ライトなファンだから。

はっきり言って、油断していました。何の覚悟もできていませんでした。

素で、涙が浮かび、膝が震え。
何も知らなかったからこそ。


　　宙組主演男役 大和悠河 退団のお知らせ


待って。
待ってよ。

私はまだ、何も見ていない。
何も知らない。
まだまだ、見たかったんだ。
あなたとウメちゃんのコンビを――

通勤の車では、ちょうど、月組「ノバ・ボサ・ノバ」のDVDをかけていました。
（運転中ですから音声だけですけど）
今から10年前の公演。
大和君の役は、ルーア神父さま。
…そりゃあ、別の意味で伝説になるようなお歌でしたけれども（苦笑）
かわいくて美しくて、大好きな神父様だった。
何度も聞いているうちに、歌声も癖になってくるし。（っておい）
今朝もにやにやしながら、その歌声を聞いて通勤したのに。


ぐるぐるした思いを抱えたまま、貴羽右京さんのブログを見て、
涙腺決壊……

そうだよね。
私は本当に何も知らないから。
あの人がどんな思いを抱えて、舞台に立ち続けてきたのか、
どんなものを背負って、ここまで進んできたのか、
何も知らないから。

何の覚悟もしていなかったのだって、やっぱり、
何も知らないからだ。
もっと真摯なファンの方々は、もっとずっと心配しておられただろうし、
覚悟だってしておられただろう。

私は、何も言うことのできない、ライトなファンだから。

だから――

無責任に、悲しがる。
無責任に、惜しむ。
無責任に、泣く。

行かないで。
無責任に、そう願ってしまうのだ……