かれていた。
導かれるように古書に刻印された人里離れた古城を訪ねたジユンは、
そこで自分にそっくりの美人画を発見するのだった。

韓国へ戻ったジユンは講師を解雇されて大学から追い出され、
博物館勤務の親友ヘジョンに頼んで古書の復元に望みを託す。
ジユンは復元した古文の解読を各所に頼みに行くが全て断られ、
夫が指名手配されたために、アパートに引っ越しする事になる。
引っ越し先で発表会で質問をした生徒ハン・サンヒョンと遭遇、
漢文に精通する彼のお陰でサイムダンの寿進坊日記だと知るのだった。


16世紀の朝鮮では、絵画の才能を持つ少女サイムダンが、
「金剛山図」を見たいが為に塀を乗り越え王族の邸に忍び込む。
そこで芸術を愛する青年イ・ギョム(宜城君)と遭遇し、
2人は芸術という共通の趣味で惹かれあうようになっていく。

サイムダンが偶然、雲平寺の中に飾られている仏画に目を留め、
扉を閉じた和尚に絵を見せてくれるよう懇願しつつ後を追うと、
貧困に喘ぐ流民が紙を作り、その横では両班が宴会をしていた。
心を痛めたサイムダンは寺に通って食料を分け与えるのだが・・・

王がお忍びでギョムの元を訪れ、恋心を寄せる女子を知り、
その父が士林派の元忠臣シン・ミョンファだという事に気づく。
王はミョンファのために詩を書き残して去って行くのだが、
その詩を見たサイムダンが雲平寺の流民と両班の様子を絵に描き、
そこに王から贈られた詩を書き添えた事で大惨事を招いてしまう。


サイムダンは旅籠の娘ソクスンと共に流民に食べ物を運ぶと、
領議政の息子が少女が持っていたサイムダンの絵を見て激怒、
県令ミン・チヒョンの指示で流民たちは皆殺しにされてしまう。
崖から落ち、気を失ったサイムダンをソクスンが抱えて逃げると、
そこにギョムが駆けつけ、サイムダンだけを保護して連れ帰る。

密かにギョムに恋心を抱いていたソクスンは失意に駆られ、
サイムダンの絵描き帳をミン・チヒョンの目に留まる所に置く。
雲平寺の騒動を知った王は詩が出回る事を恐れて側近を派遣、
絵を描いた女子を探していると知ったミョンファは娘の絵を焼き、
王の側近から娘とギョムの縁談を破談にするよう告げられる。

父と母の話を盗み聞いたサイムダンは他人へ嫁ぐことを承諾、
ギョムの命を守るためにイ・ウォンスと婚礼を挙げるのだった。
サイムダンの婚礼を知ったギョムは彼女の元に向かうのだが、
使用人たちに部屋に閉じ込められ、解放された時には夜だった。
ミョンファは王の側近に殺害され、茫然自失となったギョムは、
失意を抱えたまま放浪の旅に出るのだった。


20年後、サイムダン一家は都へと引っ越すことになり、
ギョムもまた失意の放浪生活を終えて漢陽へやってきていた。
サイムダンと子供達が引っ越し先に向かうと人が住んでいて、
夫ウォンスが人に騙されて金を失い、失踪した事を知る。

サイムダンは母から貰った金でボロ空き家に住むことにし、
たまたま家の前を通りかかってサイムダンを見つけたギョムは、
愛する彼女が貧しい暮らしを送っている事を責めるのだが、
逆に無為に生きて当時の輝きを失っていると言い返されてしまう。

サイムダンは4人の子供と小間使いのヒャンと協力して、
ボロ屋を修復したり清掃して住みやすい家に変えていく。
そんな彼女の元に犬の絵が届き、その巧みな筆致を見て、
ギョムの腕が今も健在である事に感動するのだった。

身を隠していたウォンスが娘に見つかって家に連れ帰られ、
サイムダンは科挙に合格するよう夫を山籠もりさせる。
気楽な暮らしを送りたいウォンスはサボってばかりいた。

ギョムの絵が評判となり、中宗は朝鮮の芸術振興を任せ、
彼は「比翼堂」を作って才能ある芸術家たちの殿堂とする。
権力者となっていたミョンファはギョムの過去を探る・・・


