赤ちょうちん

フロンターレサポでテニス初心者でしがないサラリーマンのボヤキ場

眠い

2007-01-30 18:03:03 | 日記
最近は寝不足。

それもこれも、Hearts of Iron 2 Doomsdayのせいだ。半年以上も前に発売されたものらしく、前から気になっていた。それが先週末辺りから急にやりたくなって、結局買ってしまった。遊べる時間が確保できるようになったのも、大きいかも知れない。

第二次世界大戦の時代を舞台に、選んだ国を発展させ軍備を整えて他国と戦うという、テーマ的にはごくありふれたシミュレーションゲームだ。ただ、他のゲームには無い特徴が多々ある。大抵のゲームは日・英・独・米・ソ辺りしか選べなかったりするのだけれども、中央アジア・アフリカ・南米・中東など、当時存在した全ての国を(多分)選ぶ事ができる。

また時間管理が比較的しっかりしており、一定時間(現実の時間で数秒)毎に1時間ずつ進んでいく形になる。その為、英国での午前0時は日本では午前9時だったりする。当然、GMT的に同時刻でも地域によって昼夜も変わるし、昼夜が変われば戦闘の結果も変わる。物資などの収支は、1日毎に行われる(多くのゲームは1ヶ月毎)。領土問題も国際戦争法規に比較的忠実で、占領すなわち領有ではない。講和条約で決めた内容が、正式に領有権に反映される。つまり領有と実効支配が別物として扱われている。

このゲームでは主に政略(外交・貿易・技術開発・生産)と戦略(軍事ユニットの配置・移動・大まかな命令)を決めて、戦術と戦闘はコンピュータが担当する。戦術はドクトリンという形での技術開発・司令官・地形・天候・時間・指揮系統の影響を受ける。部隊の回復は補給線の確保状況に応じてままならない場合がある。補給線は、ゲリラ戦を仕掛けてくるパルチザンの活動や補給線の有無の影響を受ける。その他、指揮や士気なども戦闘に大きく影響する。

で、私は当然の様に日本を選んだのだけれども、開始早々途方に暮れる。ゲームコンセプトからすると、普通に考えればどこかと戦争しなければならない。しかし1936年当時の日本はまだ政治的に中立で、英米とはそんなに仲が悪くは無い。なので、いきなり戦争突入という事態にはならない。だからといって、戦争せずに開発ばかりしていてはシムシティーと変わらなくなる。

ちなみに、勢力的には枢軸・連合・共産の3種類がある。どこに加入するかは自由。1953年時点で、加入勢力が最大勢力になっていれば勝利というものらしい。とりあえず滅亡しない事を目標に開始。

で、どこと戦争しますか?となると、米・ソ・中(国民党・共産党・その他数種類)の3択を迫られる。どれも選びたくない選択肢だ。ソ連は怖い。米国はもっと怖い。必然的に中国の各勢力と戦う事を決意する。この、当時と同じ判断を下してしまう辺り、良く出来たゲームだと感心してしまう。で、陸軍を中心に軍備を増強する。そんな折に2.26事件が勃発して鎮圧しますか?とか、日独伊三国同盟を結びますか?とか判断を迫られたりする。

2.26を鎮圧し、三国同盟を断り、盧溝橋事件で戦争を選ばず和平を選び、ノモンハン事件でソ連と不可侵条約を結んで、表向き平和主義者の皮を被りつつ、いずれ始まる日中戦争に備えて技術開発をひたひたと進めた。

始めたばかりの頃は、ゲームシステムがあまりにも複雑すぎて連敗を喫していた。中国の人海戦術が、相当手ごわいのだ。結局は、中国よりも高い工業力を生かし、強力な兵器を生産できるまで平和裏に事を運び、機を見て一蹴する作戦に出た。史実から大幅に遅れて、1943年に日中戦争勃発。

それでも、苦戦した。航空戦力の届く範囲では、近接戦闘機・戦術爆撃機で中国の指揮系統を混乱させ、兵站を襲って補給を断ち、陸軍で蹴散らすことは出来た。しかし中国は広い。航空戦力の届かない地域まで攻め込むと、途端に膠着状態に陥った。東シナ海の南西方向の辺りで、東西に戦線が伸びる。

思案した結果、歩兵・騎兵・戦車をバランスよく取り混ぜた数個師団を、上海近辺に上陸させてみた。すると効果てきめん。南北から挟み撃ちにし、敗走する中国(国民党)の部隊を包囲し、東部戦線を壊滅させた。一旦壊滅してしまえば、技術的な優位(≒兵器が強い)もあいまって押せ押せムードに染まり、1945年、つまり史実では敗戦した年に中国国民党が消滅した。その後、返す刀で弱小勢力に甘んじていた共産党を1年で消滅させた。気が付けば戦争開始から3年。ゲーム開始の1936年からだと11年の歳月を経て、中国大陸制覇の偉業を成し遂げた。

