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ミケマル的 本の虫な日々

5月に読んだ本(1)「パールストリートのクレイジー女たち」他

 やっと朝晩肌寒いのがなくなってきたな~~などと思ってたら、もう梅雨入りしちゃったらしい(北九州・山口地方)

本の整理している間の3月と4月は1か月に2冊しか本読んでなかったようで(読書アプリのビブリアで月ごとのグラフが出てくるわけ)、本を処分している間は読む気がしなかったんだろうなと改めて思ったところです。

 やっとひと段落して5月は読書月間に。
まずは翻訳本2冊






 近々で読了したのは、「パールストリートのクレイジー女たち」トレヴェ二アン著 江國香織訳

もうすぐ閉店するという京都駅の三省堂で見つけた本です。
京都駅の三省堂ではいろいろな本が紹介されていて、どれも面白そうでした。いいお店なのに閉店してしまうのは残念だなと思って帰ってきました。
ネットで本が買えるようになった今でも、本屋さんで本を探す醍醐味はまったく違うものだし、特色ある紹介や品ぞろえの本屋さんに行くと幸せをもらえる気がするので、そんな本屋さんの閉店が増えているような昨今が寂しいです。

 
それはさておいて、この本はたぶん著者の自伝的小説だと思うのだけど、トレヴェ二アンという方を全く知りませんでした。
謎の多い作家のようだけど、この小説を読むだけで波乱万丈の生涯が想像されます。
主人公が世界大恐慌の時代にニューヨーク州オールバニーに引っ越し、そこで過ごした少年時代を語るという形式で書かれています。

 スラムとまでは行かないけど、貧しい人たちが暮らすブロックで母と妹とのぎりぎりの生活を生き抜くという話と書いてしまえば平凡な感じになってしまうけど、聡明で時に残酷な語り口で語られる少年の物語が、当時の時代をまざまざと思い浮かべることができて、最後まで引き付けられて読み終わりました。

 著者の文才もさることながら、江國香織さんの訳も素晴らしいのだと思います。
翻訳の小説は訳者によって物語の感じが変ったりということがあると思うのだけど、江國さんのこの本への愛情がこの何とも言えないその時代の空気のようなものが伝わるように訳をされたのではと思いました。

 「パールストリートのクレイジー女たち」という題名は女性たちが主役なのかしら?と思ったけど、主役は少年です。
でも少年の思い出の中に鮮明に出てくるのは、きっと母をはじめとする、個性が強い(強くならざるを得ない)女性たちだったんだなと読後に思い当たるのでした。

 読み終わった時に一本の心に響く映画を見たような気持ちになる小説って感じと言ったらいいのかな。
この謎多き著者についてもっと知りたいと思いました。

 

翻訳本のもう一冊は「オレンジ・イズ・ニューブラック 女子刑務所での13か月」パイパー・カーマン著 村井理子・安達真弓訳

訳者の一人である村井さんが以前訳された「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」を読んだ後、ツイッターをフォローして、この本も面白そうと思ってネットで買いました。

 実は村井さんはこの本を訳している途中で以前からの心臓病が悪化して入院手術(成功して今はお元気になられましたが)ということになり、急遽安達さんが続きを翻訳されたという経緯になったのですが。この心臓病での入院手術の顛末や飼っているレトリバーのお話などを書いたブログがまた秀逸です。

 さて、この本はまた一つのアメリカの側面をリアルに描いたもので、文字通り主人公の女性が刑務所に13か月入ったいきさつとその生活がドキュメントとして描かれています。オレンジというのは、この刑務所のユニフォームがオレンジ色ということなんだけど、ニュー・ブラックってなんだ?と思ったら、流行色ってことだったのね。

 こちらも刑務所の中でサバイバルしていくお話。でも、日本の刑務所とはまったく違うのではと思われる感じの刑務生活で、なかなか興味深いものもあり、思ったよりも深刻な話ではありませんでした。もちろんとっても大変な環境だけど、シューシャンク的では無いって事かな。現代アメリカのかわいた感じというか。

 ドラマ化もされて大ヒットしたらしく、日本でも有料配信されているみたいで、ネットで見られるみたいです。


 ということで、この2冊の翻訳本を読んで思ったことは、サバイバルにはどんな知識でも無駄ではないってことと、やっぱり訳者って大切ってことでした。


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