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ミケマル的 本の虫な日々

『エゴイスト』


 『エゴイスト』 高山真



 映画化されて、ネットで好評だというのを見て、原作を読んでみたくなりました。
映画の写真とかインタビュー映像などを知らず知らずのうちに沢山見たのか、夢に鈴木亮平さんが出てきたりしたし(笑)

 これはエッセイスト高山さんの自伝的小説です。
地方での思春期に同性愛者だと気づいた自分や同級生との葛藤の描写が苦しくて、現実の厳しい環境をリアルに書いています。
そして母と父との関係も。
彼は大学進学で東京に出ることで、その苦しい環境からはある意味解放される。
都会には彼を受け入れる場所と人がいて、自分が異物でないと感じることができたのだけれど。
そして、宮沢氷魚演じる龍太と出会うのでした。

 結末はなんとも言えない悲しみや苦しさやその中の優しさ。
そして、実は作者の高山さんも2020年に亡くなっているという事。
その高山さんがフィギュアスケートの大ファンで羽生くんのことを書いた本もあったこと(この本は知ってましたが、著者が高山さんだったのですね)
色々なことを知ると、ますますしみじみとしてしまいました。

 男性同士の恋愛を美しく描くBLの世界が認知されてきている今ですが、当事者の方々は今どう思っているのかなという思いも。
時代とともに色々な人たちがそれぞれの生きやすい世界になったらいいなという思いを強くしました。
鈴木亮平さんが「あとがき」を書いていて、そのあとがきもとてもいいです。
それにしても、まだ映画見ていないのに鈴木亮平さんはなぜ夢に出てきたのかな〜?
もっと出てきてもいいんですが(笑)



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