ゲーム時間の1時間を実時間の1秒で計算してみると、ゲーム時間の11年はなんと実時間の26時間に当たる。
実際は戦略等を考える為に途中で時間を止めているので、どれだけの時間を費やしたか気が知れない。ま、ゲーム開始当初は1秒で数時間経過し、途中からユニットなどのデータ量の増加の為か、1秒で1-2時間まで処理速度が遅くなるので一概に実時間を測れない。ただ、感覚的に30時間以上は費やしていると思う。

今はここまで。これから数日かけて、米国へ戦争を仕掛けようと思う。現段階では、米・ソのどちらかを相手にすべきなのだけれども、ソ連を相手にする場合、また陸戦になる。それはもう秋田。今度は海戦を経験してみたい。ま、ひっそりと遊ぼうと思う。えらい時間が掛かるものなので、じっくりと取り組もうと思っている。

で、今までのは「こんなに時間が掛かる事をしていましたよ」という説明。うっかり睡眠を削ってしまった為に「眠いのです」と言いたいが為の前振り。それだけ。

月曜の夜も結局これをやっていたので、今朝はとても眠かった。しかし、その眠気を吹き飛ばすべく、また、再来月に控えたフルマラソンの準備も兼ねて、今朝は新宿駅から会社まで走った。やはり健康が一番。決して、遅刻しそうになった為ではない事を強調しておく。

スケジュール発表

2007-01-26 12:13:01 | サッカー
ようやく、川崎フロンターレのオフィシャルサイトに、今シーズンのスケジュールが掲載された。

開幕の相手は、噂通りに鹿島アントラーズ。去年は勝率が良かった相手だけれども、強豪であることには違いない。ナビ杯のホームでは危なげなかったけれど、リーグ戦アウェイは相手が1人少なくなった訳だし、ホームでは審判が吉原の・・・(ry

ま、相手にとって不足ナシ。開幕から緊迫した試合が見れそうで、今から楽しみ。で、スケジュールを見てみると第5節辺りから8節辺りまでが前半の山場っぽい。他のチームも強いのだけれど、A大阪・H清水・A浦和・H千葉と、去年の上位陣がずらりと並んでいる。ふと気が付いたのだけれど、J1限定の話をする場合、昨季と違って今季はG大阪、C大阪などと頭にアルファベットを付けなくても通じる。単なる「大阪」という単語に、諸行無常の響きあり。

それはさておき、その山場前の第4節は、去年アウェイでやられた新潟だったりする。なのでこれも山場に付け加えてしまっても良いかも知れない。ふと見ると、第2, 3節は昇格組みが相手で、どんな試合になるのか楽しみ。と、なんとか言っていると、結局全部楽しみじゃんとかなりそうなので一旦停止。

去年は中断明けまで首位をキープし続けたものの、「上位と対戦していないから」「そのうち落ちる」などと揶揄されていたのを思い出す。それもこれも、「川崎が地味であること」と「実際に上位陣と対戦していなかったこと」のコラボレーション故。しかし今年は、前半の中ごろに対戦するので、ゴールデンウィーク前には今季の調子が分かってしまう事になる。楽しみなような怖いような。

2007年スケジュールには、見慣れた5つのタブ以外に「ACL」タブがある。クリックすると、当然の様にACLの予定が見れる。隔週で水曜に開催されるようだ。毎週ではない辺りに、人間の暖かさをかすかに感じる。

それでも選手には厳しいと思う。特に4/7:A大阪・4/11:A全南(韓国)・4/15:H清水の怒涛の3連戦。「修羅場3」を流用しても良いのではないかと思えるほど。まぁ、それを言ったら4/21:A浦和・4/25:H全南・4/29:H千葉も厳しいけれど。あ、何だか、GW前に調子が分かるどころか、本当に全てが決まってしまいかねない感じがしてきた。

まだまだ1ヶ月以上も先の話。それでもスケジュールが発表されると、そろそろ始まるんだ・・・という実感が徐々に沸いてくる。今年も良い成績を納めてくれる事を望む。

雑感

2007-01-23 17:34:23 | サッカー
気が付いたら、川崎フロンターレのオフィシャルサイトが色々と更新されていた。一番目を引いたのは、新加入のフランシスマール。

初めて見た時、フットボーラーというよりはボクサーだと思った。ミドル級辺りで、こんな感じの人がいそう。何か、凄味がある。攻守にわたって、左サイドに君臨してもらいたい。

次に「おっ」と思ったのは、オニ&ヤスの育成・普及コーチ就任とキンちゃんのトップチーム・アシスタントコーチ就任の話。昨シーズン引退した3人が、こういう形でクラブに関わってくれるというのは、とても嬉しい話。

なんというか、スポーツ界で終身雇用的な事をやるって珍しい。これもクラブのカラーというべきだと思う。いつぞやのJTBアウェーツアーで添乗員(名前失念)が言っていた、他のクラブから川崎は「部活的」といわれているとかいう話を思い出した。それくらいメンバーが固定していると。

