*** june typhoon tokyo ***

FC東京×清水@味スタ 【ナビスコ】

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 ヤマザキナビスコカップ準決勝第2戦は、FC東京が前半に挙げた平山のゴールを守り切り勝利。9月2日にアウスタで行なわれた第1戦(2-2)とのトータルは、FC東京の1勝1分けとなり、初戴冠から5年ぶりとなる決勝進出の切符を掴み取った。
 アウェイゴールの2点が大きく、FC東京としては0-0、1-1の引き分けまでで決勝へ進めるが、先制されると畳み掛けてくる清水に対しては、やはり失点すると苦しい。そういう意味でも、無失点そして先制点が今日の試合のテーマだった。

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 序盤は勝てば点を獲らなければならない清水が果敢に攻撃を仕掛ける。FC東京は茂庭を中心にヨンセンへのボールを通させず、しっかりと守っていく。前半15分過ぎ、左サイドの羽生へボールが渡ると、切り替えしての素早いセンタリングから、ニアに平山が飛び込みヘディング・シュート。これがゴールネットを揺らし、FC東京が先制する。これをきっかけに、流れは一気にFC東京へ傾き、再三チャンスを演出するが、トドメの1点が獲れずに前半終了。
 後半、清水は前半40分過ぎにあまりかみ合っていなかった永井を藤本に代えたが、この藤本への交代が徐々に清水の攻撃を増やしていく。石川との接触で青山を平岡に代えなければならなかったのは誤算だったが、攻勢する時間帯が増えてきた。だが、なかなかFC東京の最終ラインをこじ開けられないこともあり、後半25分に伊東を長身の長沢へチェンジし、ヨンセン、長沢と高さが武器の二人を配してゴールを狙う。
 後半中盤以降はすっかり守る時間帯が多くなったFC東京は、それでも決定的な場面を作らせず、逆に速攻のカウンターで追加点を狙う。後半35分を過ぎてからは、完全に守勢となり、平山に代えて佐原を投入し、5バックとする。さらに40分過ぎには石川を下げて、平松をピッチへ入れる。平松は中盤のサイドに陣取るという、めったに観られない布陣だ。
 清水はボール支配率は高まるも、なかなかシュートで終えられず、苦しい展開。FC東京は清水の好機にも茂庭、米本らが身体を張って跳ね返し、4分の長いロスタイムも守り切って、決勝進出を果たした。

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 今日の勝因は何か、といえば、まず献身的な守備だろう。ヨンセンへのボールを(単調ではあったが)しっかりと寄せてほとんど仕事をさせなかった。また、セカンドボールへの執着心。奪われても相手へ素早く執拗にボールを追いかけてのプレッシャー、これが素晴らしかった。いつもはボールへの圧力が弱く、相手にボールを持たれるとズルズルと下がり防戦一方となる悪い癖があるが、今日の試合ではそれがあまり観られなかった。しっかりと集中していたと思う。
 そして、攻撃面ではゴールを狙うという闘争心だ。ゴール前までは支配率が高くとも、肝心なシュートまで持っていけないというジレンマに苛まれることも多かったが、今日はシンプルにゴールへのシュートを意識していたことが良かったのだと思う。まだこれで大満足というところではないが。
 さらに、よく足が止まらずに動いていた。羽生は驚異的な運動量で右左にポジションを替え、徳永や椋原もサイドを駆け抜ける回数が多かった。米本もピンチにはフォロー、前線へのビルドアップと献身的に動き回った。

 しかしながら、課題もなかった訳ではない。一つは決定力。カボレにしても平山にしても、あと少し早いタイミングで躊躇せずシュートを打っていれば……というところもあった。追加点を獲ればダメ押しとなるところで獲っておかないと、運悪く失点してしまうとガラッと流れは変わる。今日の清水は前半からミスも多く、しっかりとケアが出来ていたが、決勝で戦う川崎だとどうか。リーグ戦ではリードをしながら、最後には逆転負けを喫している。その当たりをこまめに修正していかないと、綻びが出てしまう可能性が高い。
 もう一つは、5バック。相手にスペースを与えずに壁となる…という一見こじ開けられづらい戦法に見えるが、これは最終ラインと前線との関係を的確に保っていなければ、単なる受身へとなってしまう。そうすると、相手に攻撃の機会を増やすことになる訳であるから、出来ればこのようなスクランブルな体制をとらずにも済むように、得点すべきところで得点を挙げていくことが重要になるだろう。
 最後に、交代カードについて。途中から起用される選手が、まず意志の疎通を即座に図ること。どういった役割をこなすべきかを周知に徹底させて、効果的な機能となることだ。今回もそれまで豊富な運動量で縦横無尽に駆け回り、相手のパスコースなどを切ってきた羽生が下がると、案の定、守勢の時間帯へと流れてしまった。この当たりは、リーグでもそうだが、いま一度、熟考しておきたいところだ。
  
 何はともあれ、11月3日は国立で決勝戦。奇しくも“多摩川クラシコ”の因縁の相手、川崎と対峙することとなった。リーグ戦での借りを返し、そして東京のサッカーが間違っていないということを証明するためにも、必ずカップを奪い取るという強い精神力で、当日を迎えたい。


◇◇◇

2009 ヤマザキナビスコカップ 準決勝 第2戦

FC東京 1(1-0、0-0)0 清水

【得点】
(東): 平山(前半16分)

会場: 味スタ
観客: 22,181人


≪STARTING LINE-UP≫
GK 20 権田修一
DF 33 椋原健太
DF 04 ブルーノクアドロス
DF 02 茂庭照幸
DF 25 徳永悠平
MF 10 梶山陽平
MF 28 米本拓司
MF 18 石川直宏 (→ 後半41分、平松)
MF 22 羽生直剛 (→ 後半27分、鈴木)
FW 09 カボレ (→ 後半35分、佐原)
FW 13 平山相太

≪SUBSTITUTION≫
GK 01 塩田仁史
DF 03 佐原秀樹
DF 15 平松大志
MF 19 大竹洋平
MF 27 田邉草民
MF 40 鈴木達也
FW 24 赤嶺真吾

≪MANAGER≫
城福浩

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