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*** june typhoon tokyo ***

湘南×FC東京

■ ミスミス勝ちを逃す痛い逆転負け

 湘南は前節の鹿島戦の反省からか、立ち上がりから“気持ち”を見せたプレーで迫ってきた。FC東京に縦パスを入れさせないことを主軸に置いたのか、前線がファースト・ディフェンダーとして、最終ラインや中盤の底からの横パスなどに積極的にプレスを掛けていくというテーマをブレなくやってきていた。ボールの支持率としてはFC東京の方が上回っていたかと思うが、どちらかというとボールを持たされている内容で、あまり効果的な攻撃を展開するところまでにはいかなかった。湘南の粘り強さに屈したとまではいかないが、東京がバイタルエリアあたりから攻められずに焦れていると、そこでボール奪取をした瞬間に、攻撃へのスイッチを入れるということを湘南は繰り返していて、東京としては自身の焦りから主導権や試合の流れを難しくしていた。

 それでも、湘南の攻撃は驚異的なものとまでは映らなかったが、東京は自陣に攻め込まれる回数が多くなってくると、エリア付近でクリアとも跳ね返りともつかないルーズボールが湘南の高山のもとへ転がり、思い切ったシュートを決められる。このゴールが前半の試合を柔軟性が欠如したものとしてしまった。

 ただ、得点差は最少の1点。後半の入り方や戦術変更でいかようにも対応出来るという、ある程度の見当はコーチ・スタッフ、選手たちともにあったと思う。相手はこれまでに1勝(しかも勝利したのは最下位の大分)しか挙げられず下位に低迷している湘南。90分フルに前半と同様なプレスが続くとはなかなか考えられない。攻略の糸口はいくらでも構築出来るはずだ。そして、それは相手をどのように狂わせるかではなく、自分たちがどのように修正して自分たちのサッカーをやり切れるかという至極、単純なことだった。

 事実、前半とは異なり、東京に攻撃するチャンスが増えてきたのは、湘南が徐々に受身になりかけて自陣へ引き気味となることからだった。そして、後半の立ち上がりの比較的早い時間帯で、左サイドからの太田のFKが直接ゴールインするというラッキーな得点が生まれ、それからほどなく渡邉の技ありの浮き球シュートで逆転を果たした。その間の湘南は、前半のような俊敏な出足やフォローなどに陰りが見えはじめていた。

 東京はそこからさらに勢いづいてと思った矢先、その勢いの腰を折るミス。高橋のボールロストが馬場のゴールを生み、さらには、高橋から長谷川への最終ラインでの横パスへ突っかけた永木が長谷川からボールを奪い、湘南に歓喜を、東京に落胆ともたらす逆転弾を叩き込まれる。時間はまだ10分近く残されていたが、石川、李、平山の攻撃的なカードも前線と最終ラインの橋渡しが巧くいかずに不発に終わり、一度は逆転した試合を自滅により勝ち点3を失う結果としてしまった。

 湘南のことを悪く言うつもりはないが、これまで最下位の大分からしか勝利していない相手に、この内容は酷い。もちろん、湘南はこれまでの反省を活かすべく戦う集団としての気持ちを持ってぶつかってきた。戦術にハマったり、予想以上のスーパープレーやゴールが生まれたのなら納得も出来る。だが、この敗戦を呼び込んだのは、自らのミス。それも不注意や集中力の欠如といった類の絶対見せてはならないミスだ。
 これまで何度も記事で述べてきたが、東京は自陣、特に最終ライン同士やボランチとの間でのパス交換が緩すぎる。ボールスピードも球離れの判断も遅い。冷や冷やさせられる場面を数多く見てきたが、勝利やこれまでの順位ということでかき消され、意識が遠のいていたのかもしれない。もちろん、最終ラインやボランチだけの責任ではない。球離れが早くならないのも、流動性やパスエリアを作る前線の動きが多くないからで、チームとしての課題でもある。とはいえ、自陣ゴールに一番近いところで不注意を繰り返すことは、チームの勝敗を最も左右するということへの重要性を理解していないのではないかと思いたくもなる。サッカーはゴール数と競うスポーツ。自陣に近いところでボールを動かしてばかりいれば、失点の可能性が高いということは自明の理だ。

 この試合で決定的なミスをした高橋、長谷川や徳永、加賀らは、これまでも相手に突っかけられてボールを奪われそうになる場面が散見されていた。いつか起こらないかと心配していたことがやはり現実となってしまったというしかない。特に高橋、長谷川のプレイは、野球であれば懲罰交代があってもいいくらいのもの。サッカーは交代枠が3つしか与えられていないことが残酷に思ったのも珍しい。これらの選手がこのパフォーマンスのままでスタメンやレギュラーとして出続けているのならば、東京の上位争いなどは夢物語だし、サブやベンチ外で切磋琢磨している選手たちのモチベーションも大幅に下げかねない。

 下を向く必要はない。そんな暇があったら、この失策を教訓に叩き込み、これからのパフォーマンスで見返すことだ。東京はタレントが豊富だという話は聞く。だが、心技体すべてが揃った超一流はまだ存在しない。そのあたりを突き詰めないと、本当のチーム力の向上は生まれないし、いつまでたってもチームも選手もいいところどまりで終わってしまう。

