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王の顔

韓国時代劇ドラマ37作目を観終えた(全23話)



政争が激化し、外敵の侵入が頻発する16世紀末の朝鮮、
第14代王・宣祖と15代王・光海君を描いた物語。
観相師から王になってはならない顔だと告げられた宣祖は、
自分の凶相を補う相を持つ女人を側近に探させていた。

王の相を持って産まれた息子・光海君を嫉妬心から冷遇、
定期的に鍼を打たせて、相を変えようとまでしていた。
聡明な光海君は父を思う心から気付かぬふりをしていた。
ある日、王宮の書庫に盗賊が侵入、捕らえた盗賊は、
ごく限られた人間しか知らないはずの王家に伝わる観相書、
宣祖が王の顔ではないと証明する「龍顔秘書」を口にする。


王の凶相を補う相を持つ女が光海君の幼馴染み女性カヒ。
幼少時に将来を誓い合った仲だが離ればなれになり・・・
大人になって再会するが気づかずというお決まりのパターン。
光海君は王宮の書庫で盗賊と格闘した際に五つの点を目撃、
それが何を意味するのか調査する過程でカヒと遭遇する。

男装したカヒが幼馴染みの恋人だと思いもせずに相談し、
カヒは五つの点が星座を表しているのでは?と天文図を渡す。
その書物の記述によってカヒの父キム・ドゥソが大同契とバレ、
カヒの父は死罪となり、大同契も壊滅に追い込まれてしまう。

カヒと母は罪人護送され、そこを大同契の生き残りが襲撃、
母は兵に斬られて死亡するが、カヒはキム・ドチに救出される。
ドチは大同契頭領の弟子。宣祖に恨みを抱いて仇討ちを誓い、
王を暗殺する機会を狙って密かに仲間達と武芸を磨いていた。
カヒは光海君に裏切られたと思い、仇を討つため弓術に励む。


宣祖の側近ソン内官は観相術に長け、光海君の観相師匠である。
キム・ドチもまた優れた観相術を持ち、科挙の試験に参加、
その際に観相術を披露して謎解きを解決、王宮に入り込むと、
王に忠誠を誓いつつ、仲間と暗殺する機会を伺うのだった。

優秀で人望のある光海君に嫉妬して毛嫌いし続ける父・宣祖。
仁嬪金氏は実子の信城君を世子にするため光海君を敵視し、
重臣とともに光海君の悪評を王に吹き込んで仲違いさせていく。
宣祖の長男・臨海君は放蕩息子で世子の座を欲し続けていて、
いろんな人に利用され、騙されて破滅の道を進んでいく・・・。

王の暗殺を企むドチは光海君を憎むカヒに恋心を抱いているが、
光海君が父の死に関与していない事を知ったカヒは心が揺れる。
一緒に王を倒そうとしていたドチはカヒの心変わりに動揺し、
引き留めようとするが、光海君はカヒが初恋相手だと気づく。

光海君は文武両道のドチに一目を置いていたが本性に気づき、
素性を知られたドチは堂々と光海君の命を狙うようになる。
窮地に追い込まれる光海君、ドチの悪行を明かし見逃すものの、
再びドチが悪さをして主人公が追い込まれる典型パターン。

王のためにと行った光海君の行為が悪い方にとられてしまい、
謀反の動きがあると非難され、カヒの援助で窮地を逃れる。
こういう流れも繰り返され、少し中弛み感が出てくる・・・。


そもそもの観相という物語の芯が弱すぎるんだよなぁ。
顔相を見て、こいつは悪徳だとか、大器を成す人物だとか、
説得力が無さすぎ。悪役顔の善人もいるでしょうに・・・。
代々受け継がれる「龍顔秘書」の存在も意味が分からない。

大同契の位置づけも微妙だし、カヒの心の揺れも微妙。
愛する人を救う為に自己犠牲にして王の機嫌をとり続け、
最後は光海君を守るために王を毒殺してしまう怖い女。
王に盛った毒酒を自分も飲んだのにカヒは助かる不思議。

相変わらずの変な日本文化、変な秀吉が出てくるし・・・
歴史的な流れも省略しているので物語の緊迫感も中途半端。
カヒ役女優の演技や表情が薄く見えてしまった。
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秘密の顔

韓国時代劇ドラマ36作目を観終えた(全24話)



李氏朝鮮第21代王・英祖と思悼世子の悲劇を描いた物語。
英祖の息子で摂政を務めるイ・ソン(思悼世子)はある日、
親友で画員のシン・フンボクと身分を隠して町に出かける。
国法で禁じられた貸本取引を試みた2人は武官に怪しまれるが、
偶然出会った娘ソ・ジダムの機転に助けられ窮地を脱する。

ソンは民の娯楽を奪えないと貸本業を許可すると宣言するが、
政治権力を持つ老論派重臣や英祖からも反発を買ってしまう。

後日、先代王の王陵の井戸からフンボクの遺体が見つかり、
検視で自殺として処理され、家族は逆賊として流刑になる。
親友の死に納得できないソンは部下と共に独自に捜査を続け、
貸本屋の娘ジダムは殺害直後のフンボクを目撃していた。

ジダムはソンが好んで借りていた推理小説の著者であった。
ソンとジダムはフンボクの画帳と貸本の行方を捜査して遭遇、
ジダムは遺体を見たと証言書を届けたが無視されたと告げる。
ソンは貸本屋を訪れ、ジダムの父に娘の助力を申し出る。


ソンの父・英祖は老論派の力を借りて王位に就いていた。
その際に連判状に署名していたため王位に就くと書院に放火、
証拠の隠滅を図ったのだが連判状は焼失していなかった。
書状を見つけたフンボクが連判状を奪われて殺害されるが、
彼はソンが借りた本に細工し、連判状の写しを遺していた。

ソンの教育を担当した師匠にあたる少論派のムンスが、
殺害されたフンボクの遺体を井戸に投げ込んでいて、
画帳と貸本を密かに隠し持っていたが殺害したのは別人。
ムンスは英祖から連判状を見つけ出すよう命じられていて、
剣契の頭目に命じ、老論派の刺客から連判状を奪うよう命じる。

連判状を入手した刺客は老論派重臣に偽物を渡していて、
自分が不要とされ始末される事を怖れて取引を持ちかける。
老論派の重臣は実子の刺客を呼び寄せて暗殺を謀るのだが、
剣契頭目が現れ、キセルに隠した連判状を奪取していた。

