貝殻の想い出

息子が、まだ小学４年生の頃だったろうか・・・・・
田舎に帰省した時に、父と一緒に、三人で海岸に魚釣りに行く事になったなぁ・・・
それまでの釣り仲間も、すでに他界されて、最近は好きな釣りにも行かんなぁ・・・と、
言っていたので、車で近くの海に行ってみたっけ・・・

狙いは、キス、磯からの遠投釣りなんだなぁ・・・
父は、砂浜で小さな貝を集めては、それを釣り針に餌として着けていたなぁ・・・

リールを巻く時の父の真剣な顔・・・・すっかりと童心に返った表情を見せていたっけ・・・
キスが釣れると、も～～う、くちゃくちゃの笑顔で、我が孫に見せてたっけ・・・

たくさんのキスが釣れた後、のんびりと浜辺を歩いていたら、父が貝を見つけた

父は、「ほら～～、面白か～貝じゃろぉが～」と息子へ手渡す・・・・・
息子は、「うわぁ～～トゲがある～～？」と、はしゃいでいたっけ・・・・

私も写真等では見たことはあったけど、実物は初めて見たんだなぁ・・・・・
たしか・・・ホネ貝だったと思うけど・・・・・
私も珍しかったので家に持ち帰り、綺麗に中の掃除をして、部屋の中に飾って置いてある。

この貝を見るたびに、亡き父の笑顔が甦ってくるんだな～～～

あの夜に食べた、キスの刺身は最高だったなぁ～～
刺身にして酢味噌で食べる・・・その上には山椒の葉が乗っけてあったっけ・・・・

貝殻を耳に当てると、海の波の音がすると言うけど・・・
　　　私はこの、ホネ貝だけは見ているだけで、想い出を感じる・・・海の波の音も・・・