 幸いなのは、これがまだリーグ前半戦だということ。チームの戦績は一進一退だが、得点を見れば、渡邉の活躍もあり、リーグ11戦で無得点試合が2試合、1得点のみも1試合で、残りの8試合は2点以上の複数得点を挙げている。決定力の欠如やシュート精度、連係など課題も多いが、攻撃では、成果は出始めている。怪我人も少なくないが、勝ち点を奪うための資質は維持している。大切なのは、いかに負けないか。失点しないか、だろう。派手な攻撃のイメージばかりに目移りしていて、一番根幹の守備を疎かにしては、高い水準でチームの好調を保つことは難しい。

 直近3試合、5月に入り鳥栖、磐田、湘南と戦った訳だが、それぞれ15位、17位、16位と低迷するチーム。最高で勝ち点9を獲得出来る可能性もあったのに、1勝1分1敗と、獲得出来る最高の勝ち点9の半分にも満たない勝ち点4しか挙げられなかった。しかも、この3試合で得点は7点だが、失点も同様に7点と、守備面で大いに課題を残すこととなった。この課題をどう克服していくか、その結果を速やかに出さなければ、今シーズンは苦しいものになることを覚悟しなければならない。

◇◇◇ 


≪J1 第11節≫

【日時】2013/05/11 17:04
【会場】Shonan BMWスタジアム平塚
【観衆】8,248人
【天候】雨、弱風
【気温】17.4度
【湿度】87%
【審判】(主審)今村義朗(副審)高橋佳久、川崎秋仁

【結果】
湘南 3(1-0、2-2)2 FC東京

【得点】
(湘):高山(11分)、馬場(65分)、永木(82分)
(東):太田(54分)、渡邉(57分)



【FC東京メンバー】

GK 20 権田修一
DF 02 徳永悠平
DF 30 チャン・ヒョンス
DF 03 森重真人
DF 06 太田宏介
MF 04 高橋秀人
MF 07 米本拓司
MF 49 ルーカス → MF 18 石川直宏(68分)
MF 38 東 慶悟 → FW 11 李 忠成(73分)
MF 08 長谷川アーリアジャスール
FW 09 渡邉千真 → FW 13 平山相太(76分)

GK 01 塩田仁史
DF 05 加賀健一
MF 17 河野広貴
MF 27 田邉草民


監督 ランコ・ポポヴィッチ

 
◇◇◇

03/02(土) ○FC東京 2-1 大分(A)
03/09(土) ○FC東京 3-0 柏 (H)
03/16(土) ●FC東京 0-1 C大阪(A)
03/30(土) ●FC東京 2-3 横浜FM(A)
04/06(土) ●FC東京 0-1 大宮(H)
04/13(土) ●FC東京 1-2 仙台(A)
04/20(土) ○FC東京 3-1 名古屋(H)
04/27(土) ○FC東京 2-0 川崎(H)
05/03(金) ○FC東京 3-2 鳥栖(A)
05/06(月) △FC東京 2-2 磐田(H)
05/11(土) ●FC東京 2-3 湘南(A)

05/18(土) FC東京 × 清水(H)
05/25(土) FC東京 × 鹿島(A)
07/06(土) FC東京 × 広島(H)
07/10(水) FC東京 × 浦和(A)
07/13(土) FC東京 × 新潟(A)
07/17(水) FC東京 × 甲府(H)
07/31(水) FC東京 × 清水(A)
08/03(土) FC東京 × 大分(H)
08/10(土) FC東京 × 川崎(A)
08/17(土) FC東京 × 横浜FM(H)
08/24(土) FC東京 × 磐田(A)
08/28(水) FC東京 × 鳥栖(H)
08/31(土) FC東京 × 広島(A)


◇◇◇  


 湘南は今季、昇格組以外からの初勝利だって。ああ~、またしても下位に優しい“いい人東京”大発動かよ。(苦笑)

 当日、雨予報もあり、現地へ足を運べなかったけど、湘南とは相性いいと思ってアウェイに駆けつけ(アウェイゴール裏のチケット1800枚は完売らしい)、雨に打たれながら声援したサポーターには正直お疲れさんというしかない。つまらないミス2発でブービー順位の湘南に昇格組以外からの初勝利と順位1つランクアップの手伝いをしてあげるなんて、お人よしが過ぎるにもほどがあるんじゃないかと。それ以上に、この内容で落胆して、アウェイどころかホームへの足を遠ざけてしまうという悪影響が生まれかねないんじゃないかと。
 ナビスコだけど(決勝トーナメント進出は限りなく難しいけど)、次の水曜の国立での新潟戦では、戦う気持ちを見せてもらいたいし、リーグの次の試合、ホーム味スタでの清水戦では、疲れなど口にせず、何が何でも結果を出して欲しい。

 それとは別に、疲労が見えるルーカス、米本、東、徳永あたりは、ナビスコ新潟戦では休息を与えてもいいかも。チーム活性化のためにも、ベンチやベンチ外で出場に飢えてギラギラした眼をしている選手(そうであると信じたい)に出場機会を与えて、彼らの奮闘に期待したいところだ。

◇◇◇



 




 


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