ムンスは英祖の元を訪れ、連判状を手に入れたと明かすが、
王位継承の際に不義があったと書状の受け渡しを拒否する。
その頃ソンは殺された画員の彼女で妓女の部屋から画帳を、
ムンスの家から紛失していた貸本を発見していた。


親友の死、画員殺害、刺客暗殺、剣契頭目の拉致・・・
推理小説のように微かな手掛かりから真実を探るソンとジダム。
試行錯誤の末に老論派重臣の仕業だと突き止めるのだが、
連判状の写しにあった屋号の主が父だと知って驚愕する。

英祖が老論派に唆されて思悼世子を米櫃に閉じ込め、
餓死させてしまったという事件は有名な史実である。
老論派の後ろ盾で王位に就いた英祖が傀儡王となりつつ、
世子ソンのために王の権威を学ばせようとするのだが、
ソンは民の為の世を目指し、多くの波風を立ててしまう。

純粋なソンの行動や指針が重臣達の反感を買い、
老論派の面々は事ある毎に世子に謀反の動きありと報告、
父子の確執を生み、仲違いするよう仕向けていく・・・。

世子嬪は息子を王位に就けるためにソンに協力していたが、
最後は世子の密かな計画を老論派の父に明かしてしまい、
情報を掴んだ老論派は、世子が謀反を起こしたと兵を挙げ、
英祖を唆してソンの仲間達を一気に粛清してしまう。

結末は史実にある通りだと思って覚悟していたけど、
主人公が米櫃に閉じ込められて終わるのは切なかった。
トンイを見てそんなに経っていないで観たので、
あの可愛い秀才の子がこんな王になった?と寂しい。

タイトルの秘密の扉は連判状を隠した英祖の心の扉であり、
ソンが密かに計画を練る東宮の地下部屋の扉なのかな。
推理小説家の知恵を借りて犯人捜しを行う序盤の設定が、
後半には活きていないし、ジダムの役者が変わってからは、
謀反を企む剣契の諜報部員に成り下がってしまった。

もう少しジダムが活躍しても良かったのになぁ・・・。
連判状も思ったほど効果的でも無かったなぁ・・・。
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両班返せ

韓国時代劇ドラマ35作目を観終えた(全6話)



朝鮮王朝時代が舞台だが歴史的な人物も事柄も無し。
領議政の息子ホヨンは妓生のウォルヒャンに夢中だが、
彼に仕える奴婢のホクロはウォルヒャンと恋仲であった。

ウォルヒャンが父の借金を返すため身を捧げると言うと、
ホクロは妓楼で酔い潰れたホヨンに睡眠薬を飲ませて拘束、
両班だと思い込むイカれた奴婢として売り飛ばしてしまう。

島に運ばれて知らない奴婢達に囲まれて目覚めたホヨン。
両班であることを証明する術もなく労働を強いられ、
味わった事のない惨めな生活を送ることになる。


奴婢たちの主人がカン進士だと知ったホヨンは、
カン進士に両班だという事を証明しようとするが失敗。
今度は川辺で両班の娘に接触、身分を証明するために、
彼女の持っていた書を諳んじてみせるのだが・・・。

問題を起こして拷問されるホヨンを聾唖の奴婢が庇う。
聾唖奴婢の息子はホヨンが読み書き出来ると知ると、
読み書きを習い、家宝の書をホヨンに見せるのだった。
それは少年チルボクの父パルボクの奴婢証明書であった。

領議政に捕らわれたウォルヒャンがホクロの罪を白状し、
悪事がバレたホクロは島にホヨンを取り戻しに向かう。
島を訪れたホクロはホヨンの身分を証明するのだが、
カン進士の部下は大事になるのを恐れて二人を監禁する。


ホヨンは自分の身に何があったのかホクロに聞き、
ウォルヒャンの借金のかたに売られた事を知るのだった。
カン進士の書を盗み見たとしてチルボクが殴打されると、
激怒したパルボクはカン進士を捕らえて鎌で脅していた。

役人が駆けつけるとパルボクは声を振り絞って、
自分は奴婢じゃない、両班だと叫ぶのだった・・・。
監禁場所から抜け出したホヨンとホクロは騒ぎを聞き、
ホヨンはパルボク父子を救うために彼の住処に行き、
奴婢証明書を探し出して現場へ駆けつける。

パルボクの持つ奴婢証明書はカン進士の物だった。
カン進士はパルボク家の奴婢だったが私腹を肥やし、
金で身分を買ってパルボクを奴婢にしていたのだ・・・。
調査が済むまでホヨンとパルボク父子は投獄されるが、
両班娘が訪れて3人を牢から逃すのだった。

この時にホヨンとホクロが両班と奴婢の友達だった事、
幼少時に起こした火事で自分を救ったホクロが火傷し、
火傷痕からホクロと呼ぶようになった経緯を明かす。
その友達の名はグィナム。今は自分を若様と呼ぶ・・・


ホクロに売られた事で身分差社会の仕組みを味わい、
今までの振る舞いや過ちに気づいて身分ではなく、
人と人の関係性を大事にする事を悟るという物語。

1話あたり15分もない感じの6話構成。
なのでスイスイ観て、あっという間に観終わった。
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茶母

韓国時代劇ドラマ34作目を観終えた(全14話)



17世紀の朝鮮王朝時代が物語の舞台。
王が出てきたり倭人が出てくるが史実とは関連性無し。
幼い頃に父が謀反の濡れ衣を着せられて一家は離散、
兄のジェムと逃げた妹のジェヒは捕まって官婢となる。

地方長官の邸で側室の子ファンボ・ユンに可愛がられ、
兄妹のように親しくなった二人は伝説の武人の元で修行。
やがて逞しく成長したユンは左捕盗庁の従事官に抜擢され、
ジェヒはチェオクと改名して同庁の茶母となっていた。

ある時、都を中心に偽銭が出回る事件が頻発する。
ファンボ・ユン指揮のもと捜査に加わったチェオクは、
大規模な賊集団の正体を暴くために潜伏捜査を試みる。
頭領ソンベクと出会ったチェオクは敵対する立場なのに、
何故か惹かれ戸惑う。ソンベクにも生き別れの妹がいた。

捕盗庁と反乱軍との攻防の中、セウク長官が囮となり、
ユンはついに反乱軍の黒幕が朝廷の大物であることを確信。
反乱軍はクーデターを起こし、王の身柄を拘束するが失敗、
ユンは逃走したソンベクを追う課程で彼の素性を知る。