現代パートではイタリアから持ち帰った美人画の裏打ちに気づき、
その中から本物の金剛山図が出てきて、日記との整合性を確認、
ジユンはソン・ギャラリーの館長ミギョンに取り引きを持ちかける。
動向を窺っていたミン教授はジユンが本物を手に入れた事を知り、
ミギョンの夫でソンジングループ会長に強奪を指示されていた。

ジユン夫の事業が破綻したのもソンジングループの仕業で、
夫は身を隠しながらソンジングループの裏帳簿を探していた。
ミン教授に金剛山図を強奪されるジユン、夫は仲間に裏切られ、
崖から転落して遺体は発見されないものの死んだ事にされる。

夫の失踪と事故により家族の心が離ればなれになった事で、
ジユンは行動を悔やむが、ヘジョンとサンヒョンに励まされ、
美術界のためにもミン教授の悪事に立ち向かうことを決意。
そして美術界の不正を暴くラドという正体不明の人物が、
サンヒョンの再三の訴えに応じて動き出していた・・・。


朝鮮パートではサイムダンの次男ヒョルリョンが勉学好きで、
学堂の敷地に忍び込んで講義を盗み聞いてペク講師と出会う。
ヒョルリョンの才能を知ったペクは学堂に入れようとするが、
学堂の保護者会「姉母会」は貧しい子供の学堂入りを拒絶、
この姉母会の長がフィウムダン・・・かつてのソクスンであった。

ソクスンはミン・チヒョンに嫁いでフィウムダンと名乗り、
彼女の長男ジギュンは学堂で一番優秀な生徒だった。
ペク講師から手伝って欲しいと懇願されていたギョムは、
彼が目をかけている子供がサイムダンの子だと知ると、
講師となる事を承諾、ヒョルリョンの資金援助を申し出る。

ギョムとサイムダンの存在に気づいたフィウムダンは、
あの手この手でサイムダンとその息子を陥れようとする。
その課程で雲平寺の惨殺事件の真相を知ったギョムは、
サイムダンが自分の元を離れた理由に思い至るのだった。


サイムダンは紙の原料木を見つけた事で紙作りを思いつき、
制作方法を知る男から紙作りを学んで紙を作り上げるが、
男がフィウムダンに脅され、紙を持ち逃げして失踪する。
フィウムダンの策略で大量の発注を請け負ったサイムダンは、
流民たちと出会い、紙作りを一緒にやらないかと説得する。

その流民の中に雲平寺の事件を知る老人がいて、
あの惨殺は高麗紙の技法を得るために仕掛けられた物で、
自分がミン・チヒョンと取り引きして技法を渡した事で、
用済みになった流民が惨殺されたのだと謝罪するのだった。

雲平寺から高麗紙の技法を入手したミン・チヒョンは、
紙製造を独占した事で現在の地位を手に入れたのだった。
しかし年月と共に質が低下している事に気づいたギョムが、
明の大使を誘導、献上品の紙質が低下したと王に訴えさせ、
王は上質な高麗紙の製造を命じ、最終審査に二箇所が残る。

フィウムダンの企みを臨機応変に回避したサイムダンが勝利、
彼女の楊柳紙所が献上品の高麗紙を作る事になり生活が潤う。
ギョムによって悪事が暴かれたミン・チヒョンは流刑となり、
フィウムダンは夫の復権に向けて水面下で動いていた。


その後、サイムダンが御真影絵師募集に応募し任命を勝ち取り、
女人が御真影を描く異例の事態に大臣達が反発の声を挙げる。
大臣の顔色を窺って生き抜いた王はギョムを御真画に加え、
お披露目会で大臣達に反発させて二人を粛清しようと計画する。

大臣の不穏な空気を察知したギョムは事前に配下に策を投じ、
お披露目会で大臣が不平の声を挙げると、民衆は御真影を賞賛、
お祭り騒ぎになり、世子も民が祝福していると王を讃える。
ギョムとサイムダンが民心を得て力を持つ事を危惧した王は、
ミン・チヒョンを釈放し、二人の暗殺を命じるのだった・・・。

フィウムダンは息子達が楊柳紙所の人々に可愛がられていて、
サイムダンや子供達と仲良くしているのを目撃して唖然とする。
その後、夫がサイムダンを拉致し、ギョムの暗殺計画を知ると、
密かにギョムにサイムダンが攫われた事を告げる矢文を放つ。
監禁場所を移されたサイムダンだったがフィウムダンが救出し、
息子達を守って欲しいと告げて彼女の前から姿を消す。

