花總まり様との、再会。
伝説の娘役・花總まり。
残念ながら私が花總様を生で見たのは、宝塚における本当に終盤だけなのです。
「ファントム」、「ホテル ステラマリス」「レヴュー伝説」、そして「NEVER SAY GOODBYE」。
最後に生で見たのはたかこさんのコンサートですね。
その後、映像で、「エリザベート」初演、「あかねさす紫の花」額田女王、
「JFK」ジャクリーン・ケネディ、「激情」カルメン、「仮面のロマネスク」メルトゥイユ、
と、伝説の数々を目にし、いつの間にか私の中で「花總まり」は、
究極の娘役として神格化されていた節さえありました。
勿論、復帰後の「モンテ=クリスト伯」も「エリザ」ガラコンも見たい気持ちは
山々だったのですが…チケットと日程の関係で。
というわけで、たぶん7年ぶりぐらいの生・花總様です。
【レディ・ベス】
エリザベス(ベス):花總まり
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
ロジャー・アスカム:石丸幹二
メアリ・チューダー:吉沢梨絵
アン・ブーリン:和音美桜
キャット・アシュリー:涼風真世
ガーディナー:石川禅
シモン・ルナール:吉野圭吾
フェリペ王子:古川雄大
…ダブルキャストしかチェックしていなかったのですが、
改めて見ると豪華キャストですね~
吉野さんは完全ノーチェックで、でもすぐにわかった(笑)
イギリス黄金時代を築いたエリザベス1世(ベス)の、即位をめぐる若き日の物語。
花總ベスは、王女としての「特別」感が物凄い。
国民が「レディ・ベスを王座に!」と決起するにふさわしい、気品とオーラ。
いや、このベスって難しい役だと思うのです。
若くて無力な小娘で。
でも王女としての気位が全てを支えていて、知性があって。
しかもあんまりまっすぐに理想を信じているのではなくて、
自らの出自にまつわるコンプレックス(生母が不義の罪で処刑されている)に
がんじがらめになっているという、何というか、
「めんどくささ」。
そのめんどくささ故に、感情移入できるキャラだったと思うし、
無力で浅はかな面があるからこそ、女王の自覚を持って覚醒した場面にカタルシスがあった。
ドレスの似合いっぷりは相変わらず凄いな。
相手役のロビンは、架空の人物。
山崎育三郎君、上手くてカッコ良くて、まさに王子様。
(ベストは身分違い設定ですが。)
いや、お花様相手に「王子様」になれる包容力は凄いですよ。
自己紹介ソングの「俺は流れ者」が、いい曲だな~と思って聞いていたのですが、
エンディングで再度メロディだけ流れたときに切なくて泣けた。
ベスの、生涯ただ一度の恋。
即位して栄光を手にしても、彼女が唯一手に入れられなかったものなんだなあと。
「心は君に」も素敵なデュエット。
不協和音の使い方が、ああ、シルヴェスター・リーヴァイだなあと(笑)
たっちんのアン・ブーリンの再現度が凄い。
「再現度」って言い方どうよ、って思うんだけど(笑)、
出てきた瞬間に「あ、アン・ブーリンだ!」ってわかるんだもん。
亡霊というか、ベスの心中人物というかはどっちとも取れる位置づけでしたが、
(クンツェ作品だと、トートとかアマデと同じような位置づけでしょう)
ベスが母の存在を憎み、母を嫌悪しながらも、潜在意識では母を求めて
彼女の影響下で生きているというのがよくわかった。
(首切り役人のイメージとセットというのも怖くて良し)
曲も多くて(「あなたは一人じゃない」とかいい曲ですね)耳が幸せ。
そしてたっちんと比べたときに、花總まりはやっぱり永遠の「娘役」なのだなあ、と思う。
どっちがいいとかじゃなくて。
