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小学校体育のとびらをひらく

体育の伝統的学習形式は、児童が楽しく集中できる方法です。授業方法になやんでいる先生方への応援ブログです。

技術の発達法則 ー小学生のてつぼう運動ー

2025-01-11 15:30:49 | 教育
  児童は、低い高さでは逆上がりができました。しかし高い鉄棒ではできませんでした。それが映像にあるように突然できるようになりました。「上達は、突然やって来る」のです。

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 以下は、サッカー少年団チーム保護者の感想文です
 拙著『「サッカールールの発見」-ルールに隠された秘密を探る歴史と発見の旅-』 福田純 悠光堂 2018年
 を読んだサッカー少年団チーム保護者の感想文です
 
   『 小学2年生保護者

 以前、サッカーの起源となったイギリスのお祭りを特集したテレビ番組を見たことがあったので、様々な試行錯誤の末に変遷していったルールについて、大変興味深く読ませていただくことができました。
 また、「上達は、突然やって来る」というコラムは目から鱗でした。思い返せば、自転車も逆上がりも、ある日突然できるようになっていました。今はなかなか成果が出ないことでも、長い目で見守り、努力の継続を褒めてあげたいと思います。
  ただ、すこし小学生には難しい内容に思うので、息子が中高生になった時に紹介したい一冊です。
このような機会をいただき、どうもありがとうございました。』

 『今はなかなか成果が出ないことでも、長い目で見守り、努力の継続を褒めてあげたいと思います。』

 このような気持ちを保護者の方々と共有できたことに感謝したいと思います。

 「努力すれば少しずつ上達する」考え方は、挫折の原因になると考えます。  「進歩はなくとも力を蓄えている」「突然できるようになる(階段状に進歩する)」と考えた方が、現実に即した挫折しない方法のようです。 

         『 上達は、突然やって来る

 小学生数人と毎朝サッカーの練習ができる機会があり、拙いながらクーバー練習方法 を試してみました。クーバーのフェイントを練習してミニゲームをするという簡素な形式でした。小学校二,三,四年まで練習でフェイントの形はできたものの、ゲームの中では全く使えませんでした。ところが四年生の終わり頃に突然シザース、ダブルシザース等クーバーのフェイントがミニゲームの中で使える児童が現れました。大学の心理学で習った、発達は坂状でなく階段状に現れるを実感した出来事でした。二,三,四年の間に進歩はなくとも力を蓄え(心理学用語にあるプラトーの時代)、四年の終わりに練習の成果が開花したのです。「練習でできる」と「ゲームで使いこなせる」には大差があります。
 「努力すれば少しずつ上達する」考え方は、挫折の原因になると考えます。「進歩はなくとも力を蓄えている」「突然できるようになる(階段状に進歩する)」と考えた方が、現実に即した挫折しない方法のようです。』
                             (注)
      参考になれば幸いです。

         

              (注)(参照、引用文献)   「サッカールールの発見」-ルールに隠された秘密を探る歴史と発見の旅- p57 福田純 悠光堂 2018年

ハードル走の学年別発達の研究 

2024-12-09 10:47:28 | 教育
  (1)「ハードル走」教材を使って、1年から6年までの児童を「同一の方法」で指導したことがあります。(注1)

       (注1) [実践研究] ハードル走の学年別発達の研究
                 ー1年から6年までの児童を「同一の方法」で指導した実践研究ー 」 
                 「体育科教育学研究」日本体育科教育学会第16巻第2号1999年11月p27


  (2)低学年の意欲の高さ、「もっととびたい、もっととびたい」に驚かされました。ハードルの質、高さを工夫すれば低学年の方が指導しやすいと感じました。

  (3)高学年は身体能力は高いですが、「怖さ」がましてくる感じがしました。難しいことは高学年になってからという常識は、ハードル走に関しては少しちがうなと思いました。