で、更に読んでいて「うぉっぅ!」と思ったのは、ユースケの入籍。日付的には、前回覗いたときに発見していてもおかしくは無いのだけれど、見落としていたみたい。一瞬「移籍」かと思ってかなり焦ったけれど、直ぐにお目出度いお知らせだと理解した。

何はともあれおめでとー。これで丸くなってくれれば・・・と思ったりする。丸くなったら魅力が減ると思う人もいるかも知れないけれど。ま、日記「ミニゲーム」を読むと、なにか辛口コメントをしたそうで、人間そう変わるものではない事を指差し確認した。

キャプテン・副キャプテンは去年と代わらないので、取り立てて思うところはナシ。今年も頑張ってください。

オフシーズンだからと思って油断していたけれど、数日見ないと結構更新されている。「男子三日会わざれば・・・」という感じか。正にトップ画像の如く、「始動。」ということなのだろう。

追記:
憲剛のユニ表記がKENGOに変わった。驚き。


素振り

2007-01-22 18:04:36 | テニス
最初に整体治療を受けた後、私は自分でマッサージをしたり肩甲骨を回したり、あれこれと試していた。その甲斐あってか、近頃は調子が良くなってきている。

この前の土曜日にも治療を受け、その後自分でもストレッチなり何なり、考えられる事を続けている。まだ十分にほぐれてるとは言い難く、当面の間は仕事中も肩を回したりする必要を感じている。ただ、当初心配していた関節のずれとかでは無いのが分かっているので、これを続ければ治るという安心感はある。

それはそれとして、ラケットに対する感覚が、最近また変わり始めている。

ちょっと前までは、なんて軽いラケットなのだろうと思っていた。それが最近は、結構重いよね・・・という感じになってきている。多分、振り方が多少変わってきたのだと思う。ちょっと前に比べて、ラケットをくるっと回すような感覚が強くなっているように思える。以前もそういう部分はあったのだけれど、もっと強く意識し始めた事が表れているのだと思う。

そのくるっと回す意識を強く持てば持つほど、ラケットを「重たい」と思う感覚も強まる。私が使っているラケットはバランスポイントが340mmで、結構トップヘビーなのがものを言っているのだろう。で、その為かどうなのか、現在はスイングスピードが遅くなっている。

これ自体は、私の望んでいた事でもある。安定性を重視すると言う事で。ただインパクト後に、ボールに与える推力が弱いのか、ボールのスピードが遅めになる。ある程度仕方が無いのかも知れないけれど、この安定性を担保したうえで、もう少し打球を速くしたいと思っている。

そこで最近は、そういったことを意識しながら素振りをしている。最近雨がよく降るので困っているのだけれど、土曜は一瞬だけ雨が上がった隙に、軽く素振りをした。

当面目指しているのは、インサイドアウトで振って腕が伸びている最中はグリップエンドを先頭に突き出す感じで、スイングするというもの。当然、今までもそれを意識してきたし、ある程度は出来ているのかなとも思う。けれど今後は、更にキレを良くしたいと思う。くるっという感じを強く残したまま、よりキレのあるスイングスを心がけてピードを上げられれば・・・と妄想中。

現在は素振りをする際に、以前買ったバナナウエートを再び付け始めた。体を壊したくないので、そんなに勢い良くは振らない。でも、重みを感じる分、スイング中に面の向きなどのラケットの情報が良く伝わってくる気がする。気のせいかも知れないけれど。

あと重くなるために、慣性力に逆らおうとすると極端に体への負担が増える。お陰で、自然と慣性力を利用するような、自分の力を徐々に加算していくような(力積を増大させるような)感じで触れている気がする。気のせいかも知れないけれど。

そんな事をした上で日曜のレッスンに臨んだのだけれど、結果は相変わらずで残念。安定はしているのだけれど、やはり球のスピードが遅い。何だか、球を速くすれば安定性に不満を持ち、安定性を高めれば球の速度に不満を持つというジレンマはどうにかならないものだろうか。

ここはもう少し、バランスの調整とフィジカルの強化を図る必要があるかも知れない。そういえば、3月にフルマラソンが控えている。そろそろ準備を始めないと、27キロマラソンの比ではない壊滅的ダメージを被ってしまうのは目に見えている。

色々とやるべき事が山積していて、とても悩ましい。

KWSKフロンターレ

2007-01-19 18:05:42 | サッカー
1/14日に、川崎フロンターレの新体制発表会があった。

私の元には、残念ながら招待状が届かなかった。しかしオフィシャルページを覗いてみると、発表会の特設ページが設けられていた。とてもセンス良くまとまっており、相変わらずの仕事の質の高さに驚く。

目を引いたのは、今年の川崎フロンターレのキャッチフレーズ「One for Goal,Goal for One」。ラグビーの有名なアレのパクリ。武田社長がその意味を語ってくれた。One for Goal・・・選手1人1人が1点の為に必死になること。Goal for One・・・全ての得点はNo.1「優勝」の為に。

これは説明されてなるほどと思えるもので、今季の目標である「最低1タイトル」とも合致するし、上手い理由付けを考えたなと感心してしまった。それから引き続きMind-1もよろしくねとの事らしい。

