東京に出張するときのアポイントは午前10時とか11時というケースが多く、朝、名古屋駅で乗り込む「のぞみ」は、びしっとしたビジネスマンが多く、書類を読んだりノートパソコンを叩いたり、名実ともに走る日本経済といった感じなのです。ところが、午後8時台に東京駅を出る「のぞみ」あたりになると、ぐったりとしたおじさんがビールで顔を赤くして、くたくたで寝ているという姿が多く見られるのです。これぞ、まさしく使用前・使用後・・・。
そんなおじさん達に、ワゴンを押してビールやおつまみを販売するパーサーの仕事を描いた「新幹線ガール」という単行本が話題になっていたことを思い出し、キヨスクで買い求め、帰りの「のぞみ73号」の中で読破しました。
パーサーであり執筆者である徳渕さんという表紙の女性は、ある有名なホテルでの勤務は仕事が合わず、出社拒否にまでなり退職しちゃったのですが、アルバイトとして新幹線パーサーを始めたところ、ぐんぐんワゴン販売の実績を上げ、たった1年ほどで900名のパーサーの中で個人別ワゴン売上高で平均の3倍を売り上げ、トップに立ったというのです。「多く売ろうと心がけたことはありません!」とは徳渕さんの弁ですが、タダモノではないな~って思いました。
今の職場も一般企業より離職率が高いらしいのです。月に一度発表されるシフト表だが、急なシフト変更依頼がしばしばある。彼女は断ることなくすべて引き受けていくうちにがんばりすぎてしまい、休日はずっと寝ているような日々もあったという。「私は何をしているのだろう。こんな毎日で良いのだろうか」と考えこんだ日も幾度となくあった。でも、彼女は明るく克服していったのです。
「新幹線ガール」を読み終えるころ、ちょうどワゴンが回ってきたのでコーヒーを頼もうとパーサーを呼び止めたら本が目に入ったらしく、「あっ、先輩です!」とすこし誇らしげな同僚というパーサー。執筆者の徳渕さんは先輩らしいのです。本が出たことはまだ知らなかったようですが、徳渕さんのことを尊敬しているような眼差しが感じられました。先輩、後輩が気持ちよく仕事ができる職場っていいな~って感じました。
しばらくして、「ただいま定刻どおり、三河安城駅を通過しました・・・」という車内アナウンス。弱冠22歳という若い女性の仕事に対する姿勢は見習うものがあり、年齢や性別に拘ることなく、まだまだ、いろいろな人から教えられることが多いな~って再認識しました。間もなく「のぞみ73号」は名古屋駅の17番線ホームに到着し、その後ローカル線に乗り換え家路を急ぎました。
話題も、硬軟あってバラエティーに飛んでいて面白いと思います。
これからも続けて訪問させてもらいますので、よろしくお願いします。
ワゴンは、A車ワゴン(1~7号車のワゴン)、G車ワゴン(グリーンの8~10号車ワゴン)、B車ワゴン(11~16号車ワゴン)というように3グループに分けられているようですが、A車ワゴンがいちばんよく売れるらしいよ。
それは、自由席の車両があって停車駅ごとに乗客が入れ替わるため、販売チャンスが増えるらしいのです。それに、曜日とか時間帯によって売れるものが変わることを知っていることが、販売のノウハウの一つらしいのです。
新幹線のワゴン販売って、けっこう奥の深い仕事らしいよ。
それに、相手の良いことは、知らないうちに自分に取り入れているから、たいしたものですね。
どうしたら、そうなるの?教えて!