  (4)身体能力の発達と意欲の高さがちょうど良く合わさったのが三年生でした。このことを「三年生の発見」と表現しました。

  (5)専科で空いた時間を利用して他学年の授業を受け持たせていただきました。児童へのアンケートは、全面的に担任の先生にお任せしました。
 他学年の先生方のご協力なしにはできない実践研究でした。感謝の気持ちしかありません。またそれだけのゆとりが学校にあったということでしょう。

  (6)論文が掲載されたときは、ハードル走教材は四年生以上からでした。この後しばらくしてから、三年生もハードル走教材を行うことになりました。
 論文の中で、三年生の優秀さを取り上げていた筆者は、「やっぱり」と感じ、少しは決定に貢献できたかな思いました。

       「三年生からはじめるハ-ドル走」は、伝統的教育技術になるでしょう。 
                               (注2)


          (注2)(参照)当ブログ 前掲

              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その1)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その2)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その3)ー」
              『表現活動としての 「ハードル走」』





 
 

ハードル走技術の発達の歴史を追体験する学習過程 

2024-11-30 08:15:14 | 教育
 ハードル走技術の発達の歴史は、以下のように考えています。

  ①ハードル走の歴史において、はじめのころはとび越すごとにスピードが落ちてしまいました、

  ②スピードが落ちないように、ふみ切り足を後ろにながしてとび越す方法が考え出されました(カモシカとび)。けれどこの方法は、足をハードルに引っかけやすいという欠点がありました。

  ③この欠点をなおしたとび越し方が、ふみ切り足をすばやくからだの前方へ持ってくる方法でした(オリンピックとび)。
 
 ハードル走技術の発達の歴史を「追体験」する練習過程を考えました。(注1)
 筆者の創案ですが、伝統的教育技術になると考えています。

           (注1)(参照)当ブログ 前掲

              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その1)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その2)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その3)ー」
              『表現活動としての 「ハードル走」』



 またこのブログでもしばしば言及していますが、サッカー・ルールの発達の歴史を「追体験」する学習過程も考えました。(注2)
 
          (参照)   福田純 
                  「サッカールールの発見」
                           悠光堂 2018年  

 ルールや技術の歴史を「追体験」する学習は、サッカ-ルールの理解を深め、ハードル走の技術理解を深めます。 
 歴史の「追体験」は、有効な学習方法と考えます。

 何かのお役にたてば幸いです。




逆上がり できた

2024-11-23 11:46:00 | 教育
 
 当ブログ 2024年9月7日
  『「努力できる」は、才能のひとつ ー逆上がり練習ー』
で、手にマメをつくりながら「逆上がり」の練習をする児童を紹介しました。 




 その児童の親が、「逆上がり」ができたことをつい先日連絡してきました。
 達成感や自己肯定感は素晴らしかったに違いありません。



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 観察では、てつぼうのわずかな高さのちがいで、できたりできなかったりしています。高さのちがいが、できる、できないに影響する児童がいることが分かりました。
 児童の弟は三才ですが、そのハチャメチャぶりが笑えます。また下の子は、上の子を手本にしてすぐに上手になるのだろうと想像できます。

  何かのお役にたてば幸いです。 


















「オリンピックとび」 「カモシカとび」

2024-11-16 09:35:06 | 教育
 小学生のハードル走で、ふみ切り足を後ろにながしてハードルをとび越す方法を「カモシカとび」、ふみ切り足をからだの前方へすぐ引き寄せてとび越す方法を「オリンピックとび」と仮に言い表します。
 小学生は、この両者を区別できないことが多いのが観察できます。前半は「オリンピックとび」でとび越し、後半は「カモシカとび」でとび越すような児童もいます。「オリンピックとび」が正しいとび越し方で、「カモシカとび」はハードルを足に引っかけやすいとび越し方なのは周知の通りです。
  区別できないことが多いのであれば、練習過程の中にこの両者を比較できるようにすれば良いと考えました。
 練習過程の中でこの両者をとばせて比較させるのは、筆者の創作ですが、伝統的教育技術になると考えています。 (注1)

         (注)(参照)当ブログ 前掲

              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その1)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その2)ー」
              「3年生の発見 ーハードル走の学年別発達の研究(その3)ー」
              『表現活動としての 「ハードル走」』