罠に嵌められたギョムを世子の兵が救援に駆けつけ、
ギョムの剣に貫かれてミン・チヒョンは致命傷を負うが、
二人の殺害を命じたのは王だった事を明かして事切れる。
激怒したギョムは王の元に駆けつけ剣をかざして真相を聞くと、
自分の行動が招いた結果だと告げられ、ギョムは立ち去る。

王は比翼堂と楊柳紙所を襲撃させて閉鎖に追い込み、
姿を消したギョムを反逆者に仕立て行方を探させていた。
サイムダンは子供達に促されて悲願だった金剛山に行き、
彼女の行方を追い求めたギョムもサイムダンの元を訪れる。

二人は若かりし頃に約束した金剛山図を協力し合って描くが、
絵が完成した夜、サイムダンは密かに絵を焼き払って姿を消し、
ギョムは焼け残った金剛山図を手に彼女の遺した手紙を読み、
駆け落ちの自由より母の道を選んだ事を知るのだった。



現代。ミン教授の悪事に荷担していた生徒が自責の念に駆られ、
教授が保管していた金剛山図を盗んでジユンの元に届ける。
絵が盗まれた事に気づいた教授は男達を雇って奪回を命じ、
襲撃に遭ったジユンは屋上に逃げ、追い詰められて転落する。
金剛山図は事前に安全な場所に移されミギョンに渡されていた。

病院に運ばれて昏睡状態のジユンは夢の中でサイムダンと遭遇、
ジユンが落とした絵はがきを見た彼女は肖像画をギョムだと認識、
ジユンはフランシスコ・ザビエルの絵に韓服の人が描かれていて、
その男が朝鮮から海を渡って生き抜いたギョムだと確信する。
彼女はギョムを朝鮮の地から密航させて中国からインドに行かせ、
そこでフランシスコと出会ってイタリアへ渡るよう告げる。

ギョムは流刑を命じられるが、王は側近に道中での暗殺を命じる。
楊柳紙所の襲撃前に逃げていた流民達はサイムダンの元に戻り、
ギョムを救い出すため、護送兵を襲う事を決意するのだった。

道中、護送車を止めた所に流民達が姿を現すが、
王の側近は幼い頃からギョムを見て育ったために情があり、
ギョムを釈放、部下や流民に何も見なかった事にしろと命じる。
流民たちにギョムが保護されたのを確かめると側近は自害、
ギョムはサイムダンが用意した舟で朝鮮を脱出するのだった。


病室でジユンが目覚めた頃、テレビではミギョンが会見を開き、
先に発表した金剛山図が偽物であった事を認識していたと謝罪。
本物が別にあることを報告し、その本物を入手したソ・ジユンを、
夫とミン学長が殺害しようとした事、ジユンが入院していること、
更に夫が不正を行ってジユンの夫の会社を陥れた事を明かす。

生存していた夫に看病されてジユンは回復、家族に平穏が戻る。
朝鮮のサイムダンも平穏な暮らしを送り、フィウムダンの息子に、
母の居る場所を教え、息子二人は久しぶりに母と再会するのだった。
イタリアに渡ったギョムはサイムダンの面影を胸に抱きつつ、
物語冒頭でジユンが見つける事になる美人画を描き上げていた。

イタリアの古城にラドのリーダーが居ると教えられたジユンは、
運命の古城を訪れ、そこでカメラを構える男を見かけるのだった。
この男がギョム役の人で、おそらくラドなのでしょう。


少年少女時代のサイムダンとギョムの年齢差が大人になると、
サイムダン女優が年上に見えてしまって違和感が少しあった。
物語は朝鮮と現代を交互に描きながら謎解き要素もあったりして、
フランシスコ・ザビエルの絵の韓服の人という結びつけは秀逸。
実際は違うんだろうけど、そういうフィクションが面白い。

絵を描くシーンもたくさん出てきたし、書も良かった。
申師任堂(シン・サイムダン)という女性は実在の人物で、
朝鮮一の女流画家と評され、山水・葡萄・草・虫画を遺し、
子宝に恵まれ、子供の教育にも熱心で賢母良妻の鑑とされ、
高額紙幣にも扱われている偉大な人物らしい。
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一枝梅

韓国時代劇ドラマ18作目を観終えた(全20話)