アスカムの石丸さんとかアシュリーの涼風さんとかは、
(正しい意味での)役不足、って感じですが、さすがの歌唱力で耳福です。
貫禄もすごかったし、ヒロインの「導き役」としては適役なのかな。
悪役コンビ、禅さんと圭吾さんは、何て言うか、楽しそうでした…(笑)
生き生きしてた。
ベスを追い詰める悪巧み曲とかね、本当に楽しそうで。
面白い役だな~と思ったのが、フェリペ。
古川君、本当にカッコ良かったので、もうちょっと上手かったらな~と(贅沢)。
いや、役柄とビジュアルが好み過ぎるんです。
(ちょっと、「平清盛」の後白河院を思い出したのかな。ファンキーさが。)
フェリペ×ベスってのも、なかなかツボな組み合わせでした。
ストーリー上の惜しさで言うと、
ベスのピンチのほとんどがフェリペ君のおかげで切り抜けられるのは…
ちょっと彼の存在に依存しすぎ。ジョーカーは1枚しかないからこそ価値があるのでは。
(メアリ死後の対決をもっと引っ張ったら面白かったと思うのですが。
それこそ、アルマダの海戦の伏線になるわけですし。)
一番泣けたのは、姉メアリとのシーンです。
吉沢さん、多分、初めて見る方だったのですが、素晴らしかった。
(ダブルキャストのハマコ様も見たかったですが。)
彼女の怖さと、女王の気位、そして悲しさが、この物語の肝だったと思うのです。
「愛を知らずに」の場面はしみじみ泣けましたし、
そしてこの場面こそがメアリのみならずベスにとっても
解決編なのだと思えた。
…諸悪の根源はヘンリー王ですよね?(爆)
ベスがファザコンだから(「わが父は王」)マイルドになってますけど。
アンサンブルも素晴らしかったですし、
天球儀と傾いた時計?のセットも面白かった。(あの斜めっぷりは、役者さん大変でしょうが)
東宝キャストの中心で挨拶する花總さんを見るのも感慨深かったです。
伝説の娘役・花總まり。
残念ながら私が花總様を生で見たのは、宝塚における本当に終盤だけなのです。
「ファントム」、「ホテル ステラマリス」「レヴュー伝説」、そして「NEVER SAY GOODBYE」。
最後に生で見たのはたかこさんのコンサートですね。
その後、映像で、「エリザベート」初演、「あかねさす紫の花」額田女王、
「JFK」ジャクリーン・ケネディ、「激情」カルメン、「仮面のロマネスク」メルトゥイユ、
と、伝説の数々を目にし、いつの間にか私の中で「花總まり」は、
究極の娘役として神格化されていた節さえありました。
勿論、復帰後の「モンテ=クリスト伯」も「エリザ」ガラコンも見たい気持ちは
山々だったのですが…チケットと日程の関係で。
というわけで、たぶん7年ぶりぐらいの生・花總様です。
【レディ・ベス】
エリザベス(ベス):花總まり
ロビン・ブレイク:山崎育三郎
ロジャー・アスカム:石丸幹二
メアリ・チューダー:吉沢梨絵
アン・ブーリン:和音美桜
キャット・アシュリー:涼風真世
ガーディナー:石川禅
シモン・ルナール:吉野圭吾
フェリペ王子:古川雄大
…ダブルキャストしかチェックしていなかったのですが、
改めて見ると豪華キャストですね~
吉野さんは完全ノーチェックで、でもすぐにわかった(笑)
イギリス黄金時代を築いたエリザベス1世(ベス)の、即位をめぐる若き日の物語。
花總ベスは、王女としての「特別」感が物凄い。
国民が「レディ・ベスを王座に!」と決起するにふさわしい、気品とオーラ。
いや、このベスって難しい役だと思うのです。
若くて無力な小娘で。
でも王女としての気位が全てを支えていて、知性があって。
しかもあんまりまっすぐに理想を信じているのではなくて、
自らの出自にまつわるコンプレックス(生母が不義の罪で処刑されている)に
