NHKのテレビ70年特集の一環、60年前の第一回大河ドラマ
「花の生涯」が生まれるまでのドラマと、白黒映像だったその
第一話をカラー化したものを観た。
この「花の生涯」、台本は四十八話の全てが残っているが、
録画は第一話しか完全に残っていないという。
その第一話、堅物の国学者、長野主馬(佐多啓二)と三味線
師匠、村山たか(淡島千景)の出会いの場面である。なんとも
見事なカラー化である。
この第一回大河ドラマ「花の生涯」、当時高校2年生だった
私も当然観ていいたはずだが、詳しくは覚えていない。しかし、
大人の色気漂う淡島千景のハスキーな声はよく覚えている。
AIに膨大なカラー映画やドラマを読み込ませ、「形と色」の
組合わせを覚えさせて白黒をカラー化するという。しかし微妙な
ところはやはり人の眼。時代考証を織り込みながら修正する。
当時は「(映画)五社協定」で映画俳優のテレビドラマ出演は
御法度。担当ディレクターが一人ずつ「撃破」したという。
録画が残っていた最終話のクライマックス「桜田門外の変」の
シーンもカラー化して放送された。テレビドラマとしては初めての
大がかりな屋外戦闘場面。
京都太秦(ウズマサ)の映画撮影所を借りたが、折からの突風で雪を
模した白布が捲れあがってしまい、俳優を含む総員で五寸釘を打ち
まくったという。
冬の街角の花と葉