朝鮮第16代王・仁祖の朝鮮王朝中期が物語の舞台。
王の功臣イ・ウォノは息子ギョムを連れて漢陽を訪れる。
泥棒に仕立てられた少年チャドルをギョムが洞察力で救い、
礼をいう少年に高貴な人になりなさいとウォノが告げる。

恥をかかされたシワンは役人の父ピョン・シクに泣きつくが、
相手がイ・ウォノと知って驚愕、嫌がるシワンの代わりに、
幼い娘のウンチェをウォノの邸に連れて行って謝罪する。
この時に梅の木を見ているギョムとウンチェが遭遇するが、
少し会話をしただけでウンチェは父とともに去っていく。

チャドルから高貴な人になると告げられた泥棒の義父セドルは、
泥棒稼業をやめようと改心、学費を稼ごうと仕事を探し回っていた。
そんなセドルをピョン・シクが呼び、大金を得られる仕事を依頼、
ある邸の土中に埋めろと言われた書を見たセドルは引き返してくる。
セドルは部下に痛めつけられ、父の後をつけてきたチャドルは、
父の代わりに書を埋めにいくと暴行を止めるよう懇願する・・・。

秘密を知った者を生かしてはおけないと父子は命を狙われるが、
そこにセドルの妻タンが駆けつけ、ピョン・シクに過去の情事を告げ、
息子はシクの子だと窮地を逃れる。チャドルはシクの養子となり、
シフという名を付けられて両班の子として育てられる事に・・・。


ウォノは邸の土中に謀反の血判状があった事で逆賊に仕立てられ、
刺客の襲撃に気づいたウォノはギョムを家具の中に閉じ込める。
ウォノは殺害され、ギョムは隙間から父が殺される様子を見ていた。
書を回収しようと邸に忍び込んだセドルはウォノの死体に驚愕し、
助けを求める子供の声を聞いて家具ごと家に連れ帰るのだった。

罪人として殺されたイ・ウォノの子を助けた事にタンは激怒。
かつてタンはイ家の使用人で、ウォノと恋仲になって身篭ったため、
邸を追い出された過去があった。女を拉致する仕事をセドルが手伝い、
その時にウォノと遭遇、ウォノは金を渡し幸せにしてほしいと頼む。
タンを殺そうとする相棒に金を渡して彼女を引き取ったセドルは、
産まれたチャドルの養父となって盗賊をしながら家計を立てていた。

ウォノの言葉はセドルの胸の内に秘めてタンには明かされず、
タンは自分を捨てたウォノを憎み、復讐心を抱き続けていた。
町へ出たギョムは自分の命を狙う役人達を見て密かに逃走し、
潜んだ場所で同年代の兄妹と出会い、匿う条件で飾りを渡す。
兄はギョムの飾りを売って食料を買った事でギョムと疑われ、
隠れ場所へ戻る寸前で役人に殺されてしまう。

ギョムは妹を連れて逃走、崖に追い詰められて水辺に飛び込むが、
妹は刺客によって拘束され、ギョムは死亡したと報告される。
記憶を失ったギョムはセドルが引き取り、ヨンと名付けて育てる。
13年後、ヨンは遊び人として気楽に過ごしていた・・・。


学堂へ通わせられるヨンはシワンに会うたび虐められる日々、
その後、ギョムと疑った刺客により何度も殺されそうになり、
過酷な目に遭う中で記憶が蘇り、13年前の父が殺害された場面や、
生き別れた母や姉を思い出すが、遊び人ヨンを演じ続けるのだった。

ギョムをカモにするのが詐欺師のコンガル和尚と娘のポンスン。
養父のコンガルがギョムを崖に追い詰めた伝説の刺客であり、
その養女であるポンスンが崖で捕われ死んだ事にされた少女だった。
コンガルは王の悪事に加担するのに嫌気がさして護衛武士を引退、
密かに命を救ったポンスンと平穏な暮らしを送っていた。

チャドルことシフは幼少時にウォノにかけられた言葉を胸に抱き、
高貴な人になるため勉学に励み、正義感の強い役人となるのだが、
己の思想と現実のギャップに苦しみつつ養父シクに従っていた。


ヨンは家族を破滅に追い込んだ人物を密かに探し始めるため、
情報網を持つゴロツキ集団に身を置き、下っ端を演じて情報を集める。
その過程で重要人物が殺されたり、知らずに接した女性が死刑となり、
それが姉である事に気付いて、助けようとするが殺されてしまう。

