ミケマル的 本の虫な日々

『赤いモレスキンの女』 





『赤いモレスキンの女』
アントワーヌ・ロラーン 吉田洋之訳

 フランスの小説はちょっと暗くて難解なイメージが勝手にあります。
でも、この小説はそのどちらでもなくて、読みやすくて素敵なお話でした。
最近パリのドラマやYouTubeを見ているので、ちょっと親しみを感じたのもあるかもしれません。

 モレスキンは有名な手帳。
フランスで2世紀近く前からあったものらしいです。
ゴッホ、ピカソ、ヘミングウェイなども愛用してたとか。

女性がひったくられたバッグの中に入っていた赤いモレスキンの手帳。
バッグとその手帳からちょっとした推理小説のような筋書きになるのですが、この本でも書店主が出てきます。
 村上春樹訳のジョン・グリシャムの『グレート・ギャツビーを追え』からの書店主続き?(笑)

 とても洒落ていて、主人公の二人に静かに共感したり、フランスの恋愛事情をちょっと垣間見たように思ったり、とても良い小説でした。
また、一昨日の記事でも書きましたが、この本の装丁がとても素敵で、使われている紙もちょっと厚くてとても触り心地が良くて、内容と紙がマッチしているので、読んでいてとても心地よかったです。

 このお話の中で、急に部屋に他人が入ってくるという所があります。
仕方のないシチュエーションではあるけれど、自分を鑑みると家に急に他人が入ってきても綺麗になってるって凄いな!と関係ない所で感心してしまいました(笑)
 二人で旅行に行く時には、もし何かあったら家に誰か入ってくるかもと、ちょっと綺麗にしとかなきゃと思うのですが、日頃からの心がけが大切だなと変なところで反省しました😅

 さて、このお話に出てくるパトリック・モディアノはこの本が出た後にノーベル賞を受賞されたそうです。読んだことがないので、難解でなければ読んでみたいなと思いました。
また、著者の前作『ミッテランの帽子』も訳者おすすめ。
ミッテランの帽子ってなんだろう?とこの作家の題名は謎めいていて読みたいなと思わせてくれます。

 モレスキンの手帳は高級な感じで使ったことないのですが、今度手帳売り場にあったら手に取ってみようかなと思います。


 





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