シュタイナースクールいずみの学校のブログ

北海道伊達市でシュタイナー教育を実践している
シュタイナースクールの最近の様子をお伝えします。

7年キャンプ

2007年06月16日 | 教師の日記
6月13日から2泊3日で、7年生はキャンプに出かけました。11人の生徒は、3つのテントと2泊3日分の食糧をもって、出発。ちょっと後ろに体重がかかると、後ろに倒れそうになるくらい重たいバックパックをしょって、電車に乗り、豊浦に移動。キャンプ地の海岸まで歩き、海水浴を楽しむ。
2日目、消防署まで歩いて、今度はロッククライミングの練習。命綱の結び方を真剣に練習し、Mr.ニュートンがみんなの命綱のための金具をかけに登る。もう少しでてっぺんに手が届くころ「うー!」という低い声。見ている方も力が入る。この日のために練習し、3m落ちたという彼の手と足に力が入る。暫くじっと動かず、力をためると、勢いよく一番上のでっぱりに金具を入れた。拍手がおこる。いよいよみんなの番だ。いざ、挑戦!まずは担任から。登る、登る。手が震える。もうだめだー。と思ったが、怖くて壁を掴んだ手を離せない。下を見たら、今度は足がすくむ。子ども達から、「先生、いけー!はなせー!」の声。よし!思い切って手を離すとふわっと宙に浮いた。気持ちよい!ゆっくりとロープでおりてくる。命綱をしっかりもっていてくれたMr.デイリーに心から感謝。格好悪い担任の姿に勇気をえたのか?、次々と子ども達も挑戦。なんと軽やかなこと!みんなひょいひょいと登っていく。でも、さすがに壁が斜めになる、4-5m付近からは、ひとつ上のでっぱりを掴む手に力が入っている。ある子は、体をねじり、またある子は行った道を引き返し、また別の道で登り、ある子は、てっぺんまで行ってVサインをだす。一人一人が勇気をもって出す、一歩、ひとつ上を掴む手、その姿は本当に美しく、力強かった。全員が登り終わると、登る前は、1泊のキャンプの後で少し疲れた表情だった彼らの顔に、やった!というすっきりとした笑顔があった。小雨の中、キャンプ地に戻る。戻ると言ってもそう簡単には、戻れない。実は、キャンプ地の手前には大きな岩と、よせる波があるのだ。そして、その日は大潮。満ちていた。首までくる海水。服のまま歩いて渡る。ある子は、まず自分が渡り、戻って、友達の荷物を運んでやる。流されないよう、Mr.ニュートンとMr.デイリーがしっかりと手をとって渡る。冷たい。走ってたき火の前に。火をおこすのが得意な子が3つもたき火を焚いて待っていてくれる。Tシャツもズボンもすっかり濡れた。着替えたり、火のそばで濡れた靴を乾かしたり。次は夕食作りだ。メニューはシチューとご飯。野菜を切る子、ひたすら火を焚く子、横であーだこーだ言って、友達を笑わせている子、絶対タマネギは炒めなきゃおいしくない、と言って小鍋で炒める子、じゃりだらけになったじゃがいもを海水で洗ってひとつづつ鍋に入れる子、誰かが持って来た泥付きのじゃがいもを見て、水道のないキャンプ地なんだから家で洗ってこーい!と言って怒っている子。あまったタマネギとじゃがいもを焚き火で焼いてうれしそうにしている子、それぞれがそれぞれに働いて、やっとできた夕食。「腹へったー。」「あったかくておいしー。」「この前のカレーよりはうまくできた。」「おかわりしていい?」至福の時。
3日目。真っ黒に日焼けして帰ってきた11人。借りたテントをしっかりとたたみ直して、握手で解散。家に帰って、寝たのだろうか?3日ぶりの味噌汁でも飲んだのだろうか?あーだこーだとキャンプ批判でもしているのかな?家に着いてからの温かいお風呂、温かいご飯、温かく迎えてくれる家族、私にとってはどれも本当にありがたくて、「あーなんて幸せなんだろう。」と一人叫んでいました。そんなことをしているのは私だけ?いやいや、みんなもきっと感じたよね。
さて、次のサバイバルキャンプはどんなものになるか、お楽しみ!
はやしれい

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1 コメント

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楽しそー (daisukey)
2007-06-20 23:02:15
こういった経験が積み重なってどんなふうに彼らの価値観をつくっていくのか、大変興味あります。
ちなみにうちの娘は、いつもの通り、何もなかったようにすずしい顔で帰って来ました。

いつもどうもありがとうございます。
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