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ミケマル的 本の虫な日々

『ねじまき鳥クロニクル』第1部 感想


 村上春樹再読
『ねじまき鳥クロニクル』第1部 泥棒かささぎ編
昨日はあらすじを書いただけで終わってしまった。。。

 この1部は主人公の僕が失業してから主夫的生活をしていて、飼っていた猫がいなくなってしまうところからお話が始まります。
この猫はお話の中で長い間行方がわからないのだけれど、このお話の中で重要な要素の一つです。
この猫は僕とクミコが結婚してすぐに拾った猫ちゃん。
なんか感じが似てるってことでワタヤノボルって名前をつけてる。
クミコの兄の綿谷ノボルなんです。
後に憎む相手として存在する綿谷ノボルの名前を猫につけるってどうなんだろう?
って思ったけど、その時点ではそれほどの感情がなかったのかしら。

 名前はとにかく、クミコにとっては二人で結婚した事の象徴のような気がしていたのかなと思います。
僕は小さい時から猫と暮らしていたけど、クミコは母が猫嫌いだったので猫を飼えなかったので、初めて飼った猫でもあったし。
その猫が帰ってこなくなってしまったことで、クミコはとても動揺してしまう。
僕とクミコの間の違和感がそれをきっかけに広がっていくように僕は思うのだけれど、実はもっと前からあったのものにやっと気がついたのかもと思われました。

 クミコとなんとなくギクシャクしてしまう。
そして、だんだんクミコの帰ってくる時間が遅くなる。
僕はクミコとの関係について改めて色々と考えるのでした。

<僕> 結婚してから6年間、クミコの中の僕の知らない世界があって見えるものはほんの一部なんじゃないか?
<私のツッコミ> そりゃ当然でしょう(笑)
6年間の結婚生活くらいで知らない世界があるのでは?なんて思う方がおかしい。

<僕> 人が人を十分に理解するのは果たして可能なのか。その人の本当に大事なことを知っているのか?
<私のツッコミ> 十分に人を理解することは気持ちを読む能力がない限り無理でしょうし、それを望むこと自体が違うのでは?
少なくとも私は自分が一番大切にしているものはその時々で変わるものだと思うし、人は自分でもそれを探しているんじゃないのかしら。なので、家族にそれを知ってもらいたいとは思わないな〜。
自分の中の世界は自分のもので人に入って欲しくない。たとえ家族でもパートナーでも。
なので、僕のこの疑惑は的外れな気がするのでした。

 ただ、今まで思っていたクミコとだんだん変わってきていることへの戸惑いがあるだろうと思います。
まだ結婚して6年だからこそ、そして若いからこそ、理解してると思ってたのに違ってたのか?ということなのかもしれません。
それでいて、僕は無理に聞こうとしないし、喧嘩も回避して思いやっている。
そうやって僕は冷静に判断しようと努力しているのだけど、それでうまくいかないのが人間同士なんですね。
クミコさんが何をどう思ってるかは読む方もわからないのですが、何か複雑なものを抱えている様子が伝わってきます。

 この本は色々な人がどんどん出てきて色々な事を言うし、それがいちいち謎だし興味を引かれるので、読んでいくうちに色々な方向に気持ちが向いてしまいます。
でも、第1部の第一の中心は僕とクミコの関係の変化。
そして、その出発点に猫がいる。

第二にはその猫の名前が「ワタヤノボル」であるいこと。
そしてワタヤノボルはクミコの兄の綿谷ノボルからきていること。
その綿谷ノボルはめちゃくちゃ鼻持ちならない人で僕は嫌いというよりは憎んでいること。

 その二つが主題だと思うのだけれど、色々な伏線があって、それがどうなるのかが全て気になるのでした(笑)
一番インパクトがある間宮中尉(間宮徳太郎)と本田さんの戦争中の話。
なんでこれが急に出てきたのか?
どう関係してくるのか?

 わざわざ間宮中尉が持ってきてくれた本田さんのかたみの箱には何も入っていなかった!というところでこの章は終わります。
この終わり方が絶妙です。
なんだなんだ⁉️ってところで終わる。
そしてみんな第2章を読まずにはおられないのだった。
第2章もますます色々と大変です。



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