ミケマル的 本の虫な日々

『サピエンス全史』上巻 第二部 農業革命


昨日『サピエンス全史』上巻の事を書いていたら、「第一部 認知革命」で終わってしまいました😅

 


 この一部のホモ・サピエンスがどうやって他の人類を凌駕し、色々な大陸で多くの動植物を絶滅させつつ世界に広がったかという部分に動揺したため、多くを書いてしまいました(笑)

 そして、第二部は農業革命です。

 人類は250万年の間、植物を採集し、動物を狩って食料にして暮らしてきた。
しかし、1万年前にいくつかの動植物種の生命を操作することに時間と労力をかけるようになったのです。トルコやイランで小麦を栽培しだし、ヤギを家畜化をした。そして、中東、中国、中央アメリカでそれぞれの地でそれぞれの植物を栽培しだし、家畜化を行うようになった。

 以前は農耕が始まったことは人類の幸福につながったとされていたけれど、果たしてそうだったのか?という疑問を投げかけています。
 小麦や稲を栽培するために、狩猟採集よりも膨大な時間が必要になり、天候や害虫や草取りに苦慮し、単一の作物に頼る生活はより良いか?、幸せになったか?というとそうではなかったと論じています。

 むしろ小麦や稲などの植物の繁栄のために人類が協力したという見方も❗️

 それに対して、家畜化された動物は自由な生活を奪われて人間の操作によって自然な命を全うできず、子どもは取り上げられ、無理やり狭いところに入れられ、散々な結果になったという。。。

 しかし、農耕によって定住したことにより人口が増えたため、その人口を維持するためには、さらに食糧を生産しなくてはいけなくなるという状態になった。

人口が増えると集団が大きくなり、想像上の秩序、神話ができ、そこから逃れられなくなっていったということ。

 
〈書記体系(文字)の発明〉
 
 そして、多くの人々が暮らし、社会秩序が必要になると、口伝で全てを記録することはできなくなってきたため、書記体系を持って記録する必要が出てきた。

 古代シュメール人がメソポタミアで数字と物を表す記号を使い出した。
アンデスではキープと言われる色のついた縄に結び目を作って記すやり方で記録した。
そして古代インドで現在私たちが使っているアラビア数字が発明されたおかげで、数学が発展することができた。


〈想像上のヒエラルキーと差別〉

 社会が形成されると身分が生まれる→想像上のヒエラルキーができる→差別が起きる
という事がどの地域でも起きるし、それは全く公平でも自然でもないということは自明のようです。

そして、自分の住む社会の無意識の想像上のヒエラルキーはより公正で自然であると思い、他の社会や歴史上の社会のそれは不公正であると考えがちだが、それは客観性を欠くわけで、どんな社会にも想像上のヒエラルキーと差別は多かれ少なかれ存在する。というように書かれているように思います。

 これって、本当にそうですね。
ハンムラビ法典の上層自由人、一般自由人、奴隷という区別、インドのカースト制度、アメリカにおける人種差別、男女の差別など、どれがより不公正であるかは、自分がどこに位置しているかによって判断してしまう。
これは、すべて想像上のヒエラルキーがもとになっているからなのかなと思いました。

 これから逃れることは、なかなか難しいけれど、自分で判断できる基準を持つしかないのかと。


〈貨幣が作られ、最強の征服者に〉

 物々交換の限界から、貝殻などを塩など色々なものを貨幣として使っていた時代を経て、貴金属を使った硬貨が作られ、その後紙幣が作られ、世界中の人類がその想像上の価値に基づいて同じように使うようになった。
 貨幣が世界を征服したということに。


〈統一に向かう世界〉
 地域に根差した文化はその地域で発展していくという考えがあるが、地域の純正な文化というものはもはや存在せず、世界の統一の価値観、文化に統合される方向に向かっているとしています。

 グローバル化と言われている現代の前から、世界は統一に向かっている?
大航海時代の前にはアフロ・ユーラシア世界以外に4つの世界があった
(オーストラリア世界、オセアニア世界、メソアメリカ世界、アンデス世界)
ところが、300年間にアフロ・ユーラシア世界が他の世界を飲み込んで1つになった。

 大帝国を築いた帝国のビジョンとは
①異なる文化的アイデンティティと領土を持った民族を多く支配する
②変更可能な教会と潜在的に無尽の欲を持つ
 (支配した民族をゆっくり同化する)

帝国主義と呼ばれ今では悪とされている概念だけれど、2500年間人類のほとんどは帝国内で生きてきた。
そして、世界は新しいグローバル帝国に向かっていると言える?
 人類を擁護して全人類の利益を守る事が政治の指針であるべきではないかと。

 そして、下巻に続く。。。

 あ〜〜、また長くなってしまいました😅
この本は著者が人類の歴史を今までとは違う視点で描いています。
私は世界史については少ない古い知識しか持っていないので、この本の元となる歴史の資料が今では常識なのかどうかが分からないのですが、私にとっては色々な事が意外で、新しくて、とても楽しんで読めました。

 下巻は今日買ってきたので、また楽しんで読もうと思います🤗

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事