あと、今回の補強ポイントを福家強化本部長が語ってくれている。曰く「GKとDFの連携」「サイド」「ACL・代表」の3点に絞ったとの事。GKとDFの連携は55失点を踏まえて、サイドは○魂退団を受けて、ACL・代表はタフなスケジュールになる事を受けて、それぞれ補強したとの説明があった。的確なポイントを簡潔に説明してくれて納得。

その後、関塚監督や新加入のメンバーから一様に「頑張りますので応援よろしく」とのコメントが載っていた。

不思議に思ったのは、「New Friends!」のページに載っていた新しいマスコットキャラ。アレは何なのだろうか。釣りの「浮き」を逆さまにしたような感じのキャラだ。隣に並んでいるカブとは、頭の上に緑の物体が乗っているという共通点がある。あの緑にはフロントの心を揺さぶる何かがあるのだろうか。

「We need your support...」のページが私の心に突き刺さる。まだ会員継続の手続きを行っていないので・・・。ま、当然の様に入会することは決まっているし、シーチケ購入も決まっている。SかAかで悩んではいるものの。今月中には加入しておかないとと思っているところ。

新体制発表会も終わり、徐々に今シーズンに向けて動き出したという感じがしてきた。春季キャンプも始まるそうだし。今シーズンはどうなるのか、今から楽しみだ。

水平ストローク

2007-01-16 18:00:37 | テニス
ここのところ、肩や首の調子がイマイチ。やはり一度整体治療を受けた程度では、劇的に改善しないものなのだろうか。何気に期待していただけに、軽くへこむ。

それでも言われたとおりに肩甲骨を回したりしている。少しは効果が出ているのかなと思える節もあるけれど、そう思いたいという気持ちが強く出ているだけかも知れない。

この前の日曜テニスレッスンは、整体治療を受けた後で2コマ連続で受けた。予定では体がほぐれて絶好調になるはずだったのだけれども、現実は甘くなかった。とはいえ、そんなに悪くも無かった。ま、普段通りといったところか。

そういえばその2コマ目のレッスンで、ボールを水平に飛ばすストロークというものを教わった。今まで習ってきたような、ボールにトップスピンを掛けて高い位置から落とすようなストロークは、一通りできるようになったと判断されたようだ。あとそれと、今までお世話になってきたコーチは大学卒業&就職の為に、今月一杯で引退する事になっている。その前に教えられるものを教えておこうと思ってくれているのかも知れない。

で、その水平に飛ばすストロークというのは、気持ち上から下に叩くような感じでラケットを振り、ラケットヘッドもあまり落とさない様にするらしい。実際に下へ叩きつけたらネットになるので、あくまでも従来のストロークからの相対的な感覚ということで。

何回かやってみて、そのうち1-2回成功した。成功したときの感覚さえ掴めれば、あとは反復練習で成功率を上げていけると思っている。今はまだ、ネット上辺の白いベルトのところにペチペチと当ててしまう事が多いけれど。

で、その練習をした事により、従来と今覚えている2つのストロークの使い分けについて考えはじめた。その結果、ボールが高く弾んだ場合は今覚え中のもの、そうでない場合は従来のもの、という風に使い分けたら良いのかなと思った。低いボールだとネットになるので、どうしても高いボール専用といった感じになってしまう。でも、ボールを掴む感じで打つのなら、少しくらい低くても大丈夫かなとも思える。その辺りどうなのか、今度コーチに聞いてみようと思う。

それにしても、また最近テニスが雑になってきたような気がする。もっと良くボールを見て、引き付けてから打たないとまずいのに、待ちきれずにボール一個分くらい打点が前になっている気がする。こういうのって、定期的に訪れるのだろうか。ちょっと気を抜くと、すぐこれだ。自分のことなのに、思い通りにならずに歯がゆい思いをする今日この頃。

逆に打点さえ間違わなければ、安定しているともいえる。コーチからも、距離が合った時はいい球を打っていると言われる。「打点さえ間違わなければ」「距離が合った時は」などと、条件が付かなくなるように、今後も練習に励んで行きたいと思う。

WE その4:運用に関する共通認識の構築

2007-01-15 18:41:53 | 時事問題
今回はホワイトカラーエグゼンプション(WE)その4、運用について。

WE導入の建前として、ホワイトカラーの処遇を労働の時間ではなく役割や成果で決めるというのがある。である以上、各労働者の成果を検証する場が必要になってくる。つまり、固定給にしろ成功報酬にしろ、その額を決める際には必ず「成果」を吟味しなければ、WE導入の建前が実現されることは無い。

で、実際にはこれが意外と厄介なのだ。売り上げや利益など、お金で推し量ることが出来るのならばどんなに楽か。例えば営業が100万でとってきた仕事を、様々なコストの合算が80万で、目出度く納品し、会社が20万の利益を上げたとする。

この時、仮に営業の「成果」を100万として、その100万が高いのか安いのか。本来150万でとってくるべきだったとすれば、マイナス評価になる。逆に80万でしかとってこれなさそうだったとするなら、プラス評価になる。