複雑な思いを抱え対峙したユンはソンベクの刃に斬られ、
ソンベクに剣を向けたチェオクは彼の口からジェヒと聞き・・・



ウィキペディアに熱狂的なファンを生み出したとあるが、
内容は中華時代劇の武侠モノを真似した二番煎じ構成だ。
ワイヤーアクションの飛び移り、水上走り、空中剣劇、
穴落下&脱出、内功のような治療法、蘇生術、飛び道具・・・
格好良く見せたつもりが逆にダサダサ構成となっている。

中華時代劇を知らない人には新鮮に見えるかも知れないが、
比較出来ないほど稚拙な出来、肝心の脚本もガッカリだった。

韓流時代劇の定番、幼少時の離ればなれ&大人再会があり、
実の兄妹なのに全く互いに気づかないというお決まり構成。
兄妹で恋愛になってしまう禁断の恋が見所なんだろうけど、
幼少時から一緒に成長したユンへの想いが途中で急に冷め、
本当は敵の彼が好きかも?という強引な展開に萎える。

ツッコミどころも満載。チェオクが致命傷を負って昏睡、
医者も匙を投げて見放すと、ユンは彼女を馬に乗せ・・・
しかも自分が前に乗ってチェオクは後ろで山奥に向かう。
昏睡しているのに馬の後ろから落ちない不思議・・・

途中の川原で彼女を横たわらせて川の水を飲ませてやり、
再び馬に乗せて師匠の元へ運んで中華風内功治療を試みる。
この治療の最終方法も笑えるような展開だった・・・


チェオクとソンベクが穴に落ちて洞窟に閉じ込められるが、
一緒に落ちたソンベクは骨折したのにチェオクは無傷である。
どうにかソンベクの負傷を癒やそうとしていたチェオクだが、
急に毒蛇に噛まれて昏倒、ソンベクが傷口から毒を吐き出し、
それによって自分が毒に侵されるという間抜けぶり・・・

小物なら即死だけど主役級なので毒でも回復してしまう。
背中に矢が刺さっても、足を撃たれても普通に動けるし・・・
ツッコミどころ満載で笑いながら観られればマシだけど、
主要キャラが次々と死んでいくので全く笑えない。

主演はファン・ジニで主役を演じた女優である。
本作の脚本が悪すぎて役者が気の毒に思えてしまったけど、
数年後にファン・ジニ出演らしいので汚名挽回になったかな。
毎回思うのは倭人の日本語の稚拙さ。設定の曖昧さ。
今作もヘンテコな刺青をした倭人が出てくるけど下手すぎ。

トンイ、チャングムと大満足の後だったので低評価。
14話と短いのがせめてもの救いだったかな。
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チャングム

韓国時代劇ドラマ33作目を観終えた(全54話)



朝鮮王朝10代国王燕山君の母・尹氏の毒殺に関与したとして、
誅殺された軍官ソ・チョンスと謀殺された宮女パク・ミョンイ。
二人の間に生まれた娘チャングムは母の遺志を叶えるため、
水剌間の最高尚宮となり母の無念を秘伝書に綴ろうと決心する。

母の親友とは知らずハン・ペギョンのもとで厳しい修業を受け、
同期のヨンセンとは友情を育み、チェ・グミョンとは因縁が生じる。
武官ミン・ジョンホとの恋愛、育ての親カン・ドック夫婦の寵愛、
数々の策謀に翻弄されつつも道を切り拓くサクセスストーリー。

密かに探していた母の親友がハン師匠だと知ったチャングム。
そして優秀な弟子が親友の忘れ形見だと気づき感涙するハン氏。
チェ一族の謀略を乗り越え、ハン氏は最高尚宮に就任するが、
再び謀略によって二人は罪人にされ、奴婢として流刑となる。

体調不良のハン氏は過酷な移動でチャングムに背負われて死去。
チャングムは医女として宮廷に戻れる道がある事を知って奮起、
困難を乗り越えて試験に合格、医女として宮廷に復帰するのだが、
功績を妬む同僚とチェ一族によって再び窮地に追い込まれる。


ミン・ジョンホは常にチャングムの同行を見守り続け、
彼女が窮地に陥れられると職務を放棄してまで救出に駆けつける。
彼は倭人との戦いで負傷昏倒した際に宮女の手当で一命を取り留め、
チャングムとの交流課程で命の恩人が最愛の人だった事に気づく。

チャングムは水剌間にいた時も知恵と発想力で味を追求し、
医女となっても通例や常識に囚われず斬新な治療法を見つけ出す。
王后の双子流産を当て、治療を拒絶する大妃には丸薬を処方し、
中宗の持病を解決、痘瘡の治療法まで見つけ出してしまう。

トンイと役者が被るなぁ〜と思ったら監督が同じだった。
権力闘争にコミカル人物の息抜き、主役の成り上がり構成、
本作も詳細が不鮮明だけど実在した人物の創作物語である。
主人公のサクセスストーリーなのも一緒。


総合的には面白かったけど置き去り設定も多かった。
物語序盤でソ・チョンスが山の洞窟で老師と出会った際に、
運命を握る女だと「妗・順・好」三つの文字で予言される。
尹氏、妻のミョンイ、娘のチャングムを表しているのだが、
物語に特別な影響を与えない意図不明な挿入であった。

父が捕らわれ、母を亡くして孤児となったチャングムは、
宮廷に仕える通いの料理人カン・ドック一家に養われる。
カン・ドックにはチャングムと同年代の息子がいたが、
早々に存在が消え、後半に疫病で死んだと話されるのみ。

物語の息抜きとして挿入されるカン・ドック夫妻のコメディ。
コミカルタッチで描かれ息子を亡くした喪失感は皆無である。
常にチャングムの様子を気にかけて心配するという親心は、
子宝に恵まれない夫婦設定だったら演出が生きたのになぁ。

母ミョンイが遺した日記帳も大事なアイテムだったのに、
ハン師匠が入手し、チャングムの素性に気づくと出番無し。
あっさり捕まったチャングムの父が後半登場すると思いきや、
何の音沙汰も無いまま終幕。父の演出が全く活きてなかった。



物語の悪女チェ・ソングムは憎々しい演技が素晴らしい。
座って片膝立てた所に肘を掛け、肩を怒らせ目を左右往復、
この苛立ち演技がワンパターンなんだけど憎々しかった。
悪いことをしているのに天が味方したと言うのも凄い・・・

本作も他のドラマ同様、悪者を追い詰めても償う機会を与え、
結局、主人公の身近な人が犠牲になるという典型的な構成。
主役が毎回騒動を起こしていたら周りも動向を気に掛けるし、
陥れられる現場を目撃しても良さそうなのに誰も気づかない。
得する人が毎回同じなのに黒幕に気づかない不思議な展開。