ヨンは父を殺した刺客が持っていた剣の文様を手がかりとして、
黒装束姿で両班の家に忍びこみ、盗みをしながら情報を得ていく。
梅の一枝を描いた絵を残すことからイルジメ(一枝梅)と呼ばれ、
権力者を懲らしめる英雄として庶民の間に噂が広まっていく。

真面目なシフは盗賊イルジメを自分の手で捕まえようと奮闘し、
イルジメが民の味方だと知ったウンチェは密かに恋心を抱き・・・
シワンは賭け事で失敗したのをヨンに救われた事をきっかけに、
自分の忠実な子分にしてヨンを可愛がるようになる。

ポンスンは憎まれ口を叩き合ううちにヨンに好意を抱くようになり、
やがてギョムの飾りを見つけた事で恩人男の行方を探し始め、
ヨンが持ち主だと知って、ヨンがギョムだと気づくのだった。


何度も窮地に遭い、負傷しながらイルジメとなっていたヨンは、
役人に民が虐げられているのを蹴散らしたコンガルの武術に惚れ、
弟子入りを懇願、ポンスンの頼みもあって孤島で密かに訓練する。
それによってヨンの武術も向上、ヨンは邸の地下に秘密部屋を持ち、
鉄を鍛錬して鎧や顔の覆いを手造りし、仇の名簿を作っていた。

自分で甲冑を作ってしまう不思議、地下部屋が豪華すぎる不思議、
髪型や背格好、目元や動きなどで全く素性がバレない不思議、
刀傷を負いつつも普通に過ごせる不思議などツッコミ箇所も満載。

そしてワンパターンの展開。面白いけど・・・
・父が謀反の罪で逆賊に仕立てられ一家離散
・幼少時に出会った相手と大人になって再会するも気づかない
・記憶が呼び戻されて、あの時の人?あの時の人!展開
・主人公は敵を追い詰めても殺さない。雑魚は殺す?
・敵対していた人間が味方になる


息子がイルジメだと気づいたセドルは敵の罠から守るため、
イルジメに成りすまし捕獲され、拷問を受けた事で死亡する。
ヨンは手掛かりを追って核心に迫り、父を殺すよう命じたのが王で、
その悪事に荷担したのがピョン・シクだと知るのだった・・・。
シクの娘のウンチェに恋心を抱くが相容れぬ関係だと諦め、
仲間達にもイルジメだと気づかれ、シフもヨンの素性に気づくが、
母のタンから異母弟だと明かされ苦悩、イルジメの窮地を救う。

正義心に揺れるシフは兄弟であっても許せぬと再び敵対心を抱くが、
王の護衛武士の怪しい動きから、かつて自分が埋めた書を発見、
自分のせいでイ・ウォノ家を破滅に追い込んだ事を知るのだった。

ヨンは仲間の助けで王宮に忍び込む。この時に飾りを落とし、
それをヨン=ギョムの実母が拾って息子の生存を喜ぶ。
ついに王を追い詰めて刃を向けるが殺さずに改心しろと赦し、
駆けつけた護衛武士の長と対決、互いの刀を奪いつつ勝利。
しかしトドメを刺さずに背を向けた所を背中を斬られてしまう。
えっ?主人公死んだ?逃げた武士長がをシフが斬り捨て殺害、
数年後・・・ヨンは死んだとされ、それぞれが歳を経た風貌。

やっぱりヨンは死んだの?と思っていたらイルジメ出現の報・・・
そして物語冒頭のイルジメの活躍場面に重なる。
死んだのに生きてたの?何故?とネットで検索してみたら、
イルジメの剣は相手を殺さないよう刃の無い剣なんだとか・・・
細かい描写を見落としていたのか気づかなかった。

見返すとイルジメの剣刃部分が画面に大きく写る場面があり、
それを見ると確かに鋭利になっていない剣なんだなぁ。


前に中国版のイルジメを観たけど内容は完全に別物。
あっちは4人の義賊が権力を蹴散らし民を守る分かりやすい構成で、
今作はイルジメが誕生する過程を描いていて構成も複雑である。
ワンパターンな展開だけど、最後まで楽しく見終えた。
ポンスン役の女優が良かった。可愛らしくも憎らしくもあり、
時には老婆のような表情になったり喜怒哀楽が素晴らしかった。
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