コストの部分(製作などを担当する側)も同様に、普通考えて100万は掛かるところを80万に抑えたと見るのか、60万で十分できたのに80万かかったと見るのかで、評価は分かれる。要は、期待値との差分がどうなのかという話が必ず出てくる。結構、すったもんだのやり取りをやろうと思えばやれるくらい、ものは言いようの世界になる。

挙げた例では利益をだしているから、それ程醜い争いには発展しないかも知れない。しかし赤字になった場合の責任のなすり付け合いが加わると、果たして冷静な評価が下せるかどうか。更に言えば、評価者による評価の甘辛も無視できない。

これをなるべく回避しようと思うと、事前の意識摺り合わせが必須になる。コストは最低でも幾ら掛かりますよ、と、関係各位に周知しておく必要がある。同様に目標売り上げは幾らですよ、というのも。そこをあいまいにしておくと、後々揉める火種を抱える事になる。

とはいえ、完全に公平な評価は臨むべくも無いことを念頭に置く必要がある。にも関わらず、経営者サイドが抽象的な概念や奇麗事ばかりを並べてきた場合は、注意が必要だと思う。ある程度冷めた考えで、提言の具体的内容を理解し、実際の運用時には建前通りにならない事を覚悟しておけば、変に言いくるめられる事も無いだろう。

個人的な経験で言えば、相手がテンポ良く持論を展開している時に、軽く水を差すような事を言うだけで、ご都合主義な意見は言いづらくなる。ま、それは睨まれる事を覚悟の上でという事になるだろうけれども。

で、仮に事前に認識をあわせていたとしても、その認識が正しいのかどうか検証できない。実際の仕事では、正式に受注する前に見切り発車せざるを得ない場合もあるだろうし、仕様があいまいのまま作業を進めなければならない場合もあるだろう。途中から話が変わっていく場合も。結局WEのいう「役割や成果で処遇を決める」というのは概念上の話であって、実態を見ればここ数年の流れである成果主義から数歩も離れていない。ちなみに「提言」では、仕事の成果を賃金に反映させる制度を導入している企業は55%で、3年以内に予定しているのは27%となっている(P7)。

その一方で、当期の売上高と言うのは時間が経てば必然的に求まってくる。で、どう考えても、給料はその売上高と無縁ではいられない。例え同じ仕事をして同じ成果を挙げても、会社全体の売上高が違えば、手にする給料も違ってくる。赤字を出した部署の社員から徴収できない以上は、そのしわ寄せを他の社員全員が受ける事になる。

ここら辺を調節する為に、例えば評価を5なり10段階で決め、各段階で幾らになるのか給与テーブルを作成してそれに当てはめて額を決めるという、マッピングなどをする必要がでてくる。この例は成果を絶対的に決め、売り上げとの相対で額を決めるという方式だ。ま、評価を絶対的にとは言っても、部署間で調整などが入れば相対的になってしまうのだけれど、それは言葉のあやと言う事で。

で、既に導入している企業は、今まで述べたような事を実際に行っていると思う。形は千差万別だろうけれども。これらの企業は既に下地が出来ていて、あとは従来残業手当に充てていた部分の分配法を決めるだけだ。

導入していない企業は、上記部分に関してどうするのか、話を詰める必要がある。こういった話を抜きにWEを導入する場合、既に破綻(若しくは事実上の賃下げ)が目に見えているからだ。で、導入が決まったあとは、前述と同様に従来残業手当に当てていた部分の分配法の話になる。

この分配法を考える際に「事実上の賃下げとしない」事を考慮すると、売り上げと人件費の相関関係を決める事になると思う。「現在の人件費総額を変更せず導入する」とか「売り上げの○%(現在の値)を(導入後の)人件費の総額とする」の様に。また、直近3ヵ年の平均を用いたりする事により、極端な変動を避けることは考えられる。あとは、別途改定を何年おきに行うかの合意も必要になるだろう。

成果で処遇を決めるので、個人差が出てくるのは仕方が無い。である以上、事実上の賃下げか否かの判断は、現状をベースにした人件費の総額(若しくは売り上げに対する人件費の割合)に拠るしかなくなる。まずはここが保障されて、初めて賃下げではないと言い切れるようになる。

更に気をつけるべきことは、提言でも触れられている「拘束時間の上限」について合意を得ること。給料が同じでも労働時間(拘束時間)が増えれば、時間当たりの単価が下がり、事実上の賃下げになるからだ。「労働時間」という概念が消滅する変わりに、「拘束時間」という概念を持ち出す。

で、それらの大枠が確定した後で「固定給のみ」「固定給+成功報酬」の話が出てくる。この違いは、利益分配の「粒度」によって変わってくる。全社員を運命共同体的に見立てて、同じ基準で評価したい場合は前者、計上される各売り上げ別(プロジェクト、部署、商品や顧客別など)で評価が異なるようにしたい場合は後者になる。

