Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

British Rocks.

2009年01月02日 | 60's,70's Rock
1,Paul's Blues/Paul Kossoff wuth Black Cat Bones (Sunbeam) 2CD 2,980円
私の選ぶ昨年の発掘盤部門のNo.1はこれかも。長年噂に聞くしかなかったポール・コゾフのブラック・キャット・ボーンズ在籍時の音源です。この音源がリリースされるとのニュースを見たときは思わず絶句しましたもの。

ブラック・キャット・ボーンズは以前こちらで取り上げた1970年にDecca/NOVAで唯一のアルバム「有刺鉄線サンドウィッチ」を残すブルース・ロック・バンド。このアルバムが最初に日本でリリースされた70年代から、かつてこのバンドには後にフリーを結成するポール・コゾフとサイモン・カークが在籍していたとの触れ込みがあったのを思い出します、以来先の記事でも触れた怪しげなBootリリースを挟み忘れた頃にリリースされたのが本盤。

本盤の音源は、1967当時彼等がリハーサル・ルームとして使っていたロンドンはトッテナム・コート・ロードのある地下室で、当時のドラマーのフランク・ベリーの父親の手で録音されたリハーサル・テープ(6時間分もあるそう)からセレクトされたものとのこと。
当時のメンバーはポール・ティラー(Vo)、ポール・コゾフ(G)、デレク・ブルックス(Side G)、スチュアート・ブルックス(B)、フランク・ベリー(Ds)。因みにこの音源を今回提供したドラマーのベリーが抜けた後に加入したのがサイモン・カーク。その半年後にコゾフとカークはそろって脱退、アンディ・フレイザーとポール・ロジャースを加えてフリーを結成することとなります。

音質はまぁブート並、ですがブートを聴き慣れた耳にはまったく問題なし。ポール・コゾフをメインにした編集だからでしょう、インスト曲が多く、全編コゾフのギターが鳴り捲ります。独自のあのチョーキング/サスティーンを生かした奏法の萌芽もそこかしこで聴けますが、フリー期と比べると音数が多いクラプトンに端を発する典型的なブルース・ロック・ギターと云えるもので、ここから音数を絞っていってあのタメを効かせた奏法が完成していった訳ね、と納得の習作時代のギターがたっぷり聴けます。時にコゾフは17歳、それを考えれば驚異です。

そしてなんとポール・ロジャースが1曲"I'm Ready"のみですが歌っているのが聴けます、ボーカル自体はこの時点ではどうと云うほどのものではありませんが、67年の時点で既にコゾフとロジャースの親交が始まっていたという事実には何とも感慨を覚えます。

DISC.1
01. ROCK ME BABY (VERSION.1)
02. SAN HO-ZAY
03. BAD BLOOD (INSTRUMENTAL)
04. THE SKY IS CRYIN'
05. HELP ME (VERSION.1)
06. MESSIN' WITH THE KID
07. ROCK ME BABY (VERSION.2)

DISC.2
01. ROCK ME BABY (VERSION.3)
02. BAD BLOOD (VOCAL VERSION.1)
03. OHH BABY, HOLD ME
04. SHAKE YOUR MONEY MAKER
05. HELP ME (VERSION.2)
06. I'M READY
07. BAD BLOOD (VOCAL VERSION.2)
08. PAUL'S BLUES



2,The Black Sheeps of the Family:The Anthology/Fat Mattress (Castle) 2CD 1,280円
ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのベーシスト、ノエル・レディングがエクスペリエンス脱退後旧友と結成したファット・マットレス、その残された2枚のアルバムにシングル曲、未発表曲を加えた2枚組。
Sanctuaryからも「Magic Forest」なるタイトルでアンソロジーもの2枚組が出ているようですが、内容は微妙に違うようです。

あのジミと一緒に演っていたノエルのバンドということで当時日本グラモフォンから出たシングル「マジック・フォーレスト」に飛びついたものの、ジミのサウンドとは似ても似つかない穏やかなものでガックリ、落胆したのを思い出します。その後、米Atco盤のカットアウトが大量に出回り購入したものの印象は変わらず、結局その後セカンド・アルバムも買うことなく今に至っておりました。

元々はギタリストだったというノエルはここでは本来のギターに戻って、恐らくこんな音楽を元々演りたかったのだろうなと思わせるシンプルで繊細なギターとボーーカルを聴かせてくれます。今、聴けばこれがなかなか。如何にも英国というポップでサイケ風味さえ感じるもので、特にセカンド・アルバムはミック・ウィーヴァー(Wynder K.Frog)のキーボードが入ってより多彩な音作りになっています。

目(耳)が行ったのが、このアルバムのタイトルにもなった未発表だったという"The Black Sheeps of the Family"。あのクォーターマス、レインボウが演っていたちっとは知られた曲。ファット・マットレスがオリジナル演奏ということになるようで、その知られた二つのヘヴィなヴァージョンとはまったく違う繊細なものでこれはこれで聴きもの。

蛇足ですが、
この曲"Black Sheep"はセカンド・アルバムにギタリストとして参加しているSteve Hammondなる人の作。エリック・バードンのニュー・アニマルズとクォーターマスが取り上げていた"Gemini"ものこの人の作。60年代の中頃からセッション・ギタリストとして知られクォーターマスのメンバーと共に参加したクリス・ファーロウの1970年のアルバム「From Here to Mama Rosa」ではその"Black Seep"を初め大半の曲を提供しています。ミュージシャン仲間の間ではコンポーザーとして評価の高かった人のようです。

Fat Mattress


FAT MATTRESS-Mister Moonshine




3,Is a Friend/The Parlor Band (Mason) 1CD 1,280円
72年Deramから出した唯一のアルバム。
某レコ屋の店頭で掛かっていて耳を引き買ってしまったもの。
その耳を引いた曲はメロディアスでハーモニーの綺麗なアメリカンテイストもある牧歌的なアコースティックな曲だったのですが、通して聴くとそれは一部で、ハード・ロックからプログレと云ってもいいようなヘヴィなパートを持つ変化に富んだ構成を持つ曲もあったりでなかなか一言では形容できないものでした。あの時代の英国ものファンなら先ずはOKでしょう。
こちらでバッチリ聴けますので味わってみてください。

Parlor Band

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2 コメント

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My Space (uni)
2009-01-03 10:09:32
My Spaceって便利ですね。
いい音楽にはいい宣伝効果があると思います。
一曲目 ハマりそう(笑)
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B.C.B. (Jahking@管理人)
2009-01-04 10:10:19
uniさんならParlor BandよりBlack Cat Bonesのほうがお好みでは? 全曲ズブズブのブルース・ロックですから。
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