*** june typhoon tokyo ***

Nao Yoshioka@タワーレコード新宿


 

 9月21日にメジャー2作目、通算3作目となるアルバム『The Truth』をリリースした大阪出身のソウル歌手、Nao Yoshiokaのインストアライヴが開催されるとの話を聞きつけ、久しぶりの生Nao声を味わいにタワーレコード新宿店へと足を運んだ。
 タワーレコードは2013年の1stアルバム『The Light』をバイヤーイチオシ企画“タワレコメン”にピックアップしたり、2015年の前作『Rising』では“タワーレコード限定盤”を同時リリースするなど懇意の間柄。今作『The Truth』でもボーナストラック2曲追加のタワーレコード限定盤をリリースしている。今回のタワーレコード新宿でのインストアライヴが各地を巡って来たインストアライヴの最後ということで、ひと際感慨深い様子だ。

 盟友のキーボーディスト、小林岳五郎が奏でるメロウな音に後押しされ、表現力に富む圧倒的な歌唱力を披露するNao Yoshioka。タワーレコード新宿のインストアライヴにて大音量を出力するバンドやアーティストはこれまでにもいたと思うが、肉声でフロア内に響き渡るほど圧倒するというのは彼女くらいなのではないか。これまでの経験を歌声へと積み重ねたような滋味豊かなパフォーマンスは、インストアライヴとは思えぬほど。約40分のステージではあったが、あっという間に惹き込まれ、時間が過ぎていった。

 今作はこれまでとは多少色合いが異なる要素も採り入れ、R&B、特にネオソウル作風が多い印象。今回のステージでも披露した冒頭曲「Borderless」をはじめ、「Freedom & Sound」「Beautiful Imperfections」などはジル・スコットやアンジー・ストーンあたりが好物なリスナーにはきっとハマるのではないかと感じた。「I Love When」などでは以前のソウル色もしっかりと残し、転調が印象的な近年のアンビエント的なアプローチも窺わせるエレクトロニックなR&B「Spark」も面白い。

 「アンコールの拍手をされると出てきてしまう」と言って再びステージインしてのアンコールはデビュー曲の「Make the Change」を。オーディエンスとの“ハンズアップ”を愉しみながら、心地良く優雅な時間は終了。11月24日に迎えるツアー〈The Truth Japan Tour 2016〉のファイナルとなる赤坂BLITZ公演へ向けて、いい足掛かりとなったのではないだろうか。



◇◇◇

<SET LIST>
01 Borderless
02 Freedom & Sound
03 The Truth
04 Beautiful Imperfections
05 I Love When
06 Spark
≪ENCORE≫
07 Make the Change

<MEMBER>
Nao Yoshioka(vo)
Takegoro Kobayashi(小林岳五郎)(key)



◇◇◇












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