各部署の独立採算制を導入したり、FA宣言して他部署に自分を売り込んだりできる制度を導入している場合は、後者の方が親和性が高い。ま、ここまで来ると、各企業の経営者と社員が「どう考えるのか」に強く依存してくることになるとは思うけれど。

と、概ね書く事は書いたのだけれども、運用とはいえそれも制度と密接に係わっている事が分かる。例えば人件費総額の決め方を現状と同額とするのか、比率を同じとするのか等。成果に関して明文化しなくても、暗黙の了解という形を取る事により、事実上の制度とみなすことも出来る。とはいえ、これらは制度の運用法の共通認識を労使間で予め構築しておくという意味で、運用とみなした。

交渉の中で、賃下げになりそうな方向へ話が進んだ場合、今までに挙げたポイントを提示すれば、反応で相手の考えている事が何となく分かってくる。基本的な対応としては経団連の提言を良く理解しそれをベースに話を進める。その上で「成果の評価法」「人件費の総額」「拘束時間の上限」その他にも産業医などの話も提言には出てきているが、詰めるべき話を詰めていく。

その様にして初めて、理性に基づいて建設的な主張が出来ると考えている。最後にまとめのエントリを入れようかと思っていたけれど、何だか今回でまとまってしまった様な感じがするので、これにておしまい。また何か思うことでもあれば、追加するかもしれないけれど。

今回のまとめ:
・提言の内容を良く理解し、それをベースに話を進める
・成果の評価法、人件費の総額、拘束時間の上限について話を詰める
・抽象的な概念や奇麗事を連発されても、混乱しないようにする
・どれだけ話を詰めても、その通りに事が運ばない覚悟は決めておく

整体治療

2007-01-14 22:12:03 | 日記
ホワイトカラーエグゼンプションの話は少し置いておき、軽く雑談をば。

今日、生まれて初めて整体治療というものを受けた。部屋から徒歩5分以内の場所にある治療院で。

私は重度の肩こりで、どこか背骨がズレているのではないかと思えるほどの痛みがある。テニスのストロークで左手を引いてから打つようになってから、調子が悪化したみたい。

それまでの整体のイメージは、イカツイ先生が患者の体に力を加えて、体中の関節がバキバキと音を立てるというものだった。少し怖くて遠慮していたものの、今の痛みが消えるならと、通う決心をした。

しかし拍子抜けするくらいに音が鳴らず、痛みも無かった。ほとんどマッサージといった感じ。先生の話では、筋肉が硬く、強烈なコリがあり、神経が圧迫されているとのこと。

長年かけて出来上がったコリなので、一度の治療で解消することは無いと、暗にまた来いと言われた。とりあえず来週も通うつもり。

ついでということで、体のバランスも見てくれた。その結果、右肩が前に出て、右足が短く、右の骨盤が開いているとのこと。金かけて治すほどのものでは無いそうで、軽い体操を教えてもらった。どうせ治しても癖や行動が変わらなければ、再発するそう。

治療を受けた結果、体が軽くなった気はするけれど、痛みはそれほど和らいでいない。針治療を薦められたり、本腰を入れて治さなければ治らないのかも知れない。

その後テニスレッスンを2コマ受けたのだけれど、調子は普段と変わり無かった。

WE その3:雑感

2007-01-11 20:04:48 | 時事問題
ホワイトカラーエグゼンプション(WE)に関する考察その3。今回は、前回挙げたWE導入時に採られる可能性のある賃金形態「固定給」「固定給+成功報酬」について、運用面で考慮すべき点についてまとめてみたいと思っていた。

しかしその前に、私の基本的な考え方とか価値観とかいうふうな雑感を幾つか。本当はこのシリーズのまとめで書こうかと思っていたのだけれど、後に延ばすと「夢オチ」級の悪手になりかねないと思ったので、今回、"雑談"する事にした。

ちなみにWEに関する一連のエントリで言う「提言」とは、経団連のWEに関する提言のことを指す。

私はこの一連のエントリを「自分のために」まとめている。直ぐに法制化されるとは限らないものの、WEそのものに反対を唱えている人は少ない(多くは時期尚早という点で反対している)ので、いずれは導入されていくものと考えている。

で、日本社会全体がこういう流れである以上、感覚的・感情的に「賛成」「反対」と単に唱えるだけでは、経営者に相手にされない(別の人が建設的な意見を言ったらそっちに耳を貸すし、その意見に自分が納得できるとは限らない)。

実際にWEが導入された場合、各企業毎に労使間の協議が行われるであろう(当然、私の勤め先でも)から、その場で少しでも(出来れば労使共に)有利になるような、建設的な提案を行った方がより良い環境で働けるようになると考えている。ちなみに提言でも、労使間の取り決めを尊重するという方向で書かれている。

その際に、従来よりも状況が悪化するのが確実な場合でも、交渉した方が良い。つまり、最終的な選択肢が「悪い」「とても悪い」「最悪」だとしたら、その中から「悪い」結果に落ち着くよう努力すべきだ、と。「とても悪い」「最悪」を回避する手段として有効。