チャングムとハン氏の年齢差に違和感があったとか、
ミン・ジョンホの役職と行動が自由で便利すぎるとか、
主人公が料理も医術も師匠を容易に上回ってしまうとか、
いろいろと引っかかる部分はありつつも面白かった。
二十年近く前のドラマなのに全く古くさく感じなかった。

トンイも良かったし、チャングムも良かった。
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トンイ

韓国時代劇ドラマ32作目を観終えた(全60話)



17世紀後期、粛宗の李氏朝鮮時代が物語の舞台。
南人派の高官が殺されるという事件が連続して起こり、
従事官のソ・ヨンギは剣契(コムゲ)の仕業と推測するが、
(剣契=奴婢の逃亡を助ける秘密組織)黒幕は別にいた。

賤民の娘トンイは大司憲の断末魔を目撃して黒幕に狙われる。
娘の危機を知った父のチェ・ヒョウォンは剣契の首長であり、
兄ドンジュと彼の友人チョンスも剣契の一員であった。
トンイが誘拐され、招集された剣契仲間が探し回るのだが、
これは黒幕が罪を剣契に被せるための罠であった・・・。

罪人となった父と兄が殺害され、チョンスも崖から転落、
逃げ延びたトンイは過酷な境遇を必至に生き抜く事に・・・
時が流れ、トンイは宮廷で掌楽院の奴婢として働き始め、
ある事件を調べた時に素性を偽る粛宗と出会うのだった。


以前、チャン・オクチョン(張玉貞)を観ていたので、
この辺の歴史を調べたりして史実の流れを多少学んでいた。
政略結婚で粛宗の継室となった仁顕王后は子に恵まれず、
寵愛を受けた張玉貞が兄と結託して王后を廃妃に追い込み、
王妃の座を得て世子(後の景宗)を産み権力を手にする。

その後、いろいろあって仁顕王后が復位することになり、
張玉貞は悪事が明るみになって粛宗の寵愛を失っていく。
その頃に本作の主人公であるトンイこと淑嬪崔氏が登場、
粛宗の寵愛を受けて(後の英祖)を産む。焦った張玉貞は、
王妃を呪詛して仁顕王后は病没、悪事が暴かれて賜死する。

淑嬪崔氏は粛宗の寵愛を受けるものの本宮を離れ、
王と離れて暮らし生涯を終えるというのが史実の流れ。


トンイこと淑嬪崔氏は史料が少なく経歴などが不鮮明。
剣契首長の娘という独特な設定や、幼少時の過酷な貧困生活、
掌楽院の奴婢から宮女に昇格し、妃にまで成り上がる話。
フィクションだけど視聴者を惹きつける巧みな演出だった。

お忍びで王宮を出た粛宗と偶然出会って危機を乗り越えると、
粛宗は判官と偽ってトンイと再会を重ねて親交を深めていく。

ドラマのチャン・オクチョンでは後半に急に登場するが、
本作では奴婢と知りつつ粛宗からトンイとの交流を求め、
王ではなく一人の男として受け入れていく課程が良い。
何故、一介の宮女が王に見初められるまでに至ったのか、
そういう部分に説得力を持たせた構成である。

シリアスモードとコメディモードのバランスも良いし、
謎解きミステリー要素の事件解決、懐かしい人との再会、
トンイと判官粛宗の交流、信頼から恋心への確信と不安、
悪役の巧みな策略と主役を追い詰める課程も丁度良い。


子役も素晴らしかった。トンイの子役は出演作の多い実力者。
活発な少女、貧困時の逞しさ、要領の良さ、目力が素晴らしい。
さらにトンイの息子(英祖)が天才少年という設定も盛り上がる。
この子役は愛嬌のある表情が素晴らしくて動きも可愛らしい。
王宮を追われてトンイと暮らしていた時に街で粛宗と出会い、
再び判官と名乗る王と息子の楽しい1日に心を掴まれた。

朝鮮三大悪女とされる張玉貞(チャン・オクチョン)の苦悩、
なぜ悪事に手を染めたのか?兄との共謀も説得力充分だった。
妃三人の演技もいい。トンイ女優は前半の仕草が変だったけど、
知的だった娘が聡明な女性に変わって後半は風格も出ていた。

フィクションだらけの内容とはいえ史実もなぞっていて、
脚本家の力が発揮されたドラマだと思う。個人的には大満足。
事件などの時系列が変えられていたり、強引な部分もあるけど、
最後まで次の回を観たいと思える内容で飽きることは無かった。

ただ最終話の内容が蛇足。街のお悩み相談室ではなく、
その後の歴史的な説明とかで良かったような・・・
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ジョンイ

韓国時代劇ドラマ31作目を観終えた(全46話)



16世紀後半、朝鮮第14代王・宣祖の時代。
女性初の宮廷陶工・沙器匠の座に上りつめたユ・ジョンの物語。
(モデルは慶長の役の際に渡来した有田焼の母こと百婆仙)

沙器匠のイ・ガンチョンとユ・ウルダムは王命を受け、
陶磁器製造所・分院の郎庁の座をめぐって勝負をするのだが、
仁嬪キム氏がガンチョンと結託してウルダムを罠に嵌める。
ガンチョンが郎庁の座に就いて順風満帆な人生を歩む一方、
投獄されたウルダムは宣祖に王子が誕生したことで恩赦となる。

沙器匠の助役ヨノクはガンチョンの子を身籠もって命を狙われ、
分院の窯に逃げ込んで出産、ウルダムに女児を託して他界する。
ジョンと名付けられた娘は陶工よりも遊びに夢中な転婆娘に成長、
幼馴染みのテドと山に行き、落とし穴に填まった光海君と出会う。

宣祖が臨海君と光海君を連れてテドの父が営む酒場に寄り、
そこで偶然ウルダムと再会、宗廟祭の祭器を作るように命じる。
ウルダムが祭器を作ると聞いたガンチョンは驚きを隠せず、
再びウルダムを陥れようと策略を巡らせるのだった・・・。


ガンチョンの謀略でウルダムは再び大逆罪人として捕らえらるが、
ジョンは父の無実を王に訴え、一番美しい器を作る事を約束する。
ジョンの素朴な器は宣祖を満足させ、ウルダムは釈放されるのだが、
ガンチョンの手下マプンによって殺害されてしまう。

ガンチョンが亡き父ウルダムを侮辱するのを耳にしたジョンは、
父が朝鮮一の沙器匠だと証明し、ガンチョンに謝罪させるため、
幼馴染みのテドに入水自殺した事にするよう頼み込んで身を隠し、
5年後に必ず戻ると約束、父の師匠サスンの元で陶芸の修行に励む。
光海君はジョンが死んだという知らせを聞いて衝撃を受ける。