がんじがらめになっているという、何というか、
「めんどくささ」。
そのめんどくささ故に、感情移入できるキャラだったと思うし、
無力で浅はかな面があるからこそ、女王の自覚を持って覚醒した場面にカタルシスがあった。
ドレスの似合いっぷりは相変わらず凄いな。
相手役のロビンは、架空の人物。
山崎育三郎君、上手くてカッコ良くて、まさに王子様。
(ベストは身分違い設定ですが。)
いや、お花様相手に「王子様」になれる包容力は凄いですよ。
自己紹介ソングの「俺は流れ者」が、いい曲だな~と思って聞いていたのですが、
エンディングで再度メロディだけ流れたときに切なくて泣けた。
ベスの、生涯ただ一度の恋。
即位して栄光を手にしても、彼女が唯一手に入れられなかったものなんだなあと。
「心は君に」も素敵なデュエット。
不協和音の使い方が、ああ、シルヴェスター・リーヴァイだなあと(笑)
たっちんのアン・ブーリンの再現度が凄い。
「再現度」って言い方どうよ、って思うんだけど(笑)、
出てきた瞬間に「あ、アン・ブーリンだ!」ってわかるんだもん。
亡霊というか、ベスの心中人物というかはどっちとも取れる位置づけでしたが、
(クンツェ作品だと、トートとかアマデと同じような位置づけでしょう)
ベスが母の存在を憎み、母を嫌悪しながらも、潜在意識では母を求めて
彼女の影響下で生きているというのがよくわかった。
(首切り役人のイメージとセットというのも怖くて良し)
曲も多くて(「あなたは一人じゃない」とかいい曲ですね)耳が幸せ。
そしてたっちんと比べたときに、花總まりはやっぱり永遠の「娘役」なのだなあ、と思う。
どっちがいいとかじゃなくて。
アスカムの石丸さんとかアシュリーの涼風さんとかは、
(正しい意味での)役不足、って感じですが、さすがの歌唱力で耳福です。
貫禄もすごかったし、ヒロインの「導き役」としては適役なのかな。
悪役コンビ、禅さんと圭吾さんは、何て言うか、楽しそうでした…(笑)
生き生きしてた。
ベスを追い詰める悪巧み曲とかね、本当に楽しそうで。
面白い役だな~と思ったのが、フェリペ。
古川君、本当にカッコ良かったので、もうちょっと上手かったらな~と(贅沢)。
いや、役柄とビジュアルが好み過ぎるんです。
(ちょっと、「平清盛」の後白河院を思い出したのかな。ファンキーさが。)
フェリペ×ベスってのも、なかなかツボな組み合わせでした。
ストーリー上の惜しさで言うと、
ベスのピンチのほとんどがフェリペ君のおかげで切り抜けられるのは…
ちょっと彼の存在に依存しすぎ。ジョーカーは1枚しかないからこそ価値があるのでは。
(メアリ死後の対決をもっと引っ張ったら面白かったと思うのですが。
それこそ、アルマダの海戦の伏線になるわけですし。)
一番泣けたのは、姉メアリとのシーンです。
吉沢さん、多分、初めて見る方だったのですが、素晴らしかった。
(ダブルキャストのハマコ様も見たかったですが。)
彼女の怖さと、女王の気位、そして悲しさが、この物語の肝だったと思うのです。
「愛を知らずに」の場面はしみじみ泣けましたし、
そしてこの場面こそがメアリのみならずベスにとっても
解決編なのだと思えた。
…諸悪の根源はヘンリー王ですよね?(爆)
ベスがファザコンだから(「わが父は王」)マイルドになってますけど。
アンサンブルも素晴らしかったですし、
天球儀と傾いた時計?のセットも面白かった。(あの斜めっぷりは、役者さん大変でしょうが)
東宝キャストの中心で挨拶する花總さんを見るのも感慨深かったです。
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