で、これは例えば選挙に関しても、同じスタンスで通している。時々「まともな候補がいないから選挙に行かない」という人がいるけれど、それは私からしてみれば夢見る少女の意見。私は、政治家になろうという人にまともな人がいるとは思っていない。候補者は全て海千山千の存在と考えて、その中で「とても悪い」「最悪」を除外するという考えで投票している。

話をWEに戻して、「残業代ゼロ」という言葉に国民(マスコミ?)が強く反応しているだけで、WE導入が本当に固定給で長時間労働を強いるのかどうか、疑問に思っている部分がある。理由の1つは、提言の内容。もう1つは、企業の利益になるのかという問題。人件費削減(生産性向上)の為に、長時間労働を強いると言うのが果たして妥当な方策なのだろうか、と。

単純に考えて、人件費を削減したいのなら賃金を安くすれば良い。人件費をそのままに生産力を増強したいのであれば、削減した分で人を増やす事だって出来る。

人を倍に増やしたからといって、出来ることが倍になるわけではない。しかし労働時間を倍にしたからといって、出来ることが倍になるわけでもないのだから、人件費削減や(長時間労働を強いての)生産力向上を目的としたWE導入が合目的的か疑問。どの道、経営者が本当に人件費を削減しようと思えば、他の手を使っても(WE以外でも)実現するだろうという思いもある。

提言を読む限りでは、経団連の考える「労働時間規制の適用除外」とは、深夜残業に関する適用除外に限られている(P18)。その箇所の変更が労働基準法の41条「労働時間等に関する規定の適用除外」である為に、「労働時間規制の適用除外」と言っているのであろうけれども、これは時間制限無しに働かせられるという印象を与える。

「労働時間"帯"規制の適用除外」と言った方が、内容に合っていると思う。例えば海外に子会社がある場合、子会社の現地で「昼」は、日本の「夜」に当たるかも知れないから、夜でも普通に働けるようにしましょう、と(海外云々の似た話は提言P13にもある)。

その言葉を額面通りに受け取れるか否かだけれども、別途P15-16で、「一定期間内の在社時間や拘束時間の上限を取り決め、その時間を超えないようにする」と総量規制(懐かしい響き)めいたものがあるので、「9-18時の拘束がOKなら21-6時の拘束もOKじゃない?」という事を言っているように読める。

重要なのは、P16最後の「このように、ホワイトカラーエグゼンプション制度は、原則として各企業の
労使で適用業務や職務を取り決め、労働時間規制にとらわれない裁量的な働き方を実現しようとするものである。」の一文かなと思える。

どうやら総労働時間が増えるといった話ではなさそうだし、一方的に企業が変更できるというものでもなさそう。そうすると、「マスコミの煽りは何なのだ」となるのだけれども、彼らのアレは今に始まったことではないので仕方ないのかも知れない。

確かに残業手当は(深夜・休出手当ても)無くなるのだけれども、「その分、固定給を増やしてよね」と労使間協議の場で言えば良いだけの事の様な気もしてきた。ま、世の中には法を知らない経営者(社員並みに働くバイトの有給休暇を認めないなど)もいるし、これを口実に経営者の都合の良いようにしてしまおうと悪巧みする経営者がいないとも限らない。

いずれにせよ、ツボを押さえていれば交渉の場で不当に不利な状況に陥ることは無くなる。何度も言うけれど、人件費を削減したいのなら経営者はWEとは無関係に削減するので、WE関係で過度に反応する必要はなさそう。

と、ここまで書いて、何だか結論出たっぽいかなと思えてしまって困る。ま、交渉事がある時点で、「その分、固定給を増やしてよね」を経営者にどう呑ませるのか、方策を考える必要はあるのだけれども。

そういう意味でも、次回に「固定給」「固定給+成功報酬」の運用面について考えをまとめたいと思う。まとめというか、交渉の場で「ああいえばこういう」為の引き出しを作っておくというか・・・そんな感じになるかも知れないけれど。

今回のまとめ:
1.導入時に対応できるようにしておく必要はある
2.しかし、過度に反応する必要は無い

WE その2:賃金形態

2007-01-10 17:35:07 | 時事問題
ホワイトカラーエグゼンプション(WE)に関する考察その2。今回は導入する際の賃金・評価形態に関してまとめていきたい。

具体的には、前回の最後に書いた「請負制の問題」「固定給+成功報酬」の2形態について考えてみる。

まずは請負制の問題。最大の問題は、会社が社員に仕事を割り当てない場合、給料を支払う必要が無いという事。現在は事実上、雇った以上は社員の仕事を賄う義務が会社に生じる。しかし完全な請負制では、この義務が自動的に消滅する。若しくは著しく価値が低い(誰でも出来るような)労働を意図的に割り当て、給料を低い水準に置くことが出来る。

これは通常の社員に対して用いられるケースは稀だろうけれど(企業の利益に結びつかないという意味で)、リストラに準ずる措置として考えれば有効な手段となる。特に鬱病・出産などで休職を経て復職した人などに対して用いられる可能性は大いにある。

