肩胛骨は翼の名残

最近はサッカーネタばかりです。気まぐれに書いてます。

2014J1リーグ【10節】浦和-FC東京

2014-05-04 17:29:01 | 1.Sports
いつか、このカードが「ナショナルマッチ」と言われる日が来ることが
わたしの願い。
そのためにはトーキョーがもっともっと強く、愛されるチームにならないと。
そして浦和にはいつまでも強く、大きなクラブでいてもらわないと。

それとは別に、いまは私にとってスペシャルマッチ。
わたしに再びサッカーの面白さを思い出させてくれた柏木陽介と、
どんな時でも我が街のクラブとして愛し続けるトーキョーが戦う試合。

2011年の天皇杯、クリスマスイブの熊谷から始まったこの特別なカードでは
毎度複雑な想いをしてきたけれど、今回はついに、心から楽しめた。

陽介のパフォーマンスがすごく良かったこと。
陽介が心から楽しんで試合をしていたこと。
トーキョーが今季のスタイルを貫いたこと。
両サポが、素晴らしい雰囲気を作ってくれたこと。

すべてがそろって、本当に楽しい試合だった。
試合を作ったすべての人にありがとうございましたと言いたくなるような、
素敵な試合だった。


いや、もちろん。トーキョーサポとしては大いに不満なわけですよ。

今季初頭の、クソつまらないけどとにかく守り続けるサッカーを、こういう
勢いのある強いチーム相手にこそやるべきであろうと。

本来わたしたちが大好きな、あらゆる場所からボールを上げて攻める
セクシーフットボールは、今日は封印すべきだろうと。

ミステルは確かに多彩なアイデアを持っていると信じられるように
なってきたけど、ここまで得点できないFWを使い続けるなんて、
あんたはポポかよ!とか。

で、そんな決められないFWを延々と励ますゴル裏ってなんなの?
おっさんのセンティメンタルでしかないでしょう?とか。
今日は、初めてこの埼スタで先発したムトウを支えることが大事でしょう!

今年はもう「無敵のライオン」ではないことに気づいてよ。
去年のスタイルとこのチャントはピッタリ合っていて、選手たちも気分を
盛り上げてくれてたと思うけど、今季のスタイルには全然合っていない。
むしろ邪魔。そういうところに気づけるのが、サッカーに詳しいゴル裏と
他サポに褒められるわたしたちなのに。

毎度指定に座るたび思うけどさ、そんだけ歌って叫んでギャーギャー騒ぎ
たいならゴル裏に来いっつうの。
んで逆にゴル裏にいるならとにかく声は出せよ、溜息つきたいなら指定を
買えよ、とかね。


愛するトーキョーとトーキョーゴル裏には不満プンプンだったおかげで、
陽介に集中出来たとも言える。そのためにこの席を買ったんだからね。

試合が始まる前から場内のビジョンではずっと陽介を写してくれてた。
その表情の落ち着いた、研ぎ澄まされた感じで、どれほどいい状態なの
かがわかった。そして嬉しかった。何かを背負った思い詰めた顔は、
少なくともこの試合では見たくなかったから。

そして試合が始まると、一つ一つのプレイを見ているだけで幸せな気分に
なった。プレイを見ているだけで幸せにしてくれる選手なんて、世界中
どこにもいない。

走って、周りを見渡して指示を出して、ボールを受けて的確にさばいて、
ピンチになったら誰よりも先に戻って、必死に体を張って。
セットプレイからのキックはさらに精度を上げていたし、判定にいちいち
キレたりしなくなった。

たとえ残り時間が1分を切っても、一瞬たりとも集中を切らさず。
両手を思い切り振って一生懸命走り、全身を使ってキックを蹴る。

かつて難波くんが「彼を見ていると『ラグビーをしている』という感じがする」
と言われたように、陽介もまた、全身で「サッカーをしている」。
こういう選手が、わたしを幸せにしてくれる。

器用ではない。巧くない。狡くない。カッコ悪い。足遅い。
でも78分、必死にドリブルで上がっていく後姿を見て、ああ、きっと点を取るなと
確信した。そしてCKをもらって見事にクロスを上げて得点に繋がった。

陽介だけを見詰めて4シーズン目、それくらいの予知能力は身についたわ。
どれだけ彼が苦しんで、どれほど成長したかも見てきた。


ところが。
開始5分の最初のCKをセットしに行くときのこと。
トーキョーゴル裏からの大ブーイングの真っただ中に歩いていく顔を
双眼鏡でズームで見ていたわたしは目撃したのだ!
ゴル裏にキッと鋭いメンチ切って、口元は「チッ」って動かしたのを!

そうでなくちゃ。
全部背負い込んで憔悴したり、コラムに素直な想いを素直な言葉で表わしたり
…そんなの陽介らしくない! 
調子乗りで、勝ち気で、小僧なのが、わたしの好きな陽介だもの。
なくなってなくて、安心したよ♪


試合終了のホイッスルが鳴る瞬間、どんな表情をするのか、楽しみだった。
グッタリ疲れた顔を見せるのか。なにか不満が残った顔なのか。無邪気に
喜ぶのか。双眼鏡をピッタリ合わせてその瞬間を待つ。果たして…?

「いい顔」だった。
いい仕事をした男の顔。喜び、安堵、疲労、そして少しの口惜しさ。
やられたー、初めて見たよ、そんないい顔。
まったくいつもあなたって人は、そうやってわたしを恋に落とす…(笑)


浦和美園への帰り道、スキップしたくなるのを抑えるのに必死だった。
少し暑いくらいのいい天気、迫力は減ったけど熱さは変わらない浦和のゴル裏、
結果は出せなかったけれど決して落胆することもない、ミステルのフットボール、
寂しくなるほど成長した元気、やっぱり代表クラスの守備ができる森脇、
相変わらず可愛いむっくんの笑顔、タマやリクのギラついた感じ、
なによりもこうして自分の力でスタジアムに来れたこと。

全てがうれしくて楽しくて、鼻歌でも歌いながらスキップしたくなるのを、
なんとか抑えて歩いていたよ。

♪私 恋をしている 恋に落ちてる
 もう隠さない 熱いときめき
 やっとめぐり逢えたの 夢に観てたの
 醒めることない 夏の憧れ
 さがしてた あなただけ…♪
("Squall" by M.Fukuyama)



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