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ミケマル的 本の虫な日々

『水を縫う』


 昨日のスタバ読書で読了できなかった『水を縫う』寺地はるな著
今日読了しました。


 高校生の清澄くんのお話から始まるのですが、清澄くんのお姉さん、お母さん、お祖母さん、離婚したので一緒に暮らしていないお父さん、そしてそのお父さんの親友のそれぞれの人生と気持ちを描いています。
その底辺に流れているのは、男だから女だからという固定観念への気づく気づかないに限らず縛られてしまっている気持ち。
清澄くんが刺繍が好きで情熱を感じているっていうところから、少しずつそういう固定観念が表面化して、それぞれが自分を見つめ直すようなお話でした。

 しかし、考えてみれば刺繍は女の人がするもの、服は女の人が造るものっていうこと自体、プロを見れば全く違うってわかるんだけど。
性別や年齢によって規定されてしまったり、人の目を気にしたりして好きなことをできないことが一番嫌だと思う人もいれば、そう思わない人もいるんだろうなと思います。
私も若い頃は気がつかなかったこともあったけど、女だからこれはダメとか男だからこれはダメというのは無いなと思って生きてきました。
しかし、やっぱり年齢や性別や人の目から本当に自由になったのは、ある程度年齢が行ってからかなと思う。
なので、歳を重ねた今の方が自由に生きられるなと思うし、この小説の登場人物の皆さんのそれぞれの思いも分かることも多かった。

 終わり方はとても清々しく、別れたお父さんとそのお友達の関係もいいなと思ったし、皆さんに幸あれと思って読み終えました。
と思ったら、第9回河合隼雄物語賞受賞作だそうです。
分かるわ〜と思いました。





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