それに企業によっては「夏場は忙しい」「年末は忙しい」「年度末は忙しい」と、特定の時期に人が必要になるケースがある。それ以外は、「仕事がありません」と言い出すことも考えられる。こうなってくると使い方としては、派遣社員に対するそれと似ていると思う。

このように突然仕事が来なくなった場合の事も考えて、労働者が保険を掛けられるようにする必要性を感じる。その保険とは、社員が複数の会社の社員になれるようにする事。仕事の供給先が複数あれば、それだけ安定性が増す。

ここで注意が必要なのは、WEを導入している企業のみが掛け持ち対象となる事。WEを導入しない、従来の賃金形態の企業にとっては、社員が別企業と掛け持ちするのは望ましくない(だから現在の様な法制度になっている)ので、WEを導入しない企業を掛け持ちにすることは出来ない。

で、それを理解した上で請負制を導入するというのであれば、労働者側が複数企業から提示された仕事を取捨選択し、どの仕事を優先させるのか判断する事になる。これは、従来の「正社員」ではなく、「個人事業主」といった概念が当てはまる。こうなると形としては「あり」なのだけれども、これ以上はWEの枠組みで議論するのではなく、企業と個人事業主と言う関係の中で議論すべき。

それにWEの枠組みで議論したとしても、企業としては正社員ではない(一般論として)短期で入れ替わる(可能性の高い)労働力に依存することは、業務の連続性や機密保持の観点から望ましくない。請負という形態自体は悪くは無いものの、WEとは相性が悪いように思える。結局、サラリーマンと請負制とが馴染まないのだろう。

で、これらを踏まえた上で更に検討すべき事が1つ。個人も企業もそれぞれの利益の最大化を図るので、上記の選択肢の長所をある程度残して短所を減らした形について。それが「固定給+成功報酬」。上記の請負制の問題点を解決する方策として、仕事が無い場合でも固定給を支払うという考えもある。その流れで「固定給+成功報酬」という形に辿り着くことも考えられる。

固定給を支払って企業と労働者が従来の雇用関係を続けることにより、企業側にとっては業務の連続性・技術の類似性に対応できるようになり、労働者にとっては生活の安定性が保障される。一方で成果に応じた成功報酬を支払うことにより、労働者の「残業」(WE導入後は残業という概念が消滅する)に対する意欲を生み、「労働の対価を時間ではなく成果で決める」という建前をある程度現実に反映できる。

この場合、企業側は損失が発生するリスクを背負うことになる。が、それは現在でもいえる事なので、大きな問題とは言えない。また当然、成功報酬については、事前に協議が必要になる。

この「成功報酬」を「ボーナス」に置き替えると、現状から残業手当を廃止したものと同じになる。しかしボーナスは期間で支払われるものに対して、成功報酬は1まとまりの業務単位に対して支払われるので、完全に一致しない。またボーナスは基本給○ヶ月分の様な算出方法が一般的なのに対し、成功報酬は個別の事前協議の上で決定される。

この段階で、WE導入後の賃金形態は「固定給」「固定給+成功報酬」の2種類に絞られたと見ている。「固定給」は理論上矛盾しているし、良い選択肢だとは考えていない。しかし提言を読む限りでは、排除できない選択肢であることに変わりは無い。

ここまでの流れ:
ホワイトカラーの労働は時間ではなく成果で量るべき

だったら月給制っておかしいよね

じゃぁ請負制は?

それって個人事業主

成果は報酬という形で評価すれば? ← 今ここ

と、ここまで考えて、企業に属する形の個人事業主もあるのでは?と思った。社員と個人事業主とが相反するようなイメージなので盲点だったのだけれども、保険のおばcy・・・おねーさんがそれに該当したと思う。一般的には保険外交員というらしい。

保険外交員に関して良く知らないのだけれど、感触としては「厳しい」と思う。40代の保険外交員との何気ない会話で、その保険外交員が一度も人間ドックを受けたことが無いのを知ったときは、ショックを受けた。業務内容もさることながら、社会保障面でも厳しいだろう。

考えてみると、ノルマなどを課せられて時間より成果で評価されて残業手当が無い事も、専門知識を必要とする専門職である点も、提言の内容と一致している。いきなり多くの正社員が、ある日突然個人事業主扱いになるとは考えにくい。しかしWE提言で求められている事が、既に業種によっては実現されている事実が周知されれば、その様な方向に収束していくようにも思える。付き合いのある保険外交員に、暇を見て質問メールでも投げてみるかな・・・と。

それはそれとして、どんなシステムでも、制度と運用の2側面がある。今までは賃金形態から見る制度面について考えてきた。次回は、「固定給」「固定給+成功報酬」の運用面について考えてみたい。この二つは似ているようだけれども、違う部分があるので、今のところ別物として扱いたい。

今回のまとめ:
1.サラリーマンに請負制は馴染まない
2.固定給+成功報酬という形は、現状からの移行が容易
3.固定給のみというのも、根強い選択肢
4.保険外交員の形が理屈の上では合致している