Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Al Haig 宵の明星 明けの明星

2014年09月02日 | Jazz
1,Duke 'N' Bird/Al Haig (East Wind) 1LP 100円
「アル・ヘイグは、バップの洗礼を最も早く受けたピアニストの一人で、1940年代の白人モダン派にあっては宵の明星のような存在であった。その後、我々の尾世界から遠ざかっていたが、近年、今度は明けの明星のように復活し、前にもました光彩を放っている」これが、本盤の瀬川保男氏によるライナーの冒頭文。

70年代後半から80年代は欧米の往年の有名ジャズメンのレコードを日本のレコード会社が制作するというのが妙に流行った時期がありました。本盤もまさにそれで録音はN.Y.なれど日本人スタッフによる制作です。
ということで、本盤は先のライナーからするとアル・ヘイグの「明けの明星」時代の1976年のピアノ・ソロ作品です。
アル・ヘイグというとどうしてもチャーリー・パーカーのグループでのバリバリのバップピアノ、スタン・ゲッツとのストリーヴィルやルーストのセッションでの鋭いピアノを思い浮かべるのですが、なにかまるで別人の如くの端正で優しいピアノが聴こえてきて戸惑います。悪くは無いのですが、これを円熟味を増した味わいが満ち溢れた.....とかいって有り難がるのもナニかなぁと。

Side A
Duke Ellington Medley
1,Prelude To A Kiss
2,I Got It Bad
3,Sofisticated Lady
4,In A Sentimental Mood
Side B
Charlie Parker Medley
1,Yardbird Suite
2,Lover Man
3,I Remember You
4,Embraceable You

Recorded on May 6, 1976 N.Y.







2,Interplay/Al Haig (Sea Breeze) 1LP 200円
これも明けの明星の一枚で上記盤と同じ76年のハリウッド録音。こちらはJamil Nasserのベースが付きます。
カリフォルニアはマリブビーチのレーベルから出されものですが、Album ProductionとCover DesighnがToshiya Taenakaとのクレジット、このSea Breezeなるレーベルはその妙中俊哉なる日本人がやっていたものだそう。上記N.Y.録音と同じ年の録音にも関わらず、録音によってこうも違うんだと驚くほどに本盤でのヘイグのピアノはエッジの効いた音になっていて全体印象も優しさ端正さではなくもっと尖がったものを感じます。録音とプロダクションの妙ってやつでしょう。

Side A
1,How Deep Is The Ocean
2,Passion Flower
3,All The Things You Are
4,Warm Valley
Side B
1,Miltestones
2,Prelude To A Kiss
3,Love Walked In
4,Star Eyes

Recorded on November 16, 1976 at United/Western Studio in Hollywood, California

Haig

Haig










3,Jazz Will-O-The Wisp/Al Haig (Esoteric/Counterpoint) 1LP 100円
70年代くらいからジャズを聴いている人にとってアル・ヘイグのリーダー作で一番知られるのが本盤ではないかと、そう、1,100円の廉価盤シリーズのハシリの72年に出た一枚でしたね。今回入手盤も日本コロンビアから出たソレです(手離しては買っての繰り返しで多分3回目の購入)。

宵の明星時代のトリオものの代表作、2曲目で"Isn't it Romantic"を演っているからでしょうか、ここで聴けるピアノはメランコリックなる言葉が思い浮かびます。殆どの曲が2分台から3分台という短い演奏時間の有名スタンダードばかり、明けの明星盤で恐らく一番の人気作、74年「Invitation」での"Holyland"の憂いのある演奏はこの54年録音とダイレクトに繋がります。

1. ニューヨークの秋
2. イズント・イット・ロマンティック
3. ゼイ・キャント・テイク・ザット・アウェイ・フロム・ミー
4. ロイヤル・ガーデン・ブルース
5. ドント・ブレイム・ミー
6. バーモントの月
7. イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー
8. パリの四月
9. オール・ゴッズ・チラン・ゴット・リズム
10. ボディ・アンド・ソウル
11. 風と共に去りぬ
12. マイ・オールド・フレーム
13. オン・ジ・アラモ

そういえば、ここでベースを弾いているビル・クロウが書いた「さようならバードランド」(村上春樹訳で新潮文庫から出ています)にこのセッションの回想が載っていました。それによるとフランス人ピアニストのアンリ・ルノーがニューヨークを訪れ仏Vogueの為に録音をした際、エンジニアのジェリー・ニューマンが自身のレーベルEsotericの為にも追加で録音してみないかと誘ってちゃっちゃと曲を選んで(だからスタンダードの有名曲ばかりなのですね)リハーサルもなくワンテイク録音をしたものだそう。レコード2枚分の録音をしたにも関わらずジェリー・ニューマンから送られてきた小切手はデート1回分のユニオン規定額でしかなかったそうな。

recorded March 13, 1954 in N.Y.

Al Haig(p)
Bill Crow(b)
Lee Abraams(ds)

Haig


ビル・クロウ



Al Haig - Isn't It Romantic


Al Haig Trio 1954 ~ Royal Garden Blues

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