*** june typhoon tokyo ***

FC東京×磐田@味スタ

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 劇的!ジュビロキラー健在。

 スコアレスだった前半とは打って変わって後半に両チーム合わせて5得点が生まれたゲームの結末は、磐田戦に殊に相性がいい赤嶺のロスタイム逆転ヘッドで東京が勝利した。

 課題点は数多くあった。前半半ばまではほとんど磐田の攻撃の時間が長く、東京は相手ゴールへもなかなかいけない。やはり、ボールを動かすためには人が動かなければ、ボールを呼び込んでもすぐにプレッシャーにあう。細かなパスを繋いでスペースを作ったり連動するスタイルは、いかに動くか、なのだ。ただ足元へのボールを多く繋いだところで、アタッキングサードまではボールを運べても、プレッシャーにあうと手詰まりになってボールを奪われるか、バックへボールを戻してしまうことになる。今日は、磐田も中盤でのミスが散見されたので、前半はお互いがテンポのよくないサッカーをし合っていた感じだった。ただそれでも、30分過ぎになると、東京も攻撃する回数が増えてきていた。イ・グノと前田を抑えてはいたが、少々間延びしていたところも。羽生はよく動いていたが、それ以外に積極的に動く選手は見当たらなかった。

 後半は徐々にいい形を作れるようになり、ゴール前で平山がつぶれ役となって流れたボールが石川のところへきて、コントロール・シュートが決まり先制。だが、2分後に権田のキャッチミスから前田に押し込まれてしまう。さらにCKからフリーのイ・グノにヘッドを決められ逆転を許してしまう。権田のキャッチミスは、これはもう練習してミスを少なくするほかないのだが、それ以前にピンチの状況を極力作らないというリスクマネジメントをチームでケアしていかなければならない。やすやすとCKを与えたのはどうだったのか、なぜイ・グノがフリーなのか。また、得点直後の失点という課題をどうしたら克服出来るかを、集中の意識をどう保つかをもっと突き詰めていかねばならないだろう。
 
 これまでならこれで意気消沈し、悪い流れのまま終わるということが多かったが、石川と鈴木を下げ、中村と椋原を入れて、長友をサイドハーフにする戦術が奏功した。それまでも左サイドからゴール前へボールを供給していた長友だが、いっそうゴールへの執念をみせた。途中出場の中村が米本からのバウンドパスを1テンポおかずにゴール前の平山へニアにボールを放り込むと、平山と競ったキーパーが弾いたボールを巧く押し込んで同点弾を決めた。戦術ももちろんあるが、こういう打ち合いに近い展開になると、最後は気力や集中力となる。下を向かずに弱気にならずにどれだけいけるか、これが大切だ。
 この同点弾でスタジアムの空気も変わった。ロスタイムが4分を示すと、決められるというムードがどことなく漂ってきたというのは、会場にいたサポーターは少なからず感じたはずだ。
 劇的な演出は、またも長友から。質のいいクロスを左からゴール前へ放り込むと、相手DFがニアへ詰めた平山に釣られたのか、赤嶺がフリーでヘッドを決めて逆転。チームにとっても赤嶺にとっても大きな決勝点となった。

 この試合で勝った意義は非常に大きい。それは認めるが、相手の磐田も決して調子がいい、巧みなサッカーをしていた訳ではなかった。むしろミスによってこちらがセカンドボールを奪えたり、後半はズルズルとラインを下げていたりしていた。両チームの失点は、多くが相手の巧みな攻撃から生まれた失点ではなく、集中力や意識の欠如によりほころびが生まれたものだと解釈しなければならない。この勝ちがすぐに通用するほど上位は甘くない。

 とはいえ、気持ちの上で泥臭いながらもこのような試合で勝ち点3を獲れたことは評価したい。野球では、投手は(調子が)悪いなりのピッチング、というのがある。調子が悪くとも要所を抑えてリスクを最小限に抑えれば、勝つ確率は高まるのだ。カボレの抜けた穴、控え選手の起用方法など、これから(も)磐石の態勢でゲームに入ることは稀だろう。カード累積による出場停止もある。そんなチーム状況がめまぐるしく変わっていくなかで、悪いなりにもいかに勝ち点3を奪っていくか。そこを突き詰めて残りの試合に臨んでもらいたいものだ。


◇◇◇

2009 J1 第27節

FC東京 3(0-0、3-2)2 磐田

【得点】
(東):石川(後半17分)、長友(後半37分)、赤嶺(後半44分)
(磐):前田(後半19分)、イ(後半25分)

会場: 味スタ
観客: 21,512人


≪STARTING LINE-UP≫
GK 20 権田修一
DF 25 徳永悠平
DF 04 ブルーノクアドロス
DF 06 今野泰幸
DF 05 長友佑都
MF 10 梶山陽平
MF 28 米本拓司
MF 18 石川直宏 (→ 後半30分、中村)
MF 22 羽生直剛 (→ 後半27分、赤嶺)
FW 13 平山相太
FW 40 鈴木達也 (→ 後半30分、椋原)

≪SUBSTITUTION≫
GK 01 塩田仁史
DF 02 茂庭照幸
DF 33 椋原健太
MF 07 浅利悟
MF 08 藤山竜仁
MF 14 中村北斗
FW 24 赤嶺真吾

≪MANAGER≫
城福浩

◇◇◇

 磐田のDFには、ちょうど石川とマッチアップする形で金沢がいた。移籍して1ヶ月での対戦となったが、レギュラーで出場していたのを観て、これは(古巣に戻って)よかったんだと思う。平山に吹っ飛ばされていたけど。(笑)
 試合前にゴール裏に挨拶しにきたりして。東京サポもスタメン発表の時は拍手。試合後も金沢コール。まぁ、ブーイングする理由はないからね。

 ゴール裏のチャント。試合開始から“バモ東京~バモトキョー”という新しいチャントを歌っていたのだが、この曲がどうこうっていうより、バカの一つ覚えみたいに延々とチャントを繰り返していて、ハッキリ言って興ざめ。20分以上ずっと繰り返してたんじゃないだろうか。別にあれこれチャントを次々と繰り出せ、なんてことをいうつもりはないし、1つのチャントを長めにするっていうスタイルがあってもいいとは思う。ただ、同じことを続けるのは集中力も切れる訳で、そのあたりのバランス加減を考えないと、チャントもサポーターの意気を殺いでしまい、逆効果になってしまうのではないかと。
 ゴール裏はもちろん盛り上げよう、心底応援するためにやっているとは思うが、それが自己満足に成り下がれば、周囲の雰囲気も悪くなるということを考えて欲しいところ。

 それにしても赤嶺。なんでこんなに磐田に強いんでしょうかねぇ。(笑)

 相手GKは負傷の川口に代わって(初先発?)の八田。飛び出しやキックなどを見ていると、川口だったら石川や長友のゴールも入っただろうか、とちょっと思ってしまったナ。 
 
 

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