この世のものとは思えない衝撃が襲った。
それでも日本や世界中から支援の輪が広がって、助け合おうとする人の温かさをしみじみ思う。私などは、テレビで誰だれさんが〇〇円と義援金の金額が出されるたびに、「ケチ」とか、「わぁ~立派!そうでなくちゃ」などと下世話な独り言を呟いた。そして支援の遅れが目立つテレビの報道に、我が目を疑い、「この日本がなんで?」と焦っている。
その衝撃が覚めやらないある夕方、宅老所・グループホーム全国ネットワークの方が訪ねてこられた。千葉県から協会のボランティアとして石巻に入り、そこから岩手県の会員を訪ねているとのこと、不眠不休で車を走らせて駆けつけてくれた。弱っているときに駆けつけてくれる、心配してくれる。そのことは後でジンワリと心に残って効いてきた。
たまには余震があるものの、岩手県の内陸はほぼ以前と同じ暮らしぶりに戻っている。
しかし今度は、彼の住む千葉県の周りが、大きな余震と放射能の恐怖にさらされることになっている。老いぼれた身体を理由に、私は彼のような行動力を持たない。せめて気持ちは繋がっていると感じてもらいたい。何か私たちにもできることを伝えてほしい。