サスンの器を高く買ってくれる妓楼に足を運んだジョンは、
そこで光海君を騙る臨海君と遭遇。玉帯紛失騒動に巻き込まれる。
テドは盗んだ玉帯をソン行首に渡し、ウルダムの形見の茶器を入手。
一方、ジョンはごろつきに絡まれて荷物を奪われてしまうのだが、
ごろつきが捨てた履き物を見たテドはジョンを探し回って再会する。

ジョンは父の汚名を晴らすために男装して分院に入ろうと決意、
騒動を起こしつつも試験に合格し、無事に分院の工抄軍となる。


ジョン役は「風の絵師」で申潤福を演じた女優。
絵師でも男装して本作でも男装。食いっぷりの見事な役者。
本作では物語の中盤で男装がバレて本来の女性姿に戻る。
イ・ガンチョンは息子のユクトを後継者として大事に育てるが、
要所でジョンが功績を挙げ、ユクトは自尊心を傷つけられる。

テピョンという偽名で分院に入ったジョンは光海君と再会、
時代劇あるあるの幼少時に出会って離れて成長、再会するが、
全く気づかないまま物語が進行するという型どおりの進行。
川に落ちた所を助けて胸の膨らみでやっと女性と気づく。

ジョンと幼馴染みのファリョンはテドに恋心を抱いている。
父の借金を返すためソン行首の商団で働き後継者として育つ。
分院で様々な嫌がらせや策略に嵌められるジョンを救うため、
テドはファリョンに協力を頼み、彼女は手を尽くすものの、
恋する思いが実らないと悟り、嫉妬心からジョンを敵視する。

ガンチョンとユクトが汚い手を使いつつジョンを追い込む中、
ソン行首の元にサスンが訪れ、弟子のジョンとも再会する。
ガンチョンの性格を知るサスンはジョンの窮地を手助けし、
光海君も様々な妨害の中、愛するジョンのために行動する。


物語の後半にさしかかった頃、倭国(日本)の使者が登場、
ケンゾウがソン行首の商団から陶磁器を買い求める際、
ジョンが試作品としてソン行首に贈った器を買っていく。
豊臣秀吉は献上された最上品の白磁や青磁には興味を示さず、
ジョンが作った器を気に入り、陶工を捕えてくるよう命じる。

中国時代劇で倭国が出るときも変だけど、韓国でもやはり変。
報告にくる者は甲冑姿だし、秀吉の部屋は薄暗くて誰もいない。

野心家のファリョンはソン行首を暗殺して商団を乗っ取り、
ジョンを陥れるためユクトを誘惑、ガンチョンとも裏取引し、
倭国の使者に朝鮮の陶磁器を横流しして大金を得ようとする。
ジョンがウルダムの娘だと知ったガンチョンは因縁に驚愕し、
ジョンを陥れる機会を伺い、ユクトに献上磁器対決を仕掛ける。

父を知る工員たちから当時の謀略を聞かされたジョンは、
わざとユクトに情報を流して、自分の用意した土を盗ませる。
信城君がジョンの器で湯薬を飲んだあとユクトの器で昏倒、
ユクトは投獄され、信城君の母・仁嬪は激怒して斬首を命じる。

ガンチョンは方々を駆け回って息子の助命を懇願するが、
ユクトは処刑場に連れて行かれる。ジョンが王に経緯を明かし、
ユクトは助命となり、ガンチョンは郎庁の座を取り上げられる。
ガンチョンに代わってサスンが分院の郎庁に任命され、
宣祖に功績を認められたジョンは朝鮮初の女沙器匠となる。


ガンチョンとユクトは分院に残って復讐の機会を伺う。
ジョンの暗殺を阻まれ投獄されたマプンはジョンとの面会を望み、
訪れたジョンに父はウルダムではなくガンチョンだと明かす。
ガンチョンは倭国の使者と面会しジョンを渡す代わりに、
自分と息子も倭国に連れて行って欲しいと交換条件を出す。

光海君はケンゾウの邸を襲撃、倭人を取り逃がすものの、
そこにいたガンチョンを捕え、さらに軍事地図を発見する。
サスンはガンチョンの元を訪れ、ジョンはユニクの娘だと明かす。
ガンチョンの嘘で誘き出されたジョンは倭人に攫われていた。

商団を訪ねたテドはファリョンの部下を尾行してジョンを救出、
倭国が侵攻してきて宣祖は王宮と民を捨てて真っ先に避難してしまう。
世子となった光海君は、護衛にジョンを迎えに行かせるが・・・
倭国に寝返ったガンチョンは倭軍の分院襲撃を先導して工員を拘束。

結局、仲間達を救うためにジョンは倭国に行く事を選ぶという終幕。
散々ジョンを陥れたガンチョンは実の娘だと知った後も息子を優先、
ユクトが斬られそうになった所を庇って絶命するのだった。
ジョンを助けてきたテドも倭国との騒動でジョンを逃がして死亡。
悪事を働いたファリョンは商団の資金が無くなり路頭に迷う結末。


豊臣秀吉の文禄・慶長の役の際、鍋島藩に朝鮮から陶工を得る。
その中に本作のモデルである百婆仙がいた。夫が他界すると、
良質な土を求めて一族と有田へと移住。ここで作陶に従事し、
後に有田焼の母と呼ばれ、96歳でこの世を去っている。

物語では倭国へ向かった所で終了していて功績は語られない。
秀吉の朝鮮出兵の戦乱なども省かれていて歴史的には微妙。
描き方で問題が起こるのを避けた構成なのかも知れない。
歴史的な部分を別にして、ドラマ自体は面白かった。
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恋慕

韓国時代劇ドラマ30作目を観終えた(全20話)



李氏朝鮮時代の物語。具体的な王名は出てこない。

世子嬪が男女の双子を出産、王宮では双子は縁起が悪いとされ、
女と一緒に産まれた男児は王子と認められないと王が激怒する。
世子嬪の父ハン・ギジェは腹心のチョン・ソクチョに命じ、
赤子の王女と産室庁の全員を殺害して証拠の隠滅を図るが・・・。

世子嬪は医者に頼んで王女を鍼で仮死状態にして死を偽装、
密かに王の護衛に娘を託し、王宮の外に逃がしていた。
数年後。世孫イ・フィは自分と瓜二つな宮女タミと遭遇、
母の世子嬪に宮女の事を話すと厳しく口止めされるのだった。

師匠が無実の罪で捕らわれた事を知ったフィはタミを呼び寄せ、
互いの衣服を交換、女装して宮中を抜け出し師匠に会いに行く。
タミの元に世子が会いにやってきて動揺しつつも切り抜けると、
彼女は世子の姿に憧れ、フィに頼んで世子が勧めた本を借りる。

ジウンは父ソクチョと共に王宮へ。父が用事を済まして戻る前に、
タミと遭遇、彼女の本を池に落とし、自分も池に落ちてしまう。
人工呼吸で助けられたジウンは端午の祭りに彼女を誘う。
世子嬪は密かにタミを呼び、その容姿から我が子だと確信する。

ジウンとタミが親しくなって互いに好意を抱くようになるが、
ソクチョが二人の様子を目撃、ハン・ギジェも知る事となる。
密かにタミを暗殺するよう命じられたソクチョが射殺するが、
それは師の処刑に行こうとタミに成りすましたフィであった。


世子嬪は遺体がタミではなくイ・フィだと気づいて号泣する。
密かに呼ばれたタミはフィがソクチョに殺害されたことを知らされ、
母と内官たちの命を守るため世孫に成りすます事を受け入れる。
約束の場でタミを待ちわびるジウンは、タミの友イウォルに接触、
タミが消息不明と知り、父にタミを探して欲しいと頼むのだが、
父はタミを知るイウォルを殺害、ジウンは父の卑劣な仕事を知る。

タミがジウンを探しに行き、父ソクチョの後を追うジウンを目撃、
親友のイウォルが殺害されるのを盗み見て動揺、自死を考えるが、
世子嬪はタミに双子を身籠もった時の幸せを語って生きる事を望む。
外祖父とソクチョに憎しみを抱きつつ男装して世孫イ・フィとなるが、
世子嬪は病で床に就き、夫の世子に世孫を託してこの世を去る。

世子が王位に就き、タミは世子となる。それから10年。
母の遺言通りタミは人を寄せず畏敬される世子になっていた。
ジウンは明に留学した後、医学に詳しくなって戻ってくる。
薬草を採りに行った山で刺客に狙われ川辺に逃げたタミと遭遇、
追っ手に崖に追い詰められるが二人は川に飛び込んで窮地を凌ぐ。


韓国時代劇あるあるの典型パターン。幼少時に両想いになるが、
なんらかの事情で約束の場所に行けずに離ればなれになって成長。
恋心を抱えて成長するのに本人に会っても気づかない摩訶不思議。
タミの方は早い段階でジウンだと気づいて気持ちが高ぶるものの、
イ・フィに成りすまして男装世子となっているため想いを断ち切る。

そんな世子の教育の師として派遣されたのがジウンであった。
従兄イ・ヒョンとお忍びで出かけた市場でジウンと遭遇した世子は、
2人が親友だと知る。ジウンの悪口を言っていた世子はばつが悪い。
ヒョンは少年時代に世子が女だと気づき、密かに恋心を抱いていた。

当初はジウンを避けるようにしていた世子だが、献身性に感化され、
やがて人目も憚らず信頼する人物として行動を共にするようになる。
そして困難を乗り越えて行くうちに性別を超えた愛情を感じるジウン、
彼の戸惑いを楽しみつつ、世子は愛情を胸の内で溢れさせていた。


物語の展開もオーソドックスで傀儡王が毒殺されてしまい、
世子は憎き外祖父ハン・ギジェの意向に従って対抗勢力を抑え込む。
少年時に父ソクチョの仕事を知ったジウンは反抗し続けるが、
物語の後半、世子の性別に気づいたソクチョは世子殺しを後悔し、
世子と息子の窮地を救ったりしながら父親らしさを取り戻す。

背後で権力を握っていた外祖父を陥れて仇討ちをする世子だったが、
外祖父の方が知略に長けていてヒョンの兄ウォンサン君が謀反を起こし、
フィの異母弟チェヒョン大君が殺されてしまう。ハン・ギジェは脱獄、
王位を手に入れたいウォンサン君と結託、大勢の兵と王宮に攻め込む。

ソクチョは身体を張って世子フィと息子ジウンを守るが刃に倒れ、
フィは観念して外祖父に譲位する事を約束、謝罪するのだった。
毒酒を促されたフィは孫娘が最期に茶を煎れますと一服を勧める。
この茶に毒が仕込まれていて外祖父はフィの首を絞めたまま絶命、
昏倒したフィはジウンの丸薬を服用していて看護の末、息を吹き返す。


大王大妃はタミを密かに王宮から逃がそうとするが彼女は拒否、
新王となったイ・ヒョンは罪人イ・フィに烹刑(釜茹刑)を命じる。
双子の女というだけで抹殺されたタミには新たな人生を授けるとし、
王イ・フィは歴史から抹消、タミはジウンと結婚して地方で暮らす。

架空の王宮を舞台にしているので歴史的な事件は出てこない。
序盤、次々と暗殺して悪事に荷担していたソクチョが父らしさを見せ、
命がけで息子と世子を守ろうと改心するのは新鮮な展開だった。
男?女?どっちでも好きなんだ!というのは男装女ものの定番かな。
男色?と悩みつつもキスしたり、トキメキで苦しくなるのも同じ。

中華もそうだけど髪がはらりとほどけるまでは男。はらりで女。
体型や肌質とか指先とか全く意識しないのがオ・ヤ・ク・ソ・ク。
主役級は崖から落ちても死なないし、刺されても毒でも死なない。
恋慕というタイトルどおり恋愛に比重が置かれた時代劇ドラマで、
この内容で50話とかだとキツイけど20話なので丁度良かった。
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白東脩

韓国時代劇ドラマ29作目を観終えた(全29話)



18世紀の朝鮮王朝時代。第21代王・英祖の治世。
22代王・正祖の護衛武士だった白東脩を題材にした物語。

英祖の息子の思悼世子が清の皇帝の石碑を斬りつけると、
清に対する大逆罪だとして老論派は世子を糾弾して罪に問い、
側近ペク・サグェンが世子の身代わりとなって斬首刑となる。

サグェンの義兄弟で剣仙のキム・グァンテクが駆けつけるが、
サグェンは身重の妻をグァンテクに託して処刑されてしまう。
グァンテクと共に逃げ延びたサグェンの妻は男子を出産、
しかし生まれてきた息子のドンスは四肢が曲がっていた。

官兵が現れて罪人の子ドンスが捕らわれ死刑となるが、
グァンテクは利き腕の左手を斬り落とされることで釈放される。
老論派の重臣デジュは暗殺組織・黒紗燭籠のワン・ヨンを呼び、
グァンテクとサグェンの息子ドンスの始末を依頼する。

グァンテクはドンスを連れて清に亡命しようとするのだが、
依頼を断ったヨンの代わりにテウンが手下を引き連れて襲撃。
黒紗燭籠のカオクが黒装束姿でグァンテクを救出して逃走、
一夜を共にしたグァンテクは元恋人に同行を求めるが断られる。

再びテウンの襲撃に遭ったグァンテクは赤子を洞窟に置き、
追手を引き付けて返り討ちにし、命乞いしたテウンを見逃す。
洞窟に戻ると赤子の姿はなく、失意のまま剣仙は清へ旅立ち、
少林寺で修行に励み、己の武芸を磨き続けるのだった・・・。


義賊の頭ファン・ジンギが洞窟にいた赤子を連れ帰り、
グァンテクの義弟フクサモがドンスだと気づいて養育する。
四肢を保護する器具を身につけたドンスは嘲笑を受けるが、
男勝りなシンギの養女ジンジュが常にドンスを守っていた。

12歳の時、火事になった小屋からジンジュを助けた際、
ドンスは夢中で四肢を動かし、走り回れるようになる。
その後、ジンジュは父と共に村を離れて旅立つことになり、
ドンスは彼女から大人になったら結婚しようと告白される。

フクサモの兄貴分ヨ・チョサンの所にも男児のウンがいた。
チョサンは殺星生まれの忌々しい息子を殺そうとするが、
庇った妻を誤って殺してしまう。ウンは母を殺めた父を殺害、
黒紗燭籠の頭目ヨンに出会い、刺客として生きる道を選ぶ。

チョサンの死を知ったフクサモは忘形見のウンを引き取り、
ドンスと一緒に養育しながら武芸を教えていく。
壮勇衛に入るための訓練でドンスはガリ勉のチョリプを助け、
三人は強い絆で結ばれ義兄弟のような仲になっていく。


ドンスが幼少時に出会い、少年期にも出会った美女ジソン。
彼女は北伐之計を守る家系の生き残りで思悼世子の許嫁である。
ジソンの父は娘の背中に北伐之計の刺青を彫って元本を焼却、
老論派は北伐之計の所在を追い続けてジソンの存在に気づく。

世子が清に遣わせていたジソンがチョンアム寺へ護送され、
その護衛を任されたのはドンスとウン達であった。
道中、盗賊の襲撃に遭って撃退、この盗賊頭がジンジュだった。
しかし互いに気づかず・・・。

清から剣仙グァンテクが戻り、テウンが暗殺に乗り出すが、
片手でも刺客を寄せ付けず、テウンは左手を斬り落とされる。
英祖に挨拶したグァンテクは臣下になるよう求められるが、
愛する人のために生きると辞退して立ち去るのだった。

思悼世子は密かに絵師を呼んでジソンの刺青を模写させる。
この絵師がドラマ「風の絵師」主人公の師匠・金弘道で、
彼は背中の刺青から三枚の北伐之計図を描き出すのだった。
世子は博学な妓生にジソンの刺青を除去するよう告げるが、
この女は黒紗燭籠の手下で北伐之計の模写は盗まれてしまう。


もう、ここまででもツッコミどころ満載。
四肢が曲がって生まれたドンス。その特徴で洞窟で発見されても
無事にドンスと気づかれるが、竹製?の四肢保護器具を常着。
リハビリの様子が無いままに火事場の馬鹿力で回復してしまう。

刺客の道を選んだウンは、フクサモの養育を受けつつ指示を待つ。
結局、大人になるまで黒紗燭籠から武芸を教わることが無いまま、
勝手に達人レベルに到達してしまう不思議な役回り・・・

ジソンは父から背中に北伐之計の入れ墨を彫られるのだが、
刺客に狙われたからって、娘の背中に入れ墨を彫れるものなん?
しかも三枚の絵を重ねた暗号チックなもの。画才が凄すぎない?
しかもその入れ墨から三枚の絵を起こすのが金弘道である。
と、いうことはジソン父の画力=金弘道という事?凄すぎ。

そして定番の幼少時に出会って青年時に再会、気づかず展開。
ドンスはジンジュには全然気づかないのにジソンには気づく。
そして世子の許嫁だと知っても愛情を隠さず付きまとう。
不細工だとストーカーでもイケメンだと純愛になってしまう。


思悼世子は王の怒りを買って米櫃の中で餓死するのが史実。
この物語では謀略に填まって謹慎中の世子を密かに脱出させるが、
結局、ワン・ヨンが暗殺に現れ、側近と思悼世子は殺害される。
この時にウンが黒紗燭籠側の手助けをした事をドンスが知るが、
他の物語でも多々出てくるライバルの不義を見逃し続ける展開。
殺された世子は米櫃に入れられ亡骸が戻され史実通りに終着。

ヨンは武芸の頂点を目指すために黒紗燭籠頭目の座をウンに譲り、
様々な武芸家との決闘を続けてグァンテク打倒の道を進む。
このヨンの役者が渋くて格好いいけど、何が望みなのか微妙・・・
後半、ジンジュがカオクの娘でジンギはカオクの従者だと判明。

カオクは前黒紗燭籠頭目の娘。刺客に襲われた娘を守るため、
ヨンに二人の子だと明かし、ヨンは頑張って娘を保護するのだが、
本当はグァンテクとカオクの娘だと知ってしまう悲劇・・・。
そのグァンテクは自身の武芸をドンスに全て伝授した後、
不治の病が判明、病を隠してヨンとの対決に挑み死亡する・・・。

剣仙グァンテクと黒紗燭籠のヨン。敵対ライバルという構図が、
ドンスとウンでも展開。よくある構成で魅力度は半減してしまう。
剣仙から武芸を学んで達人となったドンスの力は理解出来るけど、
小年時から武芸が強いヨンは独学だけで強くなってるのが不思議。

で、結局何をしたくて刺客になったのかウンの動機が不明。
呪われた運命と罵る父親を早々に殺して何に恨みがあるのやら・・・
育てられた恩、友情よりも、たまたま出会ったヨンに服従?
禅問答しかしない頭目や黒紗燭籠に何の魅力があるのかなぁ・・・

最後もハッピーエンド風に実在人物は生存し架空人物は消される。
ツッコミ所満載ではあったけど最後まで楽しく観られたかな。
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鶏龍仙女伝

韓国時代劇ドラマ28作目を観終えた(全16話)



ビジュアルから時代劇だと思ったが歴史には関係なく、
韓国の昔話「仙女ときこり」を元にした架空の物語だった。

大学准教授のイヒョンは同居人の大学院生グムの帰省に同行、
鶏龍山へ向かう途中で老婆が営む不思議な茶房に入る。
奇妙なネーミングの美味しい珈琲を味わって店を後にするが、
道に迷って車を降り、山道を彷徨って渓谷に辿り着くと、
水浴びをする茶房の老婆が乙女に変身、二人は車で目覚める。

バリスタの老婆はオクナムという仙女であった。
行方不明になった夫を699年経った今も待ち続けていて、
帰省帰りに再び店に立ち寄ったイヒョンとグムを接待すると、
イヒョンが猫の名を呼んだ事で転生した夫では?と期待を抱く。

昔話は木こりが猟師に追われる鹿を匿って逃がした後、
渓谷で仙女数人が水浴びをしているのを目撃、そこに鹿が現れ、
羽衣を掛けてと懇願、木こりが羽衣を掛けると鹿が姿を消す。
羽衣を無くした仙女は天に帰れなくなって木こりと暮らし、
やがて一男一女を授かり、貧しくも慎ましく暮らしていたが、
ある日、木こりは出掛けたきり帰って来ることは無かった。


猫(虎)のチョムスンはオクナムの娘で息子チョムドルは卵。
夫の顔を思い出せないオクナムはイヒョンが夫だと信じ込み、
記憶を蘇らすのを願って彼のいるソウルへと旅立つことに・・・。
大学構内にあるコーヒースタンドで働いて二人と再会、
美味しい珈琲を振る舞い親密になっていく。

イヒョンは潔癖で長く不眠症に悩まされていたが、
仙女のコーヒーで安眠出来るようになって興味を抱く。
グムは一目会った時から仙女に恋心と不思議な縁を感じ、
積極的に会いに行き、デートに誘ってアプローチするが、
イヒョンが夫だと信じる仙女は彼の好意を断るのだった。

オクナムの娘チョムスンは普段は猫の姿で徘徊するが、
人間の姿でノートパソコンを使って官能小説を書いている。
欲情すると髭が生えて尻尾が出てきて虎に戻ってしまう。
ネット上では知る人ぞ知る謎の作家として人気があり、
出版社から出版依頼が来てグムに代理面接に行くよう頼む。
覆面作家がイケメンだった事で人気が爆発、世間を賑わす。

イヒョンやオクナムの三角関係と平行して描かれるのが、
物語の本筋に関係の無い仙人三人衆のコミカル珍道中である。
鶏龍山を出たオクナム母子を追ってソウルを目指した三人は、
間違って途中駅で下車、スリに遭ったり、漁船で働いたり、
秘密の仙豆で時間を遡ったり、大陸に戻ってソウルに瞬間移動、
オクナムと再会、いろいろあってイヒョンの所に居候する。


コーヒースタンドのオーナーは土地の守り神ポンテ。
赤髪でスマホゲームに熱中し、オクナム母子に住処を提供、
仙女の恋の行方を見守りつつイケメン学生に心を潤わせている。
同僚教授のイ・ハムスクはイヒョンに片思いして仙女を敵視、
二人の動向を窺いつつ、告白の機会を探って悶々としている。

グムとオクナムのデート、イヒョンの仙女恋の芽生え、
イヒョンとオクナムの恋路、失恋を認めないグムの抵抗・・・
男二人の友情に亀裂が入って泥沼物語になると思っていたが、
分かりやすい展開で実は夫の転生はグムかも知れないとなり、
じゃあイヒョンは何の転生?という方向に傾いていく。

物語の合間合間にオクナムの天界での思い出が挿入され、
そこに写る赤衣仙女が罪に問われ、傍らにはグム似の仙人。
イヒョンの記憶にも赤衣仙女が現れ、鹿が現れ、混乱する。
ずっとイヒョンを夫だと思い込んでいたオクナムだったが、
グムが卵に触ってヒビが入り、何度目かの接触で卵が割れる。

孵化したチョムドルの証言でグムが夫だと確信する仙女。
グムの想いがオクナムに伝わり積年の想いが成就するが、
それを見届けたイヒョンが交通事故を起こして執念が暴走、
イヒョンは赤衣仙女・巨門星イジの転生した者であった。


大罪を犯した事で人間界に落とされた巨門星イジは、
信頼する破軍星(グム)に裏切られたと思い込んでいたが、
イジが大病を患っている事を知った破軍星は北斗星君に頼み、
彼女の命を救う代わりに仙界を追放されて人間界へ落ちる。
代償で記憶を失い、恋慕していた貪狼星(オクナム)と再会、
恋に落ちて二児に恵まれるが事故死する悲惨な運命を味わう。

炎を操る巨門星の力で仙界への道を焼失させようとするイヒョン、
仙人三人衆やチャムスン兄妹、ポンテらが集結して説得する中、
コムシ姿のチョムドルをポンテが褒めると姿が変化していき、
青龍に姿を変えて天から大雨を降らして消火するのだった。

イヒョンの忌々しい記憶に北斗星君とポンテ社長が現れる。
(ポンテは北斗星君の妹・南斗星君だった)懺悔と改心を説得、
イジの積年の恨みと勘違いは解消されて平穏が訪れる。
オクナムが無くした羽衣はグムが買ってあげた花柄の服で、
彼女はグムと口付けを交わしたあと天界へ帰ってしまう。

イヒョンは大学を辞めて医療奉仕の世界に身を捧げ、
グムはチャムスンの小説で人気作家となってサイン会に追われつつ、
愛しいオクナムの帰りを待ち続け、遂に彼女が人間界へ帰還する。
ハムスクはイヒョンに連絡を取り続けていてオクナムの帰還を知り、
久しぶりにソウルに戻り再会。イヒョンは海外へ行くと仲間に告げ、
誘われたハムスクは大学を辞めて彼の旅に同行する事になる。


副題が〜恋の運命はどっち!?〜とある事から、
冒頭でイヒョンを夫だと思い込む流れで先が見えちゃったなぁ。
そもそも題材となっている昔話を知らないので面白味は半減?
でもまぁ主演女優の可愛らしさとハムシク役の魅力に惹かれて、
なんとなく最後まで観てしまった。最終話だけ別作品って感じ。

なんで娘が虎で息子が龍に転生したとか気にしない気にしない。
仙人3人衆の必然性も気にしない。盗撮学生の存在も気にしない。
女のイジが転生して男のイヒョンになったのも気にしない。
幼少時の虐められた記憶が意味不明だったのも気にしない。
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