無人島に3つだけ持っていけるとすれば、何を持っていく?
そんなありきたりな話が行きつけのバーの常連客同士で盛り上がったら、たまたまマスターが無人島を持っていた。
常連客同士で行く無人島でのバカンス。
それぞれ選んだ3つのものを持ち込んで楽しい余暇を過ごすつもりが…
気がついたら、10億円をと生きて島から出るためのデスゲームに。
デスゲームの結末とは?
読んでいて、どことなく現実離れしすぎているからか、無人島でいきなりこういうゲームに巻き込まれるというのが滑稽に感じるからなのか、読んでいて、バカバカしいなと思ったのは本音です。
緊迫感というよりは笑いが込み上げそうになるという感じです。
読んでいて、各登場人物達はいたって真剣というのは伝わってくるし、生き残りに皆真剣なのも伝わってくるのですが、多分、私がこういう状況に置かれて人が死んでる状況になるととてもじゃないですが、もっと疑心暗鬼になるやろ?と思うくらいに、登場人物達の行動が不自然?とい感じました。
ただ、これは作者が狙ってこういう風にとれるように書いている可能性も大いにあるな(何なら私が思うようなことは皆思うと想定済みの可能性が高いな)と思うところでもあります。
そんな本作ですが、個人的には、無人島に行く前のバーでの会話は好きです。
「お弁当に入っているゼリーのデザートはオヤツに含まれますか?」
みたいな議論を無人島に持ち込めるものの3つの個数に含むか含まないか議論、面白いなぁと素直に思いました。
そして、そんなルールのもと厳選した無人島に各自が持ちこんだ品は個性的だったなと。
それ以外は、過去に読んだことのある『バトルロワイヤル』の劣化版みたいな感じかな?と。
そんな本作品は自分の中の残酷さに気付かされる作品だったなと思います。
例えば、私がこのシチュエーションの当事者なら、ついでにコイツを殺しておくかとか、こいつは早く殺さなければならないなと考えることもありそうだなと、いろいろな可能性を考えながら読みました。
そして、コイツはこうして殺害は違うでしょ?的なことを考えていました。
結局、無人島で殺し合いをすることになった時は、当時者だけではなく、こういうシチュエーションを投げかけられた読者である私達も本音や自分自身の中にある残酷さに気が付かされるものなんだろうなと思いました。
だから、私の思っているのと違った?という感じが、読後により感じたというのは、結局、私の中の残酷さが物足りなさを訴えかけたものなのじゃないかと思いました。
そう、無人島に持っていきたいものを3つ選ぶみたいに。
※ブクログに掲載した感想を転載しております。
3日経って思い返してみても、読み進められるんだけど、なんかこれじゃない感が正直あるなというのが個人的な感想です。
ミステリーではないんじゃないかというのと、登場人物に制服着せたらバトルロワイヤルじゃね?と思わんでもないような。
ただ、作者が狙ってこのテイストにしている感もあるなと思う作品でもあるのでそこはなんとも言えないあたり評価が難しいなと思いつつ、何とも言えない微妙さが